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【Steam/Switch】『コーラル サンゴ海の探検』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2023/08/23
ゲーム感想&レビュー 0
Steamゲーム PCゲーム Switchソフト アクション
『コーラル サンゴ海の探検』を購入しました。

今回もe-shopのセールで見つけた作品となります。夏といえば海!ということで少しでも涼しくなるために買いました。
サンゴの英語綴りは“C”oralのはずですが、本作のタイトルは何故か“K”oralとなってます。何か理由があるのかも?と思って調べましたが…わかりませんでした。
エンディングまでは約2時間と短め。結論から述べてしまうと、娯楽性以上に海の現状を伝える事に重きを置いていると思える作品で人を選ぶかも。

任天堂の公式オンラインストア。「コーラル サンゴ海の探検 ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
・タイトル:コーラル サンゴ海の探検
・発売元:
Steam版:Carlos Coronado / Switch版:レイニーフロッグ
・開発元:Carlos Coronado
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:
-Steam版:1520円(税込)
-Switch版:1000円(税込)
・発売日:
-Steam版:2019年5月16日
-Switch版:2019年8月1日
・ジャンル:アクション
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©2019 Carlos Coronado. Licensed to and published to Rainy Frog LLC.
・公式サイト:
https://www.rainyfrog.com/ja/game/koral

どういう人にオススメ?
・サンゴ礁に見とれたい人!

良かった点
・進めるほど新しいギミックが出てくる
・サンゴ礁と魚たちが見せてくれる景色は最高
・コレクションアイテム代わりのメッセージは環境問題に関する内容が多い

賛否両論?点
・一部のギミックはタイミングや時間制限がシビア
・赤い光を取りに戻らないといけない回数が多く煩わしい
・前景の岩礁や海藻が邪魔になりがち

備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)




サンゴ礁の美しさとヒトの業の深さ


いきなり質問ですが、皆様はサンゴと聞いて最初に何をイメージしますか?
カラフルな生き物、グレートバリアリーフ、宝石、アクアリウム…など人によって色んな物が頭の中に出てくるかと思います。ちなみに私が真っ先に思い浮かべたのは最近話題になったアニポケのメスガキでした。
真面目な話をすると、サンゴは生物学的にはクラゲやイソギンチャクの仲間(刺胞動物)で硬質の骨格を持つ種類の総称。固着性でその場から動かず触手も見えにくいけど実は動物でプランクトンを食べたり、でも光合成を行う褐虫藻という小さな生き物と協力して実質的に光からも栄養を得ていたりで植物っぽさも割と強い不思議な生き物です。
カラフルな見た目で私達人間の目を楽しませてくれるだけでなく、周囲への栄養供給や他の生物の隠れ家になったりと生態系においても重要な役割を担っている生物でもあります。文化的にも生態学的にも大事な存在でいなくなってしまえば他生物種にも大きな影響が及ぶことは想像に容易いです。
しかし、近年取り沙汰される地球温暖化や海洋汚染の影響を強く受けてしまっている生き物でもあります。特に言われているのが褐虫藻と共生できなくなる事で起きる白化現象で、真っ白になってしまったサンゴしかいない海を見せられると悲しいことこの上ない…。
本作はそんな危機に陥っているサンゴにフィーチャーしながら海の環境問題について提起してくれている作品です。最初は生物豊かなサンゴ礁を観光して、その後は深海や都市近郊の湾や沈没船など海の色んな所を舞台に白化したサンゴを生き返らせていきます。

プレイヤーは海流らしい白い風のようなエフェクトを動かし回します。海流と言っても近くの魚の泳ぐ方向などを間接的に制御できたりするわけではなく、普通の2Dアクションでキャラクターを動かすのと変わらない操作性です。
Lスティックで移動する以外のアクションはできませんが、フジツボ?の先にある赤い光に触れると光が追尾してくるようになります。その光を白化したサンゴに一定数宿らせることで生き返らせる事ができて、汚染された水が浄化されて先に進めるようになったり・サンゴに付随したギミックを動かせるようになったりします。

エリア毎に1つパズルチックな構造があって、その間は大きな海流によって隔たれていて一度進んでしまうと戻れなくなる一方通行です。自由に泳ぎ回れるタイプのゲームではないので注意。
先に進むほど異なる性質を持ったサンゴが現れるため、ギミックの種類は割と豊富です。サンゴは1〜2章につき1種類のペースで増えていきます。
触ると一時的にダッシュするポリプ型サンゴ強力な海流を生み出す大きい黒サンゴ・触ると倒れるサンゴ(勢いが必要な橙触るだけでOKの緑)・レバースイッチのように倒す事で地形を動かせるサンゴ・触ると小さな赤い光が散らばり全て集めるとそこから光を貰えるようになるサンゴ(時間制限無の青時間制限有の紫)が登場します。パズル要素が強めではありますが、時間制限アリのギミックも存在していてアクション要素も結構強いです。
特に紫色のサンゴは時間制限がギリギリに設定されているのでアクション苦手な人は辛いかもしれません。勢いをつけて倒さないといけない橙色サンゴについても一部難しい所がありました。
たとえシンプルでもゲーム性があるというのは良い事ではあります。ですが、やること自体は光集めとサンゴの回復のみで単調さを感じてしまうのと地味に手間がかかる仕様が目立つのがマイナスで、正直な所ゲームとしての楽しさは小さめでした。
一番気になったのが赤い光の仕様で、同じ場所へ取りに戻らないといけない場面がやたら多いのが面倒でした。使用した光は元のフジツボやサンゴの所にリポップするのですが、必要な光の数と拾える光の数が常にギリギリになるよう設定されていて回復させないといけないサンゴの数が多くなるほど同じ場所を往復する回数も増えがち。
後は前景の岩礁や海藻が視界を遮ってくるのも困った所。立体感を作り出してくれてはいますが、場所によっては進むべき道やコレクションアイテムを見つけにくくしていたり・単純に画面が隠れて操作しづらかったりしたので、もうちょっと主張を抑えて欲しかったとは思います。
でも、奥行きがある海の中の光景は確かに美しく神秘的で見応えアリ。カラフルなサンゴの群生と魚達の泳ぐ様を見ているとこの景色が無くなってほしくないと思いますし、汚染されて生き物がいなくなった海を移動している時には現実の海をこうしてはいけないと思えます。
泳いでいる魚の種類も多種多様で見ていて楽しかったです。サンゴ礁の景色については本当に最高なので、それ目的で買うのは悪くないかと。

ゲーム内にはコレクションアイテムという形で海に関するメッセージも置かれています。こちらは水色の光として配置されていて、先に進むだけで見つかる物もあれば・一部見つけづらい所に隠されていたりもするので私は1周するだけではコンプリートできませんでした。
既に見つけたものはタイトルメニューの「コレクション」から一覧で見直すことができます。もし取り逃してもタイトルメニューの開始する>章選択から特定の章だけをやり直せるので回収作業はそこまで大変ではありません。
そのメッセージのうち半分ほどは環境問題についての内容です。ゲーム内容からも「サンゴ礁のある海を守ろう!」という啓発目的の作品だと受け取ることができますが、メッセージではさらにストレートな形で問題を提起してきます。

ショッキングな内容のものもあって人間の業の深さを感じざるを得ません。特に汚染によって生き物が住めなくなった海域がイギリス国土(約243600平方キロメートル)と同じぐらいのサイズもあるという話には本当!?と驚いてしまいました。
ただ、そのメッセージが単なる一口トリビア止まりなのがちょっと残念な所。各章にテーマが決まっていてメッセージの内容も合わせたものにはなってはいますが、文字だけで終わらず映像なり演出なりゲーム性なりのゲームらしい方法で伝えて欲しかったとは思います。
例えば、最初の章でダイナマイト漁の話が出てきた時に背景で爆発が起きて魚が気絶し浮いていく演出があると今まさに起こっている事なんだという緊迫感を感じられたと思うのです。文字だけで表現するだけなら本やウェブ記事でも可能なので、ゲームという媒体で伝えるならゲーム性や世界観や演出で表現されていると良かったというのが私の意見です。
製作者さんは先生でスキューバダイバー(Xのプロフ欄に書いてました)との事で、海が好きだからこそ美しさと保全の重要性を本作を通して発信したというのは伝わってきました。ゲームという形で広い層にメッセージを発信していく試みは素晴らしい事だと思う一方で、ゲーム内の体験とメッセージがちゃんと結びついているとは言いにくく楽しい仮想空間から現実に引き戻す要素になってしまっているのがかなりもったいないと感じる所。



総評:テーマと映像美は美しいけれどもゲームとしては微妙かも

環境問題に対する啓発目的で作られた作品という印象がかなり強く、その心意気と映像美は確かに美しく評価点です。ただし、娯楽目的のゲームとして考えるとうーん…と思える部分が多めだったことは否定できません。
ゲームとしては楽しさよりも冗長感の方が強く、コレクションアイテムとして用意されているメッセージも悪い言い方をすると説教じみた内容の物が多いように感じて、正味癒されるという感じはあまり無かったです。ダイビング系の癒しゲームを探している人には『ABZÛ』の方がオススメかも。
私は綺麗なサンゴ礁に癒されたい!という動機で本作を購入したので「ゲームの中でまで環境問題の話は聞きたくないな…」と思ってしまいました。単に私の気持ちのタイミングが悪かったというのもありますが、気晴らしのために水族館に来たはずがキレイな水槽よりも環境問題に関する展示コーナーが多くて逆に悶々とさせられたような感覚でした。
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