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【Switch】『ファイアーエムブレム エンゲージ』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2023/01/23
ゲーム感想&レビュー 0
Switchソフト SRPG
『ファイアーエムブレム エンゲージ』を購入しました。

マルスやアイクなど過去作の主人公がお助けキャラとして登場するというフレコミもあって発表時から楽しみにしていた作品です。今回は奮発して限定版を購入。
今までとは打って変わって色鮮やかでポップなキャラクターデザインが目を引きますが、肝心のSRPG部分は風花雪月よりも昔のFEに近い手強いシミュレーションとなっています。どちらかというと古参勢向けのゲームバランスではありますが、エンゲージを始めとする新システムがわかりやすく強力だったり・遊びやすいように巻き戻し機能が続投していたりもします。
エンディングまでは25時間程度で到達。ただし外伝込みで遊んだら35〜40時間ぐらいが目安。

・タイトル:ファイアーエムブレム エンゲージ
・発売元:任天堂
・開発元:インテリジェントシステムズ
・対応ハード:Switch
・定価:
パケ版:7678円(税込) / DL版:7600円(税込)
・発売日:2023年1月20日
・ジャンル:シミュレーションRPG
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
・公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/ayfna/

どういう人にオススメ?
・ファイアーエムブレムの戦闘システムが好きな人!
・手強いSRPGを遊びたい人!

良かった点
・三すくみの復活に合わせてブレイクという新システムが追加され戦術性がパワーアップ
・エンゲージは強力だがターン制限があるためバランスブレイカーとまではいかない
・難易度選択や巻き戻し機能もあって初心者やヌルゲーマーでもどうにかなる
・ユニットの見た目は現代らしい可愛らしさと鮮やかさがある
・過去作の主人公が紋章士として登場するのに加えて、外伝などにも過去作のオマージュが散りばめられている

賛否両論?点
・メインストーリー中ですら会話のノリが軽い部分が目立つので合う合わないはハッキリ分かれる
・後から加入してくるユニットが育てたユニットの上位互換というパターンがやたら多い
・遭遇戦が難しくて救済処置にはなっていない
・有用な継承スキルの引き継ぎに必要なSPが多すぎる上に稼ぎにくすぎる
・支援会話も紋章士との会話(絆会話)もアッサリしすぎていて物足りない

備考
・amiibo対応 (一覧)
・インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)

昔のバランスに回帰しつつも新システムも増えたFE


前作に当たる『ファイアーエムブレム 風花雪月』は戦略性以上に育成やシナリオを重視していた作品でしたが、本作は『ファイアーエムブレムif』以前のFEに回帰して再度SRPG部分に力を入れ直した感じの作品です
特徴その1は武器の三すくみが復活している点。風花雪月ではオミットされていた要素だったのですが、剣>斧>槍>剣…という相性関係が戻ってきた上で有利な武器で攻撃をしかけると発動するブレイクというシステムが追加されています。
ブレイクさせると相手は次の戦闘が終わるまで反撃不可になってしまいます。弱点を突けば反撃をもらわず一方的に攻撃できる状況を作り出せるので今までなら反撃で落ちる危険性が高かった防御低めのユニットも前線に出やすくなったのと同時に、防御が高いユニットを無闇矢鱈に前線へ出す事に対するリスクも上昇しています。
一応「重装」の戦闘スタイルを持っているクラスであればブレイクされることなく反撃ができるので、アーマーナイトなどの重装クラスであれば壁の役目を任せやすいです。でも重装ユニットにも魔法やアーマーキラーにめっぽう弱いという弱点があるため万能ではないという感じでバランスが取られています。
ちなみに、戦闘スタイルには「重装」の他にも「騎馬」「飛行」「連携」「隠密」「気功」「魔導」「竜族」の計8種類がありクラスに附属しています。それぞれ地形の影響や受ける特攻やサポート技の有無が違う他、エンゲージ技やエンゲージスキルは特定のスタイル持ちならより強化されたり・同じ技でも使い手のスタイルによって別の効果が発動する仕様です。
三すくみとは別に魔法・弓・杖は体術に一方的に弱いという相性関係も追加されているので、今までなら杖を振りまくるしかなかったモンクやシスターが体術で攻撃してサポートする戦術も取れるようになっています。距離関係なく反撃してくる魔法使いやシーフも体術でぶん殴ってから他の武器で攻撃すると安全に倒せます。
ついでに、if同様に武器の使用回数制限が無くなっているので、強い武器を出し惜しみする必要も無くなったのも良点。ただし杖のみ回数制限アリ。
武器は素材アイテムを消費して強化したり・紋章士の刻印を入れてさらに強化したりもできるので、ユニットのみならず武器の育成に力を入れてみるのも楽しいかも。ちなみにエンゲージ武器も特殊な素材を使えば強化できます。
加入するユニットについても、フランとクランが赤緑枠・ヴァンドレがジェイガン枠…など、風花雪月が例外だっただけかもしれませんがFEのお約束ともいえる役割が戻ってきたのは嬉しかったポイント。ペガサス三姉妹も戻ってきてくれて良かったのよ。

2つ目の特徴がエンゲージと呼ばれるシステムが追加されたこと。こちらは過去作の主人公の力を借りて3ターンだけパワーアップする、本作で一番フィーチャーされているシステムです。
紋章士は12人+αいて、指輪をつけたユニットに守護霊のように付いてくれます。エンゲージ中のみ発動するエンゲージスキルが紋章士毎に違っていて、例えばマルスなら「神速」(攻撃時にダメージ50%の追撃・竜族とエンゲージしている時は追撃で与えたダメージ分だけHPを回復できる)シグルドなら「迅走」(移動が5アップ・騎乗ユニットならさらに移動が2アップ)という、方向性は違えどどれも強力な効果です。
エンゲージ中にのみ使用可能なエンゲージ武器や一度のエンゲージで一回だけ使えるエンゲージ技も強力。こちらも紋章士毎に固有のものが使用可能で、エンゲージ技の例を挙げるとマルスなら「スターラッシュ」(剣使用限定でダメージ30%の7連攻撃を繰り出す・竜族なら+2回攻撃可)シグルドなら「オーバードライヴ」(直線状の敵を攻撃しながら反対側に移動する)を使えます。
こう見ると中々の壊れパワーアップな気もしますが、一度使うとシンクロ率を上げないと再使用できなくなるのでタイミングを間違えると逆に辛くなります。敵側の強さもエンゲージを使う前提の強さに設定されていますし、逆に敵がエンゲージ技を使って来ることもあるので気が抜けません。
それとは別に指輪を着けてさえいればエンゲージ中でなくとも発動するシンクロスキルやSP消費で覚えられる継承スキル、本作では使用できる武器をクラスを変えずに後天的に追加する事が可能でそれにも特定の紋章士との絆レベル上げが必要など、あらゆる面を考慮しても出撃ユニットに紋章士を付けない理由がありません。
最初にエンゲージできるのはマルスのみで、ストーリーを進めると他の紋章士も集まってきます。ただし11章でストーリー前半で仲間になった紋章士を一度手放す羽目になる上に18〜22章まで帰ってこないので、紋章士に頼り切った運用をしているユニットはその間が結構辛くなるので注意。
ブレイクやエンゲージのおかげで全体的に攻撃側が優位に立ちやすくなった印象。ひたすら篭って相手を殲滅するまで耐えるよりも、早めに攻勢を仕掛けた方がいい場面も増えたように感じます。

難易度は今まで通りノーマル・ハード・ルナティックの3段階やられても復活ありのカジュアル・やられるとロストするクラシックの2モードから選べます。後ほどの難易度変更は下げる方向のみ可能の一方通行。
本作はマップの複雑さという点でも敵の強さという点でも難易度はかなり高め。風花雪月でハードまで行けた人も本作のハードを初見でやるには厳しいと思います。
各マップに固有ギミックがある所も厄介ですが、何よりも増援のパターンが嫌らしいように感じました。行く手を阻むように湧いてきたり・後戻りできないように湧いてきたり…湧き方にもバリエーションがありますし、一度に湧く数もかなり多め。
特に厄介なのが連携スタイルのクラスが沢山来た時で、チェインアタックという追撃を重ねられまくると高防御のクラスでもアッサリ落とされます。というのも、このチェインアタックが受ける側のHPに依存する割合ダメージを防御無視で与えてくる仕様なのでステータス関係なく貫通してくるのと、1回のダメージは少なくても数の暴力でゴッソリ削られてしまうため自軍が使う以上に人数の多い敵軍に使われるとヤバい攻撃になっています。
さらに敵将はHPが0になっても復活できるクリスタルを持っているのでどんなに強いユニットで殴りに行っても1〜3回は耐えられてしまいます。加えて雑兵のみならず敵将やエースもこちらに移動してくるパターンが割とよくあるので、自分達が行くのではなくやって来た相手を迎え打たないといけない場面も多かったです。
ただ、本作にもターン巻き戻し機能(今回は「竜の時水晶」という名称)が引き続き搭載されている所に優しさも残っています。ノーマルでは無限に・ハードやルナティックでも10回も巻き戻せるので、昔みたいにちょっとしたミスや増軍などの初見殺しで仲間が死んでリセットしないといけなくなる…ということは減っています(そのぶん容赦ない増援も増えていますが)。
目立つ難点はSRPG部分にはないのですが、強いて言えばおまかせや時水晶やターン終了を選ぶ度に+ボタンでメニューを出さないといけないのとユニットの詳細情報を見るのに一体ずつカーソルを合わせて-ボタンを押さないといけないというUI面での不満はあります。+ボタンと-ボタンは小さい上に固くて押しにくいので、押す頻度を考えるとXボタンとかYボタンとかに割り当ててくれた方がありがたかったです。
後は攻撃する時の選択肢でエンゲージが一番上に来るせいで、まだ使いたくない時にも押してしまいがちなのがちょっと邪魔です。即座にBボタンを押せばエンゲージ状態ごとキャンセルできるのでまあ…。
クラス同士のバランスについては、重装&シグルドの組み合わせ・シーフの「隠密」スタイルによる地形効果×2と毒付与効果が付いている上に射程が1〜2マスある暗器がちょっと強すぎるかもと思いつつも、こちらが強い分は別にいいかな…と(ヌルブレマーなので)。最初からアーマーナイトで防御が高いルイ、シーフで防御も魔防もそれなりにあるユナカは加入してからずっとスタメンでした。
育成までガチる場合はステータスに「体格」の項目があるのが少し不穏に感じました。強い武器ほど重い傾向があって体格に合わないものを持たせると速さが下がるデメリットがあるのですが見た目が華奢で可愛いユニットほど体格が伸びにくいので、最強部隊を目指すと体格マッチョだらけのゴリラーエムブレムか速さをめちゃくちゃ高めてデメリットを無理やり打ち消すマッハエムブレムになる予感がします…。
武器に重さの概念がある事自体もかなり後になって気づきました。現実的には正しい仕様ではあるとは思うのですが、小さいキャラがデカくて強い武器を振り回すのが最高だと思っている人には邪魔でしかない仕様…。

また、本作にはソラネルという拠点があります。概念的にはifのマイキャッスルに近い場所で、風花雪月みたいにプレイ時間の半分以上が拠点活動が占めている…ということはありません。
ユニット2人とお食事会ができるのと釣りができる所は風花雪月っぽいですが、後は道具屋・武器屋・鍛冶屋・アクセサリー屋といったお店だったり、牧場や果樹園で材料アイテムを拾ったり、筋肉体操やドラゴンシューターといったミニゲームを遊んだり、イヌみたいな不思議生物と戯れたり、支援会話や絆会話を見たりと、章の合間に出撃準備する為の場と言った感じ。
食事で支援値が上がったり筋肉体操でステータスが一時的にプラスされるなどアクティビティをやるメリットは多少ありますが、拠点での活動をスルーしても後々への影響はそこまでないので風花雪月の学校パートが面倒だった人には朗報。やりたくなければ完全スルーでどんどん出撃しても全然問題ありません。
強いてやっとくと得と言えるのは、牧場に犬を放すと拾えるようになる武器の強化素材を回収しておく事と鍛錬ぐらい。支援会話を集めたいならお食事会も追加で。
ソラネルとは別にマップクリア後に戦場だった場所を走り回ることもできるようにもなっていますが、落ちているアイテムを拾って・動物を保護さえすれば長い時間滞在する必要もないです。でもここで戦ってたのかーと観光として見て回る楽しさはあるので個人的には好きな機能。
ストーリーの進行の仕方についてもカレンダー式ではなくなっているので、支援値上げや出てきた外伝を後回しにしても問題ありません。ここら辺の仕様も含めてifぐらいに戻ってきている感じの作品です。

ストーリー自体は割と王道だが…


個人的にメインストーリーのシナリオはそこまで悪くない…というか良くも悪くも王道で、過去2作で搭載していたルート分岐もありません(最後の章で負けると見れるバッドエンド的なものはあるけど)。超圧縮して要約すると悪い竜を倒すぞーというお話で『暗黒竜と光の剣』や『覚醒』など過去作のいくつかのセルフオマージュでもあると思われますが、戦争している感はかなり薄まっています。
主人公のリュール(名前変更・性別選択可)は数千年ぶりに目覚めた神竜。大層な肩書きを持っていますがカムイみたいに竜に変身して攻撃したりはできないので、性能面は他作品の剣主人公とそこまで変わりません。
この世界において神竜という存在自体が信仰の対象なので、敵対している邪竜勢力を除けばほとんどのキャラが最初から好感度高めに接してくれます。リュール本人が何かする前から信仰対象だからとヨイショされまくるのは親の七光りを感じてえぇ…とは思いましたが、正義の神竜VS悪の邪竜という勧善懲悪ものに近い構図なので後味もそこまで(少なくとも風花雪月よりかは)悪くないのは良い所でもあります。
ルミエルお母様が出会って早々に殺されるせいで情が湧きにくかったり「何者だ!」→「神竜です」→「信仰対象~!?」という流れが数回繰り返されたりリュールの言うことを他王族があっさり信じすぎなど展開の仕方については気になる所がありますが、不快にはならないし情報量が少なく説得力に欠けているものの破綻はしていないのでとやかく言うほどでもないかなと思いました。終盤の怒涛の展開はわりと好きで、リュールの派手なツートンカラーにも理由があったのは良かったです(ネタバレ)。

ストーリーの流れそのものではなく、その中で繰り広げられるセリフ回しや演出が今までのFEと比べてあまりにも軽すぎるのが好き嫌いが分かれるポイントだと思います。個人的には期待していたイメージとの乖離もあって一部は見ていて辛かったと思えるレベルでした。
最序盤からクランとフランが神竜様ファンクラブとか目線くださいとかアイドル追っかけみたいなセリフばかり言うのでここは#FEの世界か!?と思ってしまいましたし、その後もユナカのぴっぴですぞ口調やスタルークのジャンピング土下座やパンドロのうぇーーーいなど、緊張感を削がれるシーンやセリフがメインストーリーや戦闘中に出てきて悪目立ちしてしまっています。
悪目立ちの瞬間最大風速を記録したのがスタルークのジャンピング土下座のシーン。自信がなくてすぐごめんなさいするキャラで土下座する所まではまだいいのですが、わざわざジャンプさせてギャグ漫画みたいな動きにしているのが世界観に全く合わないし、キャラ1人の印象と空気を犠牲にまでしてやる寒いギャグほど悲しいものはないと思いました。
シリアスなシーンでは人が亡くなっていたり各国間の王族の関係性に生憎と悲哀が混じり合っていたりもちゃんとするので終始気が抜ける場面ばかりではないと断じて言えますし、なんなら割合としては真面目の方が大きいしストーリー後半〜エンディングまでは全くと言っていい程ふざけてません。…が、変なセリフと変なシーンの1つ1つの破壊力が凄い上に、それをそのキャラとの初対面で見せられるし、さらには展開の早さも加わって困惑。
おまけに、シリアス真っ最中でもすぐ思い出せる記憶が序盤のギャグシーンに侵食されていて「今って真面目な場面だよね?…だよね?」と考えてしまって集中できなかった始末。気の抜けるテキストや演出を挟んだ事が、没入感・雰囲気・世界観構築に対して完全に悪い方向に働いてしまっていたように感じます。
このノリが支援会話という区切られたパート内だけなら過去作にもあった漫才タイプの支援会話として見れたのに、メインストーリー中やレベルアップ時のセリフに持ってこられるのはなんか違う…と思ってしまいました。結論はネタに走るにしてもTPOをわきまえていて欲しかったという事です。

オールスターが出てくるお祭り作品だからはっちゃけてもOKという考え方もできなくもないです。しかし、過去作の主人公が出てくることを売りにしている時点で新規勢ではなく古参勢をターゲットにしているように見えますし、それなら尚更のこと世界観や雰囲気を過去作に寄せるべきだったと私は考えてしまいます。
さらに言えば、お祭り作品として扱うにしても振り切り方が十分だったとは思えません。ヒーローズはスマホアプリで遊べるハードが違うしゲーム性も単純化・無双や#FEはジャンルが違うなど、これらの作品は一目で外伝作品だとわかるぐらいには別物なので予め「そういうものなんだ」というある種の諦めが生じていて今までのFEとは別枠で評価できるのですが、本作の場合はハードが風花雪月と同じSwitchでゲーム性の方もしっかりとFEしているので世界観にも今までと同類のモノを求めてしまうのはファンの心理としては必然だと思いますし、中途半端に雰囲気だけ変えられてしまう方が受け入れ難いです。
本作が初FEの人であればこういうものだと普通に受け入れられる可能性も無きにしも非ずです。しかし、本作でハマってくれた人が過去作に手を出した場合もそれはそれで全然違うじゃん!となりかねないので結局微妙な気が…。
ぶっちゃけ本作はターゲットにしたかった層というのがよくわからないというか、ターゲッティングが全てにおいて中途半端だと思います。新規勢にとっては過去作キャラが出てくるだけでもバイバイ要因になるし、既存勢には軽い雰囲気と新キャラの見た目とストーリーが合わない可能性が高いしで、どっちの視点から見ても減点ポイントが無視できないほどに大きいです。
強いて言うなら、【過去作主人公のことを知っていてかつ昔のFEには詳しくなかったり過去作を遊んだことがないという人】がターゲットにはなるかもですが、そういう人ってそんなに多くないと思うんですよね。FE本編はやったことないけどFEHだけやっている人やスマブラでFEキャラを知って興味を持った人ぐらい?
そもそもの話をすると紋章士の設定自体が謎だらけで最後まで曖昧な説明しかされなかったのも残念でした。これでは既存ファンに買わせるための客寄せパンダとして過去作主人公を使おうとしただけに思えてしまいます。

キャラクターは外見は良いけど中身がわかりにくく育成もしづらい

本作のユニット達はif以上に見た目や個性で殴ってくるタイプキャラクターデザインやモデリングなど外見の作り込みは気合いが入っていてとても良いです。
Mika Pikazoさんの現代アニメチックなデザインと色使いは3Dでもカラフル&キラキラで可愛らしさMAX。動きに関しても視線や唇の動きがなめらかでイキイキしていて、ソラネルにいる時に私服や体操着を着る所は生活感と共に制作陣のこだわりを感じるポイント。
性格というか属性も飽和水溶液を超えて結晶化しているレベルで濃くてちょっと話せばどんなキャラかわかるので、出会ってすぐピンと来た子がいると性能がどうであれ使ってみようと思えるのは良い所。ただし一見でピンと来ないと内面描写の薄さもあって後から挽回するのが困難なので、パッと見で微妙と思うキャラが多いとモチベーションがずっと上がらない可能性も大きい点には注意です。
全体的に本作はキャラクターの内面よりも外面や第一印象に注力している印象を受けました。ここに関して私的にはスマホゲーならともかく本作はコンシューマゲーなのでビジュアルだけいいキャラが多いだけでは満足いかないんよ…という少し否定的な気持ちはあります。
正直、Mika Pikazoさんのキャラデザインもファイアーエムブレムというシリーズに向いているかと言うとそんなに…とは思うのですが、確かに大衆受けしやすそうな魅力があるデザインでFEのキャラであることを無視すれば私も好きです。ただし、FEに出てきた時点で歴代キャラと比べてしまって生きるか死ぬかの戦場に立っている泥臭さも緊張感も足りないように感じてしまい、クオリティが高くても方向性が過去作と違いすぎるという理由でミスマッチと判断してしまうのはやむ無しです。
ここはもうプレイヤー側がFEに求めているキャラ像で評価が左右される部分なので、キャラクター重視の人で買うかどうか悩んでいるなら公式サイトのキャラ紹介を見てみて、好みの子がいるなら買う/いないなら様子見でいいと思います。私の推しはクランとジャンのショタ2人・オトコの娘のロサード・アイクとセットで出てきたミスティラ・激ツヨアーマーナイトでしかも妄想オタクなルイ。

一方で、支援会話については話しているキャラが持つ属性や趣味をひたすらに擦ることしかしていなかったり・他の組み合わせで聞いたことがあるような話を別の組み合わせでもするしで薄味気味に感じてしまいました。例を挙げると、アルフレッドなら筋肉の話・セリーヌなら紅茶の話だらけで他の要素が中々出てきません。
この傾向は特にフィレネ出身ユニットで強く、後から加入してくるユニットほどマシな確率が上がっているように感じました。話を作る担当が変わったのか・同じ人が途中でスキルアップしたからなのかはわかりませんが、そのせいで掘り下げのクオリティにキャラ格差が出てしまっています。
本作同様に癖が強すぎるという批判が少なからずあったifや覚醒のユニット達は私は普通に好きなのですが、エンゲージは支援会話があっさり終わるせいで推し出されている属性以外のキャラクター性が掴みにくく感じてイマイチよく分からない(悪く言うと多面性がなく薄っぺらく見える)ユニットも多いです。まだ全組の支援会話を読んだわけではないので言い切るには早計だとは思いますが、起承転結の起であるC支援の時点での取っ掛りが少なくツルツルでBやAまで読んでみたい!とそそられるものが少なく、さらに遭遇戦の仕様も相まって今まで大好きだった支援上げ作業そのものがしんどく感じるのは個人的に凄く残念なポイント。
リュールと他ユニットの支援レベルが高くなるほどそのユニットのプロフィールが開示されていくという仕様もありますが、支援会話では掘り下げしない代わりにプロフで補完するよという制作陣からのメッセージとも思えて素直に有難いとは言えません。プロフの文章を読むだけより支援会話の中で自然と色々わかっていく形式の方がいいに決まっていますし…。
もちろん良かったと思える支援会話もあるので全部が一概にダメだと言っているわけではないので悪しからず。特にユナカ・スタルーク・パンドロの第一印象アレ組は支援会話を読む前と読んだ後の印象が大きく変わったので、この3キャラが苦手な人は嘘だと思いながら支援レベルを上げてみてください。
内容の薄さとは別に、倫理的もしくは時代考証的に気になる部分がいくつか見受けられるのも問題点。飲み物が触れるであろうティーカップに有毒の鉛を入れたり(アルフレッドとエーティエの支援会話)・西洋風の世界観なのに和食であるはずの唐揚げの話が出てきたり(アイビーとカゲツの支援会話)した時は「え?」と声を出してしまいました。
鉛の話は現代視点だとアウトでもFEの世界は化学が進んで無さそうだし毒性がわかってなさそうだからセーフ(?)とかカップの外側底に貼り付けているだけだからセーフとか・唐揚げはフリッターのことだけどわかりにくいから唐揚げと仮呼称しているだけなのでセーフとかこじつけて無理やり納得しましたが…。聞き馴染みのない言葉を使ってでも世界観を守っていた風花雪月の支援会話を読んだ後だとまあ粗が目立ちます。
それに加えて、エンディング後に語られる後日談で支援値の高いユニット同士がペアになるエンドがリュールとの組み合わせ以外用意されていないというのも残念ポイント。前作も主人公のみ結婚できる仕様でしたが仲間同士のペアエンドもちゃんとありましたし、どうして無くした?としか言いようがなくてキャラゲーとしては間違いなく劣化している部分です。

戦闘面では頑張って育てたユニットのほぼ上位互換な性能をしたユニットがポンポン加入してくるせいで、楽に進めるならどんどん入れ替えてしまった方がいいのが個人的には辛かったポイント。クラシックで遊んでいる人に対する救済処置を兼ねているとは思うのですが、キャラゲーとして見れば稼ぎをしにくくしている上により強いキャラを後から追加してくる仕様は紛うことなき悪手です。
個人的な意見としては、しっかり育ててきたキャラより新規加入キャラの方が少し弱いか同じぐらいになる調整で、どちらを使っても難易度的にそこまで差が出ないバランスが一番理想的。本作や暁のラグズ王族みたいに途中加入ユニットが強すぎると今まで育ててきた方が二軍落ちしまくるし、だからといって見劣りする強さだとif暗夜のニュクス等みたいに加入した所で使う余裕が無いという状況にもなりうるし…調整する側の苦労は伺えますが、そこはプロのなせる技でどうにかして欲しかった所。
単純に出撃枠に対して勝手に仲間になる人数が多すぎるというのも問題点。覚醒やifの子世代のようにユニット同士の支援値を上げて結婚させた上で外伝をクリアしないと仲間にならないとか、風花雪月みたいにスカウトしないと仲間にならないとか、こちらがアクションを起こさないと増えなくてユニットを集めること自体がやり込みになっているならともかく、メインストーリーを進めるだけで大多数が加入してくるのは「また増えるの!?ちょっと前に仲間になった人達も覚えられていないのに…」と思いました。
だからといってストーリー上でなら大量に出てくるキャラを適切に扱えているかというとそういうわけでもなくて、王族とヴァンドレ以外は初登場シーンが終わるとメインストーリーに影も形も見せなくなるので、言動や見た目でインパクトを残している or 単純に外見やユニット性能が良くて出撃回数が多くなるキャラ以外の影が薄くなる一方です(ここ自体はキャラロストの都合上FEあるあるで本作だけの問題点でもありませんが)。
その割に敵の方は終盤で四狗と呼ばれる幹部クラスのキャラを撤退させては出撃させての繰り返しで何回も登場させてくるし掘り下げもするのに、結局4人中3人が仲間にならないとか何なの?と思ってしまいました。ここまで来たら余韻の良さシリーズ一を目指して全員仲間にして欲しかったです。
一部のキャラは外伝で仲間になる仕様にしてそっちで掘り下げるという手もあっと思います。逆に外伝で加入するのが村人枠のジャンとアンナだけというのは少なすぎますし、バランスの悪さを感じざるを得ません。
ついでに、王族1人に付き人2人という関係性が大部分を占めているのもifと対して変わっていないように感じてしまったので、仲間になる理由や出自にもっとバリエーションが欲しかったです。主が加入するから側近2人も個人の意志関係なく加入するというパターンが多すぎて辟易しました。

育成環境に関してもかなり厳しめで、遭遇戦はあるものの難易度がメインストーリーで挑むことになるマップ以上に高く設定されていて、大量の敵が強い武器を持って突撃してきまくるせいで最前線のユニットはともかく置いてきぼりになっているユニットは育てたくとも生き残ること自体が困難になってしまいます。そのせいで初心者やSRPGが苦手な人に対する救済処置になっているとは言えませんし、クリア後のレベル上げや支援上げに使うにも苦労します。
簡単に稼いで無双はさせないぞという制作側の思惑だとは思うのですが、上位互換が出てきたユニットを追いつかせるだけでも苦労するのでハード以下では手加減して欲しかったです。ルナティックに至っては遭遇戦が出現すること自体珍しく出現する数も予め決まっているらしいので、もはや簡悔精神でこんな設定にしているのではと穿った見方をしてしまいます。
だからといって育成させる気が全くない仕様というわけでもなく、道具屋でチェンジプルフもマスタープルフも無限に買えるようになるし、上級Lv20まで到達してもチェンジプルフを使えば同じクラスを基礎ステータスはそのままLv1からやり直せるのである程度育て続ける事が可能ですし、連戦の試練や繋戦の試練(リレー形式で他の人と挑戦するマップ)があるしで、育成がやり込みの一環として用意されているのは明らか。でも稼ぎ諸々がストレスフルなせいで、やり込みたいと思えるまでのハードルが高すぎるのが残念ポイントです。
お金も遭遇戦でたまに出現する金ノ異形兵を狙わないとあまり稼げないので普通に辛いです。この様子を見ると後ほどDLCで経験値策・金策マップが来そうな感じがしますが、もしその予定なら有料であれ無料であれ発売日時点で用意して欲しかった所。
一応、遭遇戦ではなくたまに発生する訓練戦でならクリアすれば出撃したユニット全員に経験値が配られたり・軍資金をくれたりするので、ベンチ組は遭遇戦を諦めてこっちや鍛錬で稼げという事なのかも。なら発生頻度をもう少し上げてもらっていいですか…。
紋章士から引き継げる継承スキルについても不満があって、有能なスキルは継承するのに必要なSPがとてもじゃないけど多い上に稼ぐのも大変です。SPは紋章士の指輪を装着した状態で戦闘することで溜まりますが、相当な回数をこなさないと4桁にも到達しないので無闇矢鱈に継承させると逆に苦労します。
中にはマルスの「回避+30」など強力な代わりにSPが4500も要求されるものもあるのですが、ここまで来るとメインストーリー中ずっと前線に立っていてかつ一切他のスキルにSPを振らなかったとしても足りるかどうかちょっと怪しいレベルです。周回前提の数値設定かなと思ったのにクリア後の引き継ぎ機能もないし(アップデートで追加されそうな気もしなくもない)。

所々に隠された過去作のオマージュを探すのが楽しい


今までの主人公が助けてくれるということで、当然気になってくるのが過去作にまつわる要素。むしろ紋章士目当てで本作を買ったという方も私も含めて少なくないはず。
個人的に期待していた紋章士達とユニットとの会話は…どれも一言二言で終わるというあまりにもあっさりしすぎた内容で肩透かし。アイク&ミスティラみたいに中には良い…と思える物もあるのですが、基本的には他愛のない会話なので絆会話という大層な名前を付けるほどでもないと思いました。
しかもこの絆会話を見るまで絆レベルの上昇にロックがかかるせいで、マップの途中で規定レベルに到達するとそのユニットで戦闘するメリットが少し減ってしまうのもぷちイラポイント。解禁される度に見ていかないと少し損する仕様になっていて面倒です。
加えて紋章士同士の会話がほとんどないのが残念でした。FE無双のマルス&ルキナぐらいしっかりした会話を期待していた私がバカだったのですが、スピンオフ作品の無双でできるなら本作でも同じようなことをやって欲しかったっす。
指輪磨きというifにあったおさわり機能をマイルドにしたようなシステムについては…ノーコメントでお願いします。ロイのくすぐったいというセリフはめちゃかわとは思いましたが、内心ここよりも絆会話の方に手を込めて欲しかったのは否めません。

ただ、過去作をオマージュした要素というのは色んな所で見られて、シンクロスキル・エンゲージスキル・エンゲージ技・エンゲージ武器は登場する作品の仕様を再現した物が多々見られる他、絆レベルを上げると出現する外伝で過去作の佳境となるマップを再現していたり、外伝でアレンジBGMが流れたり、探してみると結構楽しいです。
夜のソラネルでできるタロットカード占いの絵柄や結果も過去作のストーリーに則しているし、FEHの総選挙アイクなど色んな所からネタを拾っているのはいいなと思いました。クロムがいたら#FEとかからもネタを持ってきていたのかなと思うとクロムがいないことが尚更のこと悔やまれます。
複製で出来上がる指輪も、かつて仲間になったユニットが(過去絵の使い回しだけど)イラスト付きで表示される仕様でかなり好き。複製は絆のかけらで回せるガチャで出てくる指輪にはレアリティがS・A・B・Cの4段階用意されています。
性能的には紋章士が揃ったらそっちの絆上げ優先かな…という感じもしますが、Sランクの指輪には固有のスキル効果が付いているので、それを狙うなら回しまくるのもアリかなとは思いました。紋章士周りのシステムは継承スキルや複製ガチャなどにヒーローズの血を濃く受け継いでいる気がします。
こんな感じで難易度の高さや過去作ネタなどから、本作はどちらかというと新規勢よりも昔からのシリーズファン向けに作られているように思えます。…にしてはキャラデザと雰囲気とセリフ回しが今までのFEからかけ離れているのがどうにもチグハグに感じてしまいますが。

総評:手強いSRPGを求めるなら◎、世界観やキャラクターを求めると△

ブレイクやエンゲージの追加、厄介なギミックやエンゲージ技持ちのボスが行く手を阻むマップなど、SRPG部分は割と真っ当にFEしていて楽しい作品です。手強さを感じる一方で、カジュアルモードや巻き戻し機能などはちゃんと残っているので初心者やヌルブレマーにも遊びやすめ。
その一方で、キャラクターについてはFEらしいかはともかくモデリングが綺麗で表面的な魅力はしっかりしているものの、掘り下げが浅く淡白に感じてしまいました。メインシナリオ自体は展開が早すぎる点と神竜様ワッショイしすぎなのを除けば可もなく不可もなくだとは思うのですが、その一部で繰り広げられる会話が軽すぎてついて行けないし、この路線が次回作でも続いたらもうシリーズを卒業した方がいいのかも…と頭を抱えています。
まとめると、戦闘システム◎・育成しやすさ×・世界観△・ストーリー△に近い○・キャラクターは外見○/掘り下げ×・紋章士関係のオマージュ○という感じでした。他の要素はどうでもいいから手強いシミュレーションを遊びたい人にはオススメですが、私みたいにキャラや支援会話や育成を重視する人ならやめておいた方が無難かも…。
遊ぶ前は2周目もやろうと思っていましたが、引き継ぎ機能も無いしシナリオや大多数のキャラにそこまでの愛着が持てなかったのもあって最初からやり直すほどのやる気は出ていません。だからといって育成や支援会話集めのために遭遇戦をやるかというとこっちも面倒な仕様でやる気が出ない状況が続き完全にスランプ状態に陥っているので、しばらく寝かせようと思います。
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