【いっせいトライアル】『塊魂アンコール』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
2023年2月のいっせいトライアルで『塊魂アンコール』を遊んだ感想です。

SwitchONLINE加入者限定で2月13日~2月19日の間なら無料で遊ぶことができます。製品版は3月5日まで1760円(50%off)でセール中。
PS2で発売された『塊魂』の移植作品。オリジナルの塊魂は小学生の頃に友達の家で遊んだことがある思い出の作品で、遊んでいて少しばかり懐かしい気持ちになりました。
エンディングを見るだけなら5時間程で行けました。クリアだけなら楽でやり込み要素まで含めると深く遊べるタイプの作品です。

オシャレでカッコよくて酒乱のケがある王様が酔っ払って宇宙のあらゆる星を破壊し尽くしたので、主人公の王子が地球上にあるものを材料に星を作る…というのが本作のあらすじ。いきなりぶっ飛んだストーリーから始まる通り本作はバカゲーです。
王様は超巨大なのに王子は10cm程度しかないミニサイズ、ということで最初は小さい星の作成から手がけることに。まあこの可愛い王子もゲームが進むと10mとか100mの玉を普通に転がしだすヤバいやつなんですけどね…。
基本システムは凄くシンプルで凸凹した玉を転がして物や動物(ヒト含む)をくっつけて大きくしていくだけ。物を轢く形で近づけると雪玉に付く雪のようにどんどんとくっついて、最終的には何倍~何十倍ものサイズまで巨大化します。
くっつけられる物のサイズは玉のサイズに合わせて変動し、大きすぎるものはくっつけられず弾かれてしまうため後回し。くっつけられない物や壁にぶつかりまくると付いていたものがポロポロと剥がれていってしまうので、不用意にぶつけたり引っかかったりしないように玉を操作する必要アリ。
ただひたすらに物をくっつけていくだけと言えばその通りなのですが、玉が少しずつ大きくなっていく様は不思議な達成感と中毒性があります。左上に表示されているサイズメーターが少しずつ増えていくのも・見た目からして明らかに大きくなっていくのも楽しいです。
最初の小さい頃はくっつけられる物を選り好みしないといけなくて苦労しますが、ある程度大きくなると色んなものを巻き込めるようになって大きくなるスピードが加速度的に上がっていくのも気持ちいいポイント。最初にチマチマと我慢の時を過ごした分、最後の方でドカーンと巻き込めるようになった時のカタルシスも凄いです。
周りの動物たちの反応も細かく作られていて、玉が小さいうちは舐めてかかってぶつかりにくるのがくっつけられてしまうまで大きくなると一目散に逃げていきます。人間もそうで大きな玉を見ると逃げ出したり・警官なら発砲までしてしまうなどパニック映画さながらの光景が広がります(なお発砲されることによるダメージは無し)。
こんな感じでゲーム性は凄くシンプルでおバカですが、操作性の方の癖が強く思い通りに動かすにはある程度の慣れが必須。よく使うアクションを説明するとLスティックとRスティックを同じ方向に倒して転がし・片方のみ倒すと王子が向いている方向を変える・両スティック押し込みで王子ターンで玉の反対方向に回り込むといった感じ。
しかもくっつけたアイテムにも当たり判定がちゃんとあって玉が歪な形になると真っ直ぐ転がすのも難しくなります。特にバーベルやフェンスといった細長い物をくっつけた時の操作性の悪化が顕著。
上記の操作方法を用いる「イツモノ操作」以外に、Vita版基準の「カンタン操作」とSwitch版限定のジャイロを用いて動かせる「コダワリ操作」もありますが、正直に言うとどいつもこいつも違う癖があって結局イツモノ操作に戻ってきました。王子ダッシュはコダワリ操作が一番使い易いのですがジャイロで細かく操作する基本部分がムズすぎ問題。
難易度は単にクリアするだけならそこまでシビアではなく、一生懸命転がしていればどのステージも一発クリアが難なくできる程度の制限時間になっています。移植されるついでに緩和されたらしくオリジナル版と比べても簡単になっているとの事。
玉のサイズノルマはステージ毎に異なり10cm程度から300mと極端。制限時間も4分~25分とこちらもステージ毎に変わります。
ノルマをクリアしても制限時間が残っている間は引き続き転がす事が可能です。逆に一度ノルマをクリアした後にぶつけて規定ラインを下回った状態で制限時間が来てしまうと失敗扱いになるので注意。
序盤で遊べるステージでは家の中から始まり大きくなれても10~50cmが関の山。でも後のステージになるほど町や世界といった広い範囲も転がす対象になって玉のサイズも10mを超えるようになります。

10mを超えたあたりから巻き込める物が樹木や家など大規模になり、もはや大災害レベルに成り果てます。なお王子本体のサイズは変わらないままこんなのを転がしているようです。
100mを超えると島そのものまで巻き込めるようになり、限界まで大きくなると後には海しか残さなくなります。私が作れたのは813m48cm6mmがMAX。

これが作れたのは最後の月ステージ。800mを超えたあたりから天使が玉上を回りだして、王様に提出した後に隠しモードのエターナル(時間制限無しで巻き込めるオプション)が解禁されました。
こんな感じで王子が作った玉は王様が星や星座にしてくれます。それでいいのか宇宙よ…。
一応ストーリーらしきものがあってステージをクリアする度に人間の母親と子ども2人が星が無くなったとか星が戻ってきたとか言っているので、作った玉が冗談抜きで本当に星になっているんやねって思ったりも。作った星はメインメニュー替わりの王子星からも観察することができて、巻き込んだ物のジャンルのうち最も多かった物に合わせて星の名前が変わる(野菜が多ければヤオーヤ星・果物が多ければフルーティ星…など)のも面白ポイント。
巻き込める物の豊富さなど小ネタの多さも凄いのですが、特定の物を巻き込んだ時の王様のコメントが面白かったり・BGMにボーカル付きのものがあってやたら耳に残ったり…と、変だけど癖になる世界観も本作の魅力です。なんというかEテレの番組にありそうな変ではあるけど健全な世界観(この例え伝わる人そんなにいなさそう…)。
ナビゲーターを兼任している王様もステージの開始時に色んな国の挨拶を教えてくれたり・ノルマ達成できなかった時はやたら辛辣なコメントを投げてきたり・とりあえずノルマを達成した程度だともっと頑張れと言ってきたり・めっちゃ大きくしたら褒めちぎってくれたりと、良くも悪くも調子が良い性格で憎めません。元はと言うと王様が星を壊しまくったせいなのに…と思わなくはないですが。
空き地にやたら大量にたこ焼きが置かれていたり、道路上に並ぶふすまなど、明らかに不相応な所に物が置かれていてもゆるい世界観なので許せちゃいます。ロード中の画面で「イロイロト地球ニオクッテマス…」と言っている辺り王様が物を置いている疑惑アリ。

単にクリアするだけなら簡単とは言いましたが、本作にはコレクションなどやり込み要素が多量に用意されています。ステージ数は通常ステージ10種類+星座ステージ9種類とそんなに多くないのですが、やり込むとなると同じステージを何回も遊べます。
まず、各ステージのどこかに隠されている王様プレゼントと巻き込んだ物を保管する素敵コレクションのコンプリートからしてかなり難しいです。玉のサイズを大きくしすぎると行けなくなる所や巻き込めなくなる物というのがたくさんありますし、特定のステージでしかも1個しか出現しない物やランダム出現の物などそもそも発見自体がハードなものもあります。
後はスピードクリアで流星を流せるようになる仕様や前述したエターナルモードの解禁など、隠しに近いボーナスも存在します。どちらも規定タイムや規定サイズがゲーム内では確認できません。
タイムやサイズを意識し出すとコース取りの重要性が一気に跳ね上がり、各段階で巻き込められる物の位置を把握してルートを構築する覚えゲーに近いゲーム性へと変貌します。全ての物を巻き込むのではなく少ない数で早く大きくできる物を狙うようにもなって、クリアするのを目指すだけだった時と比べると知識が問われるようにもなります。
後は星座ステージなのですが、ここは少し特殊なルールが課されていてただ単に大きくすればいいというわけでもないです。特殊ルールは3種類に分類できて、指定の物のみがカウントされ取得率が記録されるステージ(カンムリ座など)・特定の動物の中でも可能な限り大きな個体を1匹だけくっつけないといけないステージ(オウシ座など)・10mピッタリの玉を作らないといけないステージ(ホッキョク星)があります。
このうち「特定の動物の中でも可能な限り大きな個体を1匹だけくっつけないといけないステージ」は俗に言うイライラ棒ルールで激ムズです。至る所にくっつけた時点で終了となる物や動物が配置されていて精密な玉裁きが要求されるため、私は100%クリア前に折れてしまいました…。
オウシ座なら牛に関わるもの(牛乳や牛が描かれた看板も対象)をくっつけた時点で終了になってしまい、案の定コウシや看板による事故が多発して辛い辛い。オオグマ座はもっと理不尽で木彫りのクマが遠目からじゃ見えなくてマジの地雷と化しています。
一応のクリアだけならなんでもいいからくっつけてしまえばOKなのですが、いかんせん100%クリアを狙うとなると特定の巨大なウシやクマをくっつけないといけないらしくて難しすぎました…。一番大きいのを捕まえてクリアできた人は普通に凄い。
また、本作の元になったのがレトロに片足突っ込んでいる時代のソフトということで、その移植版である本作にも不便な所がチラホラと残っているのは難点。特に気になったのは即座にリスタートする機能がなく途中でやり直したくても一度王子星に戻る→ステージ選択→ミッションを選んで再挑戦しないといけないこと、セーブが自動では一切行われず自分で意識してやらないといけないことの2つ。
セーブを忘れたままソフトを再起動して最初からやり直しなんてことが本作では割と有り得ます。最近のゲームみたく拠点に戻る度に丁寧に「セーブしますか?」と聞いてくれたりはせず、自ら王子星の家に赴いて記録しないといけないので忘れがち。
ちなみに、セーブデータのスロットが何故かnaとmとcoに分かれているのもシュールな点です。昔はナムコとバンダイが別の会社だったとつい懐古してしまいました。
ひたすら物や生き物を巻き込んだ玉を星にしてしまうシュールな世界観・王子を見守り時には文句を言い時には褒めちぎるナビゲーター役の王様・耳に残るBGMなど、紛うことなき奇ゲーです。奇妙ではあるけれども万人受けする奇妙さで人をあまり選ばないタイプだと思います。
独特な操作性や不便なままの仕様も少なからずあるのですが、普通にエンディングを目指す分にはそこまで難しくありません。でもやり込みまで含めると素敵コレクションや王様プレゼントや星座ステージの100%クリアなど、ハードな面が見えるようになる沼ゲーです。
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SwitchONLINE加入者限定で2月13日~2月19日の間なら無料で遊ぶことができます。製品版は3月5日まで1760円(50%off)でセール中。
PS2で発売された『塊魂』の移植作品。オリジナルの塊魂は小学生の頃に友達の家で遊んだことがある思い出の作品で、遊んでいて少しばかり懐かしい気持ちになりました。
エンディングを見るだけなら5時間程で行けました。クリアだけなら楽でやり込み要素まで含めると深く遊べるタイプの作品です。
あの転がしをもう一度 アルコールにおぼれて星空を壊してしまった王様のあとしまつをするために、地球へやってきた小さな王子。 きれいな夜空を取り戻すべく、あっちこっちに散らばっている「モノ」を「塊」で巻き込み、大きくしては暗闇の夜空へと浮かべていきます。 果たして王子は失われた星空の輝きを取り戻すことはできるでしょうか? 「塊魂」がフルHDで登場! 2004年に発売した初代「塊魂」のグラフィックをすべて現代風にリメイク。画面はフルHDで、大画面を鮮やかに彩ります。 グラフィックの向上に加え、塊の操作やゲームの難易度を調整したことで、より遊びやすくなっています。 シンプルだけど、とっても奥深いゲーム 王子を操作し、モノを巻き込み、塊を大きくするゲームです。 「イエ」の中にあるクリップやお菓子、「マチ」にある電柱や建物、さらには人や動物などの生き物まで何でも巻き込めます。塊が完成したら、夜空を彩る星へと変化します。 王様が出す条件を見事クリアしていき、夜空に輝く星をいっぱい作りましょう!塊より大きいものは巻き込めないので、ステージ内を転がす順番を事前に考えておくのがポイント! 「塊魂」ならではの世界観とストーリー ものがたりは、大コスモの王様が、アルコールにおぼれて星空をこわしてしまったことからはじまります。この王様が起こしたアクシデントの後始末をするために、地球へ派遣された小さな王子が、きれいな夜空をとりもどすべく、「モノ」だらけの地球で「塊」を転がして大きくし暗闇の夜空へ浮かべていきます。 心躍るサウンドトラック 松崎しげる、浅香唯、水森亜土、チャーリー・コーセイ、松原のぶえ&坂本ちゃんなど、多数のアーティストのオリジナル楽曲を収録!かっこよくて壮大なロック、オトナな雰囲気漂うジャズ、小気味良くどこか懐かしいラップなど、幅広いジャンルの音楽が「塊魂」に華を添えます。 ※こちらの商品が含まれたセット商品もございます。重複購入にご注意ください。 ※本製品は2004年に発売されたPlayStationR2「塊魂」をもとにPlayStationR4向けに開発された製品です。一部仕様が異なります。 ※画像は開発中のものです。実際の製品とは異なる場合があります。 ※内容・仕様は予告無く変更する場合がございます。 ※本製品をプレイするには、ゲーム内に表示されるサービス利用規約に同意する必要があります。 詳しくは、httpsbandainamcoent.co.jpcskiyakueulaをご確認ください。
~あの転がしをもう一度~
アルコールにおぼれて星空を壊してしまった王様のあとしまつをするために、地球へやってきた小さな王子。
きれいな夜空を取り戻すべく、あっちこっちに散らばっている「モノ」を「塊」で巻き込み、大きくしては暗闇の夜空へと浮かべていきます。
果たして王子は失われた星空の輝きを取り戻すことはできるでしょうか?
アルコールにおぼれて星空を壊してしまった王様のあとしまつをするために、地球へやってきた小さな王子。
きれいな夜空を取り戻すべく、あっちこっちに散らばっている「モノ」を「塊」で巻き込み、大きくしては暗闇の夜空へと浮かべていきます。
果たして王子は失われた星空の輝きを取り戻すことはできるでしょうか?
・タイトル:塊魂アンコール
・発売元:
バンダイナムコエンターテインメント
・開発元:
バンダイナムコエンターテインメント
・対応ハード:
PC(Steam)/Switch/PS4/XboxOne
・定価:3200円+税
・発売日:
-Steam版:2018年12月7日
-Switch版:2018年12月10日
-PS4版:2020年11月19日
-XboxOne版:2020年11月19日
・ジャンル:転がして大きくするゲーム
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~2人
・権利表記:
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
・公式サイト:
https://encore.katamaridamacy.jp/
どういう人にオススメ?
・玉転がしゲームが好きな人!
良かった点
・ひたすら玉を転がして大きくしていくというシンプルなゲーム性はとっつきやすい
・クリアするだけなら簡単だがやり込みを意識するとハードに
・シュールで奇妙な世界観が癖になる
・コレクションアイテムが豊富に存在しコンプリートは至難
賛否両論?点
・癖のある操作性で慣れるまでが難しい
・ある星座ステージがイライラ棒ルールで激ムズ
・セーブ忘れの危険性やリトライのやりにくさなど昔の作品ならではの遊びにくさも残っている
備考
・無料体験版あり
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:
バンダイナムコエンターテインメント
・開発元:
バンダイナムコエンターテインメント
・対応ハード:
PC(Steam)/Switch/PS4/XboxOne
・定価:3200円+税
・発売日:
-Steam版:2018年12月7日
-Switch版:2018年12月10日
-PS4版:2020年11月19日
-XboxOne版:2020年11月19日
・ジャンル:転がして大きくするゲーム
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~2人
・権利表記:
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
・公式サイト:
https://encore.katamaridamacy.jp/
どういう人にオススメ?
・玉転がしゲームが好きな人!
良かった点
・ひたすら玉を転がして大きくしていくというシンプルなゲーム性はとっつきやすい
・クリアするだけなら簡単だがやり込みを意識するとハードに
・シュールで奇妙な世界観が癖になる
・コレクションアイテムが豊富に存在しコンプリートは至難
賛否両論?点
・癖のある操作性で慣れるまでが難しい
・ある星座ステージがイライラ棒ルールで激ムズ
・セーブ忘れの危険性やリトライのやりにくさなど昔の作品ならではの遊びにくさも残っている
備考
・無料体験版あり
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
転がして玉を大きくするだけのゲーム性はシンプル・イズ・ベスト

オシャレでカッコよくて酒乱のケがある王様が酔っ払って宇宙のあらゆる星を破壊し尽くしたので、主人公の王子が地球上にあるものを材料に星を作る…というのが本作のあらすじ。いきなりぶっ飛んだストーリーから始まる通り本作はバカゲーです。
王様は超巨大なのに王子は10cm程度しかないミニサイズ、ということで最初は小さい星の作成から手がけることに。まあこの可愛い王子もゲームが進むと10mとか100mの玉を普通に転がしだすヤバいやつなんですけどね…。
基本システムは凄くシンプルで凸凹した玉を転がして物や動物(ヒト含む)をくっつけて大きくしていくだけ。物を轢く形で近づけると雪玉に付く雪のようにどんどんとくっついて、最終的には何倍~何十倍ものサイズまで巨大化します。
くっつけられる物のサイズは玉のサイズに合わせて変動し、大きすぎるものはくっつけられず弾かれてしまうため後回し。くっつけられない物や壁にぶつかりまくると付いていたものがポロポロと剥がれていってしまうので、不用意にぶつけたり引っかかったりしないように玉を操作する必要アリ。
ただひたすらに物をくっつけていくだけと言えばその通りなのですが、玉が少しずつ大きくなっていく様は不思議な達成感と中毒性があります。左上に表示されているサイズメーターが少しずつ増えていくのも・見た目からして明らかに大きくなっていくのも楽しいです。
最初の小さい頃はくっつけられる物を選り好みしないといけなくて苦労しますが、ある程度大きくなると色んなものを巻き込めるようになって大きくなるスピードが加速度的に上がっていくのも気持ちいいポイント。最初にチマチマと我慢の時を過ごした分、最後の方でドカーンと巻き込めるようになった時のカタルシスも凄いです。
周りの動物たちの反応も細かく作られていて、玉が小さいうちは舐めてかかってぶつかりにくるのがくっつけられてしまうまで大きくなると一目散に逃げていきます。人間もそうで大きな玉を見ると逃げ出したり・警官なら発砲までしてしまうなどパニック映画さながらの光景が広がります(なお発砲されることによるダメージは無し)。
こんな感じでゲーム性は凄くシンプルでおバカですが、操作性の方の癖が強く思い通りに動かすにはある程度の慣れが必須。よく使うアクションを説明するとLスティックとRスティックを同じ方向に倒して転がし・片方のみ倒すと王子が向いている方向を変える・両スティック押し込みで王子ターンで玉の反対方向に回り込むといった感じ。
しかもくっつけたアイテムにも当たり判定がちゃんとあって玉が歪な形になると真っ直ぐ転がすのも難しくなります。特にバーベルやフェンスといった細長い物をくっつけた時の操作性の悪化が顕著。
上記の操作方法を用いる「イツモノ操作」以外に、Vita版基準の「カンタン操作」とSwitch版限定のジャイロを用いて動かせる「コダワリ操作」もありますが、正直に言うとどいつもこいつも違う癖があって結局イツモノ操作に戻ってきました。王子ダッシュはコダワリ操作が一番使い易いのですがジャイロで細かく操作する基本部分がムズすぎ問題。
難易度は単にクリアするだけならそこまでシビアではなく、一生懸命転がしていればどのステージも一発クリアが難なくできる程度の制限時間になっています。移植されるついでに緩和されたらしくオリジナル版と比べても簡単になっているとの事。
玉のサイズノルマはステージ毎に異なり10cm程度から300mと極端。制限時間も4分~25分とこちらもステージ毎に変わります。
ノルマをクリアしても制限時間が残っている間は引き続き転がす事が可能です。逆に一度ノルマをクリアした後にぶつけて規定ラインを下回った状態で制限時間が来てしまうと失敗扱いになるので注意。
序盤で遊べるステージでは家の中から始まり大きくなれても10~50cmが関の山。でも後のステージになるほど町や世界といった広い範囲も転がす対象になって玉のサイズも10mを超えるようになります。

10mを超えたあたりから巻き込める物が樹木や家など大規模になり、もはや大災害レベルに成り果てます。なお王子本体のサイズは変わらないままこんなのを転がしているようです。
100mを超えると島そのものまで巻き込めるようになり、限界まで大きくなると後には海しか残さなくなります。私が作れたのは813m48cm6mmがMAX。

これが作れたのは最後の月ステージ。800mを超えたあたりから天使が玉上を回りだして、王様に提出した後に隠しモードのエターナル(時間制限無しで巻き込めるオプション)が解禁されました。
こんな感じで王子が作った玉は王様が星や星座にしてくれます。それでいいのか宇宙よ…。
一応ストーリーらしきものがあってステージをクリアする度に人間の母親と子ども2人が星が無くなったとか星が戻ってきたとか言っているので、作った玉が冗談抜きで本当に星になっているんやねって思ったりも。作った星はメインメニュー替わりの王子星からも観察することができて、巻き込んだ物のジャンルのうち最も多かった物に合わせて星の名前が変わる(野菜が多ければヤオーヤ星・果物が多ければフルーティ星…など)のも面白ポイント。
巻き込める物の豊富さなど小ネタの多さも凄いのですが、特定の物を巻き込んだ時の王様のコメントが面白かったり・BGMにボーカル付きのものがあってやたら耳に残ったり…と、変だけど癖になる世界観も本作の魅力です。なんというかEテレの番組にありそうな変ではあるけど健全な世界観(この例え伝わる人そんなにいなさそう…)。
ナビゲーターを兼任している王様もステージの開始時に色んな国の挨拶を教えてくれたり・ノルマ達成できなかった時はやたら辛辣なコメントを投げてきたり・とりあえずノルマを達成した程度だともっと頑張れと言ってきたり・めっちゃ大きくしたら褒めちぎってくれたりと、良くも悪くも調子が良い性格で憎めません。元はと言うと王様が星を壊しまくったせいなのに…と思わなくはないですが。
空き地にやたら大量にたこ焼きが置かれていたり、道路上に並ぶふすまなど、明らかに不相応な所に物が置かれていてもゆるい世界観なので許せちゃいます。ロード中の画面で「イロイロト地球ニオクッテマス…」と言っている辺り王様が物を置いている疑惑アリ。
やり込みコンテンツはハード・オブ・ハード

単にクリアするだけなら簡単とは言いましたが、本作にはコレクションなどやり込み要素が多量に用意されています。ステージ数は通常ステージ10種類+星座ステージ9種類とそんなに多くないのですが、やり込むとなると同じステージを何回も遊べます。
まず、各ステージのどこかに隠されている王様プレゼントと巻き込んだ物を保管する素敵コレクションのコンプリートからしてかなり難しいです。玉のサイズを大きくしすぎると行けなくなる所や巻き込めなくなる物というのがたくさんありますし、特定のステージでしかも1個しか出現しない物やランダム出現の物などそもそも発見自体がハードなものもあります。
後はスピードクリアで流星を流せるようになる仕様や前述したエターナルモードの解禁など、隠しに近いボーナスも存在します。どちらも規定タイムや規定サイズがゲーム内では確認できません。
タイムやサイズを意識し出すとコース取りの重要性が一気に跳ね上がり、各段階で巻き込められる物の位置を把握してルートを構築する覚えゲーに近いゲーム性へと変貌します。全ての物を巻き込むのではなく少ない数で早く大きくできる物を狙うようにもなって、クリアするのを目指すだけだった時と比べると知識が問われるようにもなります。
後は星座ステージなのですが、ここは少し特殊なルールが課されていてただ単に大きくすればいいというわけでもないです。特殊ルールは3種類に分類できて、指定の物のみがカウントされ取得率が記録されるステージ(カンムリ座など)・特定の動物の中でも可能な限り大きな個体を1匹だけくっつけないといけないステージ(オウシ座など)・10mピッタリの玉を作らないといけないステージ(ホッキョク星)があります。
このうち「特定の動物の中でも可能な限り大きな個体を1匹だけくっつけないといけないステージ」は俗に言うイライラ棒ルールで激ムズです。至る所にくっつけた時点で終了となる物や動物が配置されていて精密な玉裁きが要求されるため、私は100%クリア前に折れてしまいました…。
オウシ座なら牛に関わるもの(牛乳や牛が描かれた看板も対象)をくっつけた時点で終了になってしまい、案の定コウシや看板による事故が多発して辛い辛い。オオグマ座はもっと理不尽で木彫りのクマが遠目からじゃ見えなくてマジの地雷と化しています。
一応のクリアだけならなんでもいいからくっつけてしまえばOKなのですが、いかんせん100%クリアを狙うとなると特定の巨大なウシやクマをくっつけないといけないらしくて難しすぎました…。一番大きいのを捕まえてクリアできた人は普通に凄い。
また、本作の元になったのがレトロに片足突っ込んでいる時代のソフトということで、その移植版である本作にも不便な所がチラホラと残っているのは難点。特に気になったのは即座にリスタートする機能がなく途中でやり直したくても一度王子星に戻る→ステージ選択→ミッションを選んで再挑戦しないといけないこと、セーブが自動では一切行われず自分で意識してやらないといけないことの2つ。
セーブを忘れたままソフトを再起動して最初からやり直しなんてことが本作では割と有り得ます。最近のゲームみたく拠点に戻る度に丁寧に「セーブしますか?」と聞いてくれたりはせず、自ら王子星の家に赴いて記録しないといけないので忘れがち。
ちなみに、セーブデータのスロットが何故かnaとmとcoに分かれているのもシュールな点です。昔はナムコとバンダイが別の会社だったとつい懐古してしまいました。
総評:シュールな世界観とシンプルなゲーム性が癖になる!ちなみにやり込みは沼
玉を転がして物をくっつけて大きくしていくだけと言えば確かにそうなのですが、不思議とハマってしまう奇妙な魅力を感じるちょっぴりレトロな平成の名作(迷作?)。ひたすら物や生き物を巻き込んだ玉を星にしてしまうシュールな世界観・王子を見守り時には文句を言い時には褒めちぎるナビゲーター役の王様・耳に残るBGMなど、紛うことなき奇ゲーです。奇妙ではあるけれども万人受けする奇妙さで人をあまり選ばないタイプだと思います。
独特な操作性や不便なままの仕様も少なからずあるのですが、普通にエンディングを目指す分にはそこまで難しくありません。でもやり込みまで含めると素敵コレクションや王様プレゼントや星座ステージの100%クリアなど、ハードな面が見えるようになる沼ゲーです。
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