【PC/Switch】『PIANOFORTE』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『PIANOFORTE(ピアノフォルテ)』を購入しました。

モノクロ&手書き風のグラフィックとシステムに一目惚れして買いました。私が買ったのはSwitch版ですが、PC版もDMM GAMESで配信されています。
ジャンルはリアルタイムコマンドバトルRPG。BGMに合わせて行動してくる敵をコマンド選択とモード切り替えで対処していきます。
でもエンディングを迎えるまで僅か2時間しかかからなかったのは短すぎると思ってしまいました。素材は良いのに…ともったいなく感じる場面も少なくはなかった作品です。

まずは本作のバトルシステムについてご紹介。ターン制ではなくリアルタイム経過でコマンドが選べるようになる、ファイナルファンタジーのATBにちょっと似ているシステムになっています。
それにプラスして、ディフェンスゲームの要素も加えられているのが特徴です。ザコ敵は時間経過でどんどん寄ってきて自陣にたどり着かれるとHPの半分以上を持っていく大ダメージを全員に与えてくるため放置はできず早めの対処が求められます。
こちらは3人で戦いますがプレイヤーがコマンドを選べるのはパーティの1人目のみで、仲間2人に関してはオートで行動してくれます。必殺技に相当するスペシャル技を使いたい時のみ仲間の分もこちらが指揮する必要アリ。
各キャラができることはオフェンスモードかディフェンスモードかで大きく変化。Xボタンを押せば任意のタイミングでモードを切り替えられますが、相手が行動する瞬間に合わせて切り替えるとアクティブゲージが一気にMAXまで溜まって即座に行動できるので、動きを見計らってチェンジすることが戦う上で重要になってきます。
モードチェンジでのコマンドの変化についてですが、例えば主人公のユーであればオフェンスモードのロールはFighterで物理攻撃技の「スラッシュレイ」が使用可能に・ディフェンスモードだとロールがGuardianに変化してヘイトを自分に向けさせる「挑発」や自身の物理防御を上げる補助技を選べるようになる、といった感じです。スペシャル技もモードに合わせて切り替わります。
コマンドを選びながらモードも変えないといけないのでかーなーり忙しいです。チェンジしすぎて今どっちのモードになっているかわからなくなったり、コマンド選びに集中しすぎて切り替えるのを忘れたりというのも割とあるあるでした。
ただしバトルの途中に攻撃が飛んでこなくなる間奏部分があるので、その間に体力を回復したり補助技でバフをかけたりして準備できるようになっています。この時後ろではボスの過去が劇として流れているので、ゆっくり鑑賞したい時はオフェンスモードに切り替えて仲間にバフや回復を任せてしまうのも手。
また、Rボタンでソウルブーストという攻撃力と行動速度が上がる代わりにHPを減らし続けるブースト状態のオンオフもできます。防御が高く倒すのに時間がかかる敵を相手する際に役に立ちますが、ずっとオンにしているとHP管理が大変になるので付けっぱなしは厳禁。
ロールやスペシャル技はキャラクター毎に固定されていて後天的に変えることはできません。なのでキャラに役割を持たせる事を意識してパーティメンバーを入れ替えていくような雰囲気にはなっているのですが、ストーリーを進めている内に勝手に組まれるパーティで詰まることなくエンディングまで行けてしまいました。
レベルの概念はありますが、レベルが上がってもステータスの上昇のみで新しいスキルを覚えたりはしません。個人的にRPGでは使える技がどんどん増えて欲しい派なので物足りなく感じてしまいました。
装備システムもあるっちゃあるのですが、ステータスアップ効果付きアクセサリーを各キャラ2個だけ着けられるのみでこちらも些細。キャラクター別のカスタマイズはほぼできないと言ってもいいです。
物語はステージをクリアすると進行し、ステージ内は歩きながらの会話パート・ザコ戦パート(ない所の方がほとんど)・ボス戦パートで構成されています。ボス戦での勝利条件は「相手の行動が一通り終わるまでパーティメンバーが1人でも耐えきる」もしくは「相手の行動が一通り終わるまでにHPを削りきる」のどちらか。
多いのは行動が終わるまで耐え忍ばないといけないタイプの方。このタイプはボスには直接攻撃ができず、召喚してくるザコを捌きつつHPを管理しながら耐えないといけません。
ボスはクラシック曲のBGMに合わせて行動し、ザコ敵を召喚するEnemyか自ら行動するArtsのどちらかを決まったタイミングで使ってきます。画面の上側にあるラインがボスの行動を表す譜面になっていて、その下の棒がたくさんあるラインが幕全体のボスの行動スケジュールです。
メンバーが全員倒されないとゲームオーバーにはなりませんが、1人でもやられてしまった時点で他の2人に攻撃が集中する上にザコを倒しきることも難しくなってクリアは困難になってしまいます。蘇生技もないのでやられないよう余裕を持って立ち回る必要があって緊張感はそれなりにあります。
相手の攻撃を避けたりできないのでどうしてもダメージは蓄積するし・アイテムがないので戦闘中の回復は完全にスキル頼り。そういう理由でHealerなどが持つ回復スキルは攻略する上で欠かせません。
ボス戦は1ステージにつき1~2幕ありますが、1幕終える度に味方HP全快&経験値加算が行われて、ゲームオーバーや入り直し等で再挑戦する際も2幕からスタートできます。一度マップに戻ってパーティを再考することもできますし、再挑戦がしやすくて難易度自体もシステムがシンプルな分この手のジャンルのゲームの中でも易しめ。

個人的に本作の世界観は見た目も中身も大好きです。ピアノの鍵盤みたく白と黒のみで構成されたグラフィックも、ボスであるガイスト達の設定とデザインも興味を引かれました。
本作で旅するのはゼレと呼ばれる世界。主人公のユーはゼレに来た時点で記憶を失っていて、ユーという名前も妖精のフェーツヴァイが名付けてくれたものです。
ゼレにはガイストという人間の魂と悲しみが結晶化し産まれた怪物も多数生息していてユー達に襲いかかってくることも。ガイストを倒すことができればエルツという結晶が解放され、囚われていた魂も浄化されるとの事。
ガイスト達はそれぞれがバックストーリーを持っていて、戦闘中に見せられる劇でなぜ悲しみに囚われてしまったかが語られます。この過去が虚しくて物悲しいのがある意味で本作の魅力。
でも、一度ガイストになった人間がもう戻れないのかというとそういうわけではありません。手に入れたエルツから挑めるガイストとの再戦に勝利すると人間の姿に戻ってパーティメンバーに加入してくれるのを見ると、一抹の希望は残されている感じはします。
ガイストのデザインはどこか動物っぽい要素を持っていながらも異形で、見た目も設定もまどマギの魔女っぽくて好き。特に3番目に戦う天使にも羽虫や蝶の集合体にも見えるガイストがカッコ良くてお気に入りです。
世界観はダークで切なくて、ストーリーも最初の方は次々と気になる部分や伏線らしきものが出てきて先を読みたくなるような作りです。ただ…後になるにつれてストーリーの勢いが落ちてしまっているように感じました。
最初は見知らぬ世界に元人間だったという怪物までいてこの先どうなるのか期待していて、中盤でフェーツヴァイがいなくなってからユーが立ち直る所までは良かったと思います。でもそれ以降が一気に駆け足気味になってしまって、あるガイストを倒してやりきったような雰囲気になって「これで終わりじゃないよね…」と思っていたらエンディングが流れ出して呆然としてしまいました。
ゼレの存在意義・最初の方でフェーツヴァイが言っていた「キミも落とされた」というセリフの意味・ケルマデックが言っていた「上」の世界とは・ユーだけ人間態とガイスト態の両方が同時に存在できていたのは何故なのかなどの謎も明かされないまま終わってしまいました…。フェーツヴァイちゃんも帰ってこなかったし…。
ボリュームに関しても定価が1980円の作品でRPGなのにクリアまで2時間は流石に短すぎると思ってしまいました。エンディング後に解禁されるやり込み要素もありませんし、全てのメンバーを仲間にしたらやることが無くなってしまいます。
ただこの1980円という値段はSwitch版の話で、PC版は定価でも1000円とお手頃の範疇に入ります。PC版のお値段なら普通にオススメできるのですが…。
だからこそ、もっと長く遊んでいたかったと思ってしまった作品です。特に気になった点が成長要素やカスタマイズ要素がとても簡素だったことで、色々詰め込んだらもっと奥が深くなりそうなシステムなのに…と考えてしまいます。
ストーリーに関しても、前半は伏線がたくさん張られているように見えてどう回収されるか楽しみにしていたのに、最後は突然に終わってしまう上にそこに至るまでの時間も短いのが残念でした。最後は打ち切りエンドなのでは思えてしまうほど急でしたし…。
PC版の1000円という定価なら良点だけでも元が取れて値段相当と思えるのですが、Switch版の1980円は流石に高いという感想です。Switchしか持っていない人は発売記念セール中に買うか更なるセールを待つことをオススメしたいです。
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モノクロ&手書き風のグラフィックとシステムに一目惚れして買いました。私が買ったのはSwitch版ですが、PC版もDMM GAMESで配信されています。
ジャンルはリアルタイムコマンドバトルRPG。BGMに合わせて行動してくる敵をコマンド選択とモード切り替えで対処していきます。
でもエンディングを迎えるまで僅か2時間しかかからなかったのは短すぎると思ってしまいました。素材は良いのに…ともったいなく感じる場面も少なくはなかった作品です。
任天堂の公式オンラインストア。「PIANOFORTE ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
白と黒の世界の底に少年は落ちた。何も思い出せない彼は『ユー』という名前を貰い、旅を始める。世界の底を闊歩する化物は、時折自らが人だった頃の悲劇を反芻する。あなたの分身『ユー』...
・タイトル:PIANOFORTE
・発売元:
ヘビサイドクリエイション(DMM版) / レジスタ(Switch版)
・開発元:ヘビサイドクリエイション
・対応ハード:PC(DMM)/Switch
・定価:
-DMM版:1000円(税込)
-Switch版:1980円(税込)
・発売日:
-DMM版:2020年5月8日
-Switch版:2023年3月30日
・ジャンル:ロールプレイング
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©HeavisideCreations/Regista
・公式サイト:
https://www.heaviside-creations.org/pianoforte
どういう人にオススメ?
・憂愁感じるモノクロの世界に惹かれた人!
良かった点
・リアルタイムコマンドバトルにディフェンスゲームの要素を足した独自のバトルシステム
・相手の攻撃をオフェンスモードとディフェンスモードを切り替えながら対処する必要があって忙しい
・バトル中に演劇の形でガイストの過去が明らかになる演出は見応えアリ
賛否両論?点
・キャラがレベルアップしてもステータスが上がるのみで育成の自由度はほぼない
・ストーリーは最初は良いのに段々と尻すぼみになっていってしまう
・エンディングまで2時間あれば終わってしまう短さでやり込み要素なし
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:
ヘビサイドクリエイション(DMM版) / レジスタ(Switch版)
・開発元:ヘビサイドクリエイション
・対応ハード:PC(DMM)/Switch
・定価:
-DMM版:1000円(税込)
-Switch版:1980円(税込)
・発売日:
-DMM版:2020年5月8日
-Switch版:2023年3月30日
・ジャンル:ロールプレイング
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©HeavisideCreations/Regista
・公式サイト:
https://www.heaviside-creations.org/pianoforte
どういう人にオススメ?
・憂愁感じるモノクロの世界に惹かれた人!
良かった点
・リアルタイムコマンドバトルにディフェンスゲームの要素を足した独自のバトルシステム
・相手の攻撃をオフェンスモードとディフェンスモードを切り替えながら対処する必要があって忙しい
・バトル中に演劇の形でガイストの過去が明らかになる演出は見応えアリ
賛否両論?点
・キャラがレベルアップしてもステータスが上がるのみで育成の自由度はほぼない
・ストーリーは最初は良いのに段々と尻すぼみになっていってしまう
・エンディングまで2時間あれば終わってしまう短さでやり込み要素なし
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
戦闘はリアルタイムコマンドバトル×ディフェンスゲーム

まずは本作のバトルシステムについてご紹介。ターン制ではなくリアルタイム経過でコマンドが選べるようになる、ファイナルファンタジーのATBにちょっと似ているシステムになっています。
それにプラスして、ディフェンスゲームの要素も加えられているのが特徴です。ザコ敵は時間経過でどんどん寄ってきて自陣にたどり着かれるとHPの半分以上を持っていく大ダメージを全員に与えてくるため放置はできず早めの対処が求められます。
こちらは3人で戦いますがプレイヤーがコマンドを選べるのはパーティの1人目のみで、仲間2人に関してはオートで行動してくれます。必殺技に相当するスペシャル技を使いたい時のみ仲間の分もこちらが指揮する必要アリ。
各キャラができることはオフェンスモードかディフェンスモードかで大きく変化。Xボタンを押せば任意のタイミングでモードを切り替えられますが、相手が行動する瞬間に合わせて切り替えるとアクティブゲージが一気にMAXまで溜まって即座に行動できるので、動きを見計らってチェンジすることが戦う上で重要になってきます。
モードチェンジでのコマンドの変化についてですが、例えば主人公のユーであればオフェンスモードのロールはFighterで物理攻撃技の「スラッシュレイ」が使用可能に・ディフェンスモードだとロールがGuardianに変化してヘイトを自分に向けさせる「挑発」や自身の物理防御を上げる補助技を選べるようになる、といった感じです。スペシャル技もモードに合わせて切り替わります。
コマンドを選びながらモードも変えないといけないのでかーなーり忙しいです。チェンジしすぎて今どっちのモードになっているかわからなくなったり、コマンド選びに集中しすぎて切り替えるのを忘れたりというのも割とあるあるでした。
ただしバトルの途中に攻撃が飛んでこなくなる間奏部分があるので、その間に体力を回復したり補助技でバフをかけたりして準備できるようになっています。この時後ろではボスの過去が劇として流れているので、ゆっくり鑑賞したい時はオフェンスモードに切り替えて仲間にバフや回復を任せてしまうのも手。
また、Rボタンでソウルブーストという攻撃力と行動速度が上がる代わりにHPを減らし続けるブースト状態のオンオフもできます。防御が高く倒すのに時間がかかる敵を相手する際に役に立ちますが、ずっとオンにしているとHP管理が大変になるので付けっぱなしは厳禁。
ロールやスペシャル技はキャラクター毎に固定されていて後天的に変えることはできません。なのでキャラに役割を持たせる事を意識してパーティメンバーを入れ替えていくような雰囲気にはなっているのですが、ストーリーを進めている内に勝手に組まれるパーティで詰まることなくエンディングまで行けてしまいました。
レベルの概念はありますが、レベルが上がってもステータスの上昇のみで新しいスキルを覚えたりはしません。個人的にRPGでは使える技がどんどん増えて欲しい派なので物足りなく感じてしまいました。
装備システムもあるっちゃあるのですが、ステータスアップ効果付きアクセサリーを各キャラ2個だけ着けられるのみでこちらも些細。キャラクター別のカスタマイズはほぼできないと言ってもいいです。
物語はステージをクリアすると進行し、ステージ内は歩きながらの会話パート・ザコ戦パート(ない所の方がほとんど)・ボス戦パートで構成されています。ボス戦での勝利条件は「相手の行動が一通り終わるまでパーティメンバーが1人でも耐えきる」もしくは「相手の行動が一通り終わるまでにHPを削りきる」のどちらか。
多いのは行動が終わるまで耐え忍ばないといけないタイプの方。このタイプはボスには直接攻撃ができず、召喚してくるザコを捌きつつHPを管理しながら耐えないといけません。
ボスはクラシック曲のBGMに合わせて行動し、ザコ敵を召喚するEnemyか自ら行動するArtsのどちらかを決まったタイミングで使ってきます。画面の上側にあるラインがボスの行動を表す譜面になっていて、その下の棒がたくさんあるラインが幕全体のボスの行動スケジュールです。
メンバーが全員倒されないとゲームオーバーにはなりませんが、1人でもやられてしまった時点で他の2人に攻撃が集中する上にザコを倒しきることも難しくなってクリアは困難になってしまいます。蘇生技もないのでやられないよう余裕を持って立ち回る必要があって緊張感はそれなりにあります。
相手の攻撃を避けたりできないのでどうしてもダメージは蓄積するし・アイテムがないので戦闘中の回復は完全にスキル頼り。そういう理由でHealerなどが持つ回復スキルは攻略する上で欠かせません。
ボス戦は1ステージにつき1~2幕ありますが、1幕終える度に味方HP全快&経験値加算が行われて、ゲームオーバーや入り直し等で再挑戦する際も2幕からスタートできます。一度マップに戻ってパーティを再考することもできますし、再挑戦がしやすくて難易度自体もシステムがシンプルな分この手のジャンルのゲームの中でも易しめ。
世界観は良いのにストーリーがデクレッシェンド

個人的に本作の世界観は見た目も中身も大好きです。ピアノの鍵盤みたく白と黒のみで構成されたグラフィックも、ボスであるガイスト達の設定とデザインも興味を引かれました。
本作で旅するのはゼレと呼ばれる世界。主人公のユーはゼレに来た時点で記憶を失っていて、ユーという名前も妖精のフェーツヴァイが名付けてくれたものです。
ゼレにはガイストという人間の魂と悲しみが結晶化し産まれた怪物も多数生息していてユー達に襲いかかってくることも。ガイストを倒すことができればエルツという結晶が解放され、囚われていた魂も浄化されるとの事。
ガイスト達はそれぞれがバックストーリーを持っていて、戦闘中に見せられる劇でなぜ悲しみに囚われてしまったかが語られます。この過去が虚しくて物悲しいのがある意味で本作の魅力。
でも、一度ガイストになった人間がもう戻れないのかというとそういうわけではありません。手に入れたエルツから挑めるガイストとの再戦に勝利すると人間の姿に戻ってパーティメンバーに加入してくれるのを見ると、一抹の希望は残されている感じはします。
ガイストのデザインはどこか動物っぽい要素を持っていながらも異形で、見た目も設定もまどマギの魔女っぽくて好き。特に3番目に戦う天使にも羽虫や蝶の集合体にも見えるガイストがカッコ良くてお気に入りです。
世界観はダークで切なくて、ストーリーも最初の方は次々と気になる部分や伏線らしきものが出てきて先を読みたくなるような作りです。ただ…後になるにつれてストーリーの勢いが落ちてしまっているように感じました。
最初は見知らぬ世界に元人間だったという怪物までいてこの先どうなるのか期待していて、中盤でフェーツヴァイがいなくなってからユーが立ち直る所までは良かったと思います。でもそれ以降が一気に駆け足気味になってしまって、あるガイストを倒してやりきったような雰囲気になって「これで終わりじゃないよね…」と思っていたらエンディングが流れ出して呆然としてしまいました。
ゼレの存在意義・最初の方でフェーツヴァイが言っていた「キミも落とされた」というセリフの意味・ケルマデックが言っていた「上」の世界とは・ユーだけ人間態とガイスト態の両方が同時に存在できていたのは何故なのかなどの謎も明かされないまま終わってしまいました…。フェーツヴァイちゃんも帰ってこなかったし…。
ボリュームに関しても定価が1980円の作品でRPGなのにクリアまで2時間は流石に短すぎると思ってしまいました。エンディング後に解禁されるやり込み要素もありませんし、全てのメンバーを仲間にしたらやることが無くなってしまいます。
ただこの1980円という値段はSwitch版の話で、PC版は定価でも1000円とお手頃の範疇に入ります。PC版のお値段なら普通にオススメできるのですが…。
総評:システムと世界観は大好き、だけどボリュームと自由度の少なさが気になる
クラシック曲をバックに、リアルタイムコマンドバトルとディフェンスゲームをかけ合わせたシステムで異形の怪物と戦うRPG。基本システムと世界観は個人的には凄く好みでした。だからこそ、もっと長く遊んでいたかったと思ってしまった作品です。特に気になった点が成長要素やカスタマイズ要素がとても簡素だったことで、色々詰め込んだらもっと奥が深くなりそうなシステムなのに…と考えてしまいます。
ストーリーに関しても、前半は伏線がたくさん張られているように見えてどう回収されるか楽しみにしていたのに、最後は突然に終わってしまう上にそこに至るまでの時間も短いのが残念でした。最後は打ち切りエンドなのでは思えてしまうほど急でしたし…。
PC版の1000円という定価なら良点だけでも元が取れて値段相当と思えるのですが、Switch版の1980円は流石に高いという感想です。Switchしか持っていない人は発売記念セール中に買うか更なるセールを待つことをオススメしたいです。
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