3秒でげーむおーばー。

【Switch】『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2022/06/29
ゲーム感想&レビュー 0
Switchソフト アクション FE無双風花雪月
『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』を購入しました。

ファイアーエムブレム風花雪月』×無双シリーズ。風花雪月本編もコエテクが協力として携わっているので予想できなくもなかった組み合わせ。
前作と言える「ファイアーエムブレム無双」はタイトルの垣根を越えて色んなユニットが参戦しているお祭り作品でしたが、本作は世界観もキャラクターも風花雪月のみでまとまっていてストーリーにも力を入れている印象。
序盤で選んだ3つの学級毎に違う物語が展開されます。…なのに青ルートだけでも外伝含めて全クエスト遊んだ時点で30時間程かかったのでボリュームが膨大すぎる。

・タイトル:
ファイアーエムブレム無双 風花雪月
・発売元:コーエーテクモゲームス
・開発元:コーエーテクモゲームス
・対応ハード:Switch
・定価:7920円(税込)
・発売日:2022年6月24日
・ジャンル:タクティカルアクション
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1~2人
・権利表記:
© Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
© コーエーテクモゲームス All rights reserved. Licensed by Nintendo
・公式サイト:
https://www.gamecity.ne.jp/fe_fs/

どういう人にオススメ?
・ファイアーエムブレム風花雪月のキャラや世界観が好きな人!

良かった点
・FE要素と無双要素がちょうどよく融合していた前作の面白さを引き継ぎつつ、新しい仕様も増えていて風花雪月らしさもちゃんとある
・ユニットに命令して味方や砦を守ったりしないとあっさり負ける緊張感もある
・FEのキャラクターを自由に動かせて楽しいし、本編ではNPCだったキャラも仲間になる
・IFストーリーではあるものの本編における第1章と第2章の間の話を読むことができる

賛否両論?点
・風花雪月本編を既に遊んでいる前提で物語が展開されるため未プレイ勢は多分ついていけない
・ベレトスが好きな人ほどストーリーに共感できないかも

備考
・amiibo対応 (「ファイアーエムブレム」シリーズ他)
・無料体験版あり
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)




風花雪月のシステムに寄せた新しいファイアーエムブレム無双


前作もFE要素と無双要素がガッチリ組み合わさっていて面白かったのですが、本作には風花雪月ならではの仕様が新要素や変更点として数多く追加されています
前作の記事は↓。基本的なシステム自体はほぼ同じなので合わせて見てもらえると嬉しいです。
『ファイアーエムブレム無双』を購入しました。プレミアムボックスはお値段は1万円とかなり豪華ですが、残り1つだけだったので購入してしまいました中身はソフト+サウンドトラック+公式設定資料集+ポスターカード。ソフト+2000円と考えるとお得。 設定資料集は隠しキャラのネタバレもあるので、ネタバレNGの人は一通り遊んでから見ることをオススメします。3DS版(new3DS専用)もあるのですが、内容は一緒らしいので処理落ちが少なく...

ここでは前作から変わった仕様や新要素だけをピックアップして紹介。風花雪月がFEとしては異質な作品だった影響で本作と前作で違う点が多くまとめるのも大変…。
数ある仕様変更の中でも一際目立つのが武器の相性関係。「武器の三すくみ」はFEシリーズ恒例と言える要素でしたが、風花雪月では何故か廃止されていたため本作もそれに倣うものと思い込んでました。
しかしながら、本作では剣>斧>槍>剣…の三すくみの他に魔>弓>拳>魔…の新しい三すくみまで引っさげて帰還。風花雪月本編とは違って武器相性が重視される仕様でif以前のFEに回帰した感じ。
正確に言うと、システムそのものに三すくみが搭載されているわけではなく「〇〇崩し」という兵種に付いてくるスキルが相性を決めている仕様ですが、各兵種で持てる武器種は指定された1種類のみかつ崩しスキルの種類も持てる武器で決められているので、実質的に使用武器による三すくみが設定されているという認識で問題ありません(例外はダークメイジとダークビショップが「騎馬崩し」を持っていること)。
個人的に三すくみの復活は嬉しいと思えるポイント。武器相性がある方が考えることが多くて楽しいし、なんといってもFEらしいし、ね。
ついでに、武器相性に3段階のレベルが設定されているのも新要素。装着スキルや騎士団を各ユニットに付けることで相性の激化や緩和が可能になっています。
武器に相性があるのが面倒だと思う人は緩和すればいいし、三すくみを考えて戦いたい人は激化させればいいしで、ここに関してはどちらの派閥にとってもありがたい仕様になっています。私はもちろん激化派。

攻撃の種類も増えていて、弱攻撃・強攻撃・奥義以外にR+XorYで戦技や魔法を発動できるようにもなりました。戦技などは兵種レベルを上げることで習得できて使用回数を重ねると強化されていきます。
戦技と魔法の使用には武器耐久をコストとして差し出さないといけないので使いまくっているとガス欠に。その分、威力や範囲は強攻撃と比べても強力で騎乗特攻や飛行特攻が付いているものもあるので中々に便利。
また、前作におけるダブルは副官という名称に変更されています。本編でも同名のシステムが存在していて出撃しなくとも後衛にすることで支援値や経験値を得ることができましたが、本作では近くにいる仲間をL+Yで後衛に設定できるという物になっていて副官にしたいユニットも出撃する必要があります。
ダブルは自動追撃と自動ガードの発動頻度が異様に高くバランスブレイカーと言ってもいいほど強力でしたが、本作では名前が変わったついでに弱体化されてました。その代わりに確率で前衛が使った戦技や魔法を後衛に伝授できるという新しいメリットが追加。
メインクエスト限定で作戦を設定できるようにもなりました。敵将のスカウトもこのシステムで可能になっています。
スカウト以外にも色んな効果があって、敵砦長のHPを半減させたり・自軍砦に攻めてくる敵を一時的にシャットアウトして時間を稼いだりもできてかなり便利です。
留意点は、サブクエストをクリアすることで集められる「作戦資源」が必要であること・出撃準備画面で事前に使う作戦を選ばないといけないこと・提示されてから▷ボタンを長押しして発動させないと効果がないことの3つ。特に敵将をスカウトしたい場合は作戦を出す前に倒してしまわないよう注意。

後は、シェズを制圧済みの任意の砦まで即時ワープさせられる「無間の瞬動」が追加されたりもしています。一見ぶっ壊れにも思えるシステムですが、友軍や砦を守りつつ戦わないといけない場面も増えていますし・逃げるタイプの敵が素早く移動するようになっているし・Sランクが取れるクリアタイムの基準もかなり厳しくなっているので、割とバランスは取れています。
ちょっと話が出たのでクリア時の評価制度についても紹介しておきます。評価対象は討伐敵数・クリアタイム・被ダメージ率の3つで、その平均が総合評価として記録されます(総合評価Sランクは3つともSを取る必要アリ)。
前作で悩まされがちだった討伐敵数が足らないケースというのが少なくなった代わりに、結構急いでも基準タイムに間に合わないことが増えたように感じます。
既にクリアしたことのあるクエストについてはエピソードを進めてしまってもフリー出撃からいつでも再挑戦できるので、ランクを気にせずクリアだけしてどんどん進軍していくのがオススメ。というか、勝利条件がコロコロ変わるし援軍が現れるしで1周目かつ初挑戦だとSランクを取るのはノーマルでも難しいので、レベルが上がった後にまた挑戦し直す方が楽ではあります。
前作におけるヒストリーマップのようなやり込み用マップはありません。しかし、1ルート辺りの総クエスト数は約60〜70ぐらい×3ルートで単純計算でも180〜210程、さらに外伝クエストの存在も考慮すると200個前後のクエストが用意されていると思われるため、やり込めば100時間は遊べてしまいそうです
外伝クエストに挑むには特定の組み合わせのユニット2〜3人が全員仲間になっている(クラシックの場合は生存も条件)上で特定のエピソードまで進める必要もあります。
外伝は出撃できるユニットが決まっている上に内容自体もやや難しめですが、クリア報酬やSランク報酬がここでしか雇えない騎士団だったりでかなり豪華なので是非ともクリアしていきたい所。
本作は級長や側近以外も他ルートでは仲間にならないユニットが多い関係で、多くの外伝クエストが事実上特定ルート限定となっています。全クエストクリアを目指すなら、説得で仲間にできるユニットやベレトス達も残さず回収していく必要アリ。
バトルパートで変わった点はとりあえずこれぐらい。戦術が多くて忙しく楽しいですが慣れないうちは操作が複雑に思えます
難易度はイージー・ノーマル・ハード・ルナティック(ED後限定)の4段階。本編とは違っていつでも上げるのも下げるのもできる安心仕様です。
2周目をルナティックでやろうとしたら序盤からLv.100の相手が出てきてさすがに笑ってしまいました。一番育っていたシェズですらLv.63程度だったので無理だと悟ってハードに変更、ルナティックはハードでエンディングまで到達したデータを引き継ぐ前提の強さになっているっぽい。
1周目ノーマル・2周目ハード・3周目ルナティックと段階的に難易度を上げていくのが良さそう。高難易度ほど強い武器がドロップしやすいというメリットはありますが、相手が格上になるほど固いし痛いしで無双どころじゃないので無理は禁物だと思いました。
難易度とは別にゲームモードをクラシック(ロスト有)カジュアル(ロスト無)から選べますが、ドロップアイテムに差が出てきたりはしないのでこだわりがなければカジュアルで遊ぶのがオススメ。クラシック→カジュアルの変更は可能ですが逆は無理なのでその点だけは注意。

バトルパート以外で違う点と言えば拠点が用意されている所とかもそうです。本編では学校内を走り回ってましたが、本作では駐屯所内を走り回ることに。

道具屋・武器屋・鍛冶屋といったお店の他に、兵種レベル上げの特訓をしてくれたりお金を払うとキャラレベルを上げてくれる訓練教官・奥義ゲージの数を増やしたり固有スキルの強化を担当している戦術教官がいたりで、武器やユニットの強化もここで行えます。
施設そのものは施設管理所でパワーアップできます。そのために必要な建材は物資集積所で出撃の度に集まるのを回収したり・サブクエストクリアで行けるようになる村を調べることなどで入手可能。
それ以外に、調理場で食事を振舞ったり・生活管理官のお手伝いをしたり・ユニットに話しかけたりプレゼントをあげたり・遠乗りしに行ったりとコミュニケーションも取れちゃいます。
あまり見慣れない単語である遠乗りについてですが、相手が好みそうな話題を振るというもので本編におけるお茶会に相当するシステムです。パーフェクトティータイムならぬパーフェクトピクニックタイム。
訓練教官による兵種レベル上げ食事・生活管理官の手伝い・遠乗りには行動ポイントが必要となっています。ポイントは各エピソード開始時に付与される他にサブクエスト報酬で回復できたりもしますが、次エピソードへの持ち越しはできません。
私の場合は初めに食事を3回ぐらい作って仲を深めつつ戦闘に有利になる効果をつけてから、残りを気まぐれにお手伝いや遠乗りなどで消費していました。食事の効果は奥義ゲージを溜めやすくしたりなど結構強力なので優先度高。
ユニットと触れ合う要素は本編並みに充実しているし、前作と比べたら圧倒的にパワーアップしています。もちろん支援会話もあって本編にはなかった組み合わせの会話が用意されていたりもします。
支援レベルのアルファベットがゲージにもなっていて、残りどれぐらいで上がるかわかりやすくなっていた所も良点。まだ上がらないの…と思いながら周回しなくて済むし、本家FEでも採用して欲しいぐらい良い仕様だと思います。
ちなみに、本作にも期間限定の支援会話があるので全組み合わせを埋めたい方は注意。私の場合はシェズ&ロドリグとディミトリ&メルセデスの支援会話にロックがかかってしまってショックでした…(完全に油断していてデータも分けてなかったし…)。
期間付きの支援会話は本編でも普通に好きではない仕様だったのでオミットして欲しかったです。支援会話は後から一気に見たい派なので地味〜に辛い。
物語自体が3ルートあったり・読める期間が限られている支援会話があったりで周回する前提になっている作品ですが、クリアデータがある状態で「最初から」を選べば引き継ぎプレイが可能で、レベル・支援値・所持している武器やアイテムなどのほとんど・施設のレベルなどを引き継いだままの強くてニューゲームが可能です(逆に一部の項目だけ引き継がずに始めるというのも可能)
また、2周目以降では「進軍の号笛」というアイテムを名声値と交換できるようになっていて、ほとんどのサブクエストを戦闘パート無しで制圧できるようになります。楽できる代わりに評価がD判定になってしまうというデメリットはありますが(フリー出撃で後から回収は可能)。
進軍の号笛をフル活用すれば2周目以降はサクッと終わらせられなくもないです。それでもメインクエストや外伝クエストなどを飛ばせないので10時間ぐらいはかかりそうですが…。
周回プレイで引き継げないアイテムがたった1つだけあって、それが「傭兵の呼び笛」。1周で1個しか手に入らない超レアもので、支援度Aのユニットにプレゼントとして送ることができます。
送った相手からは持たせることでアクションスキルをそのキャラ固有のものに変えれるアイテムが貰える他、エンディング後には手紙も届きます。最後のクエストに挑む前に忘れずプレゼントしておくこと。



本編の仲間キャラはほとんどがプレイアブルで職業選択の自由も広め

前作はユニット毎に兵種や使える武器が完全に固定されていましたが、本作では兵種も武器種も自由に変えることができるようになりました。これは転職の幅が大きい風花雪月ならではと言えるシステムの1つ。
今回も上位職になるには各種パスが必要ですが、試験に落ちたりすることはないし・一度そのキャラで解禁した兵種はいつでもノーコストで転職できるようになるので、お気に入りのユニットの兵種だけを変えて活躍させ続けることも可能です。
職業選択の自由については、専用職業がある級長等以外は「そのユニットならではの強み」というのを感じにくくも思える仕様ではありますが、チーム内の兵種バランスをこちらで補えれるとも言えて悪く無いし、好きなキャラをひたすら強くするというのもできるので良いと思うポイント。
武器種や兵種のバランスという面で前作を振り返ってみると…剣持ちが多すぎてその中で優劣が生まれてしまっていたり・弓持ちが3人しかおらず内1人はやり込み必須の隠しキャラだったり・槍はペガサスナイトだらけで歩兵がいないなど、いい調整とはとても言えませんでした。
本作では騎乗兵種もL+Bで馬などから降りたり乗ったりできますが、前作は乗り降りできなかった上に特攻を喰らえば1〜2発程で撃沈するので、少しでも弓持ちがいるステージは槍ユニットを入れるのを諦めないといけませんでした…。それに比べたら、みんながみんな活躍できる仕様になっていて良くなったと思います。
一方で級長以外のユニットにも特徴付けが全く無いわけではありません。ステータス傾向の他に固有スキルがアクション・補助・戦略に各種1つずつ用意されていたり、特殊攻撃有の得意兵種が1人につき1種ずつ設定されてもいるので、ユニットが持つ個性を活かして強くするというのもできてキャラゲーとして見れば割と理想的なバランスになっています
その代わりか武器の方の強化要素が控えめになっていて、素材を使うことでの強化は可能ですが後からスキルを付与したり変更したりができなくなっています
強いスキルが付いている武器をドロップするまで敵を倒しまくるというハクスラ要素自体は残っていますが、個人的には神聖武器や英雄の遺産にスキルを移植しまくって最強の武器を目指すのをやりたかったので少し物足りなく感じてしまいます。
それとは別の問題で、紋章が一致するユニットの得意兵種ではその神聖武器が使えないというチグハグな組み合わせがあったのも気になる所。…アネットの事なんですけどね。

操作キャラとして使えるユニットは風花雪月本編で仲間になるユニットのほとんどとNPCだったキャラの一部。44人ものキャラがプレイアブルとして参戦しています。
プレイアブルキャラクターまとめ
・主人公

シェズ

・アドラステア帝国関係者
エーデルガルトヒューベルトフェルディナントカスパルリンハルトベルナデッタペトラドロテアマヌエライエリッツァモニカ

・ファーガス神聖王国関係者
ディミトリドゥドゥーフェリクスシルヴァンアッシュメルセデスアネットイングリットカトリーヌロドリグ

・レスター諸侯同盟関係者
クロードローレンツイグナーツラファエルヒルダリシテアマリアンヌレオニーシャミアホルスト

・灰狼の学級の生徒
ハピコンスタンツェユーリスバルタザール

・セイロス教団関係者
フレンセテス

・ジェラルド傭兵団関係者
ベレト(ベレス)ジェラルド

・クリアデータで名声値と交換できるキャラ
レアソティス
ラルヴァ※ベレト(ベレス)を仲間にしてクリアが条件

・データを引き継いで全てのルートに分岐すると解禁されるキャラ
門番
ちなみに、名声値で交換したユニットや既に周回済のルートで仲間にしたものの現在のルートでは仲間にならないユニットはフリー出撃でのみ使用可能です。
訓練教官による兵種の新規獲得・ユニットレベル上げ・戦術教官による強化はフリークエスト限定のユニットでもできるものの、兵種レベル上げや食事を食べさせたりなどの交流はその周回のストーリー中に仲間にしていないとできません。
これだけのキャラがいて文句を言うのはあんまりかもですが、ツィリルやハンネマンといった本編では仲間になるのに本作ではプレイアブルでは無いキャラも極少数います。友軍や敵としては出てくるのになんで使えないんだろう…。

語られるのは本編第1章の2年後のIF


前作のFE無双は異世界から召喚されてきた英雄たちと共に戦うというお祭り作品で何でもアリでしたが、本作はストーリーにも力を入れていて風花雪月本編に劣らない重厚な物語を読むことができます
本作で繰り広げられる物語は本伝ではなくIFストーリーという扱い。本編における第1章から2年経った後の話との事ですが、オリジナルキャラクターの存在やベレトスの経歴など一部の設定が違っており、行き着く先も違うため本編第2章には直接は続かない物語です。
オリジナルキャラクターであり主人公でもある傭兵(デフォルトネームはシェズ)は最序盤でベレトスに殺されそうになるのをラルヴァという謎の存在によって助けられます。ラルヴァについてはシェズに覚醒の力を与えたり・運命共同体を名乗ったりと謎だらけ。
シェズとラルヴァの関係は本編におけるベレトスとソティスの関係に近いかも。アドバイスはくれるけど他の人には見えていない、昔の記憶が無いというのも一緒。
シェズはベレトスに復讐しようと旅を続けるものの、偶然出会った級長達の誘いで士官学校に入学することに。学級は黒鷲の学級青獅子の学級金鹿の学級から選ぶことができて、プレイアブルになるユニットやストーリー展開が大きく変わってきます。
シェズと他のキャラはクラスメイトもしくは戦友として接することになるので、先生と生徒という立場であった本編とは違う視点からユニット達を見ることができます。ただ、学園生活パートはほぼなくてep.4から早速2年後に年代スキップしてしまうので、シェズが他のキャラと仲良くなっていく過程をしっかり見たかったとは思いました。
でも学園パートを入れるとなると、アクションゲームなのに1周にかかる時間が50時間越えになってしまいそうだし周回が億劫になるので省略もやむなしだとは思います。というか今でも普通に長い。
ep.4からは生徒ユニット達が本編第1章とも第2章とも違う姿になり印象も大分変わります。私は本編で攻略した順番に合わせて1周目は青ルートを選んだのですが、ディミトリが2年後も綺麗なままだったのが少し嬉しかったです。エガちゃんへの怒りで大笑いしてた人物と同じ人と思えないぐらい綺麗…。
いきなり戦乱パートに入ることもあって、本作内では地域名や人物の詳しい説明がないまま急に出てくることがとても多く、3つの国が戦争し合うことになった経緯すらほとんど語られません。風花雪月本編を遊んでいればわかるものの初見の人は置いてきぼり。
また本編のネタバレも多数含まれているので、先に本編(最低でも第1章終了時点まで・できればエンディングまで)を遊んでから本作を始めるのをオススメします。
「この人、本編では名前だけ出てたけどこんな見た目なのね」とか「あったねこんなマップ」とか「この人が仲間になるのか〜」と振り返るのも楽しいので…本編も遊んでいた方が楽しめるのは間違いないです。

本編では主人公だった灰色の悪魔(デフォルトネームはベレト(男) or ベレス(女))の扱いも変わっていて、先生ではなく傭兵として活躍し続けている世界線です。ジェラルドも生きてますし(本編ネタバレ)。
どうもベレトスを仲間にするかしないかでもルートが分岐するというか、仲間にした場合のみエピソードが追加されているっぽい?必死になってベレトを仲間にしたはいいものの、条件がかなり複雑な所を見るに隠しルート扱いだったのかも…と思わなくもないです。
ベレトスとガルグ=マク士官学校との接点がなかった世界線ということで先生と慕われることはないし、支援会話に至ってはシェズとジェラルド以外用意されていません。ベレトスと他ユニットの支援会話は本編で見てねということだとは思いますが…少し寂しいかも。
正直に言うと、本作のストーリーはベレトス(とソティス)好きにはちょっとしんどいかなーと思う場面が結構多いです。ディミトリ達からは有名な傭兵の1人という認識しかされていないし、仲間にしても「傭兵を雇った」程度にしか思われていないし、生徒たちと交流する場面も一切ないしで明らかに他キャラとの間に壁があるように感じました。
加えて、ベレトスを押しのけてシェズが生徒たちと仲良くなってるのが気に食わない…と少しだけ嫉妬のような感情が湧いてしまったのも事実です。ベレトスを先生のままメイン主人公に据え置いて・シェズは生徒の1人兼サブ主人公という扱いで良かったのでは?とも考えてしまったこともあります。
ただ、個人的にはベレトスの存在を考慮しなければオリキャラ達の印象は決して悪くないしむしろ良いと思っていて、シェズは真っ直ぐな性格かつサッパリしていて好感を持ちやすかったしラルヴァは見た目や性格が個人的にどストライクなので単純に好きでどちらも好意的に見れています。ベレトスが好きな人は彼らを同じぐらいかそれ以上に好きになれないとキツいと思いますが、個人的にはベレトスと同じぐらいシェズも好きになれたのでセーフでした。
それプラス、ベレトスに関してはファンサービスが多かった所も救いになっていて、傭兵らしい姿を見れたり・ボイス付きで喋ってくれたり・ジェラルドとの支援会話があったり・専用兵種のクロームハートやニルヴァーナも用意されていたり(しかも強い)と、扱い自体はむしろ良かったというか優遇されていたと思います。

ただ、ソティスについては…さすがに扱いを雑に片付けすぎとしか言いようがありません。なんかめちゃくちゃ高圧的だし(元々高圧的な所はあったけど可愛げがなくなっていてウザイ感じ)・中盤のムービーでラルヴァとなんか関係がありそうなセリフを言う割に終盤になると全く出てこなくなるしで、本編既プレイ勢から見てもキャラ崩壊というかよく分からない存在になってました。
他の方の考察で「無双のソティスは記憶がなくなっておらず女神としての人格を保ったまま(本編ネタバレ)」という説を見たことがあるのですが、個人的にはこの説が一番しっくりきています。
ラルヴァの方はベレトスを仲間にしたルートで追加されるエピソードや固有スキルを見る限りアガルタ側の存在で確定(ネタバレ)なので、ソティスが上の説通りの状態だと仮定するとラルヴァ達に対して見下すような態度を取るのに納得するし、逆にラルヴァがソティスの器であるベレトスを殺そうとシェズを誘導するのもわかるかも。
エンディング後に名声値と交換することでソティスがプレイアブルになるのですが、その時はのじゃロリに戻っています。無双の世界線でベレトス側に何があったかを見れるルートが欲しい…。



総評:風花雪月が好きな人にこそオススメできる良作無双ゲー、ただしベレトス好きは要注意

前作同様に無双アクションとSRPGが上手く噛み合って純粋に無双ゲームとしても面白く、ストーリーについてもボリュームも質も気合いが入っていて本編とはまた別の結末を見れるという、ファン向けゲームとしては割と理想的な作品。
ただしベレトスが好きな人にとってはうーん…と感じる要素も無くはないと思ったのでそこは注意。IFストーリーと割り切れるか・先生ではなく傭兵として生きるベレトスを許容できるか・代わりと言える立ち位置にいるシェズを許容できるかで評価が大きく変わってくると思います。
風花雪月本編未プレイ勢に至っては残念ながらターゲット外で、キャラクターや土地名は「本編遊んでいるから知っているでしょ?」と言わんばかりにいきなり大量に出てくるし、3人の級長がお互いに争うようになるまでの話も全くと言っていいほど語られません。物語やキャラとの交流にも重きを置いている作品なのでストーリーは二の次という人にも厳しいと思います。
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