【Switch】『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』と『ポケットモンスター シャイニングパール』を購入しました。

自分用にダイヤモンド・妹用にパールを購入。タイトルが歴代トップレベルに長い上ダサい…。
個人的にポケモンの中でダイパが一番思い入れのある作品なのですが、そのリメイクである今作はまさかの外注・しかも初報動画が微妙すぎて期待よりも心配の方が大きかったです。
まあでも元が良作なので忠実に再現すると言っている以上悪くはならないと思って2本とも予約しました。剣盾と同じようなグラフィックでシンオウ地方を歩きたかったとは今でも夢見ますが…。
バージョンによる違いは出てくるポケモンぐらいしかないので、2作まとめて1本のレビューとさせていただきます。

今作が叩かれがちな理由の中でも最も目立つのはグラフィックの不満。画質が綺麗とか汚いとかとは別ベクトルの話でキャラクターデザインに関する話です。
バトル中のグラフィックは剣盾とまでは行かずともピカブイとはそこまで差がないレベルなのですが、フィールドで二頭身になるのが気に入らないという人が多いです。現に私も剣盾のようなリアル等身で遊びたかった派なので、ここに関してはどちらかというと否定寄り。
ちゃちく見えるグラなのは事実だし、そもそもの話ポケモン界隈で言うリメイク=マップやストーリーは再現しつつも見た目とシステムは最新作ナイズされるものという既成概念があったので、本作にも剣盾に近い見た目になることを前提に期待していました。
この前提が外れちゃっているので「期待していたのと違った」という感想になるのはやむ無しです。FRLG・HGSS・ORASといった前例があったポケモンだからこそ起こった悲劇ではあって、ポケモンの事をよく知らない人であればリメイク作品なんてそんなものと思う人もいるかもしれませんが。
一方で二頭身にした理由についても何となくは予想できます。剣盾風にするには世代が離れすぎていて大幅な改変が必要だから諦めたとか、DSのドット絵を再現したらこうなったとか、ポケトレとの兼ね合いを考慮した末の妥協案が二頭身だったのかなーとも思わなくもないです。
特に世代間の幅が開きすぎているというのは大きな影響を及ぼしていると思います。赤緑→FRLGと金銀→HGSSは2世代分・RS→ORASでも3世代分しか離れていませんし、そもそも剣盾ではハードも携帯機から据置機に移行してUSUMと比べてもマップの構造が大きく変わっていますしね…。
…それでも、せめてイベントシーンはリアル等身でやってほしかったです。元々のDPは哲学的で難解な雰囲気を纏っている作品だったはずなのにオモチャみたいな見た目のせいで緊張感が薄れてしまっているんですよね…。
特にアカギ関連のイベントがシュールで何とも言えません…。制約が多い代わりに想像の余地も多いドット絵だったからあの等身でも許されていたというのはあって、滑らかな3Dポリゴンで当時の等身を再現されても指人形劇場に見えて雰囲気ぶち壊しです。
グラフィック関連の不満点はもう1つあって、それが連れ歩きでついてくるポケモンが小さすぎること。

オリジナルにはない連れ歩きが追加されたこと自体は喜ばしい事なのですが、大きなポケモンを連れ歩く時は妙に縮小されてしまっています…。
ピカチュウとかポッチャマとか小柄なポケモンを連れ歩いている時はそこまで違和感ないのですが、エンペルト(1.7m)みたいに主人公より大きなポケモンは明らかに小さくなっています。
オリジナルと同じ世代のHGSSですらドット絵とはいえ連れ歩くポケモンのサイズが少なからず反映されていたのに、それから10年以上経ってから発売されたゲームでこれはちょっと…と思いました。不具合だとしても仕様だとしても改善して欲しいです。
エンペルトですらアレ?と感じましたが、ディアルガ(5.4m)やホエルオー(14m)など大きいポケモンになるほど違和感が増していきます…主人公を二頭身にするならポケモン側も「みんなのポケモン牧場」みたいにデフォルメすれば良かったのにと思いました。
再現されている要素は多岐にわたり、地形・トレーナーが出してくるポケモン・ポケッチ・全国図鑑のポケモンが493匹という点など、本当に細かいところまで再現されています。
第五世代以降のポケモン(ニンフィア含む)もいなければ、メガシンカもないしZワザやダイマックスもありません。そもそも本作にはレート戦自体がないので対戦周りは非常にミニマム。
その代わりに、図鑑には第4世代までのポケモン493匹全員が登録できますし全員連れ回すことが可能です。プラチナで追加されたギラティナのオリジンフォルムやロトムのフォルムチェンジもいます。
再現された要素で個人的に嬉しかったのは、ポケッチ操作・化石掘りがタッチ操作でもできること。DSや3DSのゲームがSwitchに移植されるとタッチ操作がオミットされてしまいがちなのですが、今作ではタッチによる操作も忠実に再現していたのにはビックリ。
特に化石掘りは当時めちゃくちゃハマっていたので、それがそのまま遊べるだけでも買った価値があったと思えるぐらいには嬉しかったです。また頑張って石や化石を集めたい。
でもわざマシンが一度使うと消えてしまう仕様まで再現されているのは余計だと思ってしまいました。そこは面倒なだけなので消えないようにして欲しかった…。
再現されている仕様が多い一方で、細かい部分にまで目を向けてみると改善点が多く見受けられます。ゲームスピードの上昇・ひでん技要員を手持ちに入れなくてもポケッチから秘伝技を直接使えるようになっていたり・自動的に手持ち全てのポケモンに経験値が入るようになっていたり・どこからでもボックスを使えるようになっていたり・主人公の着せ替えができるようになったなど、近年出た作品と同じシステムもいくつか追加されています。
特にゲームスピードに関しては大幅に改善されていて、オリジナル版ではHPゲージの減りがすごく遅かったり・ボックスをいじった後にレポートを書くと1分ぐらい書き続けたりと全体的にすごくノロマだったのが、リメイク版では剣盾と変わらない程度にまでスピードアップしています。
ひでん要員がいらないのも楽ですし、オートがくしゅうそうちシステムも手持ちを育てやすくて助かっています。オリジナル版を今やったらかなり冗長に感じるかも。
着せ替えも新しく追加されています。剣盾に比べると服の種類が少なく全身のコーディネートが1つになってしまっているものの、可愛らしいものが用意されていて結構好きな要素です。

トバリシティのゲームセンターが無くなった代わりにブティックができているので、そこで服の購入が可能になっています。
ゲームセンターが無くなるのは近年の動向から予想はしていましたが、まさか服屋さんになるとは思いませんでした。ちなみにブティックで流れているBGMはゲーセンのアレンジだったりします。
残念なことに、操作性に関しては元より悪くなったように感じます。バトル中やポケッチだけでなくフィールド中の移動も微妙。
ポケッチやバトル中のUIは間違いなくオリジナルの方が優秀です。特にポケッチはRボタンで出したり引っ込めたりしないといけないしタッチの精度も良くないしで利便性は大幅に下がりました。
ポケッチアプリのダウンジングやカウンターなどは移動しながらタッチができないせいで非常に使いにくいです。せめて右上に小さく表示している状態でもタッチ操作を受け付けてくれたら多少はマシになったと思うのですが…。
DSシリーズの二画面自体がRPGと相性のいい構造だったので、一画面しかないSwitchで出た本作とDSで出たオリジナルを比べるのは少し酷かもしれないとは思いつつも不便すぎるので…。上画面にフィールド画面・下画面にコマンド画面やポケッチを配置できるメリットが大きすぎた。
フィールド上の移動についても、元々上下左右の4方向にしか動けない前提で作られたマップを主人公だけが360°動けるようにした弊害か細い道で簡単につっかかります。狭い場所が多いテンガン山やチャンピオンロードはかなりのイライラポイントでした。
移動だけ中途半端に3Dゲームっぽくせずマス目移動も再現すればいいのにと思いました。徒歩だけでなく自転車も操作しにくいし…。
オートがくしゅうそうち機能追加で経験値が稼ぎやすくなった代わりかストーリー攻略の難易度は逆に上がっています。特にジムリーダー達は手持ちのポケモンこそ変わっていませんが、賢くなったのか普通に積み技を使ってきたり・弱点タイプに対して対策する技を繰り出してきます。
苦戦した記憶のないスモモにすら負けそうになりました…アサナンが壁を貼ってきたり、ルカリオがビルドアップで積んできたりと明らかに賢く強くなっています。
何よりも一番ヤバイのがチャンピオンで、ミロカロスにかえんだまを持たせて特性のふしぎなうろこ(状態異常時に防御1.5倍)を発動した上でじこさいせいによる回復までする高耐久を活かした戦法をしてくるし、エースポケモンのガブリアスに至ってはつるぎのまいでバフをかけた後に600族の火力で殴ってくるというえげつない戦法を取ってきます。ストーリー中に戦うトレーナーの中で歴代一強いと言っても過言ではないかも…。
チャンピオンの前座である四天王についても、ちいさくなるバトンタッチ等のこんなガチ戦法を使ってくるの?と思うような動きをしてきます。そこら辺のモブトレーナー達とは明らかに格が違う強さで、しかもアイテム以外による回復なしの5連戦なのは据え置きなのもビックリしてしまいました。
正直に言って、本作のポケモンリーグの難易度はやりすぎだと感じました。こっちのアイテム入手や育成環境が整っていない状態なのに相手は持ち物も個体値も努力値もガチなのは難しいを超えてもはや理不尽。
難しくなってくれて嬉しいという意見もネット上を見る限りでは少なくなさそうではありますが、個人的にポケモンのストーリーに難しさは求めていないのと・ポケモンは全年齢向け(子ども向けでもあるという意味)の作品でストーリーの時点では難しくする必要は無いという考え方からこの点をネガティブポイントとして挙げさせてもらいました。私が子どもで事前知識が全くゴリ押しするしか知らない状態で挑んだら多分勝てなくて「もういい!」となっていたであろう強さです。
リメイクで追加されたなかよし効果が強力とはいえ発動が運次第でしかないので、その分相手を強化しましたと言われても他の育成環境が改善されていない以上は納得いかないです。最悪レベリングすればレベルの暴力でいけるとはいえ、野生ポケモンのレベルはチャンピオンロードで45・大地下洞窟でも50ぐらいなのにチャンピオンは60以上を使ってくるのでそれをゴリ押しできる程に上回るまでレベル上げするのは普通に苦行。
私の意見としてはBW2のチャレンジモードみたいな別口の高難易度モードを用意して、単にクリアするだけなら難易度はオリジナルから据え置きかむしろ簡単にしても良かったように感じます。殿堂入り後の再戦四天王やチャンピオンはさらにガチ構成の手持ち+レベル70〜80以上でかなり歯ごたえのある戦いができますが、クリア後のやり込みで難しいのは歓迎。
ちなみに、Switch本体に「ポケットモンスター レッツゴーピカチュウ/レッツゴーイーブイ」のセーブデータがある場合はミュウが、「ポケットモンスター ソード/シールド」のセーブデータがある場合はジラーチがゲーム内で入手できます。


手に入るのは最初のジムリーダーを倒してソノオタウンについたタイミング。ソノオタウン左下にいる老夫婦に話しかけるとその場で渡してくれます。
ストーリー中に幻のポケモンが手に入るのは歴代でも破格の特典。しかも親名が自分名義なのでニックネームも付けられちゃいます。
早期購入特典(2022年2月21日まで受け取り可)でタマゴが貰えるマナフィも合わせると、幻のポケモンが3匹もいる豪華な旅パも作れます。
クリア後+シンオウ図鑑のポケモンを全て見た後の要素にはなりますが、第三世代までの伝説ポケモンを捕まえるための施設も新登場しています。
かつてのパルパーク(GBAソフトからポケモンを連れてくる施設)があった場所には「ハマナスパーク」という別の施設が立てられていて、そこにゲームカードリッジ型の石版を持っていくことで伝説のポケモンが入手可能です。
まずはコンテストについて。場所はオリジナル版と変わっておらずヨスガシティにある会場で参加できます。
本作のコンテストは最初に劇中で使う技を一つだけ選んで音ゲーをしながらアピールする形式になっていて1回5分あれば終わります。1回にかかる時間が短くなり手軽になった代わりにやりごたえは損なわれた印象。

オリジナル版にあったおめかしタイムはなくなってアクセサリーをボールカプセル(ボールデコ)のシールで代用する形になっていたり、ダンスをするパートと技を見せ合うパートがくっついて1つになっていたりと、変更点の方が多く元の仕様はわずかに名残を残している程度。変わらないのはポフィンで上がるコンディションが評価に影響する点ぐらい。
ポフィン作りは通信プレイができなくなった代わりに1人で4個のきのみを入れられるようになったこと・ふれあい広場でも作れるようになったこと以外は元と同じ仕様ですが、美味しいポフィンを作ることがなかなかできませんでした。しかもなぜかタッチ操作ができなくてスティックを回さないといけないので指がつる…。
どうも同種のきのみを2個以上入れてしまうとまずいポフィンしかできないみたいです…。これは過去作からある仕様らしいのですが、2人以上でポフィンやポロックを作ることがなかったので知りませんでした。
とりあえず、コンテスト用のポフィンを作るためにもきのみを集めてこないと…今作のきのみは柔らかい土に植えると時間経過で収穫できます。
ちかつうろは「地下大洞窟」に名前が変わり、地上にはいないポケモンを含む色んなポケモンが暮らす空間になっていました。
地下大洞窟には2番目のジムリーダーを倒してハクタイシティで「たんけんセット」を手に入れると行けるようになります。地上であれば基本どこからでも侵入可。
地下はオリジナル版のちかつうろと同じように壁を掘って採掘したりひみつきちを作れる通路部分、新しく追加されたポケモン達が暮らす洞窟部分に分かれています。

洞窟内はシンボルエンカウント形式で環境に合わせたポケモンがたくさんいる、シンオウ版ワイルドエリアといった感じの空間です。出てくるポケモンのレベルは手持ちのレベルよりも高く、ヘルガーやサイホーンなどシンオウ地方では珍しいポケモンも生息しているのでレベリングや図鑑埋めに使えそう。
ひみつきちは家具を置いたりすることができなくなった代わりに石像を置く空間になっていて置いた石像の種類に応じて洞窟に出るポケモンが増える仕様になっています。ひみつきちのレイアウトは好きな要素だったので無くなってしまったのは残念ですが、石像を発掘して集めるという新しい楽しみが増えたのでギリイーブン。
ここら辺は追加要素ではなくオリジナルにもあった要素が入れ替わっているだけ。なので遊び方の量的にはプラマイゼロでしかなく増えたとは言えないのが少し残念なポイント。
なんならアクセサリーや模様替えグッズは消失していますし、コンテストの仕様もやりごたえが無くなった分むしろマイナスになっている気も…。プラチナと比較した際はバトルフロンティアやWi-Fi広場もありませんし…。
個人的にオリジナルにもあった部分は忠実に再現しつつも評判が悪かった所を改善して尚且つ新しく追加された要素もあるのがリメイク作品の理想形だと思っているので、再現の部分は良くても新要素が少ない本作は正直に言うと物足りなく感じます。HGSSのポケスロンみたいな新しい遊び方が本作にも欲しかったです。
オリジナルを再現した仕様が多い一方で操作性以外は改善点が少なくなく悪い作品では決してありません。最近DS版を遊んだ人・バトフロやレート戦がないとやる気が出ない人・2頭身デザインが受け入れられない人以外は普通に楽しめると思います。
強いて言うなら完全新規のコンテンツやディアパルの新形態ぐらいは欲しかったかも。シンオウ三龍の強化はレジェアルまでおあずけ?
育成勢が買うメリットについてはほぼ無いと思います。証や新規の教え技もないし、色違い狙いもポケトレより剣盾で国際孵化した方が早いしで、厳選面だけ見れば剣盾かUSUMに勝るところはゼロに近いです。
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自分用にダイヤモンド・妹用にパールを購入。タイトルが歴代トップレベルに長い
個人的にポケモンの中でダイパが一番思い入れのある作品なのですが、そのリメイクである今作はまさかの外注・しかも初報動画が微妙すぎて期待よりも心配の方が大きかったです。
まあでも元が良作なので忠実に再現すると言っている以上悪くはならないと思って2本とも予約しました。剣盾と同じようなグラフィックでシンオウ地方を歩きたかったとは今でも夢見ますが…。
バージョンによる違いは出てくるポケモンぐらいしかないので、2作まとめて1本のレビューとさせていただきます。
・タイトル:
ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール
・発売元: 株式会社ポケモン
・販売元: 任天堂
・開発元:イルカ
・対応ハード:Switch
・定価:6578円(税込)
・発売日:2021年11月19日
・ジャンル:RPG
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©2021 Pokémon.
©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
・公式サイト:
https://www.pokemon.co.jp/ex/bdsp/ja/
どういう人にオススメ?
・「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」を遊んだことがない人!
・オリジナル版発売当時の懐かしさに浸りたい人!
良かった点
・戦闘中のグラフィックはピカブイと同じぐらいの質で悪くない
・細かいところまで再現されたマップやシステムには懐かしさを感じる
・ゲームスピードの上昇やひでんわざ要員を連れ回さなくても秘伝技を使えるようになったなど改善点も多数ある
・スーパーコンテストやちかつうろなども多少仕様が変わったものの復活
・ちかつうろ改め地下大洞窟では色んなポケモンに出会える
賛否両論?点
・戦闘中以外のグラフィックはトレーナーが二頭身になっていたりとデフォルメ色強め
・フィールドで連れ歩くポケモンの大きさが異常に小さい
・ポケッチやフィールドの移動などの操作性が悪い
・四天王やチャンピオンが歴代トップレベルに強い
・ちかつうろのひみつきちが石像を置くだけの場所になってしまった
備考
・ローカル通信、インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド/シャイニングパール
・発売元: 株式会社ポケモン
・販売元: 任天堂
・開発元:イルカ
・対応ハード:Switch
・定価:6578円(税込)
・発売日:2021年11月19日
・ジャンル:RPG
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©2021 Pokémon.
©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
・公式サイト:
https://www.pokemon.co.jp/ex/bdsp/ja/
どういう人にオススメ?
・「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」を遊んだことがない人!
・オリジナル版発売当時の懐かしさに浸りたい人!
良かった点
・戦闘中のグラフィックはピカブイと同じぐらいの質で悪くない
・細かいところまで再現されたマップやシステムには懐かしさを感じる
・ゲームスピードの上昇やひでんわざ要員を連れ回さなくても秘伝技を使えるようになったなど改善点も多数ある
・スーパーコンテストやちかつうろなども多少仕様が変わったものの復活
・ちかつうろ改め地下大洞窟では色んなポケモンに出会える
賛否両論?点
・戦闘中以外のグラフィックはトレーナーが二頭身になっていたりとデフォルメ色強め
・フィールドで連れ歩くポケモンの大きさが異常に小さい
・ポケッチやフィールドの移動などの操作性が悪い
・四天王やチャンピオンが歴代トップレベルに強い
・ちかつうろのひみつきちが石像を置くだけの場所になってしまった
備考
・ローカル通信、インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
グラフィックは否寄りの賛否両論

今作が叩かれがちな理由の中でも最も目立つのはグラフィックの不満。画質が綺麗とか汚いとかとは別ベクトルの話でキャラクターデザインに関する話です。
バトル中のグラフィックは剣盾とまでは行かずともピカブイとはそこまで差がないレベルなのですが、フィールドで二頭身になるのが気に入らないという人が多いです。現に私も剣盾のようなリアル等身で遊びたかった派なので、ここに関してはどちらかというと否定寄り。
ちゃちく見えるグラなのは事実だし、そもそもの話ポケモン界隈で言うリメイク=マップやストーリーは再現しつつも見た目とシステムは最新作ナイズされるものという既成概念があったので、本作にも剣盾に近い見た目になることを前提に期待していました。
この前提が外れちゃっているので「期待していたのと違った」という感想になるのはやむ無しです。FRLG・HGSS・ORASといった前例があったポケモンだからこそ起こった悲劇ではあって、ポケモンの事をよく知らない人であればリメイク作品なんてそんなものと思う人もいるかもしれませんが。
一方で二頭身にした理由についても何となくは予想できます。剣盾風にするには世代が離れすぎていて大幅な改変が必要だから諦めたとか、DSのドット絵を再現したらこうなったとか、ポケトレとの兼ね合いを考慮した末の妥協案が二頭身だったのかなーとも思わなくもないです。
特に世代間の幅が開きすぎているというのは大きな影響を及ぼしていると思います。赤緑→FRLGと金銀→HGSSは2世代分・RS→ORASでも3世代分しか離れていませんし、そもそも剣盾ではハードも携帯機から据置機に移行してUSUMと比べてもマップの構造が大きく変わっていますしね…。
…それでも、せめてイベントシーンはリアル等身でやってほしかったです。元々のDPは哲学的で難解な雰囲気を纏っている作品だったはずなのにオモチャみたいな見た目のせいで緊張感が薄れてしまっているんですよね…。
特にアカギ関連のイベントがシュールで何とも言えません…。制約が多い代わりに想像の余地も多いドット絵だったからあの等身でも許されていたというのはあって、滑らかな3Dポリゴンで当時の等身を再現されても指人形劇場に見えて雰囲気ぶち壊しです。
グラフィック関連の不満点はもう1つあって、それが連れ歩きでついてくるポケモンが小さすぎること。

オリジナルにはない連れ歩きが追加されたこと自体は喜ばしい事なのですが、大きなポケモンを連れ歩く時は妙に縮小されてしまっています…。
ピカチュウとかポッチャマとか小柄なポケモンを連れ歩いている時はそこまで違和感ないのですが、エンペルト(1.7m)みたいに主人公より大きなポケモンは明らかに小さくなっています。
オリジナルと同じ世代のHGSSですらドット絵とはいえ連れ歩くポケモンのサイズが少なからず反映されていたのに、それから10年以上経ってから発売されたゲームでこれはちょっと…と思いました。不具合だとしても仕様だとしても改善して欲しいです。
エンペルトですらアレ?と感じましたが、ディアルガ(5.4m)やホエルオー(14m)など大きいポケモンになるほど違和感が増していきます…主人公を二頭身にするならポケモン側も「みんなのポケモン牧場」みたいにデフォルメすれば良かったのにと思いました。
システムはそのままな所も改善された所もかなり多い
ストーリーと大まかなシステムは良く言えばオリジナルに忠実・悪く言えば変わらなさすぎという感想。ほとんどの場面で懐かしいと感じる代わりに目新しさはあまり感じられませんでした。再現されている要素は多岐にわたり、地形・トレーナーが出してくるポケモン・ポケッチ・全国図鑑のポケモンが493匹という点など、本当に細かいところまで再現されています。
第五世代以降のポケモン(ニンフィア含む)もいなければ、メガシンカもないしZワザやダイマックスもありません。そもそも本作にはレート戦自体がないので対戦周りは非常にミニマム。
その代わりに、図鑑には第4世代までのポケモン493匹全員が登録できますし全員連れ回すことが可能です。プラチナで追加されたギラティナのオリジンフォルムやロトムのフォルムチェンジもいます。
再現された要素で個人的に嬉しかったのは、ポケッチ操作・化石掘りがタッチ操作でもできること。DSや3DSのゲームがSwitchに移植されるとタッチ操作がオミットされてしまいがちなのですが、今作ではタッチによる操作も忠実に再現していたのにはビックリ。
特に化石掘りは当時めちゃくちゃハマっていたので、それがそのまま遊べるだけでも買った価値があったと思えるぐらいには嬉しかったです。また頑張って石や化石を集めたい。
でもわざマシンが一度使うと消えてしまう仕様まで再現されているのは余計だと思ってしまいました。そこは面倒なだけなので消えないようにして欲しかった…。
再現されている仕様が多い一方で、細かい部分にまで目を向けてみると改善点が多く見受けられます。ゲームスピードの上昇・ひでん技要員を手持ちに入れなくてもポケッチから秘伝技を直接使えるようになっていたり・自動的に手持ち全てのポケモンに経験値が入るようになっていたり・どこからでもボックスを使えるようになっていたり・主人公の着せ替えができるようになったなど、近年出た作品と同じシステムもいくつか追加されています。
特にゲームスピードに関しては大幅に改善されていて、オリジナル版ではHPゲージの減りがすごく遅かったり・ボックスをいじった後にレポートを書くと1分ぐらい書き続けたりと全体的にすごくノロマだったのが、リメイク版では剣盾と変わらない程度にまでスピードアップしています。
ひでん要員がいらないのも楽ですし、オートがくしゅうそうちシステムも手持ちを育てやすくて助かっています。オリジナル版を今やったらかなり冗長に感じるかも。
着せ替えも新しく追加されています。剣盾に比べると服の種類が少なく全身のコーディネートが1つになってしまっているものの、可愛らしいものが用意されていて結構好きな要素です。

トバリシティのゲームセンターが無くなった代わりにブティックができているので、そこで服の購入が可能になっています。
ゲームセンターが無くなるのは近年の動向から予想はしていましたが、まさか服屋さんになるとは思いませんでした。ちなみにブティックで流れているBGMはゲーセンのアレンジだったりします。
残念なことに、操作性に関しては元より悪くなったように感じます。バトル中やポケッチだけでなくフィールド中の移動も微妙。
ポケッチやバトル中のUIは間違いなくオリジナルの方が優秀です。特にポケッチはRボタンで出したり引っ込めたりしないといけないしタッチの精度も良くないしで利便性は大幅に下がりました。
ポケッチアプリのダウンジングやカウンターなどは移動しながらタッチができないせいで非常に使いにくいです。せめて右上に小さく表示している状態でもタッチ操作を受け付けてくれたら多少はマシになったと思うのですが…。
DSシリーズの二画面自体がRPGと相性のいい構造だったので、一画面しかないSwitchで出た本作とDSで出たオリジナルを比べるのは少し酷かもしれないとは思いつつも不便すぎるので…。上画面にフィールド画面・下画面にコマンド画面やポケッチを配置できるメリットが大きすぎた。
フィールド上の移動についても、元々上下左右の4方向にしか動けない前提で作られたマップを主人公だけが360°動けるようにした弊害か細い道で簡単につっかかります。狭い場所が多いテンガン山やチャンピオンロードはかなりのイライラポイントでした。
移動だけ中途半端に3Dゲームっぽくせずマス目移動も再現すればいいのにと思いました。徒歩だけでなく自転車も操作しにくいし…。
オートがくしゅうそうち機能追加で経験値が稼ぎやすくなった代わりかストーリー攻略の難易度は逆に上がっています。特にジムリーダー達は手持ちのポケモンこそ変わっていませんが、賢くなったのか普通に積み技を使ってきたり・弱点タイプに対して対策する技を繰り出してきます。
苦戦した記憶のないスモモにすら負けそうになりました…アサナンが壁を貼ってきたり、ルカリオがビルドアップで積んできたりと明らかに賢く強くなっています。
何よりも一番ヤバイのがチャンピオンで、ミロカロスにかえんだまを持たせて特性のふしぎなうろこ(状態異常時に防御1.5倍)を発動した上でじこさいせいによる回復までする高耐久を活かした戦法をしてくるし、エースポケモンのガブリアスに至ってはつるぎのまいでバフをかけた後に600族の火力で殴ってくるというえげつない戦法を取ってきます。ストーリー中に戦うトレーナーの中で歴代一強いと言っても過言ではないかも…。
チャンピオンの前座である四天王についても、ちいさくなるバトンタッチ等のこんなガチ戦法を使ってくるの?と思うような動きをしてきます。そこら辺のモブトレーナー達とは明らかに格が違う強さで、しかもアイテム以外による回復なしの5連戦なのは据え置きなのもビックリしてしまいました。
正直に言って、本作のポケモンリーグの難易度はやりすぎだと感じました。こっちのアイテム入手や育成環境が整っていない状態なのに相手は持ち物も個体値も努力値もガチなのは難しいを超えてもはや理不尽。
難しくなってくれて嬉しいという意見もネット上を見る限りでは少なくなさそうではありますが、個人的にポケモンのストーリーに難しさは求めていないのと・ポケモンは全年齢向け(子ども向けでもあるという意味)の作品でストーリーの時点では難しくする必要は無いという考え方からこの点をネガティブポイントとして挙げさせてもらいました。私が子どもで事前知識が全くゴリ押しするしか知らない状態で挑んだら多分勝てなくて「もういい!」となっていたであろう強さです。
リメイクで追加されたなかよし効果が強力とはいえ発動が運次第でしかないので、その分相手を強化しましたと言われても他の育成環境が改善されていない以上は納得いかないです。最悪レベリングすればレベルの暴力でいけるとはいえ、野生ポケモンのレベルはチャンピオンロードで45・大地下洞窟でも50ぐらいなのにチャンピオンは60以上を使ってくるのでそれをゴリ押しできる程に上回るまでレベル上げするのは普通に苦行。
私の意見としてはBW2のチャレンジモードみたいな別口の高難易度モードを用意して、単にクリアするだけなら難易度はオリジナルから据え置きかむしろ簡単にしても良かったように感じます。殿堂入り後の再戦四天王やチャンピオンはさらにガチ構成の手持ち+レベル70〜80以上でかなり歯ごたえのある戦いができますが、クリア後のやり込みで難しいのは歓迎。
ちなみに、Switch本体に「ポケットモンスター レッツゴーピカチュウ/レッツゴーイーブイ」のセーブデータがある場合はミュウが、「ポケットモンスター ソード/シールド」のセーブデータがある場合はジラーチがゲーム内で入手できます。


手に入るのは最初のジムリーダーを倒してソノオタウンについたタイミング。ソノオタウン左下にいる老夫婦に話しかけるとその場で渡してくれます。
ストーリー中に幻のポケモンが手に入るのは歴代でも破格の特典。しかも親名が自分名義なのでニックネームも付けられちゃいます。
早期購入特典(2022年2月21日まで受け取り可)でタマゴが貰えるマナフィも合わせると、幻のポケモンが3匹もいる豪華な旅パも作れます。
クリア後+シンオウ図鑑のポケモンを全て見た後の要素にはなりますが、第三世代までの伝説ポケモンを捕まえるための施設も新登場しています。
かつてのパルパーク(GBAソフトからポケモンを連れてくる施設)があった場所には「ハマナスパーク」という別の施設が立てられていて、そこにゲームカードリッジ型の石版を持っていくことで伝説のポケモンが入手可能です。
ボールカプセル・スーパーコンテスト・ちかつうろは仕様が変わったものの復活
DPにはあったけどHGSSやBW以降では無くなってしまっていた、ボールカプセル・スーパーコンテスト・ポフィン作り・ちかつうろも復活。ただし仕様は大きく変更されていて別物になっています。まずはコンテストについて。場所はオリジナル版と変わっておらずヨスガシティにある会場で参加できます。
本作のコンテストは最初に劇中で使う技を一つだけ選んで音ゲーをしながらアピールする形式になっていて1回5分あれば終わります。1回にかかる時間が短くなり手軽になった代わりにやりごたえは損なわれた印象。

オリジナル版にあったおめかしタイムはなくなってアクセサリーをボールカプセル(ボールデコ)のシールで代用する形になっていたり、ダンスをするパートと技を見せ合うパートがくっついて1つになっていたりと、変更点の方が多く元の仕様はわずかに名残を残している程度。変わらないのはポフィンで上がるコンディションが評価に影響する点ぐらい。
ポフィン作りは通信プレイができなくなった代わりに1人で4個のきのみを入れられるようになったこと・ふれあい広場でも作れるようになったこと以外は元と同じ仕様ですが、美味しいポフィンを作ることがなかなかできませんでした。しかもなぜかタッチ操作ができなくてスティックを回さないといけないので指がつる…。
どうも同種のきのみを2個以上入れてしまうとまずいポフィンしかできないみたいです…。これは過去作からある仕様らしいのですが、2人以上でポフィンやポロックを作ることがなかったので知りませんでした。
とりあえず、コンテスト用のポフィンを作るためにもきのみを集めてこないと…今作のきのみは柔らかい土に植えると時間経過で収穫できます。
ちかつうろは「地下大洞窟」に名前が変わり、地上にはいないポケモンを含む色んなポケモンが暮らす空間になっていました。
地下大洞窟には2番目のジムリーダーを倒してハクタイシティで「たんけんセット」を手に入れると行けるようになります。地上であれば基本どこからでも侵入可。
地下はオリジナル版のちかつうろと同じように壁を掘って採掘したりひみつきちを作れる通路部分、新しく追加されたポケモン達が暮らす洞窟部分に分かれています。

洞窟内はシンボルエンカウント形式で環境に合わせたポケモンがたくさんいる、シンオウ版ワイルドエリアといった感じの空間です。出てくるポケモンのレベルは手持ちのレベルよりも高く、ヘルガーやサイホーンなどシンオウ地方では珍しいポケモンも生息しているのでレベリングや図鑑埋めに使えそう。
ひみつきちは家具を置いたりすることができなくなった代わりに石像を置く空間になっていて置いた石像の種類に応じて洞窟に出るポケモンが増える仕様になっています。ひみつきちのレイアウトは好きな要素だったので無くなってしまったのは残念ですが、石像を発掘して集めるという新しい楽しみが増えたのでギリイーブン。
ここら辺は追加要素ではなくオリジナルにもあった要素が入れ替わっているだけ。なので遊び方の量的にはプラマイゼロでしかなく増えたとは言えないのが少し残念なポイント。
なんならアクセサリーや模様替えグッズは消失していますし、コンテストの仕様もやりごたえが無くなった分むしろマイナスになっている気も…。プラチナと比較した際はバトルフロンティアやWi-Fi広場もありませんし…。
個人的にオリジナルにもあった部分は忠実に再現しつつも評判が悪かった所を改善して尚且つ新しく追加された要素もあるのがリメイク作品の理想形だと思っているので、再現の部分は良くても新要素が少ない本作は正直に言うと物足りなく感じます。HGSSのポケスロンみたいな新しい遊び方が本作にも欲しかったです。
総評:良くも悪くもオリジナルに忠実な「リメイク」作品
本来なら本作みたいにオリジナルを忠実に再現したものをリメイク作品と言うべきなのかなーと考えさせられました。ORASレベルまで改変が多いとリブートとかリイマジネーション作品と言うべきなのかもと思ったりも。オリジナルを再現した仕様が多い一方で操作性以外は改善点が少なくなく悪い作品では決してありません。最近DS版を遊んだ人・バトフロやレート戦がないとやる気が出ない人・2頭身デザインが受け入れられない人以外は普通に楽しめると思います。
強いて言うなら完全新規のコンテンツやディアパルの新形態ぐらいは欲しかったかも。シンオウ三龍の強化はレジェアルまでおあずけ?
育成勢が買うメリットについてはほぼ無いと思います。証や新規の教え技もないし、色違い狙いもポケトレより剣盾で国際孵化した方が早いしで、厳選面だけ見れば剣盾かUSUMに勝るところはゼロに近いです。
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