【Switch】『星のカービィWii デラックス』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『星のカービィ Wii デラックス』を購入しました。

Wiiソフト『星のカービィWii』のリメイク作品。大好きだった作品がパワーアップして帰ってきたのは素直に嬉しくて、しかも新しく追加されたコンテンツも少なくなさそうだったので購入しました。
カービィシリーズといえば去年3月に『星のカービィ ディスカバリー』が出たばかりですがそちらは3Dアクションになっていて方向性をだいぶ変えていた作品で、伝統の2Dカービィはというと『星のカービィ スターアライズ』ぶりで期間がかなり空いています。スタアラが2018年発売なので約5年ぶり。
100%クリアまで遊んで18時間程でした。オリジナルが10年以上前の作品なのもあるとは思いますが、Wii版をやり込んだことがある身でも存分に楽しめました。

リメイク元である『星のカービィWii』はUSDXから操作感やゲーム性を引き継ぎつつ複雑な世界観を練り込んでいて、以降のカービィシリーズ(ディレクターさんの名前をとって「熊崎カービィ」と称されることも)の鋳型にもなった作品です。
そのため、トリプルデラックス・ロボボプラネット・スターアライズの3作品とWiiおよびそのリメイク版である本作は共通点がとても多いです。ゲームシステムはもちろんのこと、エンディングに辿り着くだけなら簡単だけど100%クリアを目指すとそこそこ大変になる難易度バランス・特定のパワーアップ(本作ではスーパーコピー能力)がストーリーでも攻略でも強くフィーチャーされている事・黒幕にまつわる設定が非常に複雑かつ闇を感じるものになっている事・過去作から引っ張ってきた小ネタが多く含まれている事…などなど。
本作で特に推されているのは2〜4人のマルチプレイでメインストーリーを進められること、スーパーコピー能力が攻略の上で必須になっていることの2つ。今でこそ目新しさを感じにくい特徴ですが、オリジナル版の発売当時は1台のゲーム機と1本のソフトと人数分のコントローラーがあれば4人一緒に冒険できることもド派手で強力なスーパーコピー能力もすごく新鮮でした。
4人で一緒に遊べるのはスタアラと共通していますが、本作にはヘルパーという概念はなく1人で遊ぶ場合はカービィ1人の冒険となってCPU操作の他キャラを召喚したりもできません。デデデ・メタナイト・バンダナワドルディもプレイヤブルキャラではありますが、メインモードで使えるのは2P以降で被りもNGという制限アリ(格闘王モードでのみ一度クリアしていれば1Pでも使えるようになります)。
スーパーコピー能力はウルトラソード・ドラゴストーム・ギガトンハンマー・スノーボウル・ミラクルビームの5種類が登場します。それぞれソード・ファイア・ハンマー・アイス・ビームの強化版。
いずれも特定のコース内にいる光り輝く敵からコピーすることができます。専用の仕掛けを動かしたり壊したりできる以外に一撃で中ボス含む敵を葬り去る火力を持ち合わせていますが、時間制限が存在していて時空のハザマ(隠しエリアに行く裂け目)かゴールゲートをくぐると強制的に解除されてしまったりでギミック色が強い能力です。
スーパーコピー能力を使う時にはそれまで付けていた能力の方は捨てないといけない他、時空のハザマ内ではすっぴん・その中で戦うスフィアローパーという中ボスも原則として現地にあるコピー能力のもとから得られる能力で戦わないといけないといった感じで本作は苦手な能力であってもその場しのぎで使う事を強いられる場面がとても多いです。ディスカバリーのほおばりヘンケイがコピーを外さず使えたことを考えると現代においては少し狭苦しさを感じる仕様。
ただ、スーパーコピー能力はとにかく派手で強いので当時中学生だった私は使う度に盛り上がってました(特にミラクルビームが大好きでした)。いつものコピー能力よりも帽子が長くなっていたり装飾が豪華になっている所も好きですし、思い出補正を含めて個人的にはお気に入りのシステムです。
オリジナル版とデラックス版で比較した場合、メインモードおよびエクストラモードの変更点はあまりありません。コースの数もコース内部の地形もエナジースフィアの配置もボスの行動パターンも覚えている限りは変わっていませんでした。
クリア率100%を目指すならノーマルとエクストラでほぼ同じコースを2周やらないといけない仕様も、7-3の3つめのエナジースフィアなど特定のアイテムやコピー能力を失うと一度コースを出てやり直さないと回収不可になるコレクション用アイテムがある仕様も変更なし。こういった不便だったり面倒に感じやすい部分も残念ながらそのままです。
ただし、細かい所にまで目を向けてみると色んな所がデラックスになっています。画質の向上はもちろんのこと、演出が全体的に豪華になっていたり、コピー能力が3種類増えていたり…など。
画質に関してはWiiとSwitchのマシンパワーの差もあって劇的に良くなっています。綺麗なだけでなくキャラクターの輪郭もくっきりしているので多人数プレイ時もそこまでゴチャゴチャしなさそう。
演出面で特にビックリしたのがスーパーコピー能力の攻撃で飛ばした敵が画面にぶつかってきてヒビが入る演出が増えていたこと。威力の高さがより強調されていますし、派手さも爽快感も増しています。
画面が切り替える際にロードカットインが表示されるようにもなりました。時空のハザマに挑む度に3〜5秒程度のロードを挟むようになってしまったのはちょっとマイナスポイントですが…。
新コピー能力はシリーズ全体でも初登場のサンド&アーマー+スターアライズから登場したフェスティバルの計3つ。コピー元の敵も追加配置されていて、チャレンジコースにもサンドとアーマーが追加されています。
サンドはリーフ同様の強力なガードと広い攻撃範囲を兼ね備えていてかなり強力、アーマーはビームを発射したり火炎弾やプラズマ爆弾など多彩な属性で攻撃できる、フェスティバルはその場にいる参加している人数が多いほど威力が上がる一発系能力(ぼっち殺し…)、といった感じ。
個人的にはサンドが格闘王を安定クリアする上ではオススメできる能力だと思いました。リーフは攻撃が当てにくてダメージは受けなくても時間がかかりがちだったのが、サンドは攻撃性能も十分高めなので守りつつも攻めるのもやりやすいです。
他には、おたすけマホロアやおみやげアイテムといったサポート機能が追加されています。おかげでゲーム慣れしていない人の遊びやすさはオリジナルよりも向上。
おたすけマホロアをONにすると、メインモード限定ではありますがなんとマホロアが体力が2倍になる薬をくれたり・穴に落ちても助けてくれるようになります。こんなに手厚くサポートしてくれるキャラが黒幕なわけないよねー(すっとぼけ)。
おみやげアイテムは後述するマホロアランドで遊んで集める必要がある代わりに、栄養ドリンクなどの回復アイテムやコピーのもとといったアイテムを在庫さえあれば好きなタイミングで使用できてしまいます。X長押しで選んでいるアイテムをその場に出現させられます。
しかも、おみやげアイテムは真格闘王への道やエクストラモードでも制限なく使用できるので、100%クリアを目指したいけどプレイスキルに自信がない人も栄養ドリンクやマキシムトマトを集めていればゴリ押しができるようになっています。ただし格闘王で使用するとクリアタイムの横にプレゼントマークが付いてしまうデメリット(?)があるのでこだわる方は注意。
でも本作の真格闘王はオリジナルと比べても難易度が上がっているので、これぐらい強力な救済措置が無ければ100%クリアを諦めて投げていたと思います。戦闘回数が増えているのにトマトの数は据え置きなのヤバすぎるって…。

メインモードでエンディングを見るまで進めると、完全新規のモード「マホロアエピローグ」が遊べるようになります。
このモードではカービィではなくマホロアを操作してコースをクリアしていくのですが、敵を倒すと集まるまりょくでマホロアを強化できたり・間髪入れず敵を攻撃し続けたりブロックを壊し続けると重なるコンボに応じて獲得できるまりょくが増えたり・コースクリア時に最大コンボ数で評価してくれるシステムがあったりで固有の仕様が多数搭載されていて繰り返し遊べます。
最初のマホロアは小さい魔力球を出すことしかできないし、体力も敵に2~3回当たっただけで死んでしまうほど少ないし、ずっとホバリングし続けることもできなくて落下死もしやすいなど、お世辞にも元ラスボスとは思えないぐらい貧弱。しかし技やステータスは強化可能&ボスを倒す事で新技も獲得できるのでどんどん強くなっていて、最終的には常にスーパーコピー能力を使っているかの如き強さに変貌します。
強くなればなるほど攻撃の当たり判定が大きくなったり弾の個数が増えたりで当てやすくなったり、連続攻撃できる必殺技が使えるようにもなるのでコンボ数も稼ぎやすくなり高評価も自然と取りやすくなります。カービィの時に苦しめられたマホロア砲やブラックホールも使えるようになるのも楽しいポイント。
まりょくを稼ぐにもコンボ数を重ねるのが重要になっているので、コンボを切らさないように攻撃し続けてなおかつダメージを受けないことを意識して戦う必要アリ。「イカサマ」という能力はレベルアップするとコンボが途切れるまでの時間を延長できるので早めの取得をオススメします。
マホロアエピローグ単体は3時間ほどで一通りクリアできます。このモードだけでも4つのエリアと6体のボスがいて全員倒せばエンディング。
ちなみにこっちで出てきたボスは真格闘王で追加登場するようになっているので、マジで真格闘王の難易度がオリジナルと比べても爆上がりしているんですよね…。カービィ以外のキャラが冒険することで巡り巡ってカービィの負担が増えるという謎…。
単にクリアするだけではつまらないという人は、コースごとに最大コンボ数でブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの4段階で評価してくれるシステムが存在するので全コースでプラチナランククリアを目指すのが吉。最後の隠しコースを出すには他の全コースでゴールドランク以上を取らないといけないので、100%クリアを狙うのであれば多少のやり込みが必須です。
このモードではマスタークラウンの秘密やその後のマホロアがどうなったのかについても判明します。特にマスタークラウンについては長年考察されてはきたものの謎が明かされないまま10年以上の年月が経っていたので、リメイクを機に公式が掘り下げてくれたのは凄くありがたかったです。
しかも、カービィハンターズZのジェムリンゴの由来も判明するオマケ付き。さりげなく登場していたけど実はとんでもないアイテムだったのね…。

冒険に疲れたらミニゲームで一休み。本作には「わいわいマホロアランド」という、ミニゲームを遊ぶ専用のモードが追加されています。
メインモードでエナジースフィアを集めるとローア内部でも遊べるようにもなりますが、わざわざスフィアを集めずともマホロアランドに飛ぶだけで好きなミニゲームを好きな時に好きなだけ遊べます。メインモードのマップ上でXボタンを押せばひとっ飛びで移動できます。
収録ミニゲーム数は10種類で、ここだけでも小さいパーティゲーム並のボリュームはあります。オマケに他のキャラのなりきりおめん(一部はボイス付き)をかぶれたり、ミニゲームを遊ぶと貰えるスタンプに応じておみやげアイテムやなりきりおめんが貰えるスタンプカードやミニゲーム中に特定の条件を満たせばクリアとなるミッションもあって、こちらもやり込む意義がちゃんと用意されています。
ミッションは全部で100個…に見せかけて、後にエクストラミッションが20個追加されます。通常ミッションはさておき、エクストラミッションの難易度は普通にキツいっす…(ギガトンパンチレベル3を3連覇とか)。
100%クリアの条件にはなりきりおめんの収集率も関係しているみたいなので、そういう意味ではオリジナルよりもちょっと大変になっています。エクストラミッションがカウント外になっていたのにはホッとしました。
収録されているミニゲームは大多数が過去作で登場したサブゲームのリメイク。「たまごきゃっちゃ」や「おちおちファイト」など随分懐かしいものも遊べます。

ただ、個人的に残念だったのがオリジナル版にはあった「ガンガンバスターズ」がオミットされている事。でかいロボットをみんなで協力して破壊するという内容で大好きなミニゲームだったので、本作には収録されていないことを知った時は普通にショックでした。
新規ミニゲームのガンガンブラスターズは名前こそ似ていますが、4人のプレイヤーで撃ち合うバトルロワイアルになっていて全くの別物。みんな「と」戦うんじゃなくてみんな「で」戦いたかった…。
それぞれのミニゲームは1回ずつ選んで遊べる他に、ツアーというランダムで選ばれた4つのゲームを連続で遊んで獲得ポイントで順位付けされるルールも用意されています。複数人でパーティゲームとして楽しむならツアーモードも楽しめそうです。
ちなみに、オンラインに繋げると遊べる「刹那の見切り 百」というミニゲームもあって、1日1回一発勝負で出たスコアを選ばれた100人と競うというルールになっています。1日1回というのがオンラインコンテンツとしては珍しくてユニーク。
通常ミッションの中には「刹那の見切り 百で上位20人に入る」というのがあって1日で1回しかチャレンジできないのにヤバくない…?と思いましたが、こちらはスコアを送れない2回目以降の挑戦でもOKという有情な仕様になってました。1回目のスコアしか見てくれない仕様もだったら追加でもう何日もかかる所でした…。
元からして4人で遊べることを売りにしていた作品ではありましたが、ミニゲームの大量追加によりパーティゲームとしても大進化。2~4人で集まってワイワイ遊ぶのにはうってつけの作品に仕上がっています。
1人で遊ぶにもマホロアエピローグや新コピー能力のチャレンジコースといったやり込み要素を含むコンテンツが増えていて満足。ボスの数が増えてさらに長丁場になった真格闘王も苦戦必死ですが、おみやげアイテムといった救済処置も追加されているのでクリアするだけならどうにかなります。
一方で、メインモードに関しては演出や画質以外はあまり手が加えられておらず、良くも悪くもそのままにされている部分が多いです。元がWiiのソフトでレトロと言うには片足しか突っ込んでいない時代のゲームなので古臭さこそあまり感じませんでしたが、最近の作品と比べてしまうと遊びにくさを感じる部分もあるのは否めないです。
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Wiiソフト『星のカービィWii』のリメイク作品。大好きだった作品がパワーアップして帰ってきたのは素直に嬉しくて、しかも新しく追加されたコンテンツも少なくなさそうだったので購入しました。
カービィシリーズといえば去年3月に『星のカービィ ディスカバリー』が出たばかりですがそちらは3Dアクションになっていて方向性をだいぶ変えていた作品で、伝統の2Dカービィはというと『星のカービィ スターアライズ』ぶりで期間がかなり空いています。スタアラが2018年発売なので約5年ぶり。
100%クリアまで遊んで18時間程でした。オリジナルが10年以上前の作品なのもあるとは思いますが、Wii版をやり込んだことがある身でも存分に楽しめました。
・タイトル:星のカービィ Wii デラックス
・発売元:任天堂
・開発元:ハル研究所
・対応ハード:Switch
・定価:
パケ版:6578円(税込) / DL版:6500円(税込)
・発売日:2023年2月24日
・ジャンル:アクション
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~4人
・権利表記:
© HAL Laboratory, Inc./ Nintendo
・公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/a2jya/
どういう人にオススメ?
・星のカービィシリーズが好きな人!
・みんなでワイワイ楽しめるゲームを探している人!
良かった点
・オリジナル版と比べて演出が強化された他に新しいコピー能力が3種類増えている
・おたすけマホロアやおみやげアイテムなど攻略をサポートする機能が追加されている
・マホロアエピローグは育成要素やクリア時評価といったやり込み要素アリで楽しい
・ミニゲームが10種類も用意されている
賛否両論?点
・メインモードに関してはオリジナル版にあった面倒な仕様もそのまま残っている
・時空のハザマに突入する際にロードが毎回入るようになった
・ガンガンバスターズがオミットされているのが解せない
備考
・amiibo対応 (一覧)
・無料体験版あり
・インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:任天堂
・開発元:ハル研究所
・対応ハード:Switch
・定価:
パケ版:6578円(税込) / DL版:6500円(税込)
・発売日:2023年2月24日
・ジャンル:アクション
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~4人
・権利表記:
© HAL Laboratory, Inc./ Nintendo
・公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/a2jya/
どういう人にオススメ?
・星のカービィシリーズが好きな人!
・みんなでワイワイ楽しめるゲームを探している人!
良かった点
・オリジナル版と比べて演出が強化された他に新しいコピー能力が3種類増えている
・おたすけマホロアやおみやげアイテムなど攻略をサポートする機能が追加されている
・マホロアエピローグは育成要素やクリア時評価といったやり込み要素アリで楽しい
・ミニゲームが10種類も用意されている
賛否両論?点
・メインモードに関してはオリジナル版にあった面倒な仕様もそのまま残っている
・時空のハザマに突入する際にロードが毎回入るようになった
・ガンガンバスターズがオミットされているのが解せない
備考
・amiibo対応 (一覧)
・無料体験版あり
・インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
メインモードはオリジナル版ほぼそのままだが新要素も多少存在

リメイク元である『星のカービィWii』はUSDXから操作感やゲーム性を引き継ぎつつ複雑な世界観を練り込んでいて、以降のカービィシリーズ(ディレクターさんの名前をとって「熊崎カービィ」と称されることも)の鋳型にもなった作品です。
そのため、トリプルデラックス・ロボボプラネット・スターアライズの3作品とWiiおよびそのリメイク版である本作は共通点がとても多いです。ゲームシステムはもちろんのこと、エンディングに辿り着くだけなら簡単だけど100%クリアを目指すとそこそこ大変になる難易度バランス・特定のパワーアップ(本作ではスーパーコピー能力)がストーリーでも攻略でも強くフィーチャーされている事・黒幕にまつわる設定が非常に複雑かつ闇を感じるものになっている事・過去作から引っ張ってきた小ネタが多く含まれている事…などなど。
本作で特に推されているのは2〜4人のマルチプレイでメインストーリーを進められること、スーパーコピー能力が攻略の上で必須になっていることの2つ。今でこそ目新しさを感じにくい特徴ですが、オリジナル版の発売当時は1台のゲーム機と1本のソフトと人数分のコントローラーがあれば4人一緒に冒険できることもド派手で強力なスーパーコピー能力もすごく新鮮でした。
4人で一緒に遊べるのはスタアラと共通していますが、本作にはヘルパーという概念はなく1人で遊ぶ場合はカービィ1人の冒険となってCPU操作の他キャラを召喚したりもできません。デデデ・メタナイト・バンダナワドルディもプレイヤブルキャラではありますが、メインモードで使えるのは2P以降で被りもNGという制限アリ(格闘王モードでのみ一度クリアしていれば1Pでも使えるようになります)。
スーパーコピー能力はウルトラソード・ドラゴストーム・ギガトンハンマー・スノーボウル・ミラクルビームの5種類が登場します。それぞれソード・ファイア・ハンマー・アイス・ビームの強化版。
いずれも特定のコース内にいる光り輝く敵からコピーすることができます。専用の仕掛けを動かしたり壊したりできる以外に一撃で中ボス含む敵を葬り去る火力を持ち合わせていますが、時間制限が存在していて時空のハザマ(隠しエリアに行く裂け目)かゴールゲートをくぐると強制的に解除されてしまったりでギミック色が強い能力です。
スーパーコピー能力を使う時にはそれまで付けていた能力の方は捨てないといけない他、時空のハザマ内ではすっぴん・その中で戦うスフィアローパーという中ボスも原則として現地にあるコピー能力のもとから得られる能力で戦わないといけないといった感じで本作は苦手な能力であってもその場しのぎで使う事を強いられる場面がとても多いです。ディスカバリーのほおばりヘンケイがコピーを外さず使えたことを考えると現代においては少し狭苦しさを感じる仕様。
ただ、スーパーコピー能力はとにかく派手で強いので当時中学生だった私は使う度に盛り上がってました(特にミラクルビームが大好きでした)。いつものコピー能力よりも帽子が長くなっていたり装飾が豪華になっている所も好きですし、思い出補正を含めて個人的にはお気に入りのシステムです。
オリジナル版とデラックス版で比較した場合、メインモードおよびエクストラモードの変更点はあまりありません。コースの数もコース内部の地形もエナジースフィアの配置もボスの行動パターンも覚えている限りは変わっていませんでした。
クリア率100%を目指すならノーマルとエクストラでほぼ同じコースを2周やらないといけない仕様も、7-3の3つめのエナジースフィアなど特定のアイテムやコピー能力を失うと一度コースを出てやり直さないと回収不可になるコレクション用アイテムがある仕様も変更なし。こういった不便だったり面倒に感じやすい部分も残念ながらそのままです。
ただし、細かい所にまで目を向けてみると色んな所がデラックスになっています。画質の向上はもちろんのこと、演出が全体的に豪華になっていたり、コピー能力が3種類増えていたり…など。
画質に関してはWiiとSwitchのマシンパワーの差もあって劇的に良くなっています。綺麗なだけでなくキャラクターの輪郭もくっきりしているので多人数プレイ時もそこまでゴチャゴチャしなさそう。
演出面で特にビックリしたのがスーパーコピー能力の攻撃で飛ばした敵が画面にぶつかってきてヒビが入る演出が増えていたこと。威力の高さがより強調されていますし、派手さも爽快感も増しています。
画面が切り替える際にロードカットインが表示されるようにもなりました。時空のハザマに挑む度に3〜5秒程度のロードを挟むようになってしまったのはちょっとマイナスポイントですが…。
新コピー能力はシリーズ全体でも初登場のサンド&アーマー+スターアライズから登場したフェスティバルの計3つ。コピー元の敵も追加配置されていて、チャレンジコースにもサンドとアーマーが追加されています。
サンドはリーフ同様の強力なガードと広い攻撃範囲を兼ね備えていてかなり強力、アーマーはビームを発射したり火炎弾やプラズマ爆弾など多彩な属性で攻撃できる、フェスティバルはその場にいる参加している人数が多いほど威力が上がる一発系能力(ぼっち殺し…)、といった感じ。
個人的にはサンドが格闘王を安定クリアする上ではオススメできる能力だと思いました。リーフは攻撃が当てにくてダメージは受けなくても時間がかかりがちだったのが、サンドは攻撃性能も十分高めなので守りつつも攻めるのもやりやすいです。
他には、おたすけマホロアやおみやげアイテムといったサポート機能が追加されています。おかげでゲーム慣れしていない人の遊びやすさはオリジナルよりも向上。
おたすけマホロアをONにすると、メインモード限定ではありますがなんとマホロアが体力が2倍になる薬をくれたり・穴に落ちても助けてくれるようになります。こんなに手厚くサポートしてくれるキャラが黒幕なわけないよねー(すっとぼけ)。
おみやげアイテムは後述するマホロアランドで遊んで集める必要がある代わりに、栄養ドリンクなどの回復アイテムやコピーのもとといったアイテムを在庫さえあれば好きなタイミングで使用できてしまいます。X長押しで選んでいるアイテムをその場に出現させられます。
しかも、おみやげアイテムは真格闘王への道やエクストラモードでも制限なく使用できるので、100%クリアを目指したいけどプレイスキルに自信がない人も栄養ドリンクやマキシムトマトを集めていればゴリ押しができるようになっています。ただし格闘王で使用するとクリアタイムの横にプレゼントマークが付いてしまうデメリット(?)があるのでこだわる方は注意。
でも本作の真格闘王はオリジナルと比べても難易度が上がっているので、これぐらい強力な救済措置が無ければ100%クリアを諦めて投げていたと思います。戦闘回数が増えているのにトマトの数は据え置きなのヤバすぎるって…。
エンディング後の新モード「マホロアエピローグ」

メインモードでエンディングを見るまで進めると、完全新規のモード「マホロアエピローグ」が遊べるようになります。
このモードではカービィではなくマホロアを操作してコースをクリアしていくのですが、敵を倒すと集まるまりょくでマホロアを強化できたり・間髪入れず敵を攻撃し続けたりブロックを壊し続けると重なるコンボに応じて獲得できるまりょくが増えたり・コースクリア時に最大コンボ数で評価してくれるシステムがあったりで固有の仕様が多数搭載されていて繰り返し遊べます。
最初のマホロアは小さい魔力球を出すことしかできないし、体力も敵に2~3回当たっただけで死んでしまうほど少ないし、ずっとホバリングし続けることもできなくて落下死もしやすいなど、お世辞にも元ラスボスとは思えないぐらい貧弱。しかし技やステータスは強化可能&ボスを倒す事で新技も獲得できるのでどんどん強くなっていて、最終的には常にスーパーコピー能力を使っているかの如き強さに変貌します。
強くなればなるほど攻撃の当たり判定が大きくなったり弾の個数が増えたりで当てやすくなったり、連続攻撃できる必殺技が使えるようにもなるのでコンボ数も稼ぎやすくなり高評価も自然と取りやすくなります。カービィの時に苦しめられたマホロア砲やブラックホールも使えるようになるのも楽しいポイント。
まりょくを稼ぐにもコンボ数を重ねるのが重要になっているので、コンボを切らさないように攻撃し続けてなおかつダメージを受けないことを意識して戦う必要アリ。「イカサマ」という能力はレベルアップするとコンボが途切れるまでの時間を延長できるので早めの取得をオススメします。
マホロアエピローグ単体は3時間ほどで一通りクリアできます。このモードだけでも4つのエリアと6体のボスがいて全員倒せばエンディング。
ちなみにこっちで出てきたボスは真格闘王で追加登場するようになっているので、マジで真格闘王の難易度がオリジナルと比べても爆上がりしているんですよね…。カービィ以外のキャラが冒険することで巡り巡ってカービィの負担が増えるという謎…。
単にクリアするだけではつまらないという人は、コースごとに最大コンボ数でブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの4段階で評価してくれるシステムが存在するので全コースでプラチナランククリアを目指すのが吉。最後の隠しコースを出すには他の全コースでゴールドランク以上を取らないといけないので、100%クリアを狙うのであれば多少のやり込みが必須です。
このモードではマスタークラウンの秘密やその後のマホロアがどうなったのかについても判明します。特にマスタークラウンについては長年考察されてはきたものの謎が明かされないまま10年以上の年月が経っていたので、リメイクを機に公式が掘り下げてくれたのは凄くありがたかったです。
しかも、カービィハンターズZのジェムリンゴの由来も判明するオマケ付き。さりげなく登場していたけど実はとんでもないアイテムだったのね…。
ちょっと寄り道「わいわいマホロアランド」

冒険に疲れたらミニゲームで一休み。本作には「わいわいマホロアランド」という、ミニゲームを遊ぶ専用のモードが追加されています。
メインモードでエナジースフィアを集めるとローア内部でも遊べるようにもなりますが、わざわざスフィアを集めずともマホロアランドに飛ぶだけで好きなミニゲームを好きな時に好きなだけ遊べます。メインモードのマップ上でXボタンを押せばひとっ飛びで移動できます。
収録ミニゲーム数は10種類で、ここだけでも小さいパーティゲーム並のボリュームはあります。オマケに他のキャラのなりきりおめん(一部はボイス付き)をかぶれたり、ミニゲームを遊ぶと貰えるスタンプに応じておみやげアイテムやなりきりおめんが貰えるスタンプカードやミニゲーム中に特定の条件を満たせばクリアとなるミッションもあって、こちらもやり込む意義がちゃんと用意されています。
ミッションは全部で100個…に見せかけて、後にエクストラミッションが20個追加されます。通常ミッションはさておき、エクストラミッションの難易度は普通にキツいっす…(ギガトンパンチレベル3を3連覇とか)。
100%クリアの条件にはなりきりおめんの収集率も関係しているみたいなので、そういう意味ではオリジナルよりもちょっと大変になっています。エクストラミッションがカウント外になっていたのにはホッとしました。
収録されているミニゲームは大多数が過去作で登場したサブゲームのリメイク。「たまごきゃっちゃ」や「おちおちファイト」など随分懐かしいものも遊べます。

ミニゲームの元ネタ一覧
・たまごきゃっちゃ:星の泉の物語
・刹那の見切り:スーパーデラックス
・おちおちファイト:64
・爆裂ボンバーラリー:星の泉デラックス
・ギガトンパンチ:鏡の大迷宮
・スマッシュライド:参上!ドロッチェ団
・タッチ!早撃ちカービィ:ウルトラスーパーデラックス
・一撃!手裏剣道場:Wii
・みつけて!マホロア図書館:本作初登場
・ガンガンブラスターズ:本作初登場
ルールだけでなくUIや結果発表画面も再現されていて、こちらもしっかりリメイクされています。3Dグラフィックのたまごきゃっちゃはなんかシュールで、しかも口からヒヨコが出てくるシーンもちゃんと再現されていて微笑ましかったです。・たまごきゃっちゃ:星の泉の物語
・刹那の見切り:スーパーデラックス
・おちおちファイト:64
・爆裂ボンバーラリー:星の泉デラックス
・ギガトンパンチ:鏡の大迷宮
・スマッシュライド:参上!ドロッチェ団
・タッチ!早撃ちカービィ:ウルトラスーパーデラックス
・一撃!手裏剣道場:Wii
・みつけて!マホロア図書館:本作初登場
・ガンガンブラスターズ:本作初登場
ただ、個人的に残念だったのがオリジナル版にはあった「ガンガンバスターズ」がオミットされている事。でかいロボットをみんなで協力して破壊するという内容で大好きなミニゲームだったので、本作には収録されていないことを知った時は普通にショックでした。
新規ミニゲームのガンガンブラスターズは名前こそ似ていますが、4人のプレイヤーで撃ち合うバトルロワイアルになっていて全くの別物。みんな「と」戦うんじゃなくてみんな「で」戦いたかった…。
それぞれのミニゲームは1回ずつ選んで遊べる他に、ツアーというランダムで選ばれた4つのゲームを連続で遊んで獲得ポイントで順位付けされるルールも用意されています。複数人でパーティゲームとして楽しむならツアーモードも楽しめそうです。
ちなみに、オンラインに繋げると遊べる「刹那の見切り 百」というミニゲームもあって、1日1回一発勝負で出たスコアを選ばれた100人と競うというルールになっています。1日1回というのがオンラインコンテンツとしては珍しくてユニーク。
通常ミッションの中には「刹那の見切り 百で上位20人に入る」というのがあって1日で1回しかチャレンジできないのにヤバくない…?と思いましたが、こちらはスコアを送れない2回目以降の挑戦でもOKという有情な仕様になってました。1回目のスコアしか見てくれない仕様もだったら追加でもう何日もかかる所でした…。
総評:元からある部分はほぼそのままに新要素が増量された、リメイク作品の理想像に近い作品
メインモードはオリジナルからあまり変わっていない一方で、新コピー能力・新ミニゲーム・マホロアエピローグなど新しいコンテンツも増えている、リメイク作品としては理想にとても近い作品。マホロアやマスタークラウン関連の掘り下げが増えているのも良点です。元からして4人で遊べることを売りにしていた作品ではありましたが、ミニゲームの大量追加によりパーティゲームとしても大進化。2~4人で集まってワイワイ遊ぶのにはうってつけの作品に仕上がっています。
1人で遊ぶにもマホロアエピローグや新コピー能力のチャレンジコースといったやり込み要素を含むコンテンツが増えていて満足。ボスの数が増えてさらに長丁場になった真格闘王も苦戦必死ですが、おみやげアイテムといった救済処置も追加されているのでクリアするだけならどうにかなります。
一方で、メインモードに関しては演出や画質以外はあまり手が加えられておらず、良くも悪くもそのままにされている部分が多いです。元がWiiのソフトでレトロと言うには片足しか突っ込んでいない時代のゲームなので古臭さこそあまり感じませんでしたが、最近の作品と比べてしまうと遊びにくさを感じる部分もあるのは否めないです。
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