【Switch/PS4】『カリギュラ2』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『カリギュラ2』を購入しました。

前作は未プレイですがtwitterでの評価が良かったので購入。Switch版でプレイしてます。
禁止されているものほど見たく・知りたくなる現象に「カリギュラ効果」という名前がついているのですが、今作はそれが1つのテーマ。主人公達は高校生なのでお話のジャンルとしてはペルソナとかと同じジュブナイルものです。
クリアまでにかかる時間は寄り道なしで10~15時間程度。クリアするだけならRPGとしてはややコンパクトですが、リクエストやクリア後のやり込み要素まで含めたら20〜30時間以上は遊べます。
タイトルに2が付いている通り前作の続編という扱いなのですが、本作から入ってきた人にもわかるように解説してくれるので世界観やストーリーの流れは理解しやすいです。その代わりに前作のネタバレがバンバン出てくるので、両方遊ぶ予定があるなら先に前作をクリアしていた方が良さそう。
リドゥに囚われた人のうち主人公含むいくつかの人物は今いる世界が偽りである事に気づきます。そこで外の世界から飛んできたらしいキィと名乗る女の子と共に「帰宅部」として現実の世界に戻る方法を探す、というのが本作の目的です。
現実に戻ろうとする主人公達帰宅部の前にはオブリガードの楽士達がはかだってくるのですが、彼らを倒すことでキィがリドゥに干渉できる能力を身につけていくのでそれで対抗します。
主人公の性別や名前は変更可能。戦闘時以外ではボイスは無く、キャラとの会話では選択肢が出るタイプの主人公。
…なのですが、戦闘中はかなりの頻度でしゃべるしセリフも高校生にしてはかなり冷静。彼の正体については最後まで不明ですが、おそらく中身は大人(そのままの意味)っぽい。
チュートリアルと言える1章で仲間になるオタク系男子の能登吟とふわふわおっとり系先輩の網木ささら以外はストーリーの進行に応じて加入し、最終的には主人公を入れて9人が帰宅部に所属することになります。
個人的に好きなキャラは能登吟と釣巻鍾太。吟くんはめっちゃいい友達すぎるし色々とオタクな所も好きだし、鐘太くんはガタイいいのに真面目くんで少し優柔不断な所が可愛い。
仲間はそれぞれに得意なことや役割が決まっている他、一緒に戦うほど主人公との親密度が上昇すると同時にキャラクターエピソードが解禁されていきます。
リドゥで一緒に活動する姿はあくまでもifの姿との事。キャラクターエピソードを進めていくと見れる心の奥…もとい彼らの現実はゲーム中に忠告が出るぐらいエグいもの。
彼らの現実が見れるようになるのはストーリー後半に入ってから。結構な時間を一緒に戦わないと見れないのに、キャラを見る目が変わってしまうほどかけ離れた現実を知ることになるので一々見るのが怖い
しかも彼ら自身も踏み込んで欲しくないと思っているせいか、少しでも間違えた選択肢を選んでしまうとエピソードロックがかかって進められなくなってしまいます…。ロック解除料のキィポイントを払えばやり直しOKで取り返し自体は付きますが、内容がナイーブなだけにできるだけ失敗したくない…と思ってしまいます。
でも現実を知った後にカタルシスエフェクト発動時の姿を見ると、現実での姿や思いがきちんと反映されていることに気づけるのが感慨深い要素でもあります。
仲間の心の奥を見なくてもメインストーリーは滞りなく進められますがが、見てはいけないと言われたら見たくなるのが人間、見る前と後のギャップに悩まされながらプレイするのも悪くない…かも。
ナビゲーターのキィはリドゥを作った張本人であるリグレットと同じバーチャドールですが、リグレット及びリドゥには否定的な立ち位置。
人間では無いですし感情や世間に対しては無知で浮世離れした所もありますが、持ち前の明るさと可愛らしさもあって親しみやすいキャラと言えます。
…ただ、ゲーム内の世間においては理想の世界を作り出したリグレットとボディーガードの楽士達こそが正義であり神であり、キィはそんな理想の世界を破壊しかねない危険な存在とも言えます。
プレイヤーから見ればシステム上敵であるリグレット側が悪く見えますし・実際に曲やら意識改変やらで人の生活に勝手に干渉してくる輩ですが、やってることは理想郷の創造なわけで悪意を持ってやっているのでも無いですし、主人公達が元の現実世界に戻そうとするのも規模のデカいありがた迷惑とも思えなくもないです。
でも都合のいい夢だけ見て現実に向き合わないのも良くないですし、人生的にも前に進まないので帰宅部の仲間達やキィの言いぶんもわかるんですよね…。
現実と向き合うのがいいか、それとも理想だけ見続けるのがいいか、ありがちな問題ですがとても悩ましい二者択一です。できることなら後者がいい気もしないこともないけど、リドゥにいると最終的に人間でいられなくなっちゃうみたいなんですよね…。

行動できるフィールドは街中・学校・駅などの公共施設。現実世界ではないこともあって?地名は架空のものになっています。
最初は敵が出てくる所だったエリアが章クリア後にNPCと話せる場所になる感じで行けるところが増えますが、敵=操られた一般人なので章クリア後でも時折街中で戦闘が発生します。
NPCの中には話しかけれる人もいて、リクエストをクリアする事でその人との親密度を上げることができます。街中にいる人物に話しかけるのはRPGではよくある機能ですが、たくさんのNPCとの間にも親密度があるのは中々珍しいパターンかも。
親密度を上げられるNPC達は何らかの因果関係を持つ人物同士であり、一度話しかけた人物はメニューの因果系譜から関係のある人物とプロフィールを確認可能。
リクエストの内容自体はお使いの類なのですが、ちゃんと専用のイベントやNPCの掘り下げが用意されていてやってて楽しいタイプの寄り道要素です。ただし、名前が出る人物の数が多すぎて達成報告しようとしてもどこの誰からというのを忘れがちなのが難点。
街中を常に移動しているNPCも少なからずいるので、クエストの吹き出しが立っている人を見つけ次第話しかけるプレイングになっています。WIREには現在地を書いてくれていますが、指定したNPCの場所までミニマップ上で案内してくれる機能が欲しかったかも。
複数場所を行き来するクエストは少しめんどくさいですが、主人公の強化・新しいスティグマ(装備)の入手・依頼主の現実での情報開示にも関わる要素なので積極的にクリアするのをオススメ。
NPCキャラの掘り下げも深く、リクエスト以外にも因果系譜で情報を見れたり・LINEのようなSNS「WIRE」で仲間やNPCに質問したりもできちゃいます。
WIREでできる質問はリクエストをクリアして行くにつれて増えていきますが、質問内容によっては長文で返してくれることもあって、そこから相手を知るきっかけにも。
リクエストを進めていくと関係者の情報が因果系譜で開示されていくのですが、連動しているリクエストを全て終えるとWIREからNPCの現実も見れるオマケ付き。それも仲間と同じぐらいかそれ以上にエグいものが多いという闇。

今作はシンボルエンカウントですが、敵に気づかれていない状態で蹴り飛ばしてエンカウントすればバックアタックとなり先制攻撃が可能。なのでこっそり近寄ってスタイリッシュな回し蹴りを敵に噛ましながら進むのが正攻法ですがちょっとシュール。
フィールドや戦闘中に流れるBGMは高品質で歌詞付きの歌が流れます。著名なボカロP(cosMo@暴走P様始め8名)が曲に関わっているのも本作を買った動機の1つだったのですが、作中曲のクオリティの高さには満足。
戦闘中はBGMがオンボーカルになり、背景も歌詞が表示されたりとまるでMVみたいな雰囲気になるのもGood。ボカロ曲が好きな人には演出も曲調も刺さるものが多いと思います。
各地で流れているBGMはゲーム内では楽士達が作っているという設定もあり、楽士達それぞれの思いが含まれているものになっています。それを踏まえて聴くと意味のある歌詞になっていることに気づけて考察が捗る。
今作の戦闘はキャラ毎にコマンドを選んで動くRPGですが、ターン制ではなく行動タイミングが来ると一時停止してコマンドを選べる仕様となっています。ファイナルファンタジーで採用されているATBに少し似ているシステムです。
行動には攻撃タイミングとクールタイムがそれぞれ決められていて、幻想視で未来を見て行動するタイミングをずらす事で攻撃が当たるように調節する必要があります。タイミング調整は秒単位で可。
タイミングを合わせれば攻撃時のジャンプや移動で敵の攻撃を避けることができたり・カウンターして打ち上げスタンさせる事も可能になっているのも面白い所。敵の攻撃名が表示された直後に敵の攻撃属性(突進・射撃・ガードの3種類)に合わせた「○○カウンター」の効果を持つ攻撃を当てるとカウンターができて、相手が吹っ飛んでスタンするので積極的に狙いたいです。
吹っ飛んでいる途中で攻撃を当てられればまた吹っ飛ぶので、タイミングさえ合わせられれば多少のハメも可能になっています。ただ、独特なバトルシステムなので慣れるまでは少し戸惑いました。
幻想視を使いこなせば敵の少し後の行動やHPの減り方も見ることができます。敵の動きを見て戦略を立てるシミュレーション性も高めに仕上がっていて、中々にやりごたえのあるバトルシステムだと思います。
コマンド選択→未来を見て調整の流れが行動の度に発生するので一回の戦闘は長くなりがちなのが少し困った所。幻想視中に早送り機能やシークバー調整があったら尚良かったかも。
カウンター以外でも攻撃チャンスが作りやすく、敵を殴ると溜まるRISKゲージを6まで貯めるとRISKBREAK状態となり相手の防御力が下がる他、時間経過や攻撃・フィールド上で紫の結晶を壊すことで溜まるVOLTAGEゲームが満タンの時はXボタンで「フロアジャック」が使えて即時攻撃可+一定時間攻撃力が上昇します。フロアジャック時はBGMがキィの歌うものに変わり楽しい雰囲気になるのも好き。
RISKBREAK+フロアジャック+必殺技のオーバードーズスキルを組み合わせればドカンとダメージを与えられます。特にHPが多い強敵やボス相手には積極的に狙いたい所。
攻撃を出すのに必要なSPが切れてしまうとSPを全回復するコマンドかアイテム使用以外を選べなくなってしまいます。攻撃チャンスを逃したり防御できなくてやられる前に適度にSPを回復しておく必要もあって、考えないといけないことは割と多いです。
仲間が少ないうちはあんまりHPを削れない上に頻繁に主人公のコマンドが回ってくるしその度にタイミング調整含むコマンド選択をしないといけないのでめんどくさいな…と思いましたが、パーティメンバーが4人にもなるとオートにしとけば仲間がある程度削ってくれますしRISKゲージも溜まりやすくなり楽しくなってきます。
ただ、キャラクターが好き勝手に移動するフリースタイル陣形なので人数が4人にもなると敵の数が多い時なんかは混戦状態と化し、今度は誰がどこにいるとかが把握しにくくなる別の問題が発生。回復する時などで対象を選ぶ時に少し混乱することも。
仲間はオートでコマンドを選んでくれる機能もあるのですが、ボス戦は仲間も操作する前提かつ難易度ノーマル以上はある程度のレベリングも必要。ついでに直前にVOLTAGEゲージとストレスゲージもMAXにしておくのが吉。
大技は基本的にガードしてやり過ごす必要があるのですが、オート操作だとガードを使ってくれないので流石に持ちません。ボス戦は下手すると10分~20分かかるのですがその間は気が抜けないので、戦いがいはありますが少し疲れます。
ボスはお供のザコを1~3体召喚してくるのですが、ザコは基本的に無限湧きなのでボスを先にボコスカしないとキリがないです。これも中々に厄介。
戦闘後はHPやSPが全回復するので一々回復ポイントに行ったりアイテムを使わなくて済むのは助かるポイント。味方が全員やられない限りは敗北にもならないのですが、その分やられやすい調整になっている感じ。
装備であるスティグマを付け替えることでも戦闘が楽になります。同じスティグマをつけて戦闘回数を重ねるとスティグマなしでパッシブスキルを使えるようにもなるので、メンバーの性能と相性のいいスキルを探すのも一興。
各章のボスと言えるオブリガードの楽士たちにも現実の姿と複雑な事情があるのですが、そっちはストーリー上でガッツリつつき回されるので敵サイドとはいえ少し可哀想な気にもなります…。
楽士たちも見た目と現実とのギャップが中々いい塩梅になっていて魅力的なので、主人公が楽士サイドのifストーリーとかもあったらいいのになーなんて思ったりもします。
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前作は未プレイですがtwitterでの評価が良かったので購入。Switch版でプレイしてます。
禁止されているものほど見たく・知りたくなる現象に「カリギュラ効果」という名前がついているのですが、今作はそれが1つのテーマ。主人公達は高校生なのでお話のジャンルとしてはペルソナとかと同じジュブナイルものです。
クリアまでにかかる時間は寄り道なしで10~15時間程度。クリアするだけならRPGとしてはややコンパクトですが、リクエストやクリア後のやり込み要素まで含めたら20〜30時間以上は遊べます。
・タイトル:Caligula2
・発売元:フリュー
・開発元:株式会社ヒストリア
・対応ハード:Switch/PS4
・定価:
初回生産限定版:14800円+税/通常版:7980円+税
・発売日:2021年6月24日
・ジャンル:RPG
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:© FURYU Corporation.
・公式サイト:
https://www.cs.furyu.jp/caligula2/
どういう人にオススメ?
・現実と理想のギャップに足掻きたい人!
・理想の仮想世界から現実世界に帰宅したい人!
良かった点
・仲間のエグい現実まで踏み出せて見えてしまうキャラクターエピソード
・数十人いるNPCにも名前と友好度がが存在し、特定のクエストをクリアすることでそのNPCの現実の姿も見れてしまう
・ボカロPが関わっているBGMが高品質なのでプレイ時はヘッドホン推奨
・未来を見てタイミングをずらして上手く行動するシミュレーション性強めのRPGに仕上がっている
賛否両論?点
・話しかけられるNPCが多すぎて誰から受けたリクエストなのか忘れやすい
・未来を見てからコマンドのタイミングを決めることになるので1回にかかる戦闘時間は長め
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
キャラの言動などが所々意味深ではありますが、タイトルの割には明るい雰囲気(主にキィと吟のおかげ?)。ちょっと予想外でしたが、おかげで遊びやすさだけでなく光と影のコントラストも強くなっているとも思いました。・発売元:フリュー
・開発元:株式会社ヒストリア
・対応ハード:Switch/PS4
・定価:
初回生産限定版:14800円+税/通常版:7980円+税
・発売日:2021年6月24日
・ジャンル:RPG
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:© FURYU Corporation.
・公式サイト:
https://www.cs.furyu.jp/caligula2/
どういう人にオススメ?
・現実と理想のギャップに足掻きたい人!
・理想の仮想世界から現実世界に帰宅したい人!
良かった点
・仲間のエグい現実まで踏み出せて見えてしまうキャラクターエピソード
・数十人いるNPCにも名前と友好度がが存在し、特定のクエストをクリアすることでそのNPCの現実の姿も見れてしまう
・ボカロPが関わっているBGMが高品質なのでプレイ時はヘッドホン推奨
・未来を見てタイミングをずらして上手く行動するシミュレーション性強めのRPGに仕上がっている
賛否両論?点
・話しかけられるNPCが多すぎて誰から受けたリクエストなのか忘れやすい
・未来を見てからコマンドのタイミングを決めることになるので1回にかかる戦闘時間は長め
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
タイトルに2が付いている通り前作の続編という扱いなのですが、本作から入ってきた人にもわかるように解説してくれるので世界観やストーリーの流れは理解しやすいです。その代わりに前作のネタバレがバンバン出てくるので、両方遊ぶ予定があるなら先に前作をクリアしていた方が良さそう。
主人公と帰宅部の仲間たち
主人公含む仲間は全員が学校に通っている生徒です。しかし彼らが暮らしているのは現実の世界ではなく、リグレットというバーチャドール(ボーカロイドみたいな存在?)によって作られた後悔のない楽園とも言える偽物の世界「リドゥ」の中。リドゥに囚われた人のうち主人公含むいくつかの人物は今いる世界が偽りである事に気づきます。そこで外の世界から飛んできたらしいキィと名乗る女の子と共に「帰宅部」として現実の世界に戻る方法を探す、というのが本作の目的です。
現実に戻ろうとする主人公達帰宅部の前にはオブリガードの楽士達がはかだってくるのですが、彼らを倒すことでキィがリドゥに干渉できる能力を身につけていくのでそれで対抗します。
主人公の性別や名前は変更可能。戦闘時以外ではボイスは無く、キャラとの会話では選択肢が出るタイプの主人公。
…なのですが、戦闘中はかなりの頻度でしゃべるしセリフも高校生にしてはかなり冷静。彼の正体については最後まで不明ですが、おそらく中身は大人(そのままの意味)っぽい。
チュートリアルと言える1章で仲間になるオタク系男子の能登吟とふわふわおっとり系先輩の網木ささら以外はストーリーの進行に応じて加入し、最終的には主人公を入れて9人が帰宅部に所属することになります。
個人的に好きなキャラは能登吟と釣巻鍾太。吟くんはめっちゃいい友達すぎるし色々とオタクな所も好きだし、鐘太くんはガタイいいのに真面目くんで少し優柔不断な所が可愛い。
仲間はそれぞれに得意なことや役割が決まっている他、一緒に戦うほど主人公との親密度が上昇すると同時にキャラクターエピソードが解禁されていきます。
リドゥで一緒に活動する姿はあくまでもifの姿との事。キャラクターエピソードを進めていくと見れる心の奥…もとい彼らの現実はゲーム中に忠告が出るぐらいエグいもの。
彼らの現実が見れるようになるのはストーリー後半に入ってから。結構な時間を一緒に戦わないと見れないのに、キャラを見る目が変わってしまうほどかけ離れた現実を知ることになるので一々見るのが怖い

しかも彼ら自身も踏み込んで欲しくないと思っているせいか、少しでも間違えた選択肢を選んでしまうとエピソードロックがかかって進められなくなってしまいます…。ロック解除料のキィポイントを払えばやり直しOKで取り返し自体は付きますが、内容がナイーブなだけにできるだけ失敗したくない…と思ってしまいます。
でも現実を知った後にカタルシスエフェクト発動時の姿を見ると、現実での姿や思いがきちんと反映されていることに気づけるのが感慨深い要素でもあります。
仲間の心の奥を見なくてもメインストーリーは滞りなく進められますがが、見てはいけないと言われたら見たくなるのが人間、見る前と後のギャップに悩まされながらプレイするのも悪くない…かも。
ナビゲーターのキィはリドゥを作った張本人であるリグレットと同じバーチャドールですが、リグレット及びリドゥには否定的な立ち位置。
人間では無いですし感情や世間に対しては無知で浮世離れした所もありますが、持ち前の明るさと可愛らしさもあって親しみやすいキャラと言えます。
…ただ、ゲーム内の世間においては理想の世界を作り出したリグレットとボディーガードの楽士達こそが正義であり神であり、キィはそんな理想の世界を破壊しかねない危険な存在とも言えます。
プレイヤーから見ればシステム上敵であるリグレット側が悪く見えますし・実際に曲やら意識改変やらで人の生活に勝手に干渉してくる輩ですが、やってることは理想郷の創造なわけで悪意を持ってやっているのでも無いですし、主人公達が元の現実世界に戻そうとするのも規模のデカいありがた迷惑とも思えなくもないです。
でも都合のいい夢だけ見て現実に向き合わないのも良くないですし、人生的にも前に進まないので帰宅部の仲間達やキィの言いぶんもわかるんですよね…。
現実と向き合うのがいいか、それとも理想だけ見続けるのがいいか、ありがちな問題ですがとても悩ましい二者択一です。できることなら後者がいい気もしないこともないけど、リドゥにいると最終的に人間でいられなくなっちゃうみたいなんですよね…。
NPCとの間にも親密度が存在

行動できるフィールドは街中・学校・駅などの公共施設。現実世界ではないこともあって?地名は架空のものになっています。
最初は敵が出てくる所だったエリアが章クリア後にNPCと話せる場所になる感じで行けるところが増えますが、敵=操られた一般人なので章クリア後でも時折街中で戦闘が発生します。
NPCの中には話しかけれる人もいて、リクエストをクリアする事でその人との親密度を上げることができます。街中にいる人物に話しかけるのはRPGではよくある機能ですが、たくさんのNPCとの間にも親密度があるのは中々珍しいパターンかも。
親密度を上げられるNPC達は何らかの因果関係を持つ人物同士であり、一度話しかけた人物はメニューの因果系譜から関係のある人物とプロフィールを確認可能。
リクエストの内容自体はお使いの類なのですが、ちゃんと専用のイベントやNPCの掘り下げが用意されていてやってて楽しいタイプの寄り道要素です。ただし、名前が出る人物の数が多すぎて達成報告しようとしてもどこの誰からというのを忘れがちなのが難点。
街中を常に移動しているNPCも少なからずいるので、クエストの吹き出しが立っている人を見つけ次第話しかけるプレイングになっています。WIREには現在地を書いてくれていますが、指定したNPCの場所までミニマップ上で案内してくれる機能が欲しかったかも。
複数場所を行き来するクエストは少しめんどくさいですが、主人公の強化・新しいスティグマ(装備)の入手・依頼主の現実での情報開示にも関わる要素なので積極的にクリアするのをオススメ。
NPCキャラの掘り下げも深く、リクエスト以外にも因果系譜で情報を見れたり・LINEのようなSNS「WIRE」で仲間やNPCに質問したりもできちゃいます。
WIREでできる質問はリクエストをクリアして行くにつれて増えていきますが、質問内容によっては長文で返してくれることもあって、そこから相手を知るきっかけにも。
リクエストを進めていくと関係者の情報が因果系譜で開示されていくのですが、連動しているリクエストを全て終えるとWIREからNPCの現実も見れるオマケ付き。それも仲間と同じぐらいかそれ以上にエグいものが多いという闇。
未来を見て戦略を考える戦闘システム

今作はシンボルエンカウントですが、敵に気づかれていない状態で蹴り飛ばしてエンカウントすればバックアタックとなり先制攻撃が可能。なのでこっそり近寄ってスタイリッシュな回し蹴りを敵に噛ましながら進むのが正攻法ですがちょっとシュール。
フィールドや戦闘中に流れるBGMは高品質で歌詞付きの歌が流れます。著名なボカロP(cosMo@暴走P様始め8名)が曲に関わっているのも本作を買った動機の1つだったのですが、作中曲のクオリティの高さには満足。
戦闘中はBGMがオンボーカルになり、背景も歌詞が表示されたりとまるでMVみたいな雰囲気になるのもGood。ボカロ曲が好きな人には演出も曲調も刺さるものが多いと思います。
各地で流れているBGMはゲーム内では楽士達が作っているという設定もあり、楽士達それぞれの思いが含まれているものになっています。それを踏まえて聴くと意味のある歌詞になっていることに気づけて考察が捗る。
今作の戦闘はキャラ毎にコマンドを選んで動くRPGですが、ターン制ではなく行動タイミングが来ると一時停止してコマンドを選べる仕様となっています。ファイナルファンタジーで採用されているATBに少し似ているシステムです。
行動には攻撃タイミングとクールタイムがそれぞれ決められていて、幻想視で未来を見て行動するタイミングをずらす事で攻撃が当たるように調節する必要があります。タイミング調整は秒単位で可。
タイミングを合わせれば攻撃時のジャンプや移動で敵の攻撃を避けることができたり・カウンターして打ち上げスタンさせる事も可能になっているのも面白い所。敵の攻撃名が表示された直後に敵の攻撃属性(突進・射撃・ガードの3種類)に合わせた「○○カウンター」の効果を持つ攻撃を当てるとカウンターができて、相手が吹っ飛んでスタンするので積極的に狙いたいです。
吹っ飛んでいる途中で攻撃を当てられればまた吹っ飛ぶので、タイミングさえ合わせられれば多少のハメも可能になっています。ただ、独特なバトルシステムなので慣れるまでは少し戸惑いました。
幻想視を使いこなせば敵の少し後の行動やHPの減り方も見ることができます。敵の動きを見て戦略を立てるシミュレーション性も高めに仕上がっていて、中々にやりごたえのあるバトルシステムだと思います。
コマンド選択→未来を見て調整の流れが行動の度に発生するので一回の戦闘は長くなりがちなのが少し困った所。幻想視中に早送り機能やシークバー調整があったら尚良かったかも。
カウンター以外でも攻撃チャンスが作りやすく、敵を殴ると溜まるRISKゲージを6まで貯めるとRISKBREAK状態となり相手の防御力が下がる他、時間経過や攻撃・フィールド上で紫の結晶を壊すことで溜まるVOLTAGEゲームが満タンの時はXボタンで「フロアジャック」が使えて即時攻撃可+一定時間攻撃力が上昇します。フロアジャック時はBGMがキィの歌うものに変わり楽しい雰囲気になるのも好き。
RISKBREAK+フロアジャック+必殺技のオーバードーズスキルを組み合わせればドカンとダメージを与えられます。特にHPが多い強敵やボス相手には積極的に狙いたい所。
攻撃を出すのに必要なSPが切れてしまうとSPを全回復するコマンドかアイテム使用以外を選べなくなってしまいます。攻撃チャンスを逃したり防御できなくてやられる前に適度にSPを回復しておく必要もあって、考えないといけないことは割と多いです。
仲間が少ないうちはあんまりHPを削れない上に頻繁に主人公のコマンドが回ってくるしその度にタイミング調整含むコマンド選択をしないといけないのでめんどくさいな…と思いましたが、パーティメンバーが4人にもなるとオートにしとけば仲間がある程度削ってくれますしRISKゲージも溜まりやすくなり楽しくなってきます。
ただ、キャラクターが好き勝手に移動するフリースタイル陣形なので人数が4人にもなると敵の数が多い時なんかは混戦状態と化し、今度は誰がどこにいるとかが把握しにくくなる別の問題が発生。回復する時などで対象を選ぶ時に少し混乱することも。
仲間はオートでコマンドを選んでくれる機能もあるのですが、ボス戦は仲間も操作する前提かつ難易度ノーマル以上はある程度のレベリングも必要。ついでに直前にVOLTAGEゲージとストレスゲージもMAXにしておくのが吉。
大技は基本的にガードしてやり過ごす必要があるのですが、オート操作だとガードを使ってくれないので流石に持ちません。ボス戦は下手すると10分~20分かかるのですがその間は気が抜けないので、戦いがいはありますが少し疲れます。
ボスはお供のザコを1~3体召喚してくるのですが、ザコは基本的に無限湧きなのでボスを先にボコスカしないとキリがないです。これも中々に厄介。
戦闘後はHPやSPが全回復するので一々回復ポイントに行ったりアイテムを使わなくて済むのは助かるポイント。味方が全員やられない限りは敗北にもならないのですが、その分やられやすい調整になっている感じ。
装備であるスティグマを付け替えることでも戦闘が楽になります。同じスティグマをつけて戦闘回数を重ねるとスティグマなしでパッシブスキルを使えるようにもなるので、メンバーの性能と相性のいいスキルを探すのも一興。
総評:隠された真実ほど気になってシナリオを進めてしまう良作兼問題作
見てはいけないと言われた現実を見たくなってしまうのが今作の長所でもあり困ったところでもあります。正にプレイヤーがカリギュラ効果に悩まされる問題作。各章のボスと言えるオブリガードの楽士たちにも現実の姿と複雑な事情があるのですが、そっちはストーリー上でガッツリつつき回されるので敵サイドとはいえ少し可哀想な気にもなります…。
楽士たちも見た目と現実とのギャップが中々いい塩梅になっていて魅力的なので、主人公が楽士サイドのifストーリーとかもあったらいいのになーなんて思ったりもします。
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