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【いっせいトライアル】『バディミッションBOND』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2022/05/07
ゲーム感想&レビュー 0
Switchソフト アドベンチャー いっせいトライアル
2022年5月のいっせいトライアルで『バディミッションBOND』を遊んだ感想です。

久しぶり…というか第1回の「進め!キノピオ隊長」以来の任天堂内製ソフト。コーエーテクモゲームスとの共同開発とはいえ、任天堂が出しているゲームとしては珍しくテキスト・ストーリーメインのアドベンチャーとなっています。
トライアル期間中にはクリアが間に合わなかったので製品版を購入してしまいました。まんまと乗せられてしまった気もしますが中身も面白かったので悔いは無いです。
製品版は5月12日まで4989円(30%off)でセール中ですが、この価格でもカタログチケットと引き換えた時の値段と1円しか差がないので急いで買う必要はないかも…任天堂のフルプライスゲームってカタチケ半分以下の値段になることがマジでないですね…。
エンディングまでにかかった時間は20時間程。サイドストーリーの方はまだ全然読み進められていないのにこんなにかかるとは…。

・タイトル:バディミッション BOND
・発売元:任天堂
・開発元:任天堂/コーエーテクモゲームス
・対応ハード:Switch
・定価:7128円(税込)
・発売日:2021年1月29日
・ジャンル:アドベンチャー
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©2021 Nintendo / KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
・公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/aq2fa/

どういう人にオススメ?
・事件を解決していくタイプのアドベンチャーが好きな人!
・バディもののサスペンスが好きな人!

良かった点
・メインキャラ全員がクセは強いが魅力的でもある
・ストーリーは少年漫画のように熱く読み応えがある
・メインストーリーのボリュームだけでなくサブストーリーも豊富

賛否両論?点
・捜査パートはヒントが少なく総当りになりがち
・潜入パートのQTEはいらなかった

備考
・無料体験版あり
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)




4人いるメインキャラが濃すぎるアドベンチャー


本作はバディもののアドベンチャー。任天堂のゲームとしては珍しくストーリー偏重の作りとなっていて、ゲームとしての楽しさよりも物語の面白さを売りにしています。
舞台は現代風の架空都市。サスペンスものでもありますが、既に起こった事件の謎を解決することよりも現在進行形 or 計画段階の犯行を止めるのがメインなので救える命がたくさんあるのが熱いポイント。
演出やビジュアルは漫画モチーフ。オノマトペが文字として書き込まれていたり・エピソードセレクトは単行本の表紙を選ぶ感じになっていたり・フレームもコマ割りのようなデザインになっていたりと至る所に漫画のような表現が見られますし、キャラクターデザインも「アイシールド21」などの作画を担当した村田雄介さんが描いています。
そのことを考えると、ゲームという媒体でデジタルコミックを作ろう!と思い立った所から本作ができたという可能性はありそうです。コンシューマゲーム機向けソフトでは意外となかった試み…かも。
本作一番の特徴はメインキャラクター達の癖がどいつもこいつも強いこと。公式サイトでも「ワケあり」と称されてますし、そこが魅力でもあり欠点とも言える所で人によって評価が大きく別れそうな部分です。

とりあえずメインキャラクター4人を1人ずつ紹介しつつ感想を書いていきます。
主人公のルークは第一印象こそ普通ですが、中身は超がつくほど英雄願望が強く・優しく・お人好しでアーロン風に言ってしまえば「クサい」奴。武器である拳銃も威力低めの不殺仕様。
ストーリー開始時点では警察官として勤務していますが、ある事件から秘密組織DISCARD(ディスカード)の存在を知ってしまい、それと裏で繋がっていた国家警察からは抹消という形で解雇されてしまいます。ここまでで19話ある内の序盤3話までの内容。
初っ端からとんでもない苦境に立たされることになるし、時には人格否定までされて絶望する場面も幾度とありますが、それでも仲間に支えられながら自分も支えて立ち直り・助けられる命はできる限り助けようとするスタンスを変えることはありません。
最初のうちはどこまでもヒーローであろうとする様が独り善がりにも感じてクドいと思ったこともありましたが、健気さと愚直さを延々と見せつけられている内にアーロン達だけでなくプレイヤーである私も心を揺さぶられた気もして、途中からは素直に応援してしまう程真っ直ぐなキャラに仕上がっています。
街の人達からは地味地味言われまくっている彼ですが、正統派主人公と言った感じでヒーローとしてのカリスマ性と善性を持ったキャラだと個人的には思いました。これからもその心意気を曲げないでいて欲しい。

パッケージイラストでルークの背後にいるのがアーロン。荒々しい見た目に相応しいアグレッシブな性格と超人的な身体能力を誇るワルでワイルドな宝石専門の怪盗です。
最初はルークに対しても超がつくほど攻撃的(この時は怪盗と警察という立場同士なので当たり前ですが…)で、一緒に行動するようになっても獰猛さを隠しもしない我が道を往く性格ですが、姉として接してくれた女性を必死に助けようとする優しい一面も。
ルークにはドギーという愛称(蔑称?)を付けたり・口笛を鳴らしたらお座りするように言いつけたりとバカにする場面もありましたが、お互いに助けたり助けられたりしているうちにバディと呼べるまでの信頼を寄せるようになります。優男と厳つい兄ちゃんの凸凹コンビはいいぞ。

忍者風の衣装に身を包んだおじさんがモクマ。ニンジャジャンという作中に出てくるヒーローを演じるショーマンとしてルーク達と出会いますが、その戦闘能力はガチモンの忍者級でアーロンに負けず劣らず。
いつもは三枚目担当で女性をナンパしては玉砕したり・お酒をうまうまと嗜んでいたりしますが、身体能力の高さと顔の広さと多芸さで決めるところは決めるイケオジです。
ひょうきんな印象の強いキャラクターではありますが、経歴は決して明るいものではないし・時折愁いを含んだ微笑みを見せるのも好き。チェズレイとの会話からルークとはまた違うヒーロー性を持ったキャラであることも判明します。

最後になりましたが、ミステリアスな雰囲気を漂わせている長髪の美形がチェズレイ。めっちゃイケメンの詐欺師ですが、綺麗な顔を歪ませてサディスティックに笑う姿のインパクトも強く個人的には本作一好きなキャラです。
アーロン同様に世間一般では悪とされる人物ですが、色々と直球すぎるアーロンと違って性格も中々にえげつないです。ただ彼には悪なりの美学という物があるようで、本人曰く「濁った音」のする人物以外は殺らない主義…との事。
声も見た目も再現する超精度の変装や相手を自〇にまで追い込む催眠といった搦手を得意としており(能力的な意味でも性格的な意味でも)敵に回したくない人物ですが、今作では味方サイドにいてくれる分頼もしい存在になっています。

タイトルのBONDは「絆」という意味の英単語というだけでなく、メインキャラクター達の別名(Beast=アーロン/Outwitter=チェズレイ/Ninja=モクマ/Doggie=ルーク)もかかったネーミングとなっていて秀逸だと思いました。
チームBONDということで4人1組のチームとして行動しますが、メインストーリーではルークアーロンモクマチェズレイの組み合わせを主として話が展開していきます。
メインキャラが男性しかいないのでパッと見だとBLものっぽくも見えるのですが、実際の中身は萌えではなく燃えが多く熱い展開ばかりで少年漫画のような作品です。
絆の書かれ方はどの組み合わせでもラブではなく相棒の範疇に収まっているので、BLはちょっと…という人でも本作は大丈夫だと思います。男同士でチームを組むのすら無理!とかのレベルだとさすがに厳しいとは思いますが…。
ストーリーの質に関してもはっきり良いと言い切れるレベルで、メンバー同士が出会ってから相棒になるまでの過程の描かれ方も丁寧・各キャラの過去の掘り下げも細かく・何よりも伏線の張り方と隠し方が上手だと思いました。
終盤になるほど予想もしなかったような展開が増えていくのですが、特に何でもないようなものが実は伏線になっていたこともあって二度ビックリ。ゲーム内で「〇〇は伏線だった!」と教えてくれることも多いものの、その前に自力で気づけたものはほぼありませんでした…。
出てくるギミックや伏線には多少強引な物もありますが、それ以前に味方サイドも敵サイドも街のNPCもぶっ飛んだキャラが多いせいで細かい疑問は飛んでいってしまいます。もはや力技で説得させてくる感じ。
真実を知った後に前のチャプターを遊び返すと張られた伏線に気づけるだけでなく、同じシーンでも印象が180°変わって見えたりもするので見直すのも割と楽しいです。
1話辺り30分~1時間かかるメインミッションが19話+α用意されている以外に、5~10分程度で読めるメインキャラ2人ずつをセットでピックアップしたバディエピソード・周囲のキャラクターに焦点を当てたサイドエピソードもあるので、読める文章量もとても多いです



ゲームとして見るとちょっと微妙な点も多め


読み物としてはかなり良かった本作ですが、ゲームとしてみると微妙な点も少なくないと感じました。
ゲームパートだけ飛ばしたい…と思ったこともあったぐらいにはストーリーの面白さにゲーム部分の面白さが追いついてません。別の見方をするなら物語が面白すぎるのが悪いともいえなくもないかも。
ゲームパートがあるのはメインミッションのみ。バディエピソードとサイドエピソードはひたすら読み進めるだけなので楽ですが、その解禁条件がメインミッションで特定条件を満たしてのクリアなので読むまでが大変という…。
チャプターによって細かい構成は異なりますが、メインミッションは大きく分けて選択肢を選びながらストーリーを読み進める物語パート写真から気になるところを選んで調べるサーチパート街で手がかりを集める捜査パート施設に乗り込んで事件を阻止する潜入パートの4つから構成されています。
物語パートは全チャプターに用意されていますが、他のはあったりなかったりで捜査パートは1ラウンドしかない短いものあれば・3〜5ラウンドと長いものもあったり潜入パートは複数ラウンドある捜査パートとセットで用意されている感じになっています。なので潜入パートのあるチャプターはクリアまでに1時間以上かかる長丁場になることも少なくないです。
ゲームオーバーという概念はないので、もし間違った選択肢を選んでしまってもそのまま進むか・その部分だけやり直しになるだけで総当りすれば先には進めるようになっています。
ただし間違えた選択をするとクリア時の評価に影響するヒーローゲージが減ってしまいます。最高ランクのSでのクリアを狙うにはほぼ間違えないで進める必要もあるので、セーブ&ロードで保険をかけつつ進めるか・攻略サイトを見ながらのプレイになりがち。

物語パートなどで挟まる選択肢を選ぶ場面(ヒーローチョイス)ではヒーローらしい回答を選ぶか・クイズに答えるだけなのでそこまで難しくはないです。
ただしクイズ形式のものは文章をしっかり読んでいないと答えられないようなものが問題として出てくることもあるので注意。作中で得た情報からカルトクイズや推測を答える場面が多めです。
サーチパートは重要な手がかりとなるものを全て調べない限り先に進まないし、何も無いところを見てもペナルティとかもないので安心安全。
進行には関わらないオブジェクトもあるっぽいですが 、とりあえず気になるものは片っ端からチェックしておけばOK。
個人的に一番うーん…と思ったのが捜査パート捜査パートではチームBONDから2人を選んで街で聞き込みをしていくのですが、行動できるラウンド数と各ラウンドに移動できる距離に制限があり・規定ラウンド数を超えても潜入に必要な手がかりを集めきれていないとヒーローゲージを削って延長戦に入るか・ヒントが揃わないまま潜入パートに移行することになってしまいます。
ラウンド数にはそこまで余裕があるわけではないのに加えて、聞き込みをする相手によって正解となるキャラやタッグが決まっていて、それ以外のキャラで聞き込みしてしまうと失敗扱いでヒントを貰えないどころかヒーローゲージまで減るシビアな仕様です。しかも誰で行けば正解でどこに行けば重要な手がかりを得られるかが絞りにくいこともあって正直に言うとすごく…めんどくさいです。
一応メンバー毎に得意な相手や話題の傾向はあるっちゃあるのですが…予想と違うメンバーが正解だったことも少なくなく総当りの捜査になってしまうこともあったし、何よりもゲージを減らしたくないので1ラウンド毎にセーブ&ロードを重ねる羽目になってました…。
あとこのパートだけフルボイスではなくパートボイスなのもちょっと残念かも。
潜入パートは実際にルーク達を3Dで操作するパート。捜査パートで得たヒントを元に謎を解いていくのが脱出ゲームっぽくて個人的には面白いと感じましたが、実質答えを見ながら進めていくギミックも少なくないのでこちらも難易度は低め。
潜入開始時に4人から2人選んでそのうち1人を操作できるものの、キャラによる性能差は特にないので好きなキャラを選んでOK。バディエピソードを解禁したい組み合わせがいるのであればそっち優先で。
ただこのパートにも気になった部分があって、他人と戦闘する場面での連続QTEは正直いらない…と思ってしまいました。ほとんどのチャプターで戦闘が一番最後に配置されているせいで、謎解きで疲れた頭のまま何度もQTEをやらされてミスりやすくなっているのも地味にキツかったです。
戦闘シーンはいっそボタン操作無しで勝手に戦ってくれる様子を見るだけの方が良かった気も。QTE自体が好きじゃないこともあって完全に蛇足に感じてしまいました。
謎解き中にもQTEが挟まる部分もありますがそっちは気にならなかったので、戦闘部分だけ微妙に感じたのは量というか頻度とタイミングが原因な気も。最後にゲージを減らされる要因があるのが嫌だったというのもありますが。

クリアするだけなら本当に簡単なんですけど、サブエピソードの解禁まで含めると多少のメインミッション周回や試行錯誤やメモも必要です。それをゲーム性と見るか面倒なだけの要素と見るかは人次第な気がします。
間違った選択肢にも専用の会話がちゃんと用意されているので、ランクSを取った後に潜入ミッションのバディエピソード埋めをする時なんかはセリフ回収のためにあえて間違えるプレイングもアリかも?
オプションには既読のセリフだけをスキップできるようにする機能もあります。そのおかげで周回は意外と苦ではないのは助かるポイント。
でも個人的にはランクS取得済みのエピソードだけでいいのでチャプターの途中からスタートできる機能も欲しかったかも。潜入パートだけやりたい!とか調査パートのセリフ回収をしたい!とか思った時でも、毎回冒頭部分から始めないといけませんし既読スキップを使ってもヒーローチョイスなどを飛ばせないので目的の部分に辿り着くまでに結構な時間がかかってしまいます。



総評:クセの強いキャラが織り成す良作バディアドベンチャー

何も知らない状態でマリオやリンクと並んでルークやアーロンが「任天堂のキャラです!」と紹介されていたら凄まじい違和感を感じるぐらいには任天堂らしくないキャラクターばかり。中身的にも見た目的にも。
でもそんな奴らが織り成すストーリーはとても魅力的かつ読み応えのあるものとなっていて、文章を読むタイプのゲームが好きで特にバディものが好きなら買って後悔しないと思います。
ただ、ストーリーを度外視して単純にゲームとしてみた場合だとちょっと物足りない部分も多いので、本作は「遊ぶもの」ではなく「読むもの」だと割り切った方がいいかもしれません。
この手の作品全般に言えることですがキャラに愛着が持てるかどうかで向き不向きがありそうなので、気になった方もまずは無料体験版から遊ぶことをオススメしときます。
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