3秒でげーむおーばー。

【Steam/PS4/PS5】『Stray』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2022/07/25
ゲーム感想&レビュー 0
Steamゲーム PCゲーム PS4ソフト PS5ソフト アドベンチャー
『Stray(ストレイ)』を購入しました。

猫が主人公のゲーム。新作であるにも関わらずPSplusのエクストラ以上のプランに加入していれば無料で遊べることもあって、SNS上で大きく話題になっていた作品でもあります。
このゲームのためにPS4の電源を久しぶりに付けました。買ってて良かったデュアルショックの充電ケーブル。
クリアまでにかかった時間は6時間程。プレイ時間は短かかったものの、人間よりも猫の方が多いスタジオで制作されたという開発秘話にも納得できてしまうぐらいには猫愛に溢れていたゲームでした。

PlayStation Storeで『Stray』を購入しよう。怪我をし、ひとりぼっちになってしまった一匹の迷い猫。忘れ去られた都市から脱出するため、古代の謎を解く。
・タイトル:Stray
・発売元:Annapurna Interactive
・開発元:BlueTwelve Studio
・対応ハード:PC(Steam)/PS4/PS5
・定価:
-Steam版:3500円(税込)
-PS4/PS5版:3520円(税込)
・発売日:2022年7月19日
・ジャンル:アドベンチャー
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©2022 BlueTwelve Studio Ltd. Published by Annapurna Interactive under exclusive license. All rights reserved.

どういう人にオススメ?
・猫を操作できるゲームを遊びたい人!

良かった点
・主人公の猫が可愛く、猫あるあるネタも多数
・荒廃しつつも力強いサイバーパンクな世界観が作り込まれている
・街に住むロボット達も個性豊かで可愛い

賛否両論?点
・自由にジャンプしたり壁を登ったりはできないので自由度は低め
・ZURK周りの設定が変にグロテスク

備考
(当ブログの画像はPS4本体の機能を用いて撮影)




リアルな猫ちゃんがとにかくカワイイ


このゲームで操作するのは何の変哲もない普通の猫。誰かに飼われていたという訳でもない野良猫で名前もありません。
ゲーム開始直後は緑の中に文明の遺物が色濃く残っている地上で他の猫達と仲良く暮らしていましたが、みんなで移動中に足場が破損し1匹だけ地下へと落っこちてしまいます。その迷い猫が地下から地上に戻るまでの物語を追ったのが本作。
結構な距離を滑り落ちたものの運良く軽傷で済んでいたのは不幸中の幸い。落下直後は足を引きずりながら痛々しく歩くので可哀想ですが、すぐに普通に歩けるようになってホッとしました。
この猫ちゃんがどこまでもリアルで可愛いのが本作が猫ゲーと言われる所以。毛並みや呼吸の様子も再現されていて、操作に関しても走り回ったり・〇で鳴いたりできる他、特定ポイントではL2とR2で爪を研いだり・水を飲んだり・丸まって寝たりと猫らしいアクションが揃っています。
木の幹や壁やカーペットやソファーをバリバリしたり、ネコパンチでペンキやら瓶やらを落としたりとちょっとしたイタズラもできます。爪研ぎの後の毛玉や傷もちゃんと残るオマケ付き。
小ネタも豊富で、紙袋を被っちゃって一定時間操作が反転したり、バックパックを初めてつけた時は違和感からか這い蹲る様な歩き方になったり、キーボードの上に乗ってデタラメに文字を入力できるなど、猫あるあるが多数用意されています。かわいい。
ムービー中の動きもしっかり猫していて、怯えている時はイカ耳になったり・暗所では瞳孔が丸くなったり・目が光るアレもあります。かわいい。
しかし自由に跳ね回ったりあらゆる所をバリバリできるわけではなく、決められたポイント以外ではジャンプもバリバリもできないので自由度は意外と低めです。足場から足場への飛び移りもボタンが表示される場所以外はできないので、自分で道を開拓するのではなく予め用意されている道を探して進んでいく感じ。
猫ならではの身軽さを活かして、次々飛び移って高い所へ登ったり・金網に空いた小さい穴や狭い通路をくぐり抜けたり・細いパイプの上を駆け抜ける場面も多め。人間から見るとただの行き止まりに見えても、猫の視点から見ると進める道が用意されているのに気づけるのは面白い所。
実績も猫をテーマにしたものがたくさん用意されています。例を挙げると、バスケットボールを指定の場所に落とすと「ニャンク・シュート」、紙袋を被ると「好奇心は猫をも殺す」というトロフィーが貰えます。
個人的にへーと思ったのは8回(9回?)やられてしまうと貰える「これ以上命はない」で、これは猫には9つの命があるという英語の諺が由来になっています。8回も死なせちゃってゴメン…。

たった1匹で落ちてきてしまった猫ちゃんですが、序盤に行く小さな研究室でB-12と名乗る小型ドローンと出会った後はひとりぼっちではなくなります。彼もまた地上を目指す志を持った1人で正体はストーリーが進むと少しずつ明かされていきます。
B-12は地下に住むロボット達の言語を通訳し猫を通してプレイヤーに教えてくれるナビゲーター兼アイテムの回収や保管も担当。ちなみに猫ちゃんが付けているバックパックは充電ポートになっていて長距離の移動は猫ちゃんの担当。
また、B-12は地上の手がかりになるデータを見つけた時にメモリーとして記録してくれます。メモリーはストーリー進行で必ず見つけられるものもあれば・街中に隠されていているものもあって、コレクション要素の1つにもなっています。
探索時は視点が低いのでやや酔いやすく、暗い場所が多いのもあってレバーや足場の存在に気づきにくいという難点はありますが、誘導は多めで少し探索すれば通れる場所が見つかるようにはなっているし、次の目的地も話をちゃんと聞いていればわかるようにはなっています。
ただ、街(特に最初のスラム)は高低差含めて入り組んでいて広さもあるしで迷子になる要素が揃っていたので、B-12君にはマップ機能を搭載していて欲しかったです。「リアルの猫は地図なんか見ない」と言われたら確かにそうなのですが、所持アイテムやメモリーが見れるならマップも見れても別に変ではないと思いますし…。
本作のジャンルはアドベンチャーということで、自分で道を探すことに重きを置きたいという制作側の意図があるのだとは思いますが、一度通ったことがある道だけでも記録してくれたらありがたかったです。
ちなみに、エンディングを見た後はチャプターセレクトが解禁されるので、取り逃したメモリーや隠し要素の回収は後からでもできます。メモリーの他にバッジなど、しっかり探さないと見つからないコレクションもあるので探索が楽しいです。

難易度は全体的に低めに抑えられていて、高い場所から足を滑らせて落ちたりはせず・喉の乾きや空腹に気を配るなどのサバイバル要素もありません。大量の敵から逃げたり警備ロボットに見つからないように隠れながら進んだりする場面もあるものの、どちらかというと謎解きや探索がメインとなっています。
その謎解きも決して難しいものではないので、本作の面白さは猫を動かせることと街の作り込みに集約されています。ストレートに言うと雰囲気ゲー。
猫が好き(ただし怪我をしたり攻撃される場面を見たくない人はNG)、サイバーパンクが好き、もしくはその両方が好きな人向けです。…意外とターゲット層は狭め?
ちなみに、私はPS4でプレイしたのですがエラー落ちが2回ありました。1回目はスラムから離れてシャッターを閉められる時・2回目はミッドタウンのディスコに入った時。
こまめにセーブしてくれるのでほんの少し戻される程度で済みましたが、フォトリアルなゲームだけあってPS4では重さを感じるシーンが他にもちょくちょくありました。ゲーミングPCやPS5を持っている人はそちらで遊ぶことをオススメします。

世界観はサイバーパンクだけどホラー成分もかなり強め


最初に少しだけ地上を歩いた後はずっと暗い地下の世界を冒険することになります。地下世界は階層構造となっており、猫ちゃんが落っこちてきたのは下層の下水管。
下層はスラムと名を打たれているだけあってゴミだらけだし綺麗とはとても言えない環境ですが、そこに住むロボット達はそれなりに満足しているようにも見えます。ZURKと呼ばれる危険生物に怯えているとはいえ、中層のミッドタウンに住むロボット達みたいに監視されていない分自由に暮らせていて幸せなのかも?
ミッドタウンの方はギラギラと輝くネオンが眩しいTheサイバーパンクという感じの街でスラムと比べると発展はしていて見栄えも良いのですが、ゴミは相変わらず多いし警察や監視ロボットが常に見張っているしで住み心地は良くなさそうです。外れに工場を持つNECOコーポレーションも色々ときな臭い噂だらけだし…。
どちらの街にも生身の人間の姿はありませんが、グラフィッククオリティの高さとロボット達が人間の暮らしを模倣するかのように力強く生きている世界観が魅力的で観光して回るのが楽しいです。そんな街を猫視点から見て回れるというのも新鮮。
ロボット達は独自の文字を発明し使用している他、定職に就いたり・親子関係を持っていたりして(ロボットの親子ってどういうこと?という疑問はさておき)、現実の人間社会も本作に出てくるロボット達が作っている社会も本質的にはそこまで違いがありません。
そして、このゲームで可愛いのは猫ちゃんだけではありません。ロボット達もまた可愛いのです。
彼らには個体毎に名前がついていたり・顔のモニターも少しずつ形が違っていたりして個性的。ほぼ全員が人間と大差ない感情や意思を持っているし、機械的な体に対してモニターに表示されている顔が可愛い所も親近感も湧きます。
こちらから話しかけることも可能で、基本的には猫ちゃんに友好的な態度で接してくれますし、イタズラしまくっても怒られることは稀で、向こうから危害を加えてくることはほぼゼロです。…ミッドタウンにいる空飛ぶ見張りロボは例外でめちゃくちゃ殺しにきますが。
よく観察すると彼らの反応も細かく作り込まれていて、猫ちゃんが擦り寄るとモニターに♡が表示されたり・近くで鳴くとビックリして目を丸くしたりペンキを落としてしまう個体もいるし、歩いている個体の足元に行くとつまづいたのか派手に転んでしまいます。かわいい。
ロボットの中には地上に出ることを夢見ているアウトサイダーと呼ばれる4人組もいます。アウトサイダー達は物語のキーパーソンでもあり、猫ちゃんに対してとても友好的で脱出の手引きもしてくれます。

かわいいロボットが住むSF世界をかわいい猫が駆け抜けるだけなら多少ダークでも怖くはないはず…と思われる方も多いと思うのですが、下層に住み着いているZURKの存在が問題です。
ZURKはダニとネズミを足して2で割ったような見た目のロボットすら食せる生物で、プイプイ鳴きながら大群で猫ちゃんを食べようと襲いかかってきます。やられてもたかられる程度で猫ちゃんが出血したりはしないものの、正直かなり強烈な嫌悪感を感じる見た目をしています。
生体のZURKはある程度ストーリーを進めるとアウトサイダーの1人が開発した兵器で倒せるようになる分マシではあります。何度も食べられそうになった怨みを晴らせて少しスッキリできるし(でも破裂する時に体液が飛び散るのがやっぱりキモイ…)。
本体以上に問題だと思うのが奴らの巣となっているエリアの見た目。黄色いブツブツと肉質の赤い糸で覆われていて内臓みたいでグロテスクだし、謎の赤い眼が大量にギョロギョロしているエリアの中も進んでいく必要があります。

個人的には眼だらけのエリアよりも糸だらけのエリアの方がキッツイですが、どっちにしろ集合体恐怖症には地獄の光景です。SAN値が削れる…。
猫で癒されるゲームを遊んでいたはずが、いつの間にかバイオハザードに差し替えられていた感じ。BGMもどことなくバイオっぽい気がします。
個人的にはZURK関連のイベントは無しで設定のみが出てくるだけでも良かったかな…と思います。百歩譲って襲われるシーンがあるのは身をもって危険性を知れるので悪くは無いとして、住処までは見れなくても十分でした…。
奴らに関しては地下世界が分断する原因となった脅威として語られる場面があったり・出自も噂程度は判明するものの、ボスや元凶と戦うということもなく最後まで謎だらけだったのがちょっと残念。
赤目玉がいるエリアについては本当に何の解説もないまま通り過ぎてしまうし・巣の見た目とZURKの生態との関連性が直感的に結びつきにくくて、「単にプレイヤーを怖がらせるという目的だけで用意されたのでは?」と変に勘ぐくってしまいました。情報がもっとあれば世界観を考察する材料にもなって、単に気持ち悪いで終わらず済んだかもしれないと思うともったいないかも。
ミッドタウンに辿り着けたらZURKと鉢合わせすることは以降ないのでそれまでの辛抱。その代わりに今度は警備ロボットの恐怖がやってきますが、こっちは見た目がグロくないしサイバーパンクの雰囲気からも逸れていないので全然OK。
警備ロボット相手でもステルスしないといけない場面特有の緊張感と焦りはあるので、ホラー成分はここだけでも充分だった気も。こちらの体が小さい上に相手の視界が狭いので避けること自体はそう難しくはないですが、一度見つかると焦ってしまい仲間を呼ばれて大体やられちゃいます…。
リトライは手前からのスタートなので苦にはなりにくい仕様ではあるものの、やはり猫が死んでしまう場面を見ることになるのはちょっと精神的に来ますね…。パタッと倒れるだけなのが視覚的には綺麗でもリアルというかなんというか…。



総評:猫ちゃんとロボットが可愛い・サイバーパンクな世界観も魅力的、でもホラーは控えめでもよかったかも

猫ちゃんがとにかく可愛くて猫です。グラフィックやモーションも然ることながら、猫あるあるや小ネタが凝っていたり・スタッフロールにもスタジオにいる猫ちゃん達の名前が記載されていたりする所からもキャット愛を感じます。
猫ちゃんを動かせることが一番のチャームポイントではあるとは思いますが、サイバーパンクな世界観とそこで出会うB-12やロボット達の人間性もこのゲームの魅力だと思います。ヒトでは無いけど人らしいロボット達の可愛さもGood。
でも思っていたよりもホラー成分が強くて、割と序盤からネコチャンカワイイヤッターと思える程の余裕はなくなってしまいました…。その分、途中の爪研ぎポイントやお休みポイントが癒しになってはいましたが、ZURKに関してはいない方が良かったとまで思います。
あくまでも猫を操作するゲームであって、自由気ままに過ごす猫を観察するゲームでは無いのでご注意を。イベントやこちらの操作によっては猫ちゃんが痛い目に会ってしまう点も注意。
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