【Steam/Switch】『Neon White』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『Neon White』を購入しました。

タイムアタックがメインコンテンツになっているスタイリッシュFPSといった感じの作品。
タイトル画面はホラゲみたいでなんか不気味ですが、ストアのトップ画やアイコンは超が付くほどカッコ良いので1回見てみて欲しいです。キャラデザもイラストもカッコよすぎる。
ちょっと前にe-shopでセールしていたのでその時に購入。結果から言うと買ってよかったとハッキリ言える程の良作で大当たりでした。
ネオンランクを1まで上げて・全てのプレゼントを集めて・サイドクエストをコンプリートした状態まで進めた後にエンディングを見て20時間程かかりました。EDを見るだけなら半分もかからず終わると思います。

このゲームの内容を短くまとめると、主人公のネオン・ホワイトを操作して、天国に蔓延るデーモンをしばきつつゴールゲートへダッシュするステージクリア制のFPSアクション。
本作においてネオンという単語は地獄から選ばれた死者達の事を指しています。ネオン達は色をコードネームとして与えられている他、顔には起爆装置付きの仮面を付けられ天国の住民である信奉者に逆らえなくさせられた、言ってしまえば奴隷のような立場。
これだけだと不憫なだけにも思えてしまいますが、1年に1回の審判の日までに多くのデーモンを倒して一番優秀なネオンに認定されれば、神様から許しを貰えて天国に永住できるというルールもあったりします。元は地獄に落とされていた罪人であることを考えると、千載一遇のビッグチャンスを与えられているだけ有情な気も。
操作はLスティックを傾けるだけでダッシュ・Rスティックでカメラ操作・ZLでジャンプ・ZRでカードを用いた攻撃・Lでカード切り替え・Rで廃棄アクション発動。コースの途中でやり直したくなったら-ボタンを押せば開始前画面へ即座に戻れます。
ライフは3つ用意されていますが、一部の敵の攻撃や障害物は当たった時点で即死なので注意。足を滑らせた場合は一定の高度まで落ちた時点で開始前画面に戻されます。
攻撃は初期所持のカタナ以外に、コース中に落ちているソウルカードを拾うことで銃を用いた遠距離攻撃が可能になります。Elevateならピストル、Fireballなら散弾銃、Dominionならロケットランチャーなどカードの種類で武器性能が変わる他、弾数には限りがあり所持できる枚数も同種なら3枚・別種なら2種類までという制限があります。
途中でカードを捨てる事で破棄アビリティを発動することもできて、こちらもまたカードの種類で効果が変わります。さっき例として挙げた3種類の武器だとElevateは空中ジャンプ、Fireballは照準が向いている方向にダッシュ、Dominionはワイヤーフック発射と、どれも移動を補助する効果がメインになっています。
最初の頃は破棄アビリティの使い分けが難しくなりそう…と思っていたのですが、複数種類のカードが出てくるコースでも手動入れ替えが必須な場面は稀で、破棄アビリティの使い所がすぐ来て手元にずっと残り続けることがまずないので、予想してたよりもすんなり使いこなせるようになりました。
複雑なコマンド入力をしなくともカードをポイするだけで特殊アクションが発動してくれるのも、操作を覚えやすく取っ付きやすい仕様でいいねと思いました。その代わりに1枚でも無駄撃ちするともれなく詰みかねない設計にもなっているので注意。
操作性は全体的に制御しやすく動かしやすく良好。タイム重視のゲーム性とはいえ移動速度自体はそこまで早くないし、ジャンプも高く飛び上がってゆっくり落ちてくるフワフワした挙動で空中での操作や着地位置の調整がしやすくなっています。
ぴょんぴょん跳ねまくると加速したり・ジグザグに移動したら加速したり…といった特定の行動を繰り返すと不自然に早くなる謎テクニックは存在せず、タイムを縮めたいのなら必要時以外は何もしないのが正解で無駄のない動きを求められるのもシンプルで潔い作り。というか謎行動で早くなるゲームはどういう仕組みなの…。
カメラがジャイロ操作に対応している所も個人的には凄くありがたかったです。操作面で難点と言えるのはジャイロが荒ぶった時にボタンを押すだけでカメラリセットできる機能が無いことぐらい。
1コース辺りの長さも短ければ10秒~長くても5分と短く反復練習がしやすい設計になっている上に、単に走り切るだけなら正直に言って余裕です。道中にいるデーモンは原則として全て倒さないといけないという制限も存在し、ひたすら自由にショートカットすればいいわけではなく効率良く敵を処理できる道取りを考えさせられると同時にある程度の動線は引かれています。
ついでにカードは毎回同じ場所に置かれており・デーモンも移動しない・動く足場も無いなど、ランダム要素がとことん排除されている所もTAメインのゲームとしては理想的な仕様です。アドリブ力や祈祷力に結果が左右されないので、プレイスキルや練習の成果が純粋に現れてきます。
こんな感じで、本作はあらゆる仕様がタイムアタックに最適化された作りになっているのが最大の特徴です。少し頑張れば免許皆伝にはしてあげるけど記録をどこまで縮められるかはプレイスキルや努力次第という、入口も出口も大きいけど素質のある人は抜け出せられなくなるタイプのゲーム。
天国が舞台になっていて青空と白い神殿という神秘的な組み合わせで構成されたコースが多い所なんかも、心理的なストレス軽減に繋がっているのではないかと思いました。何回も走らされるなら狭い洞窟の中や陰鬱とした地獄よりかは爽やかな天国を走った方が気が滅入りにくいのは間違いないですし、そう考えると舞台設定も上手くやっていると感じます。
後は私事にはなりますが、FPSは酔ってしまう事が多くて長時間連続して遊べた経験がないジャンルだったのですが、本作は不思議と酔いを感じなかったのも評価したい所です。なんで酔わないかはよくわかっていない(そもそもなんでFPSで酔うのかもわからない)のですが、ダッシュしても画面が揺れなかったり銃の反動が無いのが大きな理由かなと考察しています。
ゴールに辿り着くとクリアにかかった時間を評価してくれます。走り切ったことがないコースでは基準タイムがマスキングされていて、2回目以降の挑戦からわかるようになっています。

貰えるメダルは評価が低い順にブロンズ・シルバー・ゴールド・エースの4種類、さらにその上に隠し評価のレッドが存在。レッドは自力で追い抜くまで基準タイムを確認できずマジで隠されています。
ついでに、獲得したメダルに合わせてそのコースのインサイトレベルが上がります。ブロンズだと評価基準タイムの表示のみ・シルバー以上ならコース内に隠されているプレゼントの表示・ゴールド以上ならショートカットできる場所にヒントを表示する機能が追加・エース以上ならグローバルランキングに参加できるようになるというボーナスも用意されています。
ゴールドまでは道なりに進んで行くだけでも詰めれば達成できる程度のタイムですが、エース以上はショートカットルートを活用する前提で設定されています。レッドまで狙うとなると動きの無駄を極限まで削った上で開発者側が想定していないSCの開拓が必要になっていて大変。
最初はゴールドを目指して、次は表示されるヒントを元にエースを狙い、最後にレッドを取るために色々試してみるという3段階構造が作られている感じです。もっとやり込むならグローバルランキングでトップ入りを目指すのがエンドコンテンツになりそう。
ゴールド以上の評価を取るとネオンランクが1上がります。ランクをある程度上げていかないと次のミッションに挑めなくなるので、できることならゴールドが取れるまでは同じコースにチャレンジし続けるのが良さげ。
ただ、エンディングまで進めるために必要なネオンランクは65程度で、半分以上のコースでゴールドメダルを取れていなくても問題ありません。苦手に感じたコースはゴールだけ目指して後は無理せず次に進んでしまうのも選択肢としてはアリ。

コース内にはプレゼントが隠されていて、インサイトレベルが2以上(≒シルバーメダル以上獲得)で表示されるようになります。集めたプレゼントは他のキャラクターに渡すことが可能で、友好度代わりのインサイトレベルを上げることができます。
プレゼントは見つけづらい所や行きにくい場所に隠されていることが多く、コースによっては道中のカードを節約して持ち越す必要があったりします。TA目的でなくプレゼント集めのためにルートを考えることもありました。
仲良くなれる相手は計5人で、ネオンはレッド・ヴァイオレット・イエローの3人、天使ネコはラズとマイキーの2人。渡せるプレゼントは各キャラで完全に固定されています。
スタイリッシュなデザインのキャラクターと宗教モチーフな世界観とは裏腹に、彼らの言動や性格はホワイト含めてかなり俗っぽいです。海外コミックや洋画的なノリが多分に含まれているので人によって好き嫌いがスッパリ分かれそうだと思いました。
日常パートは陽キャだらけの大学サークル並にノリが軽く、ホワイトから既に下心丸出しなシーンがあったりするし・ヴァイオレットはサイコパスでメンヘラちゃんだし・イエローはいいヤツだけどおバカだし・レッドはこの中でも(比較的)常識人という濃いメンツが揃っています。個人的な推しは見た目も性格もカッコいいレッド姐さん。
日常会話の方はついて行けない…と思う場面がちょくちょくありましたが、ホワイト達の生きていた頃の回想や天国の話といったメインストーリーのシリアスパートは読んでいて普通に面白かったです。特に中盤〜終盤で命の書を探し求める辺りとラスボス決戦前が好き。
サイドイベントの方に話を戻します。天使達とは会話とプレゼントイベントだけで終わるので楽ですが、ネオン達のインサイトレベルを上げている途中では時折サイドクエストに挑まされることもあります。
サイドクエストは彼らの性格に合わせたテーマが設定されていて、レッドは破棄アビリティを活用しまくるコース・ヴァイオレットは即死罠多数の危険なコース・イエローは破棄アビリティが使用不可になっているコースとなっています。メインミッションと比べると難しめな上級者向けコースばかり。
特にヴァイオレットのコースは最初から殺意が凄くて難しく感じましたが、他の2人も後から難易度が上がっていって最終的には全員難しかったという印象になりました。地獄ラッシュはどれもクリアできる気がしない…。
サイドクエストはクリアタイムによる評価はありません。ただしラッシュモード(そのキャラのインサイトレベルをMAXにすると解放)で走った記録はグローバルランキングに対応しています。
エンディングを見るだけならメインミッションをひたすら進めていけばOKですが、エンド分岐が存在していてトゥルーエンドを見るには記憶イベントの全回収が必須。記憶を集める為の前提条件であるプレゼントの回収+サイドクエストも含めてクリアしきる必要があって中々に大変でした。
操作性や難易度はそこまでシビアではなく・エンディングを見るだけならゴールドメダルを半分も取らなくてOK・TAをやり込みたい人にはオンラインランキングやラッシュモードも用意されている、と文字通り万人が楽しめる作品です。
ただ、ストーリーや世界観は性格が強烈なキャラクター達+軽すぎるノリで好き嫌いが別れそうだとは思いました。ベヨネッタのストーリーがいける人なら多分大丈夫?
FPSや3Dアクションゲーム自体をほとんど触ったことがない人から記録を限界まで縮めたいスポーツ精神溢れる人までオススメできます。強いて向いていない人を挙げるなら、同じコースをひたすら周回するのがイヤとかランダム要素がないとイヤという人ぐらい。
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タイムアタックがメインコンテンツになっているスタイリッシュFPSといった感じの作品。
タイトル画面はホラゲみたいでなんか不気味ですが、ストアのトップ画やアイコンは超が付くほどカッコ良いので1回見てみて欲しいです。キャラデザもイラストもカッコよすぎる。
ちょっと前にe-shopでセールしていたのでその時に購入。結果から言うと買ってよかったとハッキリ言える程の良作で大当たりでした。
ネオンランクを1まで上げて・全てのプレゼントを集めて・サイドクエストをコンプリートした状態まで進めた後にエンディングを見て20時間程かかりました。EDを見るだけなら半分もかからず終わると思います。
任天堂の公式オンラインストア。「Neon White ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
・タイトル:Neon White
・発売元:Annapurna Interactive
・開発元:Angel Matrix
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:2950円(税込)
・発売日:2022年6月17日
・ジャンル:アクションプラットフォーマー
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2020-21 Little Flag Software, LLC. Developed by Ben Esposito. Under Exclusive License by Annapurna Interactive. All rights reserved.
どういう人にオススメ?
・タイムアタックが好きな人や挑戦してみたいと思っている人!
・世界中のプレイヤーとクリアタイムを競い合いたい人!
良かった点
・主人公の動きがハイスピード過ぎずジャンプも制御しやすい
・ランダム性が完全排除されていて反復練習やルート構築を純粋に楽しめる
・最終的には過半数のコースでゴールドメダルが取れてなくてもEDまで辿り着ける
賛否両論?点
・ジャイロ操作時にボタン1つでカメラリセットできる機能があれば尚良かった
・キャラクターの性格やストーリーは意外と俗世的
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:Annapurna Interactive
・開発元:Angel Matrix
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:2950円(税込)
・発売日:2022年6月17日
・ジャンル:アクションプラットフォーマー
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
© 2020-21 Little Flag Software, LLC. Developed by Ben Esposito. Under Exclusive License by Annapurna Interactive. All rights reserved.
どういう人にオススメ?
・タイムアタックが好きな人や挑戦してみたいと思っている人!
・世界中のプレイヤーとクリアタイムを競い合いたい人!
良かった点
・主人公の動きがハイスピード過ぎずジャンプも制御しやすい
・ランダム性が完全排除されていて反復練習やルート構築を純粋に楽しめる
・最終的には過半数のコースでゴールドメダルが取れてなくてもEDまで辿り着ける
賛否両論?点
・ジャイロ操作時にボタン1つでカメラリセットできる機能があれば尚良かった
・キャラクターの性格やストーリーは意外と俗世的
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
天国で悪魔退治しながらクリアタイムを競う

このゲームの内容を短くまとめると、主人公のネオン・ホワイトを操作して、天国に蔓延るデーモンをしばきつつゴールゲートへダッシュするステージクリア制のFPSアクション。
本作においてネオンという単語は地獄から選ばれた死者達の事を指しています。ネオン達は色をコードネームとして与えられている他、顔には起爆装置付きの仮面を付けられ天国の住民である信奉者に逆らえなくさせられた、言ってしまえば奴隷のような立場。
これだけだと不憫なだけにも思えてしまいますが、1年に1回の審判の日までに多くのデーモンを倒して一番優秀なネオンに認定されれば、神様から許しを貰えて天国に永住できるというルールもあったりします。元は地獄に落とされていた罪人であることを考えると、千載一遇のビッグチャンスを与えられているだけ有情な気も。
操作はLスティックを傾けるだけでダッシュ・Rスティックでカメラ操作・ZLでジャンプ・ZRでカードを用いた攻撃・Lでカード切り替え・Rで廃棄アクション発動。コースの途中でやり直したくなったら-ボタンを押せば開始前画面へ即座に戻れます。
ライフは3つ用意されていますが、一部の敵の攻撃や障害物は当たった時点で即死なので注意。足を滑らせた場合は一定の高度まで落ちた時点で開始前画面に戻されます。
攻撃は初期所持のカタナ以外に、コース中に落ちているソウルカードを拾うことで銃を用いた遠距離攻撃が可能になります。Elevateならピストル、Fireballなら散弾銃、Dominionならロケットランチャーなどカードの種類で武器性能が変わる他、弾数には限りがあり所持できる枚数も同種なら3枚・別種なら2種類までという制限があります。
途中でカードを捨てる事で破棄アビリティを発動することもできて、こちらもまたカードの種類で効果が変わります。さっき例として挙げた3種類の武器だとElevateは空中ジャンプ、Fireballは照準が向いている方向にダッシュ、Dominionはワイヤーフック発射と、どれも移動を補助する効果がメインになっています。
最初の頃は破棄アビリティの使い分けが難しくなりそう…と思っていたのですが、複数種類のカードが出てくるコースでも手動入れ替えが必須な場面は稀で、破棄アビリティの使い所がすぐ来て手元にずっと残り続けることがまずないので、予想してたよりもすんなり使いこなせるようになりました。
複雑なコマンド入力をしなくともカードをポイするだけで特殊アクションが発動してくれるのも、操作を覚えやすく取っ付きやすい仕様でいいねと思いました。その代わりに1枚でも無駄撃ちするともれなく詰みかねない設計にもなっているので注意。
操作性は全体的に制御しやすく動かしやすく良好。タイム重視のゲーム性とはいえ移動速度自体はそこまで早くないし、ジャンプも高く飛び上がってゆっくり落ちてくるフワフワした挙動で空中での操作や着地位置の調整がしやすくなっています。
ぴょんぴょん跳ねまくると加速したり・ジグザグに移動したら加速したり…といった特定の行動を繰り返すと不自然に早くなる謎テクニックは存在せず、タイムを縮めたいのなら必要時以外は何もしないのが正解で無駄のない動きを求められるのもシンプルで潔い作り。というか謎行動で早くなるゲームはどういう仕組みなの…。
カメラがジャイロ操作に対応している所も個人的には凄くありがたかったです。操作面で難点と言えるのはジャイロが荒ぶった時にボタンを押すだけでカメラリセットできる機能が無いことぐらい。
1コース辺りの長さも短ければ10秒~長くても5分と短く反復練習がしやすい設計になっている上に、単に走り切るだけなら正直に言って余裕です。道中にいるデーモンは原則として全て倒さないといけないという制限も存在し、ひたすら自由にショートカットすればいいわけではなく効率良く敵を処理できる道取りを考えさせられると同時にある程度の動線は引かれています。
ついでにカードは毎回同じ場所に置かれており・デーモンも移動しない・動く足場も無いなど、ランダム要素がとことん排除されている所もTAメインのゲームとしては理想的な仕様です。アドリブ力や祈祷力に結果が左右されないので、プレイスキルや練習の成果が純粋に現れてきます。
こんな感じで、本作はあらゆる仕様がタイムアタックに最適化された作りになっているのが最大の特徴です。少し頑張れば免許皆伝にはしてあげるけど記録をどこまで縮められるかはプレイスキルや努力次第という、入口も出口も大きいけど素質のある人は抜け出せられなくなるタイプのゲーム。
天国が舞台になっていて青空と白い神殿という神秘的な組み合わせで構成されたコースが多い所なんかも、心理的なストレス軽減に繋がっているのではないかと思いました。何回も走らされるなら狭い洞窟の中や陰鬱とした地獄よりかは爽やかな天国を走った方が気が滅入りにくいのは間違いないですし、そう考えると舞台設定も上手くやっていると感じます。
後は私事にはなりますが、FPSは酔ってしまう事が多くて長時間連続して遊べた経験がないジャンルだったのですが、本作は不思議と酔いを感じなかったのも評価したい所です。なんで酔わないかはよくわかっていない(そもそもなんでFPSで酔うのかもわからない)のですが、ダッシュしても画面が揺れなかったり銃の反動が無いのが大きな理由かなと考察しています。
ゴールに辿り着くとクリアにかかった時間を評価してくれます。走り切ったことがないコースでは基準タイムがマスキングされていて、2回目以降の挑戦からわかるようになっています。

貰えるメダルは評価が低い順にブロンズ・シルバー・ゴールド・エースの4種類、さらにその上に隠し評価のレッドが存在。レッドは自力で追い抜くまで基準タイムを確認できずマジで隠されています。
ついでに、獲得したメダルに合わせてそのコースのインサイトレベルが上がります。ブロンズだと評価基準タイムの表示のみ・シルバー以上ならコース内に隠されているプレゼントの表示・ゴールド以上ならショートカットできる場所にヒントを表示する機能が追加・エース以上ならグローバルランキングに参加できるようになるというボーナスも用意されています。
ゴールドまでは道なりに進んで行くだけでも詰めれば達成できる程度のタイムですが、エース以上はショートカットルートを活用する前提で設定されています。レッドまで狙うとなると動きの無駄を極限まで削った上で開発者側が想定していないSCの開拓が必要になっていて大変。
最初はゴールドを目指して、次は表示されるヒントを元にエースを狙い、最後にレッドを取るために色々試してみるという3段階構造が作られている感じです。もっとやり込むならグローバルランキングでトップ入りを目指すのがエンドコンテンツになりそう。
ゴールド以上の評価を取るとネオンランクが1上がります。ランクをある程度上げていかないと次のミッションに挑めなくなるので、できることならゴールドが取れるまでは同じコースにチャレンジし続けるのが良さげ。
ただ、エンディングまで進めるために必要なネオンランクは65程度で、半分以上のコースでゴールドメダルを取れていなくても問題ありません。苦手に感じたコースはゴールだけ目指して後は無理せず次に進んでしまうのも選択肢としてはアリ。
他ネオンとの交流やサイドクエストも存在

コース内にはプレゼントが隠されていて、インサイトレベルが2以上(≒シルバーメダル以上獲得)で表示されるようになります。集めたプレゼントは他のキャラクターに渡すことが可能で、友好度代わりのインサイトレベルを上げることができます。
プレゼントは見つけづらい所や行きにくい場所に隠されていることが多く、コースによっては道中のカードを節約して持ち越す必要があったりします。TA目的でなくプレゼント集めのためにルートを考えることもありました。
仲良くなれる相手は計5人で、ネオンはレッド・ヴァイオレット・イエローの3人、天使
スタイリッシュなデザインのキャラクターと宗教モチーフな世界観とは裏腹に、彼らの言動や性格はホワイト含めてかなり俗っぽいです。海外コミックや洋画的なノリが多分に含まれているので人によって好き嫌いがスッパリ分かれそうだと思いました。
日常パートは陽キャだらけの大学サークル並にノリが軽く、ホワイトから既に下心丸出しなシーンがあったりするし・ヴァイオレットはサイコパスでメンヘラちゃんだし・イエローはいいヤツだけどおバカだし・レッドはこの中でも(比較的)常識人という濃いメンツが揃っています。個人的な推しは見た目も性格もカッコいいレッド姐さん。
日常会話の方はついて行けない…と思う場面がちょくちょくありましたが、ホワイト達の生きていた頃の回想や天国の話といったメインストーリーのシリアスパートは読んでいて普通に面白かったです。特に中盤〜終盤で命の書を探し求める辺りとラスボス決戦前が好き。
サイドイベントの方に話を戻します。天使達とは会話とプレゼントイベントだけで終わるので楽ですが、ネオン達のインサイトレベルを上げている途中では時折サイドクエストに挑まされることもあります。
サイドクエストは彼らの性格に合わせたテーマが設定されていて、レッドは破棄アビリティを活用しまくるコース・ヴァイオレットは即死罠多数の危険なコース・イエローは破棄アビリティが使用不可になっているコースとなっています。メインミッションと比べると難しめな上級者向けコースばかり。
特にヴァイオレットのコースは最初から殺意が凄くて難しく感じましたが、他の2人も後から難易度が上がっていって最終的には全員難しかったという印象になりました。地獄ラッシュはどれもクリアできる気がしない…。
サイドクエストはクリアタイムによる評価はありません。ただしラッシュモード(そのキャラのインサイトレベルをMAXにすると解放)で走った記録はグローバルランキングに対応しています。
エンディングを見るだけならメインミッションをひたすら進めていけばOKですが、エンド分岐が存在していてトゥルーエンドを見るには記憶イベントの全回収が必須。記憶を集める為の前提条件であるプレゼントの回収+サイドクエストも含めてクリアしきる必要があって中々に大変でした。
総評:タイムアタックの楽しさに酔いしれられる良作FPSアクション
TAメインでしかもFPSベースとか敷居高そう…と第一印象で避けてしまう人も少なくなさそうではあるものの、実際には最高に遊びやすく調整されている良作。操作性や難易度はそこまでシビアではなく・エンディングを見るだけならゴールドメダルを半分も取らなくてOK・TAをやり込みたい人にはオンラインランキングやラッシュモードも用意されている、と文字通り万人が楽しめる作品です。
ただ、ストーリーや世界観は性格が強烈なキャラクター達+軽すぎるノリで好き嫌いが別れそうだとは思いました。ベヨネッタのストーリーがいける人なら多分大丈夫?
FPSや3Dアクションゲーム自体をほとんど触ったことがない人から記録を限界まで縮めたいスポーツ精神溢れる人までオススメできます。強いて向いていない人を挙げるなら、同じコースをひたすら周回するのがイヤとかランダム要素がないとイヤという人ぐらい。
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