【マルチプラットフォーム】『Jenny LeClue - Detectivu』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『Jenny LeClue - Detectivu(名探偵ジェニー・ルクルー)』を購入しました。

今回もe-shopでセールしていたのを見かけて買いました。切り絵のような可愛いグラフィックがキッカケです。
ミステリー小説の世界で探偵少女が町に隠された秘密を探っていく推理アドベンチャー。Switch版のストアページでは"ル"クルー表記ですが、作中では"レ"クルー表記。
エンディングまでのプレイ時間はかなりゆっくり探索して7時間程でした。ある理由により最後の方は微妙と思ってしまいましたが、総合的には応援したいと思えた作品です。

本作で展開されるのは架空の小説シリーズ「ジェニー・レクルー」の中で起こる事件を巡る物語。タイトルにもなっているジェニーは作中作の主人公ということになりますが、肝心の小説がまだ執筆中で合間合間に筆者の独白が入るのが特徴と言えるポイントです。
「ジェニー・レクルー」は37作も続いてきたロングセラー小説。ここまで続いていると定番作としての地位を確立していそうですが、近年は新作が出る度に売上が下がっていくスランプのような状態に陥っていると編集担当から知らされてしまいます。
そのスランプを脱却するべく向こうが提案してきたアイデアが【新作で殺人事件を発生させる】というものでした。しかし著者のアーサー・K・フィンケルスタインは「ジェニー・レクルーは平和な物語でなくてはいけないし、キャラクターが傷つくどころか殺されるなんて論外!」と自分の作った世界に対する愛が強いタイプなので、この要求は筆舌に尽くし難いレベルで受け入れたくない物。
個人的な好き嫌いで判断するなら考え方が近いアーサーの肩を持ちたい所ですが、この問題は単純な善悪で語れる話でもありません。作家側の視点に立つと余計な口出しをするなと言いたくなる一方で、出版社側の視点に立った場合は売上の減少がデータとして現れている以上は改善を促すのも必要な仕事。
まあでも本作に出てくる編集担当はあんまり良い人に見えないのも事実で、印象の差もあってアーサーの方が正しいことを言っているように感じます。編集者側は平和で徹底していた世界観に殺人という猟奇的な題材をいきなり入れようとしている時点で作品作りのセンスが怪しいし、電話口や手紙から出版させてやってるのを感謝しろ感が溢れだしているので…。
ただ、ここで打ち切られたらこれからの物語を書くことも叶わなくなると考えたアーサーは葛藤しながらも殺人ミステリーを書くことに。でもタイプライターを打つ手は中々進まないし、お酒に逃げたり&ジャムをやけ食いしたり等の第三者から見てもストレスを抱えているとわかる行動が見られることから、本当は書きたくないという気持ちがヒシヒシと伝わってきます。
その葛藤は小説の中の世界にも先が読めない展開となって反映されていきます。アーサーの筆才が凄いのか実は心底ではマンネリを打破したいと思っていたのか、書きたくないと悩みつつも読者が予想する展開を飛び越えて更なる大事へと引き込んでいく物語が綴られていきます。
一方で、ある程度話が出来上がってきた段階になるとジェニー達の安否を心配しつつも都合良くハッピーエンドにしたりはしない所にも、読者を楽しませるのがなんぼという小説家としての矜恃を感じられます。ルート分岐に関わりそうな選択肢が途中で出てきますが、ちょっとしたイベントが挟まるだけですぐ本流に戻るため結末が大きく変わることはありません。
小説内ではスタート早々に主人公のジェニーが頭から血を流して倒れて亡くなっているショッキングなシーンが流れてビックリ。…と思ったら研究室の講習会で被害者役を演じていただけでした。

ジェニーは理論的でプライドも高くしかも皮肉屋ですが、早合点しがちだったりと未熟な所もある少女。大きなメガネをかけている所とかも含めてちょっとコ○ンっぽさを感じますが、怪しい組織に縮まされたとかではなく正真正銘の子どもです。
母親のジュリーは元刑事・父親は研究者(行方不明)で、彼女の理屈っぽい性格は親譲りで間違いなさそう。性格はあんまり可愛くない彼女ですが、母親とは文句を言いあいつつも仲は悪くはありません。
ちなみに本作はフルボイス(英語)。アーサーが語り部として出てくる他、ジェニー達もしっかりと喋ってくれます。

小説の舞台であるアーサートンは何でもあるけど平々凡々な町と紹介されます。町名の由来は筆者の名前でしょうね…。
大きな森や山や湖が近郊にある田舎町らしい田舎町です。紅葉している木やハロウィンの飾り付けも見られるので季節はおそらく秋。
ここに住む人たちはジェニーやジュリー以外もみんな個性的。恰幅も性格も良いストラウスベリー学園長・学園長の息子ながらも気弱なキース・妄想過多で怪しさMAXな壮年男性のCJ・超裕福なお家のお嬢様のスージー・ワナビーな意地悪女子のベロニカとペギー…など、テンプレとも言えるポジションのキャラクターが揃っているので初対面になるプレイヤーにとっても覚えやすく、それでいて意外性のあるキャラ付けもされています。
切り絵のようなグラフィックは自然豊かな田舎町にジャストフィット。殺人事件を書けと言われている以上ショッキングなシーンもありますが、この見た目のおかげで生々しさはかなり軽減されています。
町の中には謎や住民との出会い以外にもステッカー・イラスト・ポストカードの破片といった収集要素が隠されています。ステッカーはジャーナルに貼り付けられる、イラストはギャラリー部屋に飾られたものをチェックする事で設定画や1枚絵を閲覧可能、ポストカードは繋ぎ合わせることでアーサートンの観光地の写真に復元できます。
物が隠れている場所の近くではYボタンを押すと虫眼鏡モードに切り替えできて、光っている所を探してAボタンを長押しして見つけた後に拾えるようになります。行き止まりにも何かしら落ちているので探索が楽しいです。
ただし、一方通行の場所も多い上にどのチャプターにどれだけ取り逃しがあるかを確認できないのでコンプリートを目指すと大変。チャプターセレクト機能があるので探索できなかったと自覚している場所だけやり直すことはやりやすいのですが、極少数だけ残してしまって目星が付かない場合はSteamコミュニティの攻略ガイドを頼りにするのをオススメします。
ジェニーは名探偵を目指して町で起こる事件を解決して回ります。しかし、ただでさえ平和な町なのに加えて多少賢くとも普通の少女でしかないジェニーに重要案件が来るはずもなく、最初は事件とすらも言えないお悩みを推理していく所からのスタート。
依頼人と出会ったら、まずは相手の服装から何か手がかりがないか調べて尋問していきます。気になる所にカーソルを合わせてAボタンを押すことでジェニーが推測&尋問してくれます。

たまに虫眼鏡で調べてからでないと聴けない物があるものの、困った時はとりあえずカーソルを動かしながらAボタンを連打していけばそのうち見つかります。全ての手がかりを見つけない限りは先に進まないので、後から証拠不十分で詰むこともないです。
後はその手がかりを2~3個ほど関連付けて、何があったか・どうしてこうなったかを推測できたら事件解決。このパートも手がかりを選んでAボタンを押せば後はジェニーが推測してくれます。

正解の組み合わせ以外を選んでしまってもペナルティ無しでやり直すことができるのでこちらも総当り可能。推理の難易度はノーペナルティで何回でもやり直せることに加えてジェニーのコメントが的確でわかりやすいのでかなり甘め。
尋問や推理以外にも、カギをピッキングしたり・ダイヤル錠を解除したり・波長を揃えてラジオを聞いたりといった、ちょっとした謎解きミニゲームも挟まります。説明無しでいきなり始まるのでどうしたら正解かは色々試してみる必要がありますが、やり方さえわかればどれも難しくはありません。
前半〜終盤ギリギリまではどうなるかわからないストーリーと個性的なキャラクターと色んな謎解きを楽しめて、子どもの頃に読んだ推理ものの児童文学と似たようなワクワク感を感じられて凄く楽しかったです。アーサートン自体がかなり広くて色んな所に行けるのも冒険感があって良かったと思います。
ですが、終盤になると同じ内容のミニゲームを短い間隔でやらされるせいで面倒に感じるのはちょっと難点。終盤の廃坑内は尋問&推理パートも無くひたすらに似たような景色とミニゲームが続くので冗長に感じてしまいました。
ストーリーに関しても最終盤は残念だと思ってしまいました。というのも、真の黒幕がいるとだけ明かされて終わるという、まさしく「私たちの戦いはこれからだ」エンドなので…。
詳しい事を語るとネタバレになるので気になる点を簡潔に書いて伏せるだけにしておきますが、怪しい黒コート男の正体・町の存在すら虚構なのではと疑わせる意味深なエニグマレコード・ザゼールなる人物の研究とジェニーパパの安否・最後の3つのスイッチがなんだったのか・最後に消えてしまったキャラはどこに行ったのかなど、終盤になってから新たな謎を散らかしていく上に片付けてくれません。明かされた事実以上に新しく出てきた謎の方が圧倒的に重要そうで、ここまで追いかけてきたのに結局わからないことだらけというのは徒労感を感じざるを得ませんでした。
リドル・ストーリーというあえて答えを明かさない形式の物語なのかな?と思ったら、本作は分作のエピソード1にあたる作品として作られたとの事(Steamのスレッドがソースなので噂程度ですが)で続編へ橋渡ししただけのようです。それならタイトルにパート1と付けるなり分作だとわかるシグナルが欲しかった…と思いつつも、エピソード2が出たら買ってしまうと思うので動線としてはアリだったのかなと思う所。
作中にはちょくちょくと2択から行動や発言を選ぶ場面がありますが、会話の内容が多少変化するぐらいでストーリーの本筋に影響したりはしなさそうです。ただしジャーナルの「選択」というタブを見てみると、これまでに選んだ回答でプレイヤー側の性格を診断してくれる機能がありました。

私は「探検家」タイプでした。性格傾向から向いている職業を割り出してくれるのは面白いコンテンツではあるのですが、就職活動でやった適性検査を思い出してしまってドキドキしてしまう要素でもありました…。
ただし推理ものとしてストーリーを評価するとなると、終盤の消化不良感や続編ありきの終わり方が大きなマイナスポイント。明かされた謎よりも結局明かされなかった謎の方が大きすぎてスッキリしませんでしたし、最後の最後で逆に謎が増えてしまいましたし…。
最後の方をを除けば良いと思える作品なのですが、1つの作品の中で全て明らかにされて後腐れなく終わるのがベストという人にはオススメできないかな…と思いました。続編が作られているという噂程度の話はありますし出たら買いたいのですが、発売日や発売ハード含む詳しい情報が一切出ていない状況なので気長に待つことになりそうです。
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今回もe-shopでセールしていたのを見かけて買いました。切り絵のような可愛いグラフィックがキッカケです。
ミステリー小説の世界で探偵少女が町に隠された秘密を探っていく推理アドベンチャー。Switch版のストアページでは"ル"クルー表記ですが、作中では"レ"クルー表記。
エンディングまでのプレイ時間はかなりゆっくり探索して7時間程でした。ある理由により最後の方は微妙と思ってしまいましたが、総合的には応援したいと思えた作品です。
任天堂の公式オンラインストア。「Jenny LeClue - Detectivu (名探偵ジェニー・ルクルー) ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
・タイトル:Jenny LeClue - Detectivu
・発売元:Mografi
・開発元:Mografi
・対応ハード:
スマホ(AppleArcade)/PC(Steam/GOG)/Switch
・定価:
-Steam版:1980円(税込)
-Switch版:2499円(税込)
・発売日:
-Steam版:2019年9月19日
-Switch版:2021年2月25日
・ジャンル:ミステリーアドベンチャー
・IARC:7+(7歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2020 Mografi & Joseph Russ
・公式サイト:
https://jennyleclue.squarespace.com
どういう人にオススメ?
・小説の世界で事件を解決したい人!
良かった点
・作品を愛してやまない作家の悩みに共感できる
・絵本のようなグラフィックが可愛い
・ステッカーやイラストなどの収集要素も多数隠されている
・謎解きの難易度は低めで間違えてもペナルティ無し
賛否両論?点
・終盤は既に見た謎解きが繰り返し出てくるようになる
・続編が作られる前提の終わり方でスッキリしない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:Mografi
・開発元:Mografi
・対応ハード:
スマホ(AppleArcade)/PC(Steam/GOG)/Switch
・定価:
-Steam版:1980円(税込)
-Switch版:2499円(税込)
・発売日:
-Steam版:2019年9月19日
-Switch版:2021年2月25日
・ジャンル:ミステリーアドベンチャー
・IARC:7+(7歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2020 Mografi & Joseph Russ
・公式サイト:
https://jennyleclue.squarespace.com
どういう人にオススメ?
・小説の世界で事件を解決したい人!
良かった点
・作品を愛してやまない作家の悩みに共感できる
・絵本のようなグラフィックが可愛い
・ステッカーやイラストなどの収集要素も多数隠されている
・謎解きの難易度は低めで間違えてもペナルティ無し
賛否両論?点
・終盤は既に見た謎解きが繰り返し出てくるようになる
・続編が作られる前提の終わり方でスッキリしない
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
長年愛し愛されてきた作品に転換を求められた小説家の嘆き

本作で展開されるのは架空の小説シリーズ「ジェニー・レクルー」の中で起こる事件を巡る物語。タイトルにもなっているジェニーは作中作の主人公ということになりますが、肝心の小説がまだ執筆中で合間合間に筆者の独白が入るのが特徴と言えるポイントです。
「ジェニー・レクルー」は37作も続いてきたロングセラー小説。ここまで続いていると定番作としての地位を確立していそうですが、近年は新作が出る度に売上が下がっていくスランプのような状態に陥っていると編集担当から知らされてしまいます。
そのスランプを脱却するべく向こうが提案してきたアイデアが【新作で殺人事件を発生させる】というものでした。しかし著者のアーサー・K・フィンケルスタインは「ジェニー・レクルーは平和な物語でなくてはいけないし、キャラクターが傷つくどころか殺されるなんて論外!」と自分の作った世界に対する愛が強いタイプなので、この要求は筆舌に尽くし難いレベルで受け入れたくない物。
個人的な好き嫌いで判断するなら考え方が近いアーサーの肩を持ちたい所ですが、この問題は単純な善悪で語れる話でもありません。作家側の視点に立つと余計な口出しをするなと言いたくなる一方で、出版社側の視点に立った場合は売上の減少がデータとして現れている以上は改善を促すのも必要な仕事。
まあでも本作に出てくる編集担当はあんまり良い人に見えないのも事実で、印象の差もあってアーサーの方が正しいことを言っているように感じます。編集者側は平和で徹底していた世界観に殺人という猟奇的な題材をいきなり入れようとしている時点で作品作りのセンスが怪しいし、電話口や手紙から出版させてやってるのを感謝しろ感が溢れだしているので…。
ただ、ここで打ち切られたらこれからの物語を書くことも叶わなくなると考えたアーサーは葛藤しながらも殺人ミステリーを書くことに。でもタイプライターを打つ手は中々進まないし、お酒に逃げたり&ジャムをやけ食いしたり等の第三者から見てもストレスを抱えているとわかる行動が見られることから、本当は書きたくないという気持ちがヒシヒシと伝わってきます。
その葛藤は小説の中の世界にも先が読めない展開となって反映されていきます。アーサーの筆才が凄いのか実は心底ではマンネリを打破したいと思っていたのか、書きたくないと悩みつつも読者が予想する展開を飛び越えて更なる大事へと引き込んでいく物語が綴られていきます。
一方で、ある程度話が出来上がってきた段階になるとジェニー達の安否を心配しつつも都合良くハッピーエンドにしたりはしない所にも、読者を楽しませるのがなんぼという小説家としての矜恃を感じられます。ルート分岐に関わりそうな選択肢が途中で出てきますが、ちょっとしたイベントが挟まるだけですぐ本流に戻るため結末が大きく変わることはありません。
小説内ではスタート早々に主人公のジェニーが頭から血を流して倒れて亡くなっているショッキングなシーンが流れてビックリ。…と思ったら研究室の講習会で被害者役を演じていただけでした。

ジェニーは理論的でプライドも高くしかも皮肉屋ですが、早合点しがちだったりと未熟な所もある少女。大きなメガネをかけている所とかも含めてちょっとコ○ンっぽさを感じますが、怪しい組織に縮まされたとかではなく正真正銘の子どもです。
母親のジュリーは元刑事・父親は研究者(行方不明)で、彼女の理屈っぽい性格は親譲りで間違いなさそう。性格はあんまり可愛くない彼女ですが、母親とは文句を言いあいつつも仲は悪くはありません。
ちなみに本作はフルボイス(英語)。アーサーが語り部として出てくる他、ジェニー達もしっかりと喋ってくれます。
平凡だけど個性的な人達が住む町、アーサートン

小説の舞台であるアーサートンは何でもあるけど平々凡々な町と紹介されます。町名の由来は筆者の名前でしょうね…。
大きな森や山や湖が近郊にある田舎町らしい田舎町です。紅葉している木やハロウィンの飾り付けも見られるので季節はおそらく秋。
ここに住む人たちはジェニーやジュリー以外もみんな個性的。恰幅も性格も良いストラウスベリー学園長・学園長の息子ながらも気弱なキース・妄想過多で怪しさMAXな壮年男性のCJ・超裕福なお家のお嬢様のスージー・ワナビーな意地悪女子のベロニカとペギー…など、テンプレとも言えるポジションのキャラクターが揃っているので初対面になるプレイヤーにとっても覚えやすく、それでいて意外性のあるキャラ付けもされています。
切り絵のようなグラフィックは自然豊かな田舎町にジャストフィット。殺人事件を書けと言われている以上ショッキングなシーンもありますが、この見た目のおかげで生々しさはかなり軽減されています。
町の中には謎や住民との出会い以外にもステッカー・イラスト・ポストカードの破片といった収集要素が隠されています。ステッカーはジャーナルに貼り付けられる、イラストはギャラリー部屋に飾られたものをチェックする事で設定画や1枚絵を閲覧可能、ポストカードは繋ぎ合わせることでアーサートンの観光地の写真に復元できます。
物が隠れている場所の近くではYボタンを押すと虫眼鏡モードに切り替えできて、光っている所を探してAボタンを長押しして見つけた後に拾えるようになります。行き止まりにも何かしら落ちているので探索が楽しいです。
ただし、一方通行の場所も多い上にどのチャプターにどれだけ取り逃しがあるかを確認できないのでコンプリートを目指すと大変。チャプターセレクト機能があるので探索できなかったと自覚している場所だけやり直すことはやりやすいのですが、極少数だけ残してしまって目星が付かない場合はSteamコミュニティの攻略ガイドを頼りにするのをオススメします。
ジェニーは名探偵を目指して町で起こる事件を解決して回ります。しかし、ただでさえ平和な町なのに加えて多少賢くとも普通の少女でしかないジェニーに重要案件が来るはずもなく、最初は事件とすらも言えないお悩みを推理していく所からのスタート。
依頼人と出会ったら、まずは相手の服装から何か手がかりがないか調べて尋問していきます。気になる所にカーソルを合わせてAボタンを押すことでジェニーが推測&尋問してくれます。

たまに虫眼鏡で調べてからでないと聴けない物があるものの、困った時はとりあえずカーソルを動かしながらAボタンを連打していけばそのうち見つかります。全ての手がかりを見つけない限りは先に進まないので、後から証拠不十分で詰むこともないです。
後はその手がかりを2~3個ほど関連付けて、何があったか・どうしてこうなったかを推測できたら事件解決。このパートも手がかりを選んでAボタンを押せば後はジェニーが推測してくれます。

正解の組み合わせ以外を選んでしまってもペナルティ無しでやり直すことができるのでこちらも総当り可能。推理の難易度はノーペナルティで何回でもやり直せることに加えてジェニーのコメントが的確でわかりやすいのでかなり甘め。
尋問や推理以外にも、カギをピッキングしたり・ダイヤル錠を解除したり・波長を揃えてラジオを聞いたりといった、ちょっとした謎解きミニゲームも挟まります。説明無しでいきなり始まるのでどうしたら正解かは色々試してみる必要がありますが、やり方さえわかればどれも難しくはありません。
前半〜終盤ギリギリまではどうなるかわからないストーリーと個性的なキャラクターと色んな謎解きを楽しめて、子どもの頃に読んだ推理ものの児童文学と似たようなワクワク感を感じられて凄く楽しかったです。アーサートン自体がかなり広くて色んな所に行けるのも冒険感があって良かったと思います。
ですが、終盤になると同じ内容のミニゲームを短い間隔でやらされるせいで面倒に感じるのはちょっと難点。終盤の廃坑内は尋問&推理パートも無くひたすらに似たような景色とミニゲームが続くので冗長に感じてしまいました。
ストーリーに関しても最終盤は残念だと思ってしまいました。というのも、真の黒幕がいるとだけ明かされて終わるという、まさしく「私たちの戦いはこれからだ」エンドなので…。
詳しい事を語るとネタバレになるので気になる点を簡潔に書いて伏せるだけにしておきますが、怪しい黒コート男の正体・町の存在すら虚構なのではと疑わせる意味深なエニグマレコード・ザゼールなる人物の研究とジェニーパパの安否・最後の3つのスイッチがなんだったのか・最後に消えてしまったキャラはどこに行ったのかなど、終盤になってから新たな謎を散らかしていく上に片付けてくれません。明かされた事実以上に新しく出てきた謎の方が圧倒的に重要そうで、ここまで追いかけてきたのに結局わからないことだらけというのは徒労感を感じざるを得ませんでした。
リドル・ストーリーというあえて答えを明かさない形式の物語なのかな?と思ったら、本作は分作のエピソード1にあたる作品として作られたとの事(Steamのスレッドがソースなので噂程度ですが)で続編へ橋渡ししただけのようです。それならタイトルにパート1と付けるなり分作だとわかるシグナルが欲しかった…と思いつつも、エピソード2が出たら買ってしまうと思うので動線としてはアリだったのかなと思う所。
作中にはちょくちょくと2択から行動や発言を選ぶ場面がありますが、会話の内容が多少変化するぐらいでストーリーの本筋に影響したりはしなさそうです。ただしジャーナルの「選択」というタブを見てみると、これまでに選んだ回答でプレイヤー側の性格を診断してくれる機能がありました。

私は「探検家」タイプでした。性格傾向から向いている職業を割り出してくれるのは面白いコンテンツではあるのですが、就職活動でやった適性検査を思い出してしまってドキドキしてしまう要素でもありました…。
総評:平凡な街に隠された秘密を探るのは楽しかった、でも終わり方はちょっと残念!
児童向けのミステリー小説をゲームに落とし込んだような世界観やキャラクターは間違いなく評価点。でも一番良かったのは、小説を書いている作家が自作品への愛と出版社からの要求のどちらを守るべきかという葛藤を抱えていて・揺れ動く心情が小説内の冒険にも強く響いてきていた所でした。ただし推理ものとしてストーリーを評価するとなると、終盤の消化不良感や続編ありきの終わり方が大きなマイナスポイント。明かされた謎よりも結局明かされなかった謎の方が大きすぎてスッキリしませんでしたし、最後の最後で逆に謎が増えてしまいましたし…。
最後の方をを除けば良いと思える作品なのですが、1つの作品の中で全て明らかにされて後腐れなく終わるのがベストという人にはオススメできないかな…と思いました。続編が作られているという噂程度の話はありますし出たら買いたいのですが、発売日や発売ハード含む詳しい情報が一切出ていない状況なので気長に待つことになりそうです。
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