【Steam/Switch/PS4】『アリス・エスケイプト!』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『アリス・エスケイプト!』を購入しました。

「不思議の国のアリス」をモチーフにした世界で2人のJKが冒険する2Dアクションゲームです。ビジュアルの可愛さに惹かれて買いました。
Switch版は今年1月ぐらいには既に発売スケジュールに載っていたはずですが、配信日直前になって急にストアページが消えてしまって何事!?となった思い出。結果的にSteam版のみが先行発売されてコンソール版は発売延期される形にはなったものの、無事発売されて良かったです。
難易度ノーマル(一部のみカジュアルに変更)で5つあるエンディングを全て見るまで遊んで12時間程。思っていたより不思議の国はシビアでした。

本作で真っ先に目を引くのがアニメチックで可愛らしい美少女キャラクター達。私はこの可愛さとアリスが元ネタというだけで購入を決めた口です。
元気なうさだと落ち着いたコトラのダブル主人公がまず可愛くて、チェシャ猫やマッドハッターなどの「不思議の国のアリス」の登場人物が女の子になっているのもめちゃかわ。ボイスは無くCGも数枚のみではあるものの、ピョンピョンと動き回ったりするのでとにかく可愛いに溢れているゲームです。
背景や地名の方も童話的だけどどこか奇妙なのが不思議の国感満載で良い感じ。ザコ敵もそのまんまトランプ兵が出てきたり、それ以外の敵もトランプのスートが目などにあしらわれていたりもして、統治者であろうハートの女王の手下感を感じられるのが個人的にポイント高めです。
あらすじについて紹介すると、うさだとコトラの仲良し2人組JKが夏休みの課題中に図書館で見つけた謎の本に吸い込まれて不思議の国にやってくるというもの。魔本には「アリスを見つけて」と書かれたメッセージが挟まっていたこと、やたら急いでいる白うさぎことうさむらさんとの話からアリスという少女が何かしらの手がかりを握っているはずと思って色んな所を探索することに。
その冒険の途中でチェシャ猫を初めとした不思議の国の住民達と出会いますが、信頼されなければ戦闘を仕掛けられてしまう事に。可愛らしい見た目ながらボスクラスの相手ばかりで実力は侮れません。
でも悪い奴らかというとそうでも無くて、警戒心が強いか気まぐれなだけの人が多いです。だからなのか本作には「説得」システムが存在していて、上手く信頼を勝ち取れば戦闘せずに済むこともあります。
ただし説得に成功するかはどうかは完全に運次第。初回なんかは上手くいかないことの方が多くて戦いっぱなしでしたが、もし初対面で説得できず戦闘になってしまっても後から和解することもできるので気にせず倒しても大丈夫。
後から打ち解けられるなら説得システムの必要性なくない?と思わなくもない所ですが、ボス戦前以外にイベント中にも選択肢が出ることがあるので戦闘に自信がある人も説得スキルを上げていて損は無いです。特定のエンディングを目指す時には欲しくなりますし。
エンディングは5種類。初周の世界では3種類のエンドしか見ることができず・残りは2周目以降の世界でのみ発生するイベントを終える事がフラグになっているため、全エンドを見るつもりなら周回プレイが必須です。
1周目の世界でアリスと戦って勝利した後のエンドを見ると「白い時計」というアイテムを入手します。この時計を使うことで時間を巻き戻せて強くてニューゲームができる仕組み。
個人的に周目前提のゲームは同じ事をやらされるのが嫌で苦手意識があるのですが、本作はシステム的にも周しやすくなっているのと追加イベントがちゃんとあって苦痛には感じませんでした。2周目以降で初めて行けるようになる場所というのも存在しますし、周回が前提といっても早ければ4周ほどで全エンド回収可能とかなりコンパクトな作りです。
時間を巻き戻してもうさだ達が手に入れているアイテムやスキルは引き継ぐので、道中のバトルや移動は初回と比べるとずいぶん楽になっていてサクッと進められるようになっています。ただし2周目で初めて出てくるようになる歪み由来の真っ黒い敵達や真のラスボスは1周目をクリアしている前提の強さになっているので結構苦戦。
フラグを踏み間違えたのに気づいても、3周目以降は途中でもインベントリから白い時計を使う事で簡単にやり直しできます。何度もやり直しているうちにハッピーエンドに辿り着くための条件が何となくわかってくるようになっていますが、分からなくて詰んだと思った人はとりあえずキャラクターに話しかけたりサブミッションをクリアしたりして仲良くなることとアリスが森を抜ける前に出会える方法を考えてみるといいかも。

本作は主人公が2人いるわけですが、同時に動かしたりするのではなく切り替えながら操作することになります。プレイアブルになっていない方は自動で動くものの後ろをただついてくるだけで攻撃などの援護は行ってくれないので、協力というよりも交代制。
移動性能に関しては2人とも同等ですが、持っている武器がうさだはハンマー・コトラはマシンガンで違います。移動時は好きな方を動かしていればOKでも、戦闘時には近接担当のうさだと遠距離担当のコトラを使い分けてコンボを稼いで攻撃力ボーナスを維持しながら戦う事になります。
操作はYで攻撃・Bでジャンプ・ZLでチェンジ・ZRでダッシュ。スティックを倒しながらYを押すことでコマンド技を使用したり、Y長押しからの離しで必殺技も撃てます。
うさだ達の動きは軽快で操作性に関しては特に文句はありません。普通のJKだったはずなのにダッシュや壁キックといったアクロバティックな動きができて、必殺技が暴発しがちだったものの攻撃の出も素早くコマンド技も簡単に出せて動かしていて楽しかったです。
成長要素もあって、マップに置かれている青・緑・赤のクリスタルを集めることでスキルツリーの解放ができるようになっています。ほとんどのスキルは2人共通で攻撃用スキルのみが別々に枝分かれしている形。

青色のクリスタルは大きなものを拾う以外にそこら辺に落ちている小さい欠片を集めてレベルアップさせる事でも入手できるのでポンポン手に入ります。一方で緑や赤はマップに配置されているものを拾う必要があるので集めにくめ。
習得できるのは、2回ダッシュが可能になる等の移動用スキル、受けるダメージを減らす防御用スキル、新しいコマンド技を解放する攻撃用スキルなど色々。相手を説得させられる可能性が高まるスキルも存在しています。
戦闘が辛いなら受けるダメージを減らすスキル・HPが0になっても一撃だけ耐えるスキル・待機中のキャラのHPが自動的に回復するようになるスキルを優先して取るのがオススメです。本作のダッシュには無敵効果がないため避けるのが結構難しい上に後になるほど一撃のダメージがインフレしてくるので防御力上げと回復の強化は優先度高め。
スキルツリーの振り直しはできませんが、周回機能によってクリスタルは事実上無限に集められるので安心して習得していってOK。キャラからの依頼を達成することで解禁されるスキルも数個存在します。
普通のクリスタルとは別にハートのかけら…ではなくハートクリスタルというアイテムのもあって、こちらは一定数集めると最大HPが増えます。やっぱりハートのかけらじゃん。
白い時計でタイムループすると、マップ上に配置されていたクリスタルやハートクリスタルが一度取得したものを含めて再配置されます。クリスタルの方は再度拾うことができて所持数にも普通にカウントされるため事実上限界がありませんが、ハートクリスタルは入手済みの物はカウント対象外もしくは最大HPは9個までしか増えない仕様っぽい。
色んな場所を探索してカギや重要アイテムを拾ったり、特定のスキルを覚えることで進めるようになる道があったり戦闘が楽になる所にメトロイドヴァニア味も感じます。困った時はとにかく探索するかキャラに話しかけてみましょう。
ここまでの情報だとめっちゃいい感じのアクションゲームにしか見えないかと思います。実際私も最初の方は絶対良ゲーでしょ!と思いながら遊んでいました。
しかし進めば進むほど歓迎の仕方が手荒くなってきて、最終的には賛否両論かも?という評価になってしまったぐらいにこの不思議の国は厳しかったです。ここからはその理由について詳しく語っていきます。
難易度はカジュアル・ノーマル・ハードコアから選択できますが、標準であるはずのノーマルの説明に「難しいヨ」と書いてある通り本作には確かに攻略が困難な所が多数あります。でもその難しさが強敵や難コースに挑戦してプレイスキルを磨いて乗り越えるというものではなく、ゲームの仕様に対するストレス耐性が試されるもので人を選ぶタイプなのです。
まず最初に気になったのが復活ポイントとして設定されている場所がかなり少ないことです。本作のトゲは難易度ノーマル以上なら一撃死のエグいトラップでありながら割と頻繁に置かれていて・ザコ敵の方も普通に強いので道中で結構死にがちなのにも関わらず、やられた地点と復活した地点がかなり離れているなんて事が多くて戻るだけでも苦労する…なんて場面がしょっちゅう発生します。
復活地点になるのはファストトラベルポイントのベンチと矢印が書かれた看板の場所のみ。その看板の置かれている間隔がやられる回数の割に離れていてリトライしにくい箇所が多数見受けられる状況。
また、道中にはデスマッチという名の強制戦闘が挟まる場所があるのですが、やられてしまうと全てのザコ敵が復活するだけでなくデスマッチも再度クリアしないと死んだ地点まで戻れません。死んだ時だけでなくエリア間の移動を挟んだ際もデスマッチが復活してしまうので、再探索の際のテンポがとにかく悪いのも辛いポイント。
デスマッチは初クリア時のみ稼いだコンボ数に応じた量の青色クリスタルの欠片を貰う事ができるのですが、再挑戦時は何も貰えないので戦うだけ損なのに足止めだけはしっかり食らう完全なマイナスイベントと化します。これならタイムループした時以外復活しない仕様の方が良かったのでは?と思ってしまいました。
後は強敵クラスの敵にはスタンゲージが搭載されていて削りきるとピヨリ状態になってダメージが通るようになるのが、何故かスタン中も敵が普通に動いてきます。しかも混乱して変な方向に攻撃するとかでなく正確に狙って攻撃してくるので防御力が下がっている以外は通常状態と変わらないです…。
スタンではなくガードブレイク状態と考えるべきなのかもしれませんが、頭の上に星が回っているのに混乱も気絶もしていないのに違和感を感じてしまいました。ここに関しては仕様よりも演出の問題と言うべきな気もしますが。
ステージの構造も悪意を感じる所が散見されるので、正直に言うと難しいのではなくイジワルなゲームという印象です。特に↓のフィールドでのデスマッチには純度100%の悪意を感じました…。

小さい足場の下には即死トゲがあって落ちずに戦わないといけないのに、このカボチャ型の敵は放置すると増殖する&ノックバック効果付きの遠距離攻撃持ち&近づくと距離を取ってくる&普通に硬いという嫌らしさの塊のような存在。ここはやっていてマジのガチで発狂しかけたため難易度をカジュアルに下げてゴリ押しました。
ここを超える酷い場所は流石になかったものの準ずるような場所でのデスマッチは他にもありますし、探索している時も上からだと見えない位置にトゲや敵が置かれていたり奈落だったりする穴があったり、接触ダメージ有の敵が予兆なく自キャラと被さるように出てきて初見殺しされたりと、もはや単なる理不尽をぶつけられてフラストレーションが溜まる場面が結構ありました。難易度ノーマルで遊んでてもキツかったのでハードコアはもっとヤバそう。
一応の優しさとして、いつでも難易度は変更できるのでもう嫌と思っても緩和することは可能。カジュアルならトゲも即死ではなくなるのでちゃんと救済処置として機能しています。
後はドードー鳥から受けることができる指定された3箇所で敵を倒してきて欲しいというサブミッションで、1箇所倒す度に逐一報告しに帰らないといけない仕様もどうかと思いました。単純にまとめて報告できるようにしてほしかったです。
こんな感じで、ゲーム部分にアリスじゃなくてプレイヤーがエスケイプしたくなるぐらいにエゲつない所が少なからずあります。ボス戦はマッドハッターとハートの女王と真のラスボスが強かったりはしましたが決して複雑な行動パターンでは無いのでそこまでな感じで、それ以上に道中の方がヤバくて印象がかすれてしまっています…。
うさだとコトラの動きがスピーディで動かしていて爽快なのとエンド回収のための周回がかなりやりやすいのと可愛いのが良点です。逆にマップ構造や敵の仕様にちょっと…と思う点が少なくないのが難点。
キャラや世界観に惹かれた人が難易度カジュアルで遊ぶ分には十分楽しめるとは思います。個人的には可愛さだけでもオススメしたい作品ですが、ストレス要素がかなり多いので世界観はどうでもいいからとにかくアクションゲームを遊びたい人には逆に向かないかも…。
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「不思議の国のアリス」をモチーフにした世界で2人のJKが冒険する2Dアクションゲームです。ビジュアルの可愛さに惹かれて買いました。
Switch版は今年1月ぐらいには既に発売スケジュールに載っていたはずですが、配信日直前になって急にストアページが消えてしまって何事!?となった思い出。結果的にSteam版のみが先行発売されてコンソール版は発売延期される形にはなったものの、無事発売されて良かったです。
難易度ノーマル(一部のみカジュアルに変更)で5つあるエンディングを全て見るまで遊んで12時間程。思っていたより不思議の国はシビアでした。
任天堂の公式オンラインストア。「アリス・エスケイプト! ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
アリスはどこへ行った!? 魔本の世界に迷い込んだ2人の少女、うさだとコトラを操作して、ワンダーランドを旅する2D探索アクションアドベンチャー。
・タイトル:アリス・エスケイプト!
・発売元:Sekai Project
・開発元:illuCalab
・対応ハード:PC(Steam)/Switch/PS4
・定価:1980円(税込)
・発売日:
-Steam版:2023年1月28日
-Switch/PS4版:2023年8月24日
・ジャンル:アクション
・IARC:3+(3歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©illuCalab., Sekai Project
・公式サイト:
https://alice.illucalab.com/
どういう人にオススメ?
・可愛い不思議の国を冒険してみたい人!
良かった点
・とことん可愛らしいキャラクターと世界観
・周回前提のシナリオながら周回しやすい機能多数
・うさだとコトラのダブル主人公を切り替えながら戦うのが楽しい
・難易度はいつでも変更可能
賛否両論?点
・やられた時に復活地点が遠かったり一度クリアしたはずのデスマッチを再度やらされる
・スタンしているはずの敵が普通に動き回る
・イジワルすぎるフィールドでデスマッチをやらされる事がある
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:Sekai Project
・開発元:illuCalab
・対応ハード:PC(Steam)/Switch/PS4
・定価:1980円(税込)
・発売日:
-Steam版:2023年1月28日
-Switch/PS4版:2023年8月24日
・ジャンル:アクション
・IARC:3+(3歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©illuCalab., Sekai Project
・公式サイト:
https://alice.illucalab.com/
どういう人にオススメ?
・可愛い不思議の国を冒険してみたい人!
良かった点
・とことん可愛らしいキャラクターと世界観
・周回前提のシナリオながら周回しやすい機能多数
・うさだとコトラのダブル主人公を切り替えながら戦うのが楽しい
・難易度はいつでも変更可能
賛否両論?点
・やられた時に復活地点が遠かったり一度クリアしたはずのデスマッチを再度やらされる
・スタンしているはずの敵が普通に動き回る
・イジワルすぎるフィールドでデスマッチをやらされる事がある
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
可愛い不思議の国でアリスを探す旅

本作で真っ先に目を引くのがアニメチックで可愛らしい美少女キャラクター達。私はこの可愛さとアリスが元ネタというだけで購入を決めた口です。
元気なうさだと落ち着いたコトラのダブル主人公がまず可愛くて、チェシャ猫やマッドハッターなどの「不思議の国のアリス」の登場人物が女の子になっているのもめちゃかわ。ボイスは無くCGも数枚のみではあるものの、ピョンピョンと動き回ったりするのでとにかく可愛いに溢れているゲームです。
背景や地名の方も童話的だけどどこか奇妙なのが不思議の国感満載で良い感じ。ザコ敵もそのまんまトランプ兵が出てきたり、それ以外の敵もトランプのスートが目などにあしらわれていたりもして、統治者であろうハートの女王の手下感を感じられるのが個人的にポイント高めです。
あらすじについて紹介すると、うさだとコトラの仲良し2人組JKが夏休みの課題中に図書館で見つけた謎の本に吸い込まれて不思議の国にやってくるというもの。魔本には「アリスを見つけて」と書かれたメッセージが挟まっていたこと、やたら急いでいる白うさぎことうさむらさんとの話からアリスという少女が何かしらの手がかりを握っているはずと思って色んな所を探索することに。
その冒険の途中でチェシャ猫を初めとした不思議の国の住民達と出会いますが、信頼されなければ戦闘を仕掛けられてしまう事に。可愛らしい見た目ながらボスクラスの相手ばかりで実力は侮れません。
でも悪い奴らかというとそうでも無くて、警戒心が強いか気まぐれなだけの人が多いです。だからなのか本作には「説得」システムが存在していて、上手く信頼を勝ち取れば戦闘せずに済むこともあります。
ただし説得に成功するかはどうかは完全に運次第。初回なんかは上手くいかないことの方が多くて戦いっぱなしでしたが、もし初対面で説得できず戦闘になってしまっても後から和解することもできるので気にせず倒しても大丈夫。
後から打ち解けられるなら説得システムの必要性なくない?と思わなくもない所ですが、ボス戦前以外にイベント中にも選択肢が出ることがあるので戦闘に自信がある人も説得スキルを上げていて損は無いです。特定のエンディングを目指す時には欲しくなりますし。
エンディングは5種類。初周の世界では3種類のエンドしか見ることができず・残りは2周目以降の世界でのみ発生するイベントを終える事がフラグになっているため、全エンドを見るつもりなら周回プレイが必須です。
1周目の世界でアリスと戦って勝利した後のエンドを見ると「白い時計」というアイテムを入手します。この時計を使うことで時間を巻き戻せて強くてニューゲームができる仕組み。
個人的に周目前提のゲームは同じ事をやらされるのが嫌で苦手意識があるのですが、本作はシステム的にも周しやすくなっているのと追加イベントがちゃんとあって苦痛には感じませんでした。2周目以降で初めて行けるようになる場所というのも存在しますし、周回が前提といっても早ければ4周ほどで全エンド回収可能とかなりコンパクトな作りです。
時間を巻き戻してもうさだ達が手に入れているアイテムやスキルは引き継ぐので、道中のバトルや移動は初回と比べるとずいぶん楽になっていてサクッと進められるようになっています。ただし2周目で初めて出てくるようになる歪み由来の真っ黒い敵達や真のラスボスは1周目をクリアしている前提の強さになっているので結構苦戦。
フラグを踏み間違えたのに気づいても、3周目以降は途中でもインベントリから白い時計を使う事で簡単にやり直しできます。何度もやり直しているうちにハッピーエンドに辿り着くための条件が何となくわかってくるようになっていますが、分からなくて詰んだと思った人はとりあえずキャラクターに話しかけたりサブミッションをクリアしたりして仲良くなることとアリスが森を抜ける前に出会える方法を考えてみるといいかも。
アクション部分は楽しいけれど鬼畜と思える部分もチラホラ

本作は主人公が2人いるわけですが、同時に動かしたりするのではなく切り替えながら操作することになります。プレイアブルになっていない方は自動で動くものの後ろをただついてくるだけで攻撃などの援護は行ってくれないので、協力というよりも交代制。
移動性能に関しては2人とも同等ですが、持っている武器がうさだはハンマー・コトラはマシンガンで違います。移動時は好きな方を動かしていればOKでも、戦闘時には近接担当のうさだと遠距離担当のコトラを使い分けてコンボを稼いで攻撃力ボーナスを維持しながら戦う事になります。
操作はYで攻撃・Bでジャンプ・ZLでチェンジ・ZRでダッシュ。スティックを倒しながらYを押すことでコマンド技を使用したり、Y長押しからの離しで必殺技も撃てます。
うさだ達の動きは軽快で操作性に関しては特に文句はありません。普通のJKだったはずなのにダッシュや壁キックといったアクロバティックな動きができて、必殺技が暴発しがちだったものの攻撃の出も素早くコマンド技も簡単に出せて動かしていて楽しかったです。
成長要素もあって、マップに置かれている青・緑・赤のクリスタルを集めることでスキルツリーの解放ができるようになっています。ほとんどのスキルは2人共通で攻撃用スキルのみが別々に枝分かれしている形。

青色のクリスタルは大きなものを拾う以外にそこら辺に落ちている小さい欠片を集めてレベルアップさせる事でも入手できるのでポンポン手に入ります。一方で緑や赤はマップに配置されているものを拾う必要があるので集めにくめ。
習得できるのは、2回ダッシュが可能になる等の移動用スキル、受けるダメージを減らす防御用スキル、新しいコマンド技を解放する攻撃用スキルなど色々。相手を説得させられる可能性が高まるスキルも存在しています。
戦闘が辛いなら受けるダメージを減らすスキル・HPが0になっても一撃だけ耐えるスキル・待機中のキャラのHPが自動的に回復するようになるスキルを優先して取るのがオススメです。本作のダッシュには無敵効果がないため避けるのが結構難しい上に後になるほど一撃のダメージがインフレしてくるので防御力上げと回復の強化は優先度高め。
スキルツリーの振り直しはできませんが、周回機能によってクリスタルは事実上無限に集められるので安心して習得していってOK。キャラからの依頼を達成することで解禁されるスキルも数個存在します。
普通のクリスタルとは別にハートのかけら…ではなくハートクリスタルというアイテムのもあって、こちらは一定数集めると最大HPが増えます。
白い時計でタイムループすると、マップ上に配置されていたクリスタルやハートクリスタルが一度取得したものを含めて再配置されます。クリスタルの方は再度拾うことができて所持数にも普通にカウントされるため事実上限界がありませんが、ハートクリスタルは入手済みの物はカウント対象外もしくは最大HPは9個までしか増えない仕様っぽい。
色んな場所を探索してカギや重要アイテムを拾ったり、特定のスキルを覚えることで進めるようになる道があったり戦闘が楽になる所にメトロイドヴァニア味も感じます。困った時はとにかく探索するかキャラに話しかけてみましょう。
ここまでの情報だとめっちゃいい感じのアクションゲームにしか見えないかと思います。実際私も最初の方は絶対良ゲーでしょ!と思いながら遊んでいました。
しかし進めば進むほど歓迎の仕方が手荒くなってきて、最終的には賛否両論かも?という評価になってしまったぐらいにこの不思議の国は厳しかったです。ここからはその理由について詳しく語っていきます。
難易度はカジュアル・ノーマル・ハードコアから選択できますが、標準であるはずのノーマルの説明に「難しいヨ」と書いてある通り本作には確かに攻略が困難な所が多数あります。でもその難しさが強敵や難コースに挑戦してプレイスキルを磨いて乗り越えるというものではなく、ゲームの仕様に対するストレス耐性が試されるもので人を選ぶタイプなのです。
まず最初に気になったのが復活ポイントとして設定されている場所がかなり少ないことです。本作のトゲは難易度ノーマル以上なら一撃死のエグいトラップでありながら割と頻繁に置かれていて・ザコ敵の方も普通に強いので道中で結構死にがちなのにも関わらず、やられた地点と復活した地点がかなり離れているなんて事が多くて戻るだけでも苦労する…なんて場面がしょっちゅう発生します。
復活地点になるのはファストトラベルポイントのベンチと矢印が書かれた看板の場所のみ。その看板の置かれている間隔がやられる回数の割に離れていてリトライしにくい箇所が多数見受けられる状況。
また、道中にはデスマッチという名の強制戦闘が挟まる場所があるのですが、やられてしまうと全てのザコ敵が復活するだけでなくデスマッチも再度クリアしないと死んだ地点まで戻れません。死んだ時だけでなくエリア間の移動を挟んだ際もデスマッチが復活してしまうので、再探索の際のテンポがとにかく悪いのも辛いポイント。
デスマッチは初クリア時のみ稼いだコンボ数に応じた量の青色クリスタルの欠片を貰う事ができるのですが、再挑戦時は何も貰えないので戦うだけ損なのに足止めだけはしっかり食らう完全なマイナスイベントと化します。これならタイムループした時以外復活しない仕様の方が良かったのでは?と思ってしまいました。
後は強敵クラスの敵にはスタンゲージが搭載されていて削りきるとピヨリ状態になってダメージが通るようになるのが、何故かスタン中も敵が普通に動いてきます。しかも混乱して変な方向に攻撃するとかでなく正確に狙って攻撃してくるので防御力が下がっている以外は通常状態と変わらないです…。
スタンではなくガードブレイク状態と考えるべきなのかもしれませんが、頭の上に星が回っているのに混乱も気絶もしていないのに違和感を感じてしまいました。ここに関しては仕様よりも演出の問題と言うべきな気もしますが。
ステージの構造も悪意を感じる所が散見されるので、正直に言うと難しいのではなくイジワルなゲームという印象です。特に↓のフィールドでのデスマッチには純度100%の悪意を感じました…。

小さい足場の下には即死トゲがあって落ちずに戦わないといけないのに、このカボチャ型の敵は放置すると増殖する&ノックバック効果付きの遠距離攻撃持ち&近づくと距離を取ってくる&普通に硬いという嫌らしさの塊のような存在。ここはやっていてマジのガチで発狂しかけたため難易度をカジュアルに下げてゴリ押しました。
ここを超える酷い場所は流石になかったものの準ずるような場所でのデスマッチは他にもありますし、探索している時も上からだと見えない位置にトゲや敵が置かれていたり奈落だったりする穴があったり、接触ダメージ有の敵が予兆なく自キャラと被さるように出てきて初見殺しされたりと、もはや単なる理不尽をぶつけられてフラストレーションが溜まる場面が結構ありました。難易度ノーマルで遊んでてもキツかったのでハードコアはもっとヤバそう。
一応の優しさとして、いつでも難易度は変更できるのでもう嫌と思っても緩和することは可能。カジュアルならトゲも即死ではなくなるのでちゃんと救済処置として機能しています。
後はドードー鳥から受けることができる指定された3箇所で敵を倒してきて欲しいというサブミッションで、1箇所倒す度に逐一報告しに帰らないといけない仕様もどうかと思いました。単純にまとめて報告できるようにしてほしかったです。
こんな感じで、ゲーム部分にアリスじゃなくてプレイヤーがエスケイプしたくなるぐらいにエゲつない所が少なからずあります。ボス戦はマッドハッターとハートの女王と真のラスボスが強かったりはしましたが決して複雑な行動パターンでは無いのでそこまでな感じで、それ以上に道中の方がヤバくて印象がかすれてしまっています…。
総評:可愛くてイジワルな不思議の国2Dアクション
不思議の国でドタバタ騒ぎする可愛い2Dアクション。見た目に見合わず難しい…というより意地悪と感じる所が多め。うさだとコトラの動きがスピーディで動かしていて爽快なのとエンド回収のための周回がかなりやりやすいのと可愛いのが良点です。逆にマップ構造や敵の仕様にちょっと…と思う点が少なくないのが難点。
キャラや世界観に惹かれた人が難易度カジュアルで遊ぶ分には十分楽しめるとは思います。個人的には可愛さだけでもオススメしたい作品ですが、ストレス要素がかなり多いので世界観はどうでもいいからとにかくアクションゲームを遊びたい人には逆に向かないかも…。
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