【Steam】『エルシャダイ』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
Steam版『El Shaddai(エルシャダイ)』を購入しました。

2010~2011年ぐらいにPVが流行ったゲーム。ネット上で「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」の掛け合いを聞いたことある人も少なくないと思います。
2011年にPS3とXbox360で発売されましたが、当時はどっちのハードも持っていなかったので買えず実況動画だけ見た思い出があります。
発売から2週間限定で通常版が19%off、アートワークとサウンドトラック付きのデラックス版が45%offのセールも開催中。
セール時の値段だと700円程度の差しかなかったのでDX版を購入。クリアまでは11時間程でした。
シュールなPVと比べるとシリアスな雰囲気で物語が進みます。ゲーム中に喋るのはほとんどルシフェルとアークエンジェル達だけでイーノック自身は話しません。
序盤で堕天使の隠れ家であるタワーを見つけるまでの約300年間の過程がイラストと語りで説明されるのですが、イーノックが名前をいくつも持っている理由とか無口になった理由とかが何となく察せられる内容で中々重い。

ここの右に進めば進むほど時間が進み、経過年数とイラストが一緒に出る演出がすごい好き。既にエンディングを見ている気分になりました。
300年以上の年月を旅をしていることもあって、周りの人は先に死ぬし怪しまれたり狙われたりで過酷。年数的にはタワーに辿り着いた時点で既に旅の最終盤という…。
辿り着く前のエピソードもゲームとして遊んでみたいですが、堕天使に挑む前に心がけちょんけちょんになりそうなので飛ばしてくれてありがたい…かも。
この場面以外も演出が凝っていて、特に背景は水彩画のような描かれ方で素敵。




最初の白い砂が敷きつめられたような砂漠、タワーに入る直前のエリア、階毎にテーマが違うタワー内部など、どれもいい景色。
体力ゲージとかのUIが画面上で見れないのも特徴的で、イーノックや敵の鎧の壊れ具合で残り体力がわかるようになっています。2周目からイーノックの体力がゲージでも見れるようになります(オプションからゲージ表示を消すことも可能)。
ルシフェルに近づくとオートセーブしてくれる他、近くでボタンを押すと任意のスロットにセーブすることもできます。凄く自然?なセーブポイント。
ルシフェルと電話相手との会話は全部聞かなくても先に進めますが、何となく立ち止まって聞いてみるのも面白いかも。
BGMも耳に残るものが多く、特にVS堕天使はどれもカッコイイです。個人的に一番好きなのはサリエル戦のBGMですがエゼキエル戦も捨てがたい。
内容もちゃんとアクションしていて3Dのステージと2Dのステージがありジャンプで小さい足場を渡る場面も多数ありますが、落ちた場合はルシフェルが指パッチンで時間を巻き戻してくれて直前から即座にやり直せるのでリトライ性も良し。
落ちた時のダメージもかなり小さい?(落ちた時にたま~に鎧が割れる音が聞こえるし、鎧が完全に剥がされている状態で落ちるとゲームオーバーになるのでノーダメージではない)のでたくさん落ちても安心。その分シビアなジャンプを要求される場所も結構ありますが…。
中にはバイクに乗って縦横無尽に駆け回るステージもあったりします。紀元前の人間のはずなのにバイクを即座に乗りこなせるイーノックの適応能力の高さが凄い。
アスレチック的な地形が多いのにカメラを任意で動かすことができないのは困った所。奥や足場が見えにくく距離感が掴めず落ちることや戦闘中に敵の体に隠れてイーノックが見えなくなるシーンも結構ありました。
戦闘中においては基本的なカメラワーク自体はそんなに悪くはないです…が、戦闘中に急に視点が切り替わってどこにいるのかわからなくなったことがしばしばあったので、動かせないなら動かせないで急に動かず固定して欲しかったとは思います。
ちなみに、ステージ内には手記を渡してくれる人物が居たり・「イシュタールの骨」が拾える冥界へ続く穴があったりと収集要素もあります。設定含むメモを読めるので世界観を掴みたいなら全部集めたい。
手記を渡してくれる人物は結構わかりにくい所にいることも。中にはどうやってここまで来たのか不思議に思える場所にもいて、カメラが動かせないこともあって全員見つけるのは大変。
冥界には前述のイシュタールの骨を集めたいなら行く必要アリ。内部は白黒でホラーな雰囲気、しかも落ちるとバットエンディング直行というトラウマ空間…(バッドエンドを見てしまっても冥界に入る直前からやり直せます)。
イシュタールの骨がある場所はヒントがないので結構捜しまわる必要がありますが、下から穢れが迫ってくるので探す時間はそんなにありません。その仕様で死ぬ度にバッドエンドが流れる仕様はちょっと面倒だと思ったので指パッチンで戻してくんろ。
一度エンディングまで行くとチャプターを選んでそこから遊ぶことができるようになるので、手記等はストーリー中に取り逃しても後ほど回収可能。ランクシステムもクリア後に解禁されるのでアクションゲームとしてもかなり楽しめるゲームです。
難易度はイージー・ノーマル・ハード(2周目以降)・エクストラ(2周目以降)の4段階。ただし難易度調整は戦闘面のみの調整でアスレチック面は据え置きな点は注意。

操作はジャンプボタン・攻撃ボタン・ガードボタン・浄化ボタンを押すだけというシンプルなもの。
攻撃ボタンを連打する以外にも、攻撃ボタン長押しでタメ技・ガードボタン+攻撃ボタン同時押しで打ち上げ技・攻撃ボタンの連打を遅らせることでガードブレイク技を使えたりと簡単な操作ながら技は豊富。
ガードボタンを敵の攻撃が当たる直前に押すとジャストガードが発動し相手が怯むので、特に攻撃が苛烈な堕天使戦ではガードも重要になってきます。攻撃をキャンセルして咄嗟にガードすることはできないので、狙ってやっても結構難しいですが…。
一応素手でも戦えないことはないですが、アーチ・ガーレ・ベイルという3種類の武器を持ち替えて戦うのがメイン。
アーチは剣のように振るうタイプの武器。攻撃性能も機動力も中間的かつアクションパートではジャンプボタン長押しで滑空ができます。
ガーレはファンネルの如く弾を飛ばす遠距離型の武器。攻撃性能は高めですが防御面は脆く、ガードボタン+ジャンプボタンでダッシュが可能。
ベイルは腕に着けて殴打する武器。見た目の通りパワー型で遅いですが破壊力とガード性能は抜群、ベイルでしか壊せないオブジェクトも登場します。
個人的にガーレが大好きでよく使っていました。見た目も手の動きに合わせて弾が飛ぶのがカッコイイし、ガードが苦手だったこともありダッシュで逃げ回れる戦法をとれることからも愛用していました。
これらの武器は三竦みの関係(アーチ→ベイル→ガーレ→アーチ…)になっており、同じものを使い続けると穢れていって攻撃力が下がってしまいます。定期的な浄化に加えて敵の持っている武器に合わせて交換するのが基本。
敵が持つ武器はある程度攻撃してスタンさせてから浄化ボタンを押すと奪うことが可能。相手を無力化できるだけでなく、武器を即座に浄化して攻撃力を回復させることもできます。
浄化ボタンでの浄化では隙ができてしまうので、基本的には敵から奪う時か知恵の実から取る時ついでに浄化した方がいいかも。特にボス戦では実を置いてくれてますし。
敵を倒す順番は相性を考えて不利属性が残らないように立ち回れるといい感じに戦えます。同じ武器持ちを排除してから相性で有利が取れる順に倒すと戦いやすいかも。
ボスクラスの敵の弱点は見ただけだとわかりにくく形態変化で相性が変わるヤツもいるので、常に武器の有利不利を見ることができるモードがあったらありがたかったかも。一応、短時間だけ弱点を見ることができるアイテムはありますが欲しい時に出てこない時も多いですし…。
ザコ敵もかなり硬く攻撃力も低くは無いので慣れていないとすぐ鎧を剥がされてしまいますが、やられてしまっても目が閉じ切る前にボタンを連打することで即座に復活可能な連打復帰システムも搭載。
やられる度に必要な連打数が増えていきますがだいたい1チャレンジにつき3~4回は復活できるので、難易度ノーマルならボス戦もゴリ押しできるぐらいの強さに収まっています。
もし連打復帰が間に合わなくてゲームオーバーになってしまっても戦闘の直前からやり直すことができます。形態変化などで連戦する相手に負けても2回戦目からやり直せる優しい仕様なので、アクション苦手でも割と安心できる作りです。
ただし、やりこみで高評価を狙う際は一気にハードなゲームに変わります。連打復帰を使わない・ゲームオーバーにならない前提で挑まないと最高評価のGは取れません。
ゲーム中盤になると、ウリエルスマッシュという強化モードも使えるようになり、大天使ウリエルがジョジョのスタンドの如く相手を攻撃してくれる上にガードボタン+浄化ボタンで必殺技も撃てます。しかも発動時に鎧が回復するオマケ付き。
基本的に戦闘中の回復はできないのですが、ウリエルスマッシュは貴重な回復手段としても有用です。私は鎧が剥がれるまで温存してヤバくなったら回復ついでに発動、という形で使っていました。
個人的にアレ?と思ったのはバラケル階で急に出てくるメトセラ・セタとかいう兵器・セリフに出てくるイーノックの本当の力についての解説が結局無いこと、セムヤザ階で本体と言える魂すら残っていなかった展開でその後もまるで打ち切りエンドの如くめでたしめでたしで終わった辺り。それ以外でも突然に新設定が明かされる場面が終盤に行くほど増えていきます。
そもそも、サブタイトルにある「ASCENSION OF THE METATRON(メタトロンの昇天)」の内容についても明かされず終い。ゲーム内で明かされなかった内容や用語について詳しく知りたいなら、クリア特典として読める小説を読むしかないです。
堕天使についても7人いる内の4人としか戦うことができず、セムヤザとバラケルとアラキエルに関しては戦う以前に姿を拝むことすらできないのでちょっと肩透かし。しかもラスボスが闇に堕ちたアルマロスという謎。
堕天使の1人であるアルマロスについても急にイーノックのことを親友だと思っていることが明かされるのですが、唐突すぎるのでその理由をルシフェルの口頭だけでなく回想とかで語る演出が欲しかったです。プレイアブルになる場面もあるからこそ詳しい描写が欲しかった…。
でも設定は気になる部分が多いんですよね。エノク書が元ネタという部分にも惹かれましたし、小説で書かれている部分もゲームとして遊べたら神作になっていたかと思うともったいない。
世界観の展開自体は原作小説の他にも漫画版とか色々されているのですが、ゲームもいつしか完全版や続編が出るといいですね…。
DX版についてくるアートワークにはゲーム本体では見れない絵や設定資料も見れるので、世界観が好きな人はDX版を買うのをオススメします。サントラも付いてくるし。
10時間ちょっとで終わると考えると当時の定価である7980円だと確かにボリューム不足な感じは否めませんが、Steam版だと定価3980円+小説付きなので十分に元は取れると思います。
話はちょっとズレますが、2017年にPS4・PSVitaで発売された「ザ・ロストチャイルド」というゲームもエルシャダイと世界観が繋がっているらしいです…が、なんでかメガテンみたいなゲームになっています。
ロスチャの方でもルシフェルが出てきたりはするものの、世界観もだいぶ変わってしまっていてクトゥルフ神話の神とか出てくるのはなんか違うな~と思い購入していません…イーノックをメインにしたゲームを新しく出して欲しい…。
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2010~2011年ぐらいにPVが流行ったゲーム。ネット上で「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ、問題ない」の掛け合いを聞いたことある人も少なくないと思います。
2011年にPS3とXbox360で発売されましたが、当時はどっちのハードも持っていなかったので買えず実況動画だけ見た思い出があります。
発売から2週間限定で通常版が19%off、アートワークとサウンドトラック付きのデラックス版が45%offのセールも開催中。
セール時の値段だと700円程度の差しかなかったのでDX版を購入。クリアまでは11時間程でした。
・タイトル:
El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON
・発売元:crim Co., Ltd.
・開発元:crim Co., Ltd.
・対応ハード:PC(Steam)
・定価:
通常版:3980円(税込)/DX版:7880円(税込)
・発売日:2021年9月2日
・ジャンル:アクション
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:©crim
・公式サイト:
https://crim.amebaownd.com/
どういう人にオススメ?
・アクションゲームが好きな人!
・例のPVやセリフを見て気になっていた人!
良かった点
・背景が水彩画の如く綺麗でBGMもいい
・落下時のやり直しが非常にスムーズ
・戦闘スタイルはカッコイイしリトライもしやすい
・クリア後のオマケとしてゲーム終盤〜終了後のストーリーを補完した小説が読める
賛否両論?点
・カメラの移動が任意でできないので一部見えづらい部分がある
・ストーリーは中途半端(一応小説という形で補完はされている)
備考
・キーボード操作不可なのでコントローラー必須
(当ブログの画像はSteamの機能を用いて撮影)
El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON
・発売元:crim Co., Ltd.
・開発元:crim Co., Ltd.
・対応ハード:PC(Steam)
・定価:
通常版:3980円(税込)/DX版:7880円(税込)
・発売日:2021年9月2日
・ジャンル:アクション
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:©crim
・公式サイト:
https://crim.amebaownd.com/
どういう人にオススメ?
・アクションゲームが好きな人!
・例のPVやセリフを見て気になっていた人!
良かった点
・背景が水彩画の如く綺麗でBGMもいい
・落下時のやり直しが非常にスムーズ
・戦闘スタイルはカッコイイしリトライもしやすい
・クリア後のオマケとしてゲーム終盤〜終了後のストーリーを補完した小説が読める
賛否両論?点
・カメラの移動が任意でできないので一部見えづらい部分がある
・ストーリーは中途半端(一応小説という形で補完はされている)
備考
・キーボード操作不可なのでコントローラー必須
(当ブログの画像はSteamの機能を用いて撮影)
世界観の元ネタはエノク書
世界観やストーリーは聖書偽典のエノク書が元ネタ。主人公のイーノックが地上の堕天使達を捕縛するために地上に降りたところからゲームスタート。序盤で堕天使の隠れ家であるタワーを見つけるまでの約300年間の過程がイラストと語りで説明されるのですが、イーノックが名前をいくつも持っている理由とか無口になった理由とかが何となく察せられる内容で中々重い。

ここの右に進めば進むほど時間が進み、経過年数とイラストが一緒に出る演出がすごい好き。既にエンディングを見ている気分になりました。
300年以上の年月を旅をしていることもあって、周りの人は先に死ぬし怪しまれたり狙われたりで過酷。年数的にはタワーに辿り着いた時点で既に旅の最終盤という…。
辿り着く前のエピソードもゲームとして遊んでみたいですが、堕天使に挑む前に心がけちょんけちょんになりそうなので飛ばしてくれてありがたい…かも。
この場面以外も演出が凝っていて、特に背景は水彩画のような描かれ方で素敵。




最初の白い砂が敷きつめられたような砂漠、タワーに入る直前のエリア、階毎にテーマが違うタワー内部など、どれもいい景色。
体力ゲージとかのUIが画面上で見れないのも特徴的で、イーノックや敵の鎧の壊れ具合で残り体力がわかるようになっています。2周目からイーノックの体力がゲージでも見れるようになります(オプションからゲージ表示を消すことも可能)。
ルシフェルに近づくとオートセーブしてくれる他、近くでボタンを押すと任意のスロットにセーブすることもできます。凄く自然?なセーブポイント。
ルシフェルと電話相手との会話は全部聞かなくても先に進めますが、何となく立ち止まって聞いてみるのも面白いかも。
BGMも耳に残るものが多く、特にVS堕天使はどれもカッコイイです。個人的に一番好きなのはサリエル戦のBGMですがエゼキエル戦も捨てがたい。
内容もちゃんとアクションしていて3Dのステージと2Dのステージがありジャンプで小さい足場を渡る場面も多数ありますが、落ちた場合はルシフェルが指パッチンで時間を巻き戻してくれて直前から即座にやり直せるのでリトライ性も良し。
落ちた時のダメージもかなり小さい?(落ちた時にたま~に鎧が割れる音が聞こえるし、鎧が完全に剥がされている状態で落ちるとゲームオーバーになるのでノーダメージではない)のでたくさん落ちても安心。その分シビアなジャンプを要求される場所も結構ありますが…。
中にはバイクに乗って縦横無尽に駆け回るステージもあったりします。紀元前の人間のはずなのにバイクを即座に乗りこなせるイーノックの適応能力の高さが凄い。
アスレチック的な地形が多いのにカメラを任意で動かすことができないのは困った所。奥や足場が見えにくく距離感が掴めず落ちることや戦闘中に敵の体に隠れてイーノックが見えなくなるシーンも結構ありました。
戦闘中においては基本的なカメラワーク自体はそんなに悪くはないです…が、戦闘中に急に視点が切り替わってどこにいるのかわからなくなったことがしばしばあったので、動かせないなら動かせないで急に動かず固定して欲しかったとは思います。
ちなみに、ステージ内には手記を渡してくれる人物が居たり・「イシュタールの骨」が拾える冥界へ続く穴があったりと収集要素もあります。設定含むメモを読めるので世界観を掴みたいなら全部集めたい。
手記を渡してくれる人物は結構わかりにくい所にいることも。中にはどうやってここまで来たのか不思議に思える場所にもいて、カメラが動かせないこともあって全員見つけるのは大変。
冥界には前述のイシュタールの骨を集めたいなら行く必要アリ。内部は白黒でホラーな雰囲気、しかも落ちるとバットエンディング直行というトラウマ空間…(バッドエンドを見てしまっても冥界に入る直前からやり直せます)。
イシュタールの骨がある場所はヒントがないので結構捜しまわる必要がありますが、下から穢れが迫ってくるので探す時間はそんなにありません。その仕様で死ぬ度にバッドエンドが流れる仕様はちょっと面倒だと思ったので指パッチンで戻してくんろ。
一度エンディングまで行くとチャプターを選んでそこから遊ぶことができるようになるので、手記等はストーリー中に取り逃しても後ほど回収可能。ランクシステムもクリア後に解禁されるのでアクションゲームとしてもかなり楽しめるゲームです。
難易度はイージー・ノーマル・ハード(2周目以降)・エクストラ(2周目以降)の4段階。ただし難易度調整は戦闘面のみの調整でアスレチック面は据え置きな点は注意。
戦闘パートは歯ごたえはあるがサポートも手厚い

操作はジャンプボタン・攻撃ボタン・ガードボタン・浄化ボタンを押すだけというシンプルなもの。
攻撃ボタンを連打する以外にも、攻撃ボタン長押しでタメ技・ガードボタン+攻撃ボタン同時押しで打ち上げ技・攻撃ボタンの連打を遅らせることでガードブレイク技を使えたりと簡単な操作ながら技は豊富。
ガードボタンを敵の攻撃が当たる直前に押すとジャストガードが発動し相手が怯むので、特に攻撃が苛烈な堕天使戦ではガードも重要になってきます。攻撃をキャンセルして咄嗟にガードすることはできないので、狙ってやっても結構難しいですが…。
一応素手でも戦えないことはないですが、アーチ・ガーレ・ベイルという3種類の武器を持ち替えて戦うのがメイン。
アーチは剣のように振るうタイプの武器。攻撃性能も機動力も中間的かつアクションパートではジャンプボタン長押しで滑空ができます。
ガーレはファンネルの如く弾を飛ばす遠距離型の武器。攻撃性能は高めですが防御面は脆く、ガードボタン+ジャンプボタンでダッシュが可能。
ベイルは腕に着けて殴打する武器。見た目の通りパワー型で遅いですが破壊力とガード性能は抜群、ベイルでしか壊せないオブジェクトも登場します。
個人的にガーレが大好きでよく使っていました。見た目も手の動きに合わせて弾が飛ぶのがカッコイイし、ガードが苦手だったこともありダッシュで逃げ回れる戦法をとれることからも愛用していました。
これらの武器は三竦みの関係(アーチ→ベイル→ガーレ→アーチ…)になっており、同じものを使い続けると穢れていって攻撃力が下がってしまいます。定期的な浄化に加えて敵の持っている武器に合わせて交換するのが基本。
敵が持つ武器はある程度攻撃してスタンさせてから浄化ボタンを押すと奪うことが可能。相手を無力化できるだけでなく、武器を即座に浄化して攻撃力を回復させることもできます。
浄化ボタンでの浄化では隙ができてしまうので、基本的には敵から奪う時か知恵の実から取る時ついでに浄化した方がいいかも。特にボス戦では実を置いてくれてますし。
敵を倒す順番は相性を考えて不利属性が残らないように立ち回れるといい感じに戦えます。同じ武器持ちを排除してから相性で有利が取れる順に倒すと戦いやすいかも。
ボスクラスの敵の弱点は見ただけだとわかりにくく形態変化で相性が変わるヤツもいるので、常に武器の有利不利を見ることができるモードがあったらありがたかったかも。一応、短時間だけ弱点を見ることができるアイテムはありますが欲しい時に出てこない時も多いですし…。
ザコ敵もかなり硬く攻撃力も低くは無いので慣れていないとすぐ鎧を剥がされてしまいますが、やられてしまっても目が閉じ切る前にボタンを連打することで即座に復活可能な連打復帰システムも搭載。
やられる度に必要な連打数が増えていきますがだいたい1チャレンジにつき3~4回は復活できるので、難易度ノーマルならボス戦もゴリ押しできるぐらいの強さに収まっています。
もし連打復帰が間に合わなくてゲームオーバーになってしまっても戦闘の直前からやり直すことができます。形態変化などで連戦する相手に負けても2回戦目からやり直せる優しい仕様なので、アクション苦手でも割と安心できる作りです。
ただし、やりこみで高評価を狙う際は一気にハードなゲームに変わります。連打復帰を使わない・ゲームオーバーにならない前提で挑まないと最高評価のGは取れません。
ゲーム中盤になると、ウリエルスマッシュという強化モードも使えるようになり、大天使ウリエルがジョジョのスタンドの如く相手を攻撃してくれる上にガードボタン+浄化ボタンで必殺技も撃てます。しかも発動時に鎧が回復するオマケ付き。
基本的に戦闘中の回復はできないのですが、ウリエルスマッシュは貴重な回復手段としても有用です。私は鎧が剥がれるまで温存してヤバくなったら回復ついでに発動、という形で使っていました。
世界観はいいもののストーリーの端折られが目立つ
ストーリーに関してはゲーム内描写だけだと説明不足な点も多く、終盤の展開もあんまりスッキリしません。ここから先はストーリーのネタバレ注意。個人的にアレ?と思ったのはバラケル階で急に出てくるメトセラ・セタとかいう兵器・セリフに出てくるイーノックの本当の力についての解説が結局無いこと、セムヤザ階で本体と言える魂すら残っていなかった展開でその後もまるで打ち切りエンドの如くめでたしめでたしで終わった辺り。それ以外でも突然に新設定が明かされる場面が終盤に行くほど増えていきます。
そもそも、サブタイトルにある「ASCENSION OF THE METATRON(メタトロンの昇天)」の内容についても明かされず終い。ゲーム内で明かされなかった内容や用語について詳しく知りたいなら、クリア特典として読める小説を読むしかないです。
堕天使についても7人いる内の4人としか戦うことができず、セムヤザとバラケルとアラキエルに関しては戦う以前に姿を拝むことすらできないのでちょっと肩透かし。しかもラスボスが闇に堕ちたアルマロスという謎。
堕天使の1人であるアルマロスについても急にイーノックのことを親友だと思っていることが明かされるのですが、唐突すぎるのでその理由をルシフェルの口頭だけでなく回想とかで語る演出が欲しかったです。プレイアブルになる場面もあるからこそ詳しい描写が欲しかった…。
でも設定は気になる部分が多いんですよね。エノク書が元ネタという部分にも惹かれましたし、小説で書かれている部分もゲームとして遊べたら神作になっていたかと思うともったいない。
世界観の展開自体は原作小説の他にも漫画版とか色々されているのですが、ゲームもいつしか完全版や続編が出るといいですね…。
DX版についてくるアートワークにはゲーム本体では見れない絵や設定資料も見れるので、世界観が好きな人はDX版を買うのをオススメします。サントラも付いてくるし。
総評:ストーリーは説明不足なものの、一種のアートワークのようなゲームで結構好き
ネットだとPVのイメージが一人歩きしている感じですが、実際に遊んでみると印象がガラッと変わる作品だと思います(PVも内容自体は間違ってはないですが)。世界観デザインもさるごとながらアクションゲームとしても楽しかったです。10時間ちょっとで終わると考えると当時の定価である7980円だと確かにボリューム不足な感じは否めませんが、Steam版だと定価3980円+小説付きなので十分に元は取れると思います。
話はちょっとズレますが、2017年にPS4・PSVitaで発売された「ザ・ロストチャイルド」というゲームもエルシャダイと世界観が繋がっているらしいです…が、なんでかメガテンみたいなゲームになっています。
ロスチャの方でもルシフェルが出てきたりはするものの、世界観もだいぶ変わってしまっていてクトゥルフ神話の神とか出てくるのはなんか違うな~と思い購入していません…イーノックをメインにしたゲームを新しく出して欲しい…。
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