【Steam/スマホアプリ/Switch】『Moncage -箱庭ノ夢-』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『Moncage -箱庭ノ夢-』を購入しました。

今年9月にSwitch版が発売された時から気になりつつもスルーしていましたが、つい最近になってセールしているのを見かけてしまったので購入しました。
1周目は約3時間ぐらいでエンディングに到達。エンディング後は再びゲームの最初に戻されて、コレクションアイテムを集めると真エンドへの道筋が開放される形式ですが、謎解きに関しては周回プレイで変わるような所はないのでちょっと面倒でした。
定価を考えると短めなのは否めませんが、独特の雰囲気とシステムは中々に良かった作品です。『Gorogoa』が好きな人は本作も好きになれるかも。



メインとなる操作は真ん中に置かれたキューブを眺める方向を変えること。後はキューブに映っている景色の中を調べて棚やドアを開けたり拡大したりする事ぐらいしかできません。
このキューブは不思議な事にそれぞれの面で全く違う景色を映し出しています。ある面には灯台のある島が映っているのに、他の面には子供部屋・暗い研究室・工場が映っていたりと法則性がないように見えます。
これらの景色同士は一見関係も何もなさそうに思えますが、視点や拡大度を調節すると2~3つの面同士を繋ぎ合わせられる部分が存在しています。くっつけた面は見た目だけでなく実際に合体して一緒に動くので、その仕様を活用して景色に働きかけて進めていくのが本作のパズルゲームとしての特徴。
くっつき方と活用方法のバリエーションは豊富で、灯台のある島と暗い研究室を繋げて灯台の光で研究室の電源スイッチを照らして探したり・クレーンとアームライトを繋げて動くようにしたり…など色々。中には1つの面の中で太陽と街灯のランプを重ね合わせて街灯を灯したりといった変わり種パターンもあります。
とりあえずくっつけるだけでも何か起こる事が大半なので、まずは繋げられそうなポイントを探すのがコツ。タイミングを見てくっつけないとダメだったり・特定の手順を踏んでからくっつけないと意味がなかったりもするので一筋縄ではいきませんが…。
判定は若干厳しめでしっかり合わせないとくっついてくれないので細かい調整が必要。どうも模様の繋ぎ目に段差があるとダメらしく、逆に模様さえ自然に合わせることができれば多少ズレていても見過ごしてくれる感じ。
何をしたら先の場面に進めるのかわかりにくいのは少し気になったポイントです。似たシステムのGorogoaではゲーム全体を通して「男の子を木の実の所まで進ませる」という明確な目標が存在するのに対して、本作にはそういったわかりやすい目標が無く進むためのフラグが要所要所で全くの別物に変わってしまいますし案内もありません。
そのせいで、とりあえず何かやったら偶然上手くいって進めた…という場面が多々発生し、よくわからないまま次のシーンへ進んで行くことも多いです。「車を動かす」というのが目標なのかな…と思いましたが、途中で車が出てこないシーンが続いたりもするのでそれもちょっと違う気がしました。
一応、景色の中にイラストなどでヒントが隠れていたり・ZRを押している間はくっつけられるオブジェクトや拡大できる場所を強調表示してくれる機能もあるので、全くのノーヒントという訳ではありません。それでも自力で気づくの無理でしょ…みたいな謎解きもあって難しく、進めた時のスッキリ感はある一方でわからない時は本当にわからなくて詰みます。
特に小さい爆弾をいくつもの面を経由させて運んでコマの戦車を吹っ飛ばす所や季節をいじって花を咲かせる所はヒント無しで解けた人の方が少ないでしょ…と思えるぐらい難解でした。私もヒントをちょくちょく見て進めた1人です…。
その代わりに救済処置としてゲーム内で詳しいヒントを表示する機能が備え付けられているので、謎解きは苦手だけど演出やストーリーを楽しみたいという人にも優しい作りになっています。+ボタンを押すと開くメニュー>ヘルプからヒントを見ることができます。
このヒントは1問につき1~3つ用意されていて、1つずつ段階的に開示する事ができるので一部だけヒントをもらうプレイングもできますし、全部のヒントを開けてもわからない時は正解VTRまで見ることができるようになっています。
ただし、ヒントは謎を解き始めてから一定時間(2~5分程)経過しないと見ることができないようになっています。少しは自分で考えてから頼ろうね!という感じで、プレイヤーを甘やかしてばかりでないのも好感を持てる仕様です。

最初はお互いに関係が無いように見える風景たちですが、進めているうちに誰かの人生をなぞっていることに何となく気づけるようになっています。
景色だけでなく所々に隠されている写真を拾う事でも物語が補完されていくので、できる限り隅々まで見渡して集めておくのをオススメします。写真をコンプリートする事が真エンドを見るための前提条件にもなっていますし。
ただ、写真のコンプリートを目指そうとするとゲームシステム側の作りでちょっとしんどい仕様なのが惜しいと思った所。収集要素があるならチャプターセレクトが解禁されたりするとありがたいのですが、残念ながら本作にはそういった機能は無く取り逃した写真がある場合は一度エンディングまで行ってから再度最初からプレイし直さないといけません。
謎解きの内容が周回毎に変化するわけではないので周回プレイが楽しいゲーム性ではないし、結構見つけづらい所に隠されている写真もあるのに取り逃した物のヒントをゲーム内で一切見ることができないのはかなりスパルタ。私は2周目クリア時点でも写真を揃えられなかったのでSteamコミュニティに投稿されていたガイドを頼らせていただきました…。
謎解き重視のゲームって2周目以降は既にわかっている答えをなぞるだけになるのに周回前提で作っている作品ってどうなの…と思う勢なので、本作についてもここはネガティブな点として見てしまいました。
ここからは本作のストーリーについての個人的考察です。折りたたみ部分には私の考察を載せてますが、真エンドまでのネタバレが含まれていること&妄想が多分に含まれていることをご理解してお読みください。
私自身もちゃんと理解できている気がしていないので間違っている可能性大。 本作は謎は多いけれども何を描きたいかは割とわかりやすく、扱っている題材も現実的なトラウマや経験を考えさせられる話で情緒深いです。個人的には好きなタイプの物語。
ただし、全体を通してファンタジーな雰囲気を纏っていたGorogoaとは180°異なり、本作ではプラグマティカルな経験や思い出がテーマとなっている所が3Dになった以外で大きく違う部分となっています。また、本作の方がストーリーのテーマがわかりやすい一方でパズルゲームなのに目的がわかりにくくなっているのが難点だと感じました。
ボリュームは少なめですが、ヒント無しでは高めの難易度で頑張りがいはあったと思います。写真集め&真エンド到達まで自力でやろうとすると大変なので、さすがに攻略を見る事をオススメしますが。
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今年9月にSwitch版が発売された時から気になりつつもスルーしていましたが、つい最近になってセールしているのを見かけてしまったので購入しました。
1周目は約3時間ぐらいでエンディングに到達。エンディング後は再びゲームの最初に戻されて、コレクションアイテムを集めると真エンドへの道筋が開放される形式ですが、謎解きに関しては周回プレイで変わるような所はないのでちょっと面倒でした。
定価を考えると短めなのは否めませんが、独特の雰囲気とシステムは中々に良かった作品です。『Gorogoa』が好きな人は本作も好きになれるかも。
任天堂の公式オンラインストア。「Moncage -箱庭ノ夢- ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。


・タイトル:Moncage -箱庭ノ夢-
・発売元:X.D. Network
・開発元:Optillusion
・対応ハード:
PC(Steam)/スマホ(Android/iOS)/Switch
・定価:
-Steam/Switch版:1520円(税込)
-Android版:430円(税込)
-iOS版:800円(税込)
・発売日:
-Steam版:2021年11月16日
-スマホ版:2021年11月17日
-Switch版:2022年9月22日
・ジャンル:パズル
・IARC:3+(3歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
® 2022 X.D. Network Inc. All rights reserved.
© Optillusion
どういう人にオススメ?
・ユニークなパズルゲームを探している人!
良かった点
・キューブの面同士を繋ぎ合わせて解いていくユニークなパズル
・素の難易度は高めだがヒントが豊富で詰むことがない
・1人の男の人生を追いかけた情緒あるストーリーが素敵
賛否両論?点
・何をすれば正解なのかがわかりにくい場面が多い
・ボリュームは控えめかつ周回で謎解きの中身が変わったりもしない
・チャプターセレクトがないため真エンド分岐条件の写真集めが面倒
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:X.D. Network
・開発元:Optillusion
・対応ハード:
PC(Steam)/スマホ(Android/iOS)/Switch
・定価:
-Steam/Switch版:1520円(税込)
-Android版:430円(税込)
-iOS版:800円(税込)
・発売日:
-Steam版:2021年11月16日
-スマホ版:2021年11月17日
-Switch版:2022年9月22日
・ジャンル:パズル
・IARC:3+(3歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
® 2022 X.D. Network Inc. All rights reserved.
© Optillusion
どういう人にオススメ?
・ユニークなパズルゲームを探している人!
良かった点
・キューブの面同士を繋ぎ合わせて解いていくユニークなパズル
・素の難易度は高めだがヒントが豊富で詰むことがない
・1人の男の人生を追いかけた情緒あるストーリーが素敵
賛否両論?点
・何をすれば正解なのかがわかりにくい場面が多い
・ボリュームは控えめかつ周回で謎解きの中身が変わったりもしない
・チャプターセレクトがないため真エンド分岐条件の写真集めが面倒
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
キューブの面同士を繋げて解く不思議なパズル

メインとなる操作は真ん中に置かれたキューブを眺める方向を変えること。後はキューブに映っている景色の中を調べて棚やドアを開けたり拡大したりする事ぐらいしかできません。
このキューブは不思議な事にそれぞれの面で全く違う景色を映し出しています。ある面には灯台のある島が映っているのに、他の面には子供部屋・暗い研究室・工場が映っていたりと法則性がないように見えます。
これらの景色同士は一見関係も何もなさそうに思えますが、視点や拡大度を調節すると2~3つの面同士を繋ぎ合わせられる部分が存在しています。くっつけた面は見た目だけでなく実際に合体して一緒に動くので、その仕様を活用して景色に働きかけて進めていくのが本作のパズルゲームとしての特徴。
くっつき方と活用方法のバリエーションは豊富で、灯台のある島と暗い研究室を繋げて灯台の光で研究室の電源スイッチを照らして探したり・クレーンとアームライトを繋げて動くようにしたり…など色々。中には1つの面の中で太陽と街灯のランプを重ね合わせて街灯を灯したりといった変わり種パターンもあります。
とりあえずくっつけるだけでも何か起こる事が大半なので、まずは繋げられそうなポイントを探すのがコツ。タイミングを見てくっつけないとダメだったり・特定の手順を踏んでからくっつけないと意味がなかったりもするので一筋縄ではいきませんが…。
判定は若干厳しめでしっかり合わせないとくっついてくれないので細かい調整が必要。どうも模様の繋ぎ目に段差があるとダメらしく、逆に模様さえ自然に合わせることができれば多少ズレていても見過ごしてくれる感じ。
何をしたら先の場面に進めるのかわかりにくいのは少し気になったポイントです。似たシステムのGorogoaではゲーム全体を通して「男の子を木の実の所まで進ませる」という明確な目標が存在するのに対して、本作にはそういったわかりやすい目標が無く進むためのフラグが要所要所で全くの別物に変わってしまいますし案内もありません。
そのせいで、とりあえず何かやったら偶然上手くいって進めた…という場面が多々発生し、よくわからないまま次のシーンへ進んで行くことも多いです。「車を動かす」というのが目標なのかな…と思いましたが、途中で車が出てこないシーンが続いたりもするのでそれもちょっと違う気がしました。
一応、景色の中にイラストなどでヒントが隠れていたり・ZRを押している間はくっつけられるオブジェクトや拡大できる場所を強調表示してくれる機能もあるので、全くのノーヒントという訳ではありません。それでも自力で気づくの無理でしょ…みたいな謎解きもあって難しく、進めた時のスッキリ感はある一方でわからない時は本当にわからなくて詰みます。
特に小さい爆弾をいくつもの面を経由させて運んでコマの戦車を吹っ飛ばす所や季節をいじって花を咲かせる所はヒント無しで解けた人の方が少ないでしょ…と思えるぐらい難解でした。私もヒントをちょくちょく見て進めた1人です…。
その代わりに救済処置としてゲーム内で詳しいヒントを表示する機能が備え付けられているので、謎解きは苦手だけど演出やストーリーを楽しみたいという人にも優しい作りになっています。+ボタンを押すと開くメニュー>ヘルプからヒントを見ることができます。
このヒントは1問につき1~3つ用意されていて、1つずつ段階的に開示する事ができるので一部だけヒントをもらうプレイングもできますし、全部のヒントを開けてもわからない時は正解VTRまで見ることができるようになっています。
ただし、ヒントは謎を解き始めてから一定時間(2~5分程)経過しないと見ることができないようになっています。少しは自分で考えてから頼ろうね!という感じで、プレイヤーを甘やかしてばかりでないのも好感を持てる仕様です。
風景と写真で語られる男の半生

最初はお互いに関係が無いように見える風景たちですが、進めているうちに誰かの人生をなぞっていることに何となく気づけるようになっています。
景色だけでなく所々に隠されている写真を拾う事でも物語が補完されていくので、できる限り隅々まで見渡して集めておくのをオススメします。写真をコンプリートする事が真エンドを見るための前提条件にもなっていますし。
ただ、写真のコンプリートを目指そうとするとゲームシステム側の作りでちょっとしんどい仕様なのが惜しいと思った所。収集要素があるならチャプターセレクトが解禁されたりするとありがたいのですが、残念ながら本作にはそういった機能は無く取り逃した写真がある場合は一度エンディングまで行ってから再度最初からプレイし直さないといけません。
謎解きの内容が周回毎に変化するわけではないので周回プレイが楽しいゲーム性ではないし、結構見つけづらい所に隠されている写真もあるのに取り逃した物のヒントをゲーム内で一切見ることができないのはかなりスパルタ。私は2周目クリア時点でも写真を揃えられなかったのでSteamコミュニティに投稿されていたガイドを頼らせていただきました…。
謎解き重視のゲームって2周目以降は既にわかっている答えをなぞるだけになるのに周回前提で作っている作品ってどうなの…と思う勢なので、本作についてもここはネガティブな点として見てしまいました。
ここからは本作のストーリーについての個人的考察です。折りたたみ部分には私の考察を載せてますが、真エンドまでのネタバレが含まれていること&妄想が多分に含まれていることをご理解してお読みください。
私自身もちゃんと理解できている気がしていないので間違っている可能性大。 本作は謎は多いけれども何を描きたいかは割とわかりやすく、扱っている題材も現実的なトラウマや経験を考えさせられる話で情緒深いです。個人的には好きなタイプの物語。
総評:キューブに映し出された場面を紡いで物語を覗いていく不思議なパズルゲーム
一見すると関係なさそうな各面の景色を繋げる事で話が進む、ちょっと不思議なパズルゲーム。3DになったGorogoaみたいな作品だとも思いました。ただし、全体を通してファンタジーな雰囲気を纏っていたGorogoaとは180°異なり、本作ではプラグマティカルな経験や思い出がテーマとなっている所が3Dになった以外で大きく違う部分となっています。また、本作の方がストーリーのテーマがわかりやすい一方でパズルゲームなのに目的がわかりにくくなっているのが難点だと感じました。
ボリュームは少なめですが、ヒント無しでは高めの難易度で頑張りがいはあったと思います。写真集め&真エンド到達まで自力でやろうとすると大変なので、さすがに攻略を見る事をオススメしますが。
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