【Switch/Steam】『ダンジョンマンチーズ』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『ダンジョンマンチーズ』を購入しました。

モンスターの一部を調理して食べてパワーアップしていく2Dアクション。倒したモンスターをせっかくならいただきますしてみたい、と誰しもが一度は思ったことがある欲求(たぶん)を叶えてくれる作品です。
Switch版の発売は去年12月ですが、その時点ではSteam版含めてアーリーアクセス(≒未完成品)だったのを知っていたので、正式リリースが来るまではスルーすることを決めていました。この点に関しては製品版の完成を待ってからコンシューマ機へ移植するべきだと思いましたが…。
それから約7ヶ月の時を経た2022年7月28日に製品版がリリース、Switch版にもアプデが来て最後まで遊べるようになったのでようやく購入に至りました。ちゃんと完成して良かったです。
クリアまでにかかった時間は10時間程。料理のレシピや武器などコレクション要素のコンプリートまで含めると12時間程でした。

主人公はネクロマンサーに復活させられたゾンビです。額に札が貼られているのでキョンシーだと勝手に思っていましたが、死後硬直は起こしてなさそうだし・作中でもゾンビ君と呼ばれているので特に特徴はない普通のゾンビっぽい。
主人公を蘇らせた元凶のネクロマンサーシェフ姉ちゃんことシマーに言われるがままにダンジョンを進んでいくついでに、道中にいるモンスターやら虫やら野菜やらを倒して食材を集めていくのが本作のメインストリーム。
基本操作はYでメインウェポン使用・ZRでサブウェポン使用・Bでジャンプ・Rでダッシュ。ボタンの割り当てはオプションから自由に変更可能です。
全体的な操作感はスタンダードな感じですが、割と早い段階で壁ジャンプを覚えたり・2段ジャンプだけでなく3段ジャンプまで覚えられたりするので探索のしやすさは良好。ゾンビとして見るなら非常に活きのいい動きをします。
ダッシュには結構長めの無敵時間があるので回避性能も割と高め。ダメージを受ける直前にダッシュすることで料理の強化に必要なひらめきポイントをオマケで貰えるという仕様も存在します。
このひらめきポイントは鍛錬値として貯め込めるだけでなく、獲得時にHPが少し回復する仕様にもなっています。ジャスト回避する以外に素材を拾った時やオブジェクトを調べた時にも入手できて貯まりやすい分、一度の強化で使う量も多いので結局すぐ無くなります。
敵を倒すと体の一部をドロップしますが、これが食材や武器の材料となるので集めておいて損はありません。敵は必ずしも殲滅する必要はありませんがずっと追いかけて来るヤツが多く集まると厄介なので、素材やひらめきポイント集めを兼ねてとりあえず片付けておくことをオススメします。
ちょっと困るのがドロップアイテムが派手に飛んでいくことが少なくない上に自動で回収されたりもしない所。素材収集が大事なゲームなのに針の上などに落ちてダメージ覚悟で回収しないといけない…という事が割と頻繁に起こるのは難点だと思います。
一応ストーリーを進めると「すごい吸引力!」という恒久アップグレードが手に入って、Lスティックで動くカーソルをアイテムに合わせることでも回収できるようにはなります。でも吹っ飛ぶ勢いが強すぎて変な所に飛んでいく事自体が減るわけではないし、ある程度近づかないといけない点は据え置きなので…。
ちなみに、ストーリーが進むにつれて主人公にはパワーアップと称した肉体改造が施されるのですが、その内容がケツにジェットをぶっ刺されたり・腕や足を増やされたりとムチャクチャだったり、デカいノミやらバックパックやらのゲテモノ料理を食べさせられたりと中々に酷い扱い。どうせならデカい磁石(調理済)でも食べさせてアイテムを自動的に吸い寄せる磁力も追加してくれーと思ったり。
道中にはリサイクルボックスに見える復活ポイントや調理トラック・鍛冶屋・ワープポイントが結構な頻度で置かれています。そのおかげでリトライポイントの更新や装備の新調もしやすく・ファストトラベルの利便性も高めで、色々と準備しやすい仕様になっています。
ファストトラベルについては移動ポイントが多いだけでなく飛んだ先の近くにいる敵を予め確認できるので、特定の素材が足りない時に取りに戻るというのがしやすくて助かります。材料を集めやすいということは売りである料理を作るモチベーションにも繋がっていてGood。
武器は敵のドロップ品から作成できて種類はかなり豊富。メインウェポンだけでも剣・槍・斧・ダガー・銃・弓・杖・鎌が用意されており、サブウェポンも含めると投擲武器や盾やミニオン召喚など色々使えます。
私は癖の少ない剣+盾をよく使ってましたが、魔法が撃てる杖もエフェクトが派手で好き(魔力の管理やチャージが必要なので扱いが少し難しいけど…)。鎌も悪魔を召喚できて広範囲を一気に攻撃できるのが楽しいけど、敵を倒さないと召喚に必要な魂を集められないのでザコ殲滅特化といった感じの性能。
道中ではボス戦もあります。ボスは体力が膨大でHPをある程度減らすと行動パターンが変化する他、ほとんどのボスが弾幕系シューティング顔負けの弾幕をばらまいてきます。

背景にボスキャラのカットインが映るとパターンが変化、弾幕ばら撒きフェーズに突入するとこちらがいくら攻撃してもボスのHPバー近くに表示される灰色のゲージが無くなるまでは弾をばら撒き続けます。STGでたまに見る耐久弾幕と同じと言えばわかりやすいかも?
本作においてボスに苦戦する理由の9割は弾幕が占めていると言っても過言では無いです。ダッシュ回避が有能なおかげでそれ以外の攻撃はそこまで凶悪に感じない一方で、弾幕を張られると避けた先にも弾があって被弾するというケースが多々発生しがちでダメージを重ねやすい…。
料理にはダッシュで弾を消せるという効果のものがあったり・盾を構えることで一時的に被弾を防ぐこともできるので、どうしても避けきれない攻撃がある時は武器や料理を見直すのも大事。
ひたすら挑戦を繰り返しているだけだと勝ち目無くね…?と思うほどの強敵でも、武器を変えてみるだけで楽になる場面が少なからずありました。色んな武器を試してみながらボスの動きのパターンを覚えていくやり方がオススメです。
難易度は見習い(イージー)・副料理長(ノーマル)・料理長(ハード)の3段階。難易度の途中変更はZLで開くメニューから行えますが、下げることは可能でも上げることはできない一方通行です。
ゲーム側がオススメする副料理長でスタートするのも悪くはないですが、悩んだ時はとりあえず料理長で始めてみてムリと思ったら下げていくのも手。副料理長でも料理と武器の編成をしっかり考えないと厳しい程度の難しさはあります。

敵が落とす素材で料理や武器が作れるという所もユニークな点。食べれそうな物(機械のパーツなど一部食べれなさそうな物含む)は料理に・食べれなさそうな物は武器に加工できます。
クモやらスライムやら機械部品やらで材料はゲテモノが多くなりがちですが、それからできた料理を含めて見た目は普通に美味しそうなものがほとんど。味については…主人公くんはうんともすんとも言いませんが、材料が材料な料理が多いので私は御遠慮しておきたいです(エビとかカニとかは美味しそうだけど…)。
作れる料理は102種類・武器は108種類。パワーアップアイテムという役割以外にコレクション要素としても機能している他、持っている武器や胃の中にある料理で主人公の見た目も変わるという小ネタも存在。
中にはフィールド内に落ちているレシピや器具を拾ってからでないと作れない物もあります。見つけにくい小道の奥に隠されていることが多く探索が甘いと見落としがち。
料理はいわゆるスキル付け替えシステムの亜種で、「数秒ごとにHPを少量回復」「HP最大量アップ」「移動速度アップ」「特定武器使用時の攻撃力アップ」などよくあるタイプの他、「メインウェポンとサブウェポンを1つのボタンで同時に使えるようになる」「ダッシュで敵にぶつかるとダメージを与えられるようになるついでに弾を消せるようになる」など変わった効果の物も用意されています。主人公が胃袋に溜めておける=同時に付けられる特殊効果は7種類まで。
料理システムについては思っていたよりも普通のスキル付け替えだなーというのが正直な感想です。個人的にイメージしていたのは食べた献立に対応したバフを一時的にかけるというもの、もしくは付け外しはできず永久的に基礎ステータスを上げるか特殊効果を得るというだったので、ちょっと肩透かしでした。
ゾンビなので消化できず胃に入れているだけだからアクセサリー的な扱いになっていると考えるなら自然?ではある気はします…が、せっかくなら血肉にするという意味で同じ料理を作りまくって食べまくることで少しずつ永続効果を得られるようになるとかでも良かったかも?
一度作った料理や武器は以降ノーコストで付け替えできるようになり、複数の組み合わせを試す分には楽。料理はひらめきポイントを消費することで効果量をアップさせることもできます(武器は強化不可)。
料理は序盤に作った物であっても替えのきかない効果だったり・似たような効果を持つ物どうしでも重ねがけできるので、使おうと思えばどれも出番を作れます。一方で、武器は後から作れるようになる物の方が総じて強くなるので順次乗り換えていく感じ。
個人的には料理システム以上に紹介したい要素があって、それが世界観とキャラクターについて。
ストーリーの大半はギャグだらけの無法地帯。何故か野菜や果物や加工食品が当然の如く歩き回ってしゃべったり・主人公含むキャラの扱いが全般的にあんまりだったりで、シュールで不条理なギャグが飛び交う世界です。
ちょっぴりお下品なネタやブラックなネタもありますが、不快感を与えてくるような内容の物は控えめで純粋に面白いと思える物が多いのは良点。ギャグ色強めな時点で既に人を選びそうな作品ではありますが、ぶっぱなされるネタは小学年低学年から大人まで見れるものがほとんどで間口も広め。
こんなに可愛いシマー姉貴も作中ではやりたい放題。顔のパーツだけ伸ばして振り向いたり・破裂したり・解像度が下がったりと霊体ならではの顔芸もたくさん披露してくれます。

シマー姉貴は見た目だけでも角あり青肌幽霊美少女という属性の塊ですが、性格もお茶目ながら芯はしっかりしていて魅力的です。美人なのに自らボケていくスタイルなのもギャップがあって好き。
そんなシマーの手下であり主人公の同僚でもある骸骨達も骨だけなのに個性が強くてフランクだし、友達のドラゴン美少女ことグリルはクールで友達思いで几帳面に見えて急に天然ボケを噛ましてきたりして可愛いです。ダンジョンに住む野菜や果物達もユニークなヤツらばかりなので見かけた時はついつい話しかけたくなります。
こんな感じで半ば無理やり笑いを誘ってくる場面が多いストーリーではありますが、根幹的な世界設定はすごく真面目。ダンジョン内ではディストピアさながらの政策が敷かれていたり、生命倫理を問いてくる描写があったりでおちゃらけているだけのゲームでは決してありません。
シリアスな場面の途中で急にボケが混ざることもあって、その温度差で生まれたエネルギーで笑わせてくる所もあるにはありますが、決めないといけない所はしっかり決めているのはかなり好印象。
今までふざけ通していたキャラが急に真面目になることで、事態の深刻さがより強く伝わってくる作りにもなっていると思います。そういうこともあってギャグだらけの所に混ざるシリアスは結構好み。
世界観もファンタジーとSFが融合した珍しいものになっています。魔法と科学技術のそれぞれが独立して存在している上で双方ともかなり発展しているという設定はかなり新鮮。
遊ぶ前はダンジョンとかネクロマンサーを全面に出しているからファンタジーがメインに違いないと予想していましたし・序盤はほぼファンタジー成分のみで構成されているのが、ストーリーが進むほどSF成分も増えてきて最終的にはファンタジー2割SF8割というほぼ逆に割合に落ち着いたのには驚きました。
個人的に終盤の展開が特にお気に入りで、宇宙規模の破滅をもたらす超次元存在に地球が目をつけられていたという所がSCP財団味を感じられてめちゃ好き。序盤の展開からは全く想像できないようなオチとなっているのもあって良い意味で裏切られたと思いました。
でも個人的には料理システム以上に、ギャグ要素多分なストーリー&キャラクター&予想に反して真面目に作られている世界観を推したいです。モンスターを料理する要素は他作品におけるパッシブスキル獲得をアレンジしただけとも言えてしまうのに対し、シマーとグリルのお茶目さと彼女らのギャグセンスは間違いなく本作でしか味わえません。
2Dアクションゲームとしても普通に楽しめますが、キャラクターに興味を持った人にこそオススメしたい作品です。ついでに料理にシステム的な斬新さではなく設定やビジュアル面を期待している人も買って損はないと思います。
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モンスターの一部を調理して食べてパワーアップしていく2Dアクション。倒したモンスターをせっかくならいただきますしてみたい、と誰しもが一度は思ったことがある欲求(たぶん)を叶えてくれる作品です。
Switch版の発売は去年12月ですが、その時点ではSteam版含めてアーリーアクセス(≒未完成品)だったのを知っていたので、正式リリースが来るまではスルーすることを決めていました。この点に関しては製品版の完成を待ってからコンシューマ機へ移植するべきだと思いましたが…。
それから約7ヶ月の時を経た2022年7月28日に製品版がリリース、Switch版にもアプデが来て最後まで遊べるようになったのでようやく購入に至りました。ちゃんと完成して良かったです。
クリアまでにかかった時間は10時間程。料理のレシピや武器などコレクション要素のコンプリートまで含めると12時間程でした。
・タイトル:ダンジョンマンチーズ
・発売元:コーラス・ワールドワイド
・開発元:maJAJa
・対応ハード:Switch/PC(Steam)
・定価:
-Switch(DL)/Steam版:2100円(税込)
-Switch(パケ)版:2980円(税込)
・発売日:
-Switch版:2021年12月16日
-Steam版:2022年7月28日
・ジャンル:アクションRPG
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2022 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. "Dungeon Munchies" is developed and owned by maJAJa and Chorus Worldwide. "Dungeon Munchies" will not ask for, collect, store or share any of your personal data. Dungeon Munchies © 2022 maJAJa and Chorus Worldwide.
・公式サイト:
https://chorusworldwide.com/dungeonmunchies_jp/
どういう人にオススメ?
・タイトル画面の有角青肌美少女に惹かれた人!
・モンスターを料理して食べてみたい人!
良かった点
・敵が落とした素材で作れる料理や武器は種類が多く見た目もユニーク
・世界観はファンタジー一筋に見せかけて実際にはSF成分強め
・ストーリーはギャグメインで進むがシリアスに決める所はしっかり決めている
賛否両論?点
・敵を倒した時にドロップアイテムが吹っ飛んでいくことが多く回収が面倒
・料理はシステム的に見ると他ゲーにおけるスキル付け替えと対して変わらない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:コーラス・ワールドワイド
・開発元:maJAJa
・対応ハード:Switch/PC(Steam)
・定価:
-Switch(DL)/Steam版:2100円(税込)
-Switch(パケ)版:2980円(税込)
・発売日:
-Switch版:2021年12月16日
-Steam版:2022年7月28日
・ジャンル:アクションRPG
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2022 Chorus Worldwide Ltd. All rights reserved. "Dungeon Munchies" is developed and owned by maJAJa and Chorus Worldwide. "Dungeon Munchies" will not ask for, collect, store or share any of your personal data. Dungeon Munchies © 2022 maJAJa and Chorus Worldwide.
・公式サイト:
https://chorusworldwide.com/dungeonmunchies_jp/
どういう人にオススメ?
・タイトル画面の有角青肌美少女に惹かれた人!
・モンスターを料理して食べてみたい人!
良かった点
・敵が落とした素材で作れる料理や武器は種類が多く見た目もユニーク
・世界観はファンタジー一筋に見せかけて実際にはSF成分強め
・ストーリーはギャグメインで進むがシリアスに決める所はしっかり決めている
賛否両論?点
・敵を倒した時にドロップアイテムが吹っ飛んでいくことが多く回収が面倒
・料理はシステム的に見ると他ゲーにおけるスキル付け替えと対して変わらない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
主人公はゾンビだけど動きはスムーズな2Dアクション

主人公はネクロマンサーに復活させられたゾンビです。額に札が貼られているのでキョンシーだと勝手に思っていましたが、死後硬直は起こしてなさそうだし・作中でもゾンビ君と呼ばれているので特に特徴はない普通のゾンビっぽい。
主人公を蘇らせた元凶のネクロマンサーシェフ姉ちゃんことシマーに言われるがままにダンジョンを進んでいくついでに、道中にいるモンスターやら虫やら野菜やらを倒して食材を集めていくのが本作のメインストリーム。
基本操作はYでメインウェポン使用・ZRでサブウェポン使用・Bでジャンプ・Rでダッシュ。ボタンの割り当てはオプションから自由に変更可能です。
全体的な操作感はスタンダードな感じですが、割と早い段階で壁ジャンプを覚えたり・2段ジャンプだけでなく3段ジャンプまで覚えられたりするので探索のしやすさは良好。ゾンビとして見るなら非常に活きのいい動きをします。
ダッシュには結構長めの無敵時間があるので回避性能も割と高め。ダメージを受ける直前にダッシュすることで料理の強化に必要なひらめきポイントをオマケで貰えるという仕様も存在します。
このひらめきポイントは鍛錬値として貯め込めるだけでなく、獲得時にHPが少し回復する仕様にもなっています。ジャスト回避する以外に素材を拾った時やオブジェクトを調べた時にも入手できて貯まりやすい分、一度の強化で使う量も多いので結局すぐ無くなります。
敵を倒すと体の一部をドロップしますが、これが食材や武器の材料となるので集めておいて損はありません。敵は必ずしも殲滅する必要はありませんがずっと追いかけて来るヤツが多く集まると厄介なので、素材やひらめきポイント集めを兼ねてとりあえず片付けておくことをオススメします。
ちょっと困るのがドロップアイテムが派手に飛んでいくことが少なくない上に自動で回収されたりもしない所。素材収集が大事なゲームなのに針の上などに落ちてダメージ覚悟で回収しないといけない…という事が割と頻繁に起こるのは難点だと思います。
一応ストーリーを進めると「すごい吸引力!」という恒久アップグレードが手に入って、Lスティックで動くカーソルをアイテムに合わせることでも回収できるようにはなります。でも吹っ飛ぶ勢いが強すぎて変な所に飛んでいく事自体が減るわけではないし、ある程度近づかないといけない点は据え置きなので…。
ちなみに、ストーリーが進むにつれて主人公にはパワーアップと称した肉体改造が施されるのですが、その内容がケツにジェットをぶっ刺されたり・腕や足を増やされたりとムチャクチャだったり、デカいノミやらバックパックやらのゲテモノ料理を食べさせられたりと中々に酷い扱い。どうせならデカい磁石(調理済)でも食べさせてアイテムを自動的に吸い寄せる磁力も追加してくれーと思ったり。
道中にはリサイクルボックスに見える復活ポイントや調理トラック・鍛冶屋・ワープポイントが結構な頻度で置かれています。そのおかげでリトライポイントの更新や装備の新調もしやすく・ファストトラベルの利便性も高めで、色々と準備しやすい仕様になっています。
ファストトラベルについては移動ポイントが多いだけでなく飛んだ先の近くにいる敵を予め確認できるので、特定の素材が足りない時に取りに戻るというのがしやすくて助かります。材料を集めやすいということは売りである料理を作るモチベーションにも繋がっていてGood。
武器は敵のドロップ品から作成できて種類はかなり豊富。メインウェポンだけでも剣・槍・斧・ダガー・銃・弓・杖・鎌が用意されており、サブウェポンも含めると投擲武器や盾やミニオン召喚など色々使えます。
私は癖の少ない剣+盾をよく使ってましたが、魔法が撃てる杖もエフェクトが派手で好き(魔力の管理やチャージが必要なので扱いが少し難しいけど…)。鎌も悪魔を召喚できて広範囲を一気に攻撃できるのが楽しいけど、敵を倒さないと召喚に必要な魂を集められないのでザコ殲滅特化といった感じの性能。
道中ではボス戦もあります。ボスは体力が膨大でHPをある程度減らすと行動パターンが変化する他、ほとんどのボスが弾幕系シューティング顔負けの弾幕をばらまいてきます。

背景にボスキャラのカットインが映るとパターンが変化、弾幕ばら撒きフェーズに突入するとこちらがいくら攻撃してもボスのHPバー近くに表示される灰色のゲージが無くなるまでは弾をばら撒き続けます。STGでたまに見る耐久弾幕と同じと言えばわかりやすいかも?
本作においてボスに苦戦する理由の9割は弾幕が占めていると言っても過言では無いです。ダッシュ回避が有能なおかげでそれ以外の攻撃はそこまで凶悪に感じない一方で、弾幕を張られると避けた先にも弾があって被弾するというケースが多々発生しがちでダメージを重ねやすい…。
料理にはダッシュで弾を消せるという効果のものがあったり・盾を構えることで一時的に被弾を防ぐこともできるので、どうしても避けきれない攻撃がある時は武器や料理を見直すのも大事。
ひたすら挑戦を繰り返しているだけだと勝ち目無くね…?と思うほどの強敵でも、武器を変えてみるだけで楽になる場面が少なからずありました。色んな武器を試してみながらボスの動きのパターンを覚えていくやり方がオススメです。
難易度は見習い(イージー)・副料理長(ノーマル)・料理長(ハード)の3段階。難易度の途中変更はZLで開くメニューから行えますが、下げることは可能でも上げることはできない一方通行です。
ゲーム側がオススメする副料理長でスタートするのも悪くはないですが、悩んだ時はとりあえず料理長で始めてみてムリと思ったら下げていくのも手。副料理長でも料理と武器の編成をしっかり考えないと厳しい程度の難しさはあります。
料理システム以上に世界観が魅力的

敵が落とす素材で料理や武器が作れるという所もユニークな点。食べれそうな物(機械のパーツなど一部食べれなさそうな物含む)は料理に・食べれなさそうな物は武器に加工できます。
クモやらスライムやら機械部品やらで材料はゲテモノが多くなりがちですが、それからできた料理を含めて見た目は普通に美味しそうなものがほとんど。味については…主人公くんはうんともすんとも言いませんが、材料が材料な料理が多いので私は御遠慮しておきたいです(エビとかカニとかは美味しそうだけど…)。
作れる料理は102種類・武器は108種類。パワーアップアイテムという役割以外にコレクション要素としても機能している他、持っている武器や胃の中にある料理で主人公の見た目も変わるという小ネタも存在。
中にはフィールド内に落ちているレシピや器具を拾ってからでないと作れない物もあります。見つけにくい小道の奥に隠されていることが多く探索が甘いと見落としがち。
料理はいわゆるスキル付け替えシステムの亜種で、「数秒ごとにHPを少量回復」「HP最大量アップ」「移動速度アップ」「特定武器使用時の攻撃力アップ」などよくあるタイプの他、「メインウェポンとサブウェポンを1つのボタンで同時に使えるようになる」「ダッシュで敵にぶつかるとダメージを与えられるようになるついでに弾を消せるようになる」など変わった効果の物も用意されています。主人公が胃袋に溜めておける=同時に付けられる特殊効果は7種類まで。
料理システムについては思っていたよりも普通のスキル付け替えだなーというのが正直な感想です。個人的にイメージしていたのは食べた献立に対応したバフを一時的にかけるというもの、もしくは付け外しはできず永久的に基礎ステータスを上げるか特殊効果を得るというだったので、ちょっと肩透かしでした。
ゾンビなので消化できず胃に入れているだけだからアクセサリー的な扱いになっていると考えるなら自然?ではある気はします…が、せっかくなら血肉にするという意味で同じ料理を作りまくって食べまくることで少しずつ永続効果を得られるようになるとかでも良かったかも?
一度作った料理や武器は以降ノーコストで付け替えできるようになり、複数の組み合わせを試す分には楽。料理はひらめきポイントを消費することで効果量をアップさせることもできます(武器は強化不可)。
料理は序盤に作った物であっても替えのきかない効果だったり・似たような効果を持つ物どうしでも重ねがけできるので、使おうと思えばどれも出番を作れます。一方で、武器は後から作れるようになる物の方が総じて強くなるので順次乗り換えていく感じ。
個人的には料理システム以上に紹介したい要素があって、それが世界観とキャラクターについて。
ストーリーの大半はギャグだらけの無法地帯。何故か野菜や果物や加工食品が当然の如く歩き回ってしゃべったり・主人公含むキャラの扱いが全般的にあんまりだったりで、シュールで不条理なギャグが飛び交う世界です。
ちょっぴりお下品なネタやブラックなネタもありますが、不快感を与えてくるような内容の物は控えめで純粋に面白いと思える物が多いのは良点。ギャグ色強めな時点で既に人を選びそうな作品ではありますが、ぶっぱなされるネタは小学年低学年から大人まで見れるものがほとんどで間口も広め。
こんなに可愛いシマー姉貴も作中ではやりたい放題。顔のパーツだけ伸ばして振り向いたり・破裂したり・解像度が下がったりと霊体ならではの顔芸もたくさん披露してくれます。

シマー姉貴は見た目だけでも角あり青肌幽霊美少女という属性の塊ですが、性格もお茶目ながら芯はしっかりしていて魅力的です。美人なのに自らボケていくスタイルなのもギャップがあって好き。
そんなシマーの手下であり主人公の同僚でもある骸骨達も骨だけなのに個性が強くてフランクだし、友達のドラゴン美少女ことグリルはクールで友達思いで几帳面に見えて急に天然ボケを噛ましてきたりして可愛いです。ダンジョンに住む野菜や果物達もユニークなヤツらばかりなので見かけた時はついつい話しかけたくなります。
こんな感じで半ば無理やり笑いを誘ってくる場面が多いストーリーではありますが、根幹的な世界設定はすごく真面目。ダンジョン内ではディストピアさながらの政策が敷かれていたり、生命倫理を問いてくる描写があったりでおちゃらけているだけのゲームでは決してありません。
シリアスな場面の途中で急にボケが混ざることもあって、その温度差で生まれたエネルギーで笑わせてくる所もあるにはありますが、決めないといけない所はしっかり決めているのはかなり好印象。
今までふざけ通していたキャラが急に真面目になることで、事態の深刻さがより強く伝わってくる作りにもなっていると思います。そういうこともあってギャグだらけの所に混ざるシリアスは結構好み。
世界観もファンタジーとSFが融合した珍しいものになっています。魔法と科学技術のそれぞれが独立して存在している上で双方ともかなり発展しているという設定はかなり新鮮。
遊ぶ前はダンジョンとかネクロマンサーを全面に出しているからファンタジーがメインに違いないと予想していましたし・序盤はほぼファンタジー成分のみで構成されているのが、ストーリーが進むほどSF成分も増えてきて最終的にはファンタジー2割SF8割というほぼ逆に割合に落ち着いたのには驚きました。
個人的に終盤の展開が特にお気に入りで、宇宙規模の破滅をもたらす超次元存在に地球が目をつけられていたという所がSCP財団味を感じられてめちゃ好き。序盤の展開からは全く想像できないようなオチとなっているのもあって良い意味で裏切られたと思いました。
総評:システム以上にキャラクターや世界観を推したい、完成した今こそオススメできる作品
アーリーアクセスの時点でSwitchに移植してしまったのはさすがにダメじゃない?とは思いましたが、完成版になった現在ではしっかり出来上がっている良作と言えます。でも個人的には料理システム以上に、ギャグ要素多分なストーリー&キャラクター&予想に反して真面目に作られている世界観を推したいです。モンスターを料理する要素は他作品におけるパッシブスキル獲得をアレンジしただけとも言えてしまうのに対し、シマーとグリルのお茶目さと彼女らのギャグセンスは間違いなく本作でしか味わえません。
2Dアクションゲームとしても普通に楽しめますが、キャラクターに興味を持った人にこそオススメしたい作品です。ついでに料理にシステム的な斬新さではなく設定やビジュアル面を期待している人も買って損はないと思います。
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