【Steam/Switch】『アキハバラ リズム アンド リミックス』を遊んだ感想&レビュー
『アキハバラ リズム アンド リミックス』を購入しました。

e-shopをだら~っと見ていたら目に入ったので買いました。秋葉原テーマというのも気になった所ではあるのですが、ストアのゲーム画面がどう見ても『ルミネス』だったので半ば検証がてらの購入です。
メジャー所の名作と似ているけど面白い作品というのもインディーには結構あるので、本作もそういうタイプかもと期待してました。『マリオストーリー』にそっくりな『バグ・フェイブルズ』とか。
それで本作の感想ですが…今回は少々辛口な評価となってしまいました。システムやゲームルールがかなり残念でして、e-shopに返金機能があったら考えてたレベル。

本作には「アキハバラ(10曲)」「ミッドナイト・ミックス(5曲)」「エレクトリック・シンフォニー(10曲)」の3アルバムが収録されています。最初はキャンペーンというプレイリスト形式で曲が切り替わっていくモードしか遊べず、キャンペーンで遊んだ事のある曲がシングルで1曲ずつ選べるようになる仕様。
曲が流れている間に10×6のフィールドへブロックを落としていって塊を作って(◁▷:左右移動/△:左右反転/▽:急落下)・Aボタンでビートを刻むことで塊になったブロックを消していきます。一定個数繋がったブロックは半透明になりますがそれだけでは消えてくれず、BGMに合わせて動くバーが重なった時にAボタンを押すことで縦一列の半透明ブロックが一斉に消滅します。
既に半透明になった塊に同じブロックを新しくくっつけるとそれも半透明に。消せるようになってもすぐには消さずに塊を大きくしてから纏めて消す方がスコアを稼げるという所には独自性が無くもないです。
間髪入れずに列を消していくとコンボ数が増えて獲得スコアにも倍率がかかるので、縦方向よりも横方向に繋ぐことを意識した方が良さげ。落ちてくるブロックはスキンに関わらず4種類固定。
Aボタンを押した時の判定はBAD!<GOOD!<PARFECT!の3段階評価。BAD!は所謂ミスでブロックは消えてくれるもののスコアが僅かしか貰えない上にスコア倍率も増えない・スーパータイルのゲージも溜まらない等ペナルティが重めで、ほぼ同じ数のブロックを消した場合でも6列全部PARFECT!とBAD!では5倍ほどのスコア差が発生します。
フィールド横にあるゲージをMAXまで溜めた状態でXボタンを押すと、設置地点の3×3のブロックを消すスーパータイルを使用できます。いわばピンチ打開用のスペシャルアイテムです。
キャンペーンでは3分ごとにスキンが切り替わって曲と背景とブロックの見た目が変わり、ブロックの落ちるスピードやバーの動く速度も曲のBPMに合わせて変化します。スコアとフィールドの状況はスキンが変わっても引き継ぎ。
設定でブロックが消せるようになる数をノーマル(4個)/ハード(5個)で変更可。ゲーム内実績にはハードモード指定でどうこうする物アリ。
こんな感じのゲームですが、Switch版ストアページの説明によると「音ゲーとパズルを融合した初めてのゲーム」との事。※メーカーというか多分日本語版パブリッシャーによる説明です。
かなり強気なこと言うじゃんと思ってしまうこの売り文句、私が知っているものだけでも『ルミネス』(1作目が2004年発売)の方が先やんけ!とツッコミたくなってしまいます。自分でビートを刻む系でも『マジカルビート』(2012年発売)があるので紛うことなき嘘というか誇張ですね…。
しかも、本作は明らかにルミネスを意識しているデザインとシステムなので知らずに偶然似てしまった可能性というのも10割中10割無いでしょう。下に載せているのが『ルミネス リマスター』のゲーム画面なのですが、ここまで似せているのに上のような売り文句を堂々と載せられる自体パク…インスピレーション元に対するリスペクトが欠けているように受け取れます。
その一方で収録BGMや細かいルールなど異なる所も少なからずあって、ビッグマウスな売り文句はともかくゲーム性に関してはオリジナリティが無いわけでもないのでギリギリセーフの範疇ではあると個人的には思います。落ちてくるブロックが2個1セットになっていたり、くっつけたブロックは自分で消さないといけない所とかは違う点ですね。
まあそのオリジナルの部分が面白くないのが大問題なのですが…。シンプルすぎる落ち物パズルに音ゲーと表現するのも微妙な目押し要素を表面的にくっつけただけなので楽しさは見出せず、ダメゲーに両足を突っ込んでヒザまで浸かっていたというのがストレートな感想です。
まずはパズル部分の問題について。落ち物パズルとしての体裁は何とか整っているものの、とにかく見づらい・やりにくいという所が大幅なマイナス。
落ちてくるブロックをすぐには区別しにくいスキンが多いせいでポンポンと落としていくのも難しく、そこだけでもう爽快感が損なわれてしまっています。形こそ変えてはいるものの色が全く同じだったり・形だけでなくグラデの方向を変えてはいても色使い自体は同じだったりで、忙しいゲームだから視認性を良くしようなどとは全く考えていないデザインです…。
それに加えて半透明になったブロックが見えにくくなるスキンも多いという二重苦。半透明になった塊に同じブロックを繋げると大きくできるという要素があるのにスキンによってはどのブロックが半透明になっているかが判別しにくくなってしまって、ふとフィールドを見た時にブロックが浮いてる!?と見間違えて思考停止するのにも繋がるので普通に厄介です。
操作面ではブロックの左右反転がやりにくいのが地味にキツいです。反転しようとする度に左手の親指を上に持っていかないといけないのが意外と面倒…。
反転に関してはオーソドックスにL&Rもしくは右手で押せるBでできるようにしてくれた方がありがたかったかと。Aボタンを押すだけの右手に対して左手が忙しすぎて死ぬ…。
次に音ゲーとしての問題点を挙げると、どのタイミングでボタンを押せばパーフェクトになるのかがパッと見でわかりにくい所が気になりました。遊び方には「ビートのテンポに合わせて消す」としか書いていませんが、正確にはバーがブロックの左端に来た時にAボタンを押す必要があります(初期設定の場合)。
私も最初はBAD!しか出せなくてアレ?と思い、設定が変なのかなと覗いてみて初めてボタンを押すタイミングを理解しました。設定にて判定の位置を「パーフェクトエッジ」と「パーフェクトミドル」の2種類で切り替えられるようになっていて、そこに描かれていた図でようやくわかった形です。
エッジだと単純に見にくいし・ちょっとでも早く押すと前列の方に判定を吸われるしでやりづらいことこの上ないです。ミドルを初期設定にしてくれた方がわかりやすさで言えば親切だったのでは?と思ってしまう所。
ただ、それ以上に音ゲーで本来なら存在してはいけない問題も存在していて、BGMと判定とが合っていないスキンがあるのが最悪すぎます。ノりにくいという段階にすら到達しておらず、リズムに合わせるとBADばかりになる音ゲーというのは前代未聞すぎます。
具体例を挙げると「JORNEY」「DRIVE」「H15」「H16」「THE NEON NIGHT」とアキハバラアルバムの後半の曲が全部ダメで、他のアルバムにもそういう曲がチラホラあるという惨状…。アキハバラアルバムの前半は大丈夫だったのにどうして。
演出面に関してもすこぶる残念で、ブロックを消してもカッ…カッ…と味気ない音が鳴るだけ。どの曲も同じ音な上に反転時の音をただ使い回しているだけで、シネスタシア効果もへったくれもないプレイフィールになってしまっていたのには流石にガッカリ。
ルミネスから影響を受けたのであれば曲だけでなく効果音にもこだわって欲しかったです。演奏している感ゼロで判定もおかしいとなるとただの目押しゲーでしかなく本気で楽しくありません。
片方の要素だけ見ても厳しいのに、追い討ちでパズルと音ゲーが中途半端にしか融合できていないのもまた厳しいポイント。ブロックを動かすフェーズはパズル・ブロックを消すフェーズはリズムゲーというシステムはルミネスよりも『東方スペルバブル』辺りに近いようにも感じるのですが、本作の場合は2つのフェーズが切り替わりながらではなく両方を同時にやらないといけないので物凄く疲れます。
パズルにだけ集中するとブロックが消えないのでフィールドが埋まっていくし、音ゲーに集中したくても容赦なくブロックが落ちてくるし…。同じ容器に入れた水と油のように分離しちゃっているような関係性で相乗効果で面白くなっているとかもなく、だからってお互いに煩わしさを感じる程度には存在感があるのでマルチタスク力の低い私にはもう無理でした。
強いて言うならブロックが消えるタイミングを自分で調節できるという面白くなりそうな所もあるにはあるのですが、実の所はパズルにも音ゲーにも集中できない残念な作品という感想。2ジャンルを同時にやらせるにしろ、忙しいぶん判定を緩くするかミスした時のペナルティがあまり重くないぐらいの温情は欲しかったです。
ちょっと色々言い過ぎちゃったのでいい所を挙げると、オリジナルのBGMが25曲収録されているというのは良点です。印象が似ていたりアレンジの関係に当たるものもかなりの数ありますが普通に聴ける曲ばかりで、曲数も定価を考えると豊富と言えるライン。

でもBGMを聴くだけのモードというのが無いので辛いゲームモードをプレイしながら聴かないといけないのが惜しい所。タイトルの縦棒がたくさん生えているアイコンがサウンドテストかも?と思ってチェックしたのですが統計でした…。
ちなみにアキバっぽい曲は総武線の駅アナウンスをサンプリングした「UDX」ぐらいで、それ以外にも秋葉原らしさというのは背景とかにちょっとある程度。個人的には電波ソング的なのが入っているのかと少し期待しましたがそういうのは無し。
収録曲が気になる方は公式サイトで試し聞きができるのでどうぞ(コチラとコチラ)。ただし「Cailies Theme」「Cailies Voyage」という曲は本作では遊べませんでした。
音ゲー要素とパズル要素のどちらもそこまで美味しくない上に、その混ぜ方が中途半端でダマだらけのまま焼いたホットケーキみたいな感じです。オリジナルBGMというシロップをかけても誤魔化しきれない不味さなのでオススメはしません。
純粋に音ゲー×パズルを楽しみたいのであれば、記事中にも出てきた『ルミネス リマスター』や『東方スペルバブル』など他の作品を勧めておきます。あとSteamストアページの説明文が他作品のものになっているのも気になった所だったり…。
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e-shopをだら~っと見ていたら目に入ったので買いました。秋葉原テーマというのも気になった所ではあるのですが、ストアのゲーム画面がどう見ても『ルミネス』だったので半ば検証がてらの購入です。
メジャー所の名作と似ているけど面白い作品というのもインディーには結構あるので、本作もそういうタイプかもと期待してました。『マリオストーリー』にそっくりな『バグ・フェイブルズ』とか。
それで本作の感想ですが…今回は少々辛口な評価となってしまいました。システムやゲームルールがかなり残念でして、e-shopに返金機能があったら考えてたレベル。
任天堂の公式オンラインストア。「アキハバラ リズム アンド リミックス ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
・タイトル:
アキハバラ リズム アンド リミックス
・発売元:
JMJ Interactive(Steam版) / Ninja Games Japan(Switch版)
・開発元:
Mårten Jonsson, JMJ Interactive
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:
-Steam版:820円(税込)
-Switch版:800円(税込)
・発売日:
-Steam版:2018年11月29日
-Switch版:2019年6月27日
・ジャンル:超高速パズル
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©JMJ Interactive. Licensed to and published by Ninja Games Japan Corp.
・公式サイト:
https://www.jm-j.com/akihabararemixed/
どういう人にオススメ?
・エレクトリックな音楽が好きな人!
良かった点
・全体的にルミネスに似てはいるが、ゲームシステムに独自性を感じる所が無くもない
・オリジナルのBGMが25曲収録されている
賛否両論?点
・バーの動きと判定タイミングが合っていない楽曲がかなりある
・ブロックを消した時の効果音があまりにも味気なさ過ぎる
・パズルと音楽ゲームのくっつき具合が微妙でとにかく疲れるゲーム性
・曲には秋葉原成分があんまり含まれていない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
アキハバラ リズム アンド リミックス
・発売元:
JMJ Interactive(Steam版) / Ninja Games Japan(Switch版)
・開発元:
Mårten Jonsson, JMJ Interactive
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:
-Steam版:820円(税込)
-Switch版:800円(税込)
・発売日:
-Steam版:2018年11月29日
-Switch版:2019年6月27日
・ジャンル:超高速パズル
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©JMJ Interactive. Licensed to and published by Ninja Games Japan Corp.
・公式サイト:
https://www.jm-j.com/akihabararemixed/
どういう人にオススメ?
・エレクトリックな音楽が好きな人!
良かった点
・全体的にルミネスに似てはいるが、ゲームシステムに独自性を感じる所が無くもない
・オリジナルのBGMが25曲収録されている
賛否両論?点
・バーの動きと判定タイミングが合っていない楽曲がかなりある
・ブロックを消した時の効果音があまりにも味気なさ過ぎる
・パズルと音楽ゲームのくっつき具合が微妙でとにかく疲れるゲーム性
・曲には秋葉原成分があんまり含まれていない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
音ゲーとパズルが融合…してない!

本作には「アキハバラ(10曲)」「ミッドナイト・ミックス(5曲)」「エレクトリック・シンフォニー(10曲)」の3アルバムが収録されています。最初はキャンペーンというプレイリスト形式で曲が切り替わっていくモードしか遊べず、キャンペーンで遊んだ事のある曲がシングルで1曲ずつ選べるようになる仕様。
曲が流れている間に10×6のフィールドへブロックを落としていって塊を作って(◁▷:左右移動/△:左右反転/▽:急落下)・Aボタンでビートを刻むことで塊になったブロックを消していきます。一定個数繋がったブロックは半透明になりますがそれだけでは消えてくれず、BGMに合わせて動くバーが重なった時にAボタンを押すことで縦一列の半透明ブロックが一斉に消滅します。
既に半透明になった塊に同じブロックを新しくくっつけるとそれも半透明に。消せるようになってもすぐには消さずに塊を大きくしてから纏めて消す方がスコアを稼げるという所には独自性が無くもないです。
間髪入れずに列を消していくとコンボ数が増えて獲得スコアにも倍率がかかるので、縦方向よりも横方向に繋ぐことを意識した方が良さげ。落ちてくるブロックはスキンに関わらず4種類固定。
Aボタンを押した時の判定はBAD!<GOOD!<PARFECT!の3段階評価。BAD!は所謂ミスでブロックは消えてくれるもののスコアが僅かしか貰えない上にスコア倍率も増えない・スーパータイルのゲージも溜まらない等ペナルティが重めで、ほぼ同じ数のブロックを消した場合でも6列全部PARFECT!とBAD!では5倍ほどのスコア差が発生します。
フィールド横にあるゲージをMAXまで溜めた状態でXボタンを押すと、設置地点の3×3のブロックを消すスーパータイルを使用できます。いわばピンチ打開用のスペシャルアイテムです。
キャンペーンでは3分ごとにスキンが切り替わって曲と背景とブロックの見た目が変わり、ブロックの落ちるスピードやバーの動く速度も曲のBPMに合わせて変化します。スコアとフィールドの状況はスキンが変わっても引き継ぎ。
設定でブロックが消せるようになる数をノーマル(4個)/ハード(5個)で変更可。ゲーム内実績にはハードモード指定でどうこうする物アリ。
こんな感じのゲームですが、Switch版ストアページの説明によると「音ゲーとパズルを融合した初めてのゲーム」との事。※メーカーというか多分日本語版パブリッシャーによる説明です。
かなり強気なこと言うじゃんと思ってしまうこの売り文句、私が知っているものだけでも『ルミネス』(1作目が2004年発売)の方が先やんけ!とツッコミたくなってしまいます。自分でビートを刻む系でも『マジカルビート』(2012年発売)があるので紛うことなき嘘というか誇張ですね…。
しかも、本作は明らかにルミネスを意識しているデザインとシステムなので知らずに偶然似てしまった可能性というのも10割中10割無いでしょう。下に載せているのが『ルミネス リマスター』のゲーム画面なのですが、ここまで似せているのに上のような売り文句を堂々と載せられる自体パク…インスピレーション元に対するリスペクトが欠けているように受け取れます。
BGMに合わせて左から右に動くバー、下端っこの曲名表示(配置が逆にはなっているけど)、キャンペーンモードのプレイ中にスキンが切り替わっていく仕様など、共通点は実際かなり多いです。スキンとBGMがセットになっている所とかも同じですし。© ENHANCE 2018 © Resonair / BANDAI / BNEI
その一方で収録BGMや細かいルールなど異なる所も少なからずあって、ビッグマウスな売り文句はともかくゲーム性に関してはオリジナリティが無いわけでもないのでギリギリセーフの範疇ではあると個人的には思います。落ちてくるブロックが2個1セットになっていたり、くっつけたブロックは自分で消さないといけない所とかは違う点ですね。
まあそのオリジナルの部分が面白くないのが大問題なのですが…。シンプルすぎる落ち物パズルに音ゲーと表現するのも微妙な目押し要素を表面的にくっつけただけなので楽しさは見出せず、ダメゲーに両足を突っ込んでヒザまで浸かっていたというのがストレートな感想です。
まずはパズル部分の問題について。落ち物パズルとしての体裁は何とか整っているものの、とにかく見づらい・やりにくいという所が大幅なマイナス。
落ちてくるブロックをすぐには区別しにくいスキンが多いせいでポンポンと落としていくのも難しく、そこだけでもう爽快感が損なわれてしまっています。形こそ変えてはいるものの色が全く同じだったり・形だけでなくグラデの方向を変えてはいても色使い自体は同じだったりで、忙しいゲームだから視認性を良くしようなどとは全く考えていないデザインです…。
それに加えて半透明になったブロックが見えにくくなるスキンも多いという二重苦。半透明になった塊に同じブロックを繋げると大きくできるという要素があるのにスキンによってはどのブロックが半透明になっているかが判別しにくくなってしまって、ふとフィールドを見た時にブロックが浮いてる!?と見間違えて思考停止するのにも繋がるので普通に厄介です。
操作面ではブロックの左右反転がやりにくいのが地味にキツいです。反転しようとする度に左手の親指を上に持っていかないといけないのが意外と面倒…。
反転に関してはオーソドックスにL&Rもしくは右手で押せるBでできるようにしてくれた方がありがたかったかと。Aボタンを押すだけの右手に対して左手が忙しすぎて死ぬ…。
次に音ゲーとしての問題点を挙げると、どのタイミングでボタンを押せばパーフェクトになるのかがパッと見でわかりにくい所が気になりました。遊び方には「ビートのテンポに合わせて消す」としか書いていませんが、正確にはバーがブロックの左端に来た時にAボタンを押す必要があります(初期設定の場合)。
私も最初はBAD!しか出せなくてアレ?と思い、設定が変なのかなと覗いてみて初めてボタンを押すタイミングを理解しました。設定にて判定の位置を「パーフェクトエッジ」と「パーフェクトミドル」の2種類で切り替えられるようになっていて、そこに描かれていた図でようやくわかった形です。
エッジだと単純に見にくいし・ちょっとでも早く押すと前列の方に判定を吸われるしでやりづらいことこの上ないです。ミドルを初期設定にしてくれた方がわかりやすさで言えば親切だったのでは?と思ってしまう所。
ただ、それ以上に音ゲーで本来なら存在してはいけない問題も存在していて、BGMと判定とが合っていないスキンがあるのが最悪すぎます。ノりにくいという段階にすら到達しておらず、リズムに合わせるとBADばかりになる音ゲーというのは前代未聞すぎます。
具体例を挙げると「JORNEY」「DRIVE」「H15」「H16」「THE NEON NIGHT」とアキハバラアルバムの後半の曲が全部ダメで、他のアルバムにもそういう曲がチラホラあるという惨状…。アキハバラアルバムの前半は大丈夫だったのにどうして。
演出面に関してもすこぶる残念で、ブロックを消してもカッ…カッ…と味気ない音が鳴るだけ。どの曲も同じ音な上に反転時の音をただ使い回しているだけで、シネスタシア効果もへったくれもないプレイフィールになってしまっていたのには流石にガッカリ。
ルミネスから影響を受けたのであれば曲だけでなく効果音にもこだわって欲しかったです。演奏している感ゼロで判定もおかしいとなるとただの目押しゲーでしかなく本気で楽しくありません。
片方の要素だけ見ても厳しいのに、追い討ちでパズルと音ゲーが中途半端にしか融合できていないのもまた厳しいポイント。ブロックを動かすフェーズはパズル・ブロックを消すフェーズはリズムゲーというシステムはルミネスよりも『東方スペルバブル』辺りに近いようにも感じるのですが、本作の場合は2つのフェーズが切り替わりながらではなく両方を同時にやらないといけないので物凄く疲れます。
パズルにだけ集中するとブロックが消えないのでフィールドが埋まっていくし、音ゲーに集中したくても容赦なくブロックが落ちてくるし…。同じ容器に入れた水と油のように分離しちゃっているような関係性で相乗効果で面白くなっているとかもなく、だからってお互いに煩わしさを感じる程度には存在感があるのでマルチタスク力の低い私にはもう無理でした。
強いて言うならブロックが消えるタイミングを自分で調節できるという面白くなりそうな所もあるにはあるのですが、実の所はパズルにも音ゲーにも集中できない残念な作品という感想。2ジャンルを同時にやらせるにしろ、忙しいぶん判定を緩くするかミスした時のペナルティがあまり重くないぐらいの温情は欲しかったです。
ちょっと色々言い過ぎちゃったのでいい所を挙げると、オリジナルのBGMが25曲収録されているというのは良点です。印象が似ていたりアレンジの関係に当たるものもかなりの数ありますが普通に聴ける曲ばかりで、曲数も定価を考えると豊富と言えるライン。

でもBGMを聴くだけのモードというのが無いので辛いゲームモードをプレイしながら聴かないといけないのが惜しい所。タイトルの縦棒がたくさん生えているアイコンがサウンドテストかも?と思ってチェックしたのですが統計でした…。
ちなみにアキバっぽい曲は総武線の駅アナウンスをサンプリングした「UDX」ぐらいで、それ以外にも秋葉原らしさというのは背景とかにちょっとある程度。個人的には電波ソング的なのが入っているのかと少し期待しましたがそういうのは無し。
収録曲が気になる方は公式サイトで試し聞きができるのでどうぞ(コチラとコチラ)。ただし「Cailies Theme」「Cailies Voyage」という曲は本作では遊べませんでした。
総評:曲は悪くないけれど…
ルミネスっぽい見た目のルミネスでは無い何か。とにかく「音ゲーとパズルを融合した初めてのゲーム」という売り文句にモヤモヤしてしまいます。音ゲー要素とパズル要素のどちらもそこまで美味しくない上に、その混ぜ方が中途半端でダマだらけのまま焼いたホットケーキみたいな感じです。オリジナルBGMというシロップをかけても誤魔化しきれない不味さなのでオススメはしません。
純粋に音ゲー×パズルを楽しみたいのであれば、記事中にも出てきた『ルミネス リマスター』や『東方スペルバブル』など他の作品を勧めておきます。あとSteamストアページの説明文が他作品のものになっているのも気になった所だったり…。
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