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【PS4/Steam/Switch】『クライスタ』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2022/03/02
ゲーム感想&レビュー 0
PS4ソフト PCゲーム Steamゲーム Switchソフト アクションRPG
『CRYSTAR -クライスタ-』を購入しました。

世間はエルデンリングで盛り上がっていますが、その1日前に本作のSwitch移植版が発売されたので購入しました。
イラストなどがすごく綺麗で発売前から気になっていたゲームです。モナークもなのですがこういうゴシックなデザイン好き。
エンディングまでにかかった時間は20時間ほどでしたが、全体的に話が暗くて心情的にしんどい作品でした。アクションゲームとしてもちょっと…と思えてしまう点多数。

・タイトル:CRYSTAR -クライスタ-
・発売元:フリュー
・開発元:フリュー
・対応ハード:PS4/Switch/PC(Steam)
・定価:
-PS4版:
特典付版:10175円(税込)/通常版:8778円(税込)
-Steam版:6290円(税込)
-Switch版:
特典付版:7975円(税込)/通常版:5775円(税込)
・発売日:
-PS4版:2018年10月18日
-Steam版:2019年8月28日
-Switch版:2022年2月24日
・ジャンル:泣いて戦うアクションRPG
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:© FURYU Corporation.
・公式サイト:
https://www.cs.furyu.jp/crystar/

どういう人にオススメ?
・ゴシックな世界観や美麗なビジュアルに惹かれた人!
・少女の泣き顔を見たい人!

良かった点
・少女が泣くシチュエーションが豊富
・道中は救いのない話ばかりで憂鬱な気分になるが真エンドは割とスッキリする内容
・キャラクターのイラストだけでなく3Dモデリングも繊細
・回復アイテムがお菓子の名前だったり装備の名前がオシャレだったりで可愛い

賛否両論?点
・ダンジョンの構造が行き止まりが多く複雑な割にギミックなどがなく戦闘ばかりで単調
・敵が硬い上に遠距離攻撃持ちが多く死角から飛んでくる攻撃にイライラする
・ボスクラスの敵は見てからだと避けられない攻撃を出してくるので回復アイテムありきの戦闘バランス

備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
Switch版はPS4版では有料DLC扱いのコスチュームなどが最初から入っている上に値段も3000円安くオトク。
特典付版ではデジタルアートブックなどが付いてきます。SwitchだとPS4通常版の定価以下で特典付きのを買えてしまうので今から買うならSwitch版がオススメです。



女の子が涙を流しまくる陰鬱なストーリー


主人公の幡田零が妹である幡田みらいをやってしまったので、生き返らせるべく悪魔のメフィス/フェレス姉妹と契約する所から話が始まります。
零はまだ中学生、しかも父母などもおらず家族は妹と愛犬のセレマだけな上にひきこもりで偏食なのに背負うものが重すぎる。てかゲーム中では親がいないのがしれっと流される程度で終わっているの闇深すぎ。
みらいの生き返りには「理念(イデア)」を7個集める必要があるのですが、これは人間が涙を流すことで形成されるので主人公や仲間達はストーリー中に何回も泣くことになります
悲しみの涙もあれば・怒りの涙・嬉しみの涙…など色んなシチュエーションで少女たちが泣く様子を見ることができるので、そういうフェチズムがある人には嬉しい要素かも?
「涙」がテーマであるだけあってストーリーは重く暗いです。主人公もだけでなく仲間も全員暗い過去持ちで鬱要素には隙がないレベル。
関西弁お姉さんの不動寺小衣もお腹の中の子どもを失っていますし、クール枠の恵羽千もバス事故の唯一の生き残りです。唯一人間ではない777についても…うん。
しかも仲間内でギスギスするシーンがあるし、零自身もみらいのことに必死になりすぎて愛想が無くなるシーンもあるし、ヒトならざる者のせいで零達が酷い目にあう展開が多いので、理不尽にネガティブかつしんどい場面が延々と続く感じ。
やっぱり私はキャラがバカやってたり精一杯笑っているのを見る方が好きだな…と実感するぐらいにはお辛い場面ばかり。ポジティブな777が癒しすぎる…。
立ち絵含むイラストは超がつくほど繊細かつ3Dモデルに関しても絵をそのまま立体にした感じでグラフィック面は◎。特に目がキラキラしていて凄く綺麗だと思います。
タイトルムービーもすごく綺麗だし、各キャラクターにテーマとなった宝石も設定されていたり、アイテムの名前が「ビターチョコレート」などお菓子になっているのも少女らしくて可愛い。

タイトル画面に「THEN THE BAD ENDING」と書かれている通り、1周目~3周目まで毎回違うバットエンドを見るはめになるのですがこれもまたしんどい。しかも2回目、3回目と回を重ねる程悪い結末になっていくし…。
周回と言っても完全に初めからでは無く第6章からのスタートですし・レベルや持ち物などステータスも全ても引き継ぐので実質リニアではあるのですが、一部ボスやラスボスは変わるもののダンジョンのマップ構造は全周回で使い回しなのが残念でした。
会話の内容やストーリー展開は周回の度に80%程変わるのでまだ我慢できましたが、計4回も同じダンジョンをやらされたのはさすがに苦痛の域…。後述しますがゲーム性自体が微妙な部類なのに加えてコレなのでモチベーションは完全にストーリーだけでした。
でも4周目のトゥルーエンドでスッキリ終わるし、何よりも周回した苦労が報われたと思える内容だったのが救いでした。個人的にメフィスとフェレスは最初から気に食わなかったのでボコれたのは良かったし、みらいもいなくなってしまったもののヤンデレだったのがちゃんと浄化されたのも良かった(ネタバレ)。



アクションRPGパートは単調かつゴリ押しせざるを得ない作り


本作の大部分はアクションRPGで進めることになるのですが…個人的にはかなり微妙な出来に感じてしまいました。
操作はYで攻撃Xで強攻撃BでジャンプR+AorBorXorYでスキル使用△or▽or◁or▷で操作キャラ切り替えZRでダッシュ回避涙ゲージが溜まっている時にZLで守護者の召喚Lでロックオン
敵を攻撃することで涙ゲージやスキルを使うのに必要なSPが溜まっていきます。Chain数が多いほど一度の攻撃で多く涙ゲージが溜まるようになっています。
守護者召喚中は守護者が追撃してくれるので純粋に火力が上がりリーチも伸びる他、もう一度ZLを押すことでド派手な必殺技を使えます。無敵にはならないし・処理が重くなるし・必殺技の威力も高くないというバランスの悪さを感じる仕様にもなってますが…。
キャラの性能も4人それぞれ違っていて、はスタンダートな剣使い小衣はリーチが短く火力が高い拳型は素早い剣さばきの双剣使い777は文房具を投げて攻撃する遠距離役になっています。777のみ守護者がいないので代わりに自分が変身します。

ここからは難点を挙げるコーナー。まずマップが無駄に複雑な所、大体3~4階層で構成されているのですが、行き止まりが多く・謎解きやギミックなどもなくただひたすら敵と戦うだけなので単調。
戦闘面にも難が多く、一番気になったのが通常攻撃の範囲が狭いのに加えて敵が微妙に後ろに下がりながら位置取りするせいで攻撃が思ったよりも当たらなくて煩わしいこと。一部のボスなんかはひたすら後ろに下がる奴がいて正直ウザく感じてしまいました。
しかもザコ敵でも普通に硬い上に遠距離攻撃持ちがめちゃくちゃ多くて、死角から飛んでくる攻撃にめちゃくちゃイライラ。特にブルバキとかいう敵が遠距離攻撃ばかり撃ってくる上に数も5~6体同時に相手しないといけない・状態異常付与効果付きで発狂しそうになりました。
ブルバキ達に関しては相手していて楽しくないことに開発側がなぜ気づかなかったのかが謎なレベルでつまらなかったです。しかもこいつら周回で回らないといけない第6章以降で頻繁に登場するのも癪に障るポイント。
ボスに関しても見てからだと避けられない攻撃を使ってくることが多くて、被弾覚悟で回復アイテムを消費しまくって耐えつつゴリ押しする戦法になりがちです。
ダッシュ回避も攻撃をキャンセルして発動することはできないので気づいた時には被弾しているということが多々起きます。ヒット&アウェイをすれば回復なしでも行けそうですが、そうすると今度は相手の膨大な体力のせいで長期戦化するのでダルい。
その代わりに手持ちのアイテムを自動で使用してくれる機能があるのでそこは良点。お金も貯まりやすく・同じアイテムを同時に持てる数も多いしで、回復アイテムを毎回ショップで補充しておけば負けることは無いので難易度も高くはないです。
加えてダメージを受けた時は守護者が勝手に出てきて確率でカウンターしてくれたり・ごく稀にダメージを防いでくれる機能があったりもするので、そもそも開発側が被弾前提で作っている気もします。
それ以外にも零のスキル「ロアトルネード」を使えば人型のボスならハメられるとか、小衣のリーチが短すぎて使い物にならないレベルとかの小さい?難点も多数。

敵は幽者という普通のザコ敵と幽鬼と呼ばれるネームドの強い個体がいるのですが、ストーリー後半はもうめんどくさくなってしまい幽鬼とその取り巻きとしか戦わなくなりました。
敵を倒すと武器や防具をドロップするトレジャーハンター的システムがあるのですが、幽鬼しか武器などを落としてくれないのでお金とレベルに余裕ができたら幽者と戦うメリットはあんまり無くなってしまいます。それに加えて幽者でも結構硬いのでもういいや…と思ってスルーしがちに。
そもそもダンジョンの多さに対して敵の種類が少ないのも問題で、ストーリーを進めてもステータスと色だけ変えた強化個体に入れ替わっていくだけなのも単調さに輪をかけていたように思います。
幽鬼についても赤黒い輪っかとオーラを纏っているぐらいしか幽者と見た目に違いがないし、モーションも全く同じで多少ステータスが高いぐらいの違いしかなく完全に使い回しです。幽鬼を登録できる図鑑もありましたが、見た目に対して差がないせいで埋めるほどのモチベーションは湧きませんでした。
アクションRPGとしてはかなり難点が多くひたすらに微妙です。難易度が高くないのでストーリー鑑賞目的の人でも遊びやすいのはいいのですが、ゲームとしてはもう少し面白くなるように調整して欲しかった。
難易度はコンフィグにて易しい・普通・難しいからいつでも変更できます。普通でも敵が硬いので、ストーリーだけ読みたい方は難易度を易しいにしてサクサク進めるようにするのがオススメ。



思装は合成することで強化できる

作中では武器や防具は思装と呼ばれています。幽鬼は倒すと「断末魔」をドロップするのですが、それを自分の部屋で浄化することで思装に変換され装備可能になります。
浄化するにも涙を流すことが必要でちゃんとここでもコンセプトが活かされています。泣きすぎて涙が枯れそう…。
思装の名前は「リグレット・ドロップ」や「クリスタル・エゴ」などなかなかにポエミィかつオシャレ。同じ名前の装備を合成することで強化も可能でステータス上昇値が上がる他に説明文が完成されていきます。
同じ名前の装備でもスロットの数は違うので少しだけハック&スラッシュ要素がありますが、それ以外の数値などは全て同一なのでハクスラ面での期待は禁物。
思装にはレアリティがあり高レアリティのものはストーリーを進めないと入手できないようになってはいますが、ゲームをサクサク進める上ではちゃんと強い装備を選んで装備させた方がいいです。実際レアリティが1違うと総合値では2倍ぐらいステータス上昇値に差が出ます。
スロットのある思装は「思装変容」でオマケ能力を付与可能です。こちらでも攻撃力や防御力を上げられたり・SP最大値を増やしたりできるので大事。この強化要素は結構好き。
ちなみに状態異常もアクセサリーや能力で防ぐことができますが、アイテムを大量に持ち込めばそれで解決できることとレアリティⅢのアクセサリー「リコール・レジリエンス」が全状態異常耐性付与というぶっ壊れ性能をしているせいで状態異常防御スキルが軒並み死んでいる気がします。まあアイテムはお金がかかるしレアリティⅢはストーリー終盤にならないと出ないので…バランスは取れているのかな。
エンディング後はボスラッシュが解禁されますが、もういいかなと思ったのでここでプレイは打ち切り。後は設定を読むだけにしたいと思います。

総評:コンセプトや世界観は良いけれどもアクションRPGとしてはトコトン微妙な惜しい作品

個人的にはポジティブハッピー前向きなストーリーが好きな派なので相性が良くなかったかも。カリギュラ2ぐらいには明るい場面があるものだと思っていたので面食らいましたし、暗めの作品でもモナーク辺りは好きなのですが…今作は零達が理不尽に不幸な目に合う所が多くて終始可哀想に思えてしまいました。
モナークもクライスタも妹のために主人公が頑張るという点は共通しているのですが、モナークの方は相手だけでなく主人公側もある意味わがままで文字通りエゴのぶつかり合いになるのに対し、クライスタは主人公側は何も悪くないのに一方的に悪い奴らに弄ばれる展開ばかりなのがモヤッと来ている部分なのかな…と考えたりも。でもシナリオや世界観には確かに魅力があったと思える作品ではあるので嫌いにはなれませんでした。
ただ、全体的に見て4周目以外常に暗い展開ばかりで盛り上がりが少なかったようには感じます。最後の最後でようやく報われるカタルシスの為にとことん暗くしている感じもしますが、爽快感の少ないゲーム部分含めてやってて少ししんどかったので途中に小ピークを入れて欲しかった気持ちは否めないです。
アクションRPG部分はもう少し精錬して欲しかったな…と思わざるを得ない出来でしたが、難易度が高いわけでは無いのでストーリー目当てで遊ぶには悪くないと思います。
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