【Switch】『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』を購入しました。

『New スーパーマリオブラザーズ U』から数えて約11年ぶりの2Dマリオ完全新作。久しぶりの新作である事に加えて動画でお披露目されたウネウネ動くドカンやゾウマリオのインパクトが忘れられず、早く発売されないかなとず〜っと楽しみにしてました。
まっ先に感想を述べてしまうと、待った甲斐がありすぎると思えるレベルで大満足な作品でした。演出にもシステムにもワンダーと遊び心がギッシリ。
約20時間程度で全コースをクリアして残す所はキャラパネルの回収のみという段階まで来てしまいました。楽しすぎて時間がある時にひたすら進めてた…。

今回の舞台はいつものキノコ王国ではなくフラワー王国という別の国。キノピオではなく頭に花が乗っているポプリンという種族が住んでいたり、イモムシのような見た目をしたフロリアン王子が冒険を手伝ってくれたり、ボイス付きで喋るおしゃべりフラワーという変な花があちこちに生えていたりでキノコ王国とは色々異なります。
舞台は変われど、ゴールポールに掴まるとコースクリアという所は今までのスーパーマリオブラザーズと同じ。敵を踏みつけて攻撃できるのも、スーパーキノコなどのパワーアップアイテムを取ると変身する所も変わらずそのままです。
基本操作はYでダッシュ・Bでジャンプ・ZRまたはコントローラーを振るとスピン。パワーアップ時限定アクションについてはYを押すとダッシュする直前に出せます。
オプションからAジャンプ・Bダッシュに変更できる他、ヒップドロップについてもジャンプ中にLスティック↓かZLで切り替えられます。初期設定だとヒップドロップが暴発しやすいのでZLでの発動に切り替えておくこと推奨。
変わらない所もある一方で、コース内ギミックや他のシステム部分には新要素が多く存在します。まずコース毎に設けられた制限時間とスコアの表示がなくなっているのに加えて、取ると不思議な事が起きるワンダーフラワーが登場。
チャレンジ等の特殊コースを除くとワンダーフラワーが1コース辺り1つは置かれていて、触れると「ワンダー」と呼ばれる現象が発生します。どんなワンダーが起こるかはコース毎に異なっていて取ってみるまでわかりませんが、いずれも世界やマリオ達が大きく様変わりしてしまいます。
宇宙空間みたいに無重力になったり・見下ろし視点になったり・マリオ達や敵の体が縦に伸びたり・マリオ達が風船のように膨らんでバウンドするようになったり。驚くような変化が毎回起きるので次は何が起こるかなとワクワクが止まりませんでした。




私のお気に入りは「歌って踊ってパックンマーチ」や「ナックルフェスティバル ~King Beats You Up!~」等の音楽系ワンダー。視覚的にも聴覚的にも盛り上がる演出が多い本作の真骨頂が見れて最高です。
ワンダー中に現れるワンダーシードを入手すると元の世界に戻ります。このワンダーシードは先のコースへ進むのに要求されるキーアイテムにもなっていて、ゴールに辿り着くだけでも1つは必ず貰えるものの道中のも極力集めていきたい。
実はワンダーフラワーは必ず取らないといけないわけでもなくて、やろうと思えばスルーしてそのままゴールへ直行できるコースの方が多いです。それどころかちゃんと探さないと見つからないように隠されている事もあって、ゴール直前まで来てアレ?と思ってフラワーを探しに引き返すこともしばしば。
過去作にもスターコインや隠しゴールなどしっかり探さないと見つけられない収集要素は存在しましたが、本作ではワンダーフラワーや特定のキャラのみにしか見えない隠しブロックの存在が増えていることから、今まで以上に探索を重視する方向へと舵をきった作りになっている印象がありました。コースの制限時間やスコア表示が無くなっているのにも、ちゃちゃっと通過しないでしっかり探索してほしいというメッセージが含まれているのだと思われます。
本作で収集要素として扱われているものはワンダーシード・10フラワーコイン・ゴールポール頂点の3つ。10フラワーコインは今までのスターコイン相当のアイテムでコース内に3つずつ隠されていて、ゴールポール頂点はその名の通りゴールポールの頂点に掴まってクリアしたかどうかが記録される項目です。
単にエンディングを見るだけならワンダーシードだけ集めていけばOKですが、真の最終コースに挑むためにはワンダーシード・10フラワーコイン・ゴールポール頂点の全収集が必須となります。クリア済みのコースで10フラワーコイン全回収とゴールポール頂点を達成しているか確認するには+ボタンのメニュー>コース選択から1つずつ見ていくしかないので、ここに関してはフィールド上からも土台の色などで確認できれば良かったかなと思う所です。
また、コースを攻略する順番もガチガチには決められていなくて道中のシードを集めていれば結構なゆとりが生まれます。挑戦する前に難しさレベルを見ることもできるようになっていて、難しいコースは無理にクリアせずとも先に進めるようストーリー上必ず通る場所からは少し離れた所に置かれている事が多いです。
コースの長さ自体も今までと比べて全体的に短くなっている印象があって順調に進めば5〜10分足らずでクリアできるようなコースが大多数を占めています。その分怪しいと思える場所が絞りやすかったり・ワンダーによる味変に力を入れている感じで、探索を重視しつつもテンポよく進む事が可能になっています。
でもそれ故にゲーム全体のボリュームは過去作と比べても少なめと感じなくもないのはちょっと難点かも。面白かったからこそもっとたくさんのコースで遊びたかったし、もっとたくさんのワンダーを見たかったという気持ちが少なからずあって、一通りやり終えた今は楽しい遊園地から帰ってきた後と同じような気分です
個人的には開発者インタビューで言及されていたマリオが8頭身になるワンダーも見てみたかったです。他にも色んなアイデアがボツになっているとの事なので、この路線で次回作が作られるのであればボツ案についてもいくつか再利用していただけたら嬉しいとも思います。
後はおしゃべりフラワーの存在も雰囲気の盛り上げに一役買っていたかも。めっちゃ喋るし色んな所にいて場所によってはうるさいと感じることもありましたが、ソロプレイだと黙々と操作しがちになるゲーム性に合いの手やネタを振ってくれる感じで和ませてくれていたように感じます。
黙っててほしいと思った時はオプションから音声をOFFにできるので、集中してプレイしたい人にとってもそこまで邪魔にはならないハズ。ただしボイスとフキダシの両方を同時に消す事はできないので真の意味で黙らせる事はできません。
個人的には『New スーパーマリオブラザーズ U』の時点でスーパーマリオブラザーズというシリーズに対するマンネリ感を結構強めに感じていたので、本作の方向性の転換はとても良かったと思います。『スーパーマリオメーカー』でユーザー側も公式と遜色ないコースを作れるツールを与えてきたと思ったら、公式側がより奇想天外かつ面白いアイデアを用意してきて優位性を再度確保した感じもあって、そのアイデアの多様性と表現力には改めて凄さとセンスを感じました。
キャラクターは12人から好きなキャラを選んで操作できます。さらわれがちなピーチも今回はいますし、2Dマリオのプレイアブルキャラとしては初めてデイジーが使えるようにもなりました。

このうち、マリオ~キノピコの7人は性能差が無いので好きなキャラを選べばOK。過去作ではルイージは滑りやすい代わりにジャンプ力が高いとかピーチは空中浮遊できるとかそれぞれに得意不得意がある事が多かったので、今回のこの仕様にはちょっと不思議な感じがしなくもないです。
一方で、ヨッシー達とトッテンについてはゲームの難易度を下げるお助けキャラという扱いで用意されています。ヨッシー×4はダメージを受けることがなく・パワーアップすることができず・B長押しでふんばりジャンプ・背中に他のキャラを乗せられる・舌を伸ばして攻撃できるという特徴を持っていて、トッテンもダメージを受けずパワーアップが存在しませんがそれ以外はノーマルマリオ達と共通という性能。
ヨッシーやトッテンを使ってクリアしたとしても変なマークがついたりはせず、見た目ではマリオ達を使ってクリアした時と区別が付かないのでやってて辛いと思うぐらいなら頼っちゃいましょう。でもヨッシー達も即死ギミックには耐性がないので穴だらけ溶岩だらけの高難易度コースは結局厳しかったりしますが…。
ちなみに本作からマリオとルイージの中の人がチャールズ・マーティネー氏からケビン・アフガニ氏に代替わりしているのですが、妹は全然気づいてなかったし情報を仕入れていなければ私も気づけなかったかもと思うぐらい違和感を感じませんでした。よーく聴くとトーンがちょっと変わっているかも?と思うぐらい。
キャラクターのモーションや表情についても、より可愛らしくより生き生きしているようになったと感じました。マリオが走る時に足の残像が映ったり、ドカンに入った時に帽子が外れてしまい手を伸ばして回収したり、ぶつかるとニコニコしながら噛み付いてくるクリボーなど、プレイヤーキャラも敵キャラも今まで以上にコミカルな動きが多くてワンダー中じゃなくても見ていて飽きない画面が続いてます。
新パワーアップも本作では3つ登場。PVにも出てきたゾウの他にアワとドリルがおニューです。
ゾウは鼻を振り回してパワフルに攻撃したり水を吸って他の場所に撒いたりできる、アワは敵を捕らえて倒せるアワをばらまける様になり、ドリルは穴を掘って隠れたり狭い横穴を通れるついでに上からの攻撃を防げるといった特徴を持っています。それプラス恒例のファイアも登場。
攻撃性能はアワ・防御性能はドリルが抜きん出て優れているという感想です。ゾウは鼻で近接攻撃ができると言っても体が大きくなり当たり判定も大きくなる分被弾も増えがちで意外と扱いに困り、ファイアに至ってはアワの下位互換になってしまっている感じもありました。
既にパワーアップしている状態でアイテムに触れると残機の下に表示されている枠へストックされます。ストックされたアイテムはAボタン長押しで召喚可能です。

パラシュートを広げて滑空したり・空中スピンを強化したり・ふわっと高くジャンプできるようになる等の便利なバッジもあって、コースの特性と上手く噛み合うと楽にクリアできることも少なくないです。特にスピンを強化するフロートスピンは入手タイミングが遅めな代わりに超便利。
中にはスピードアップする代わりに勝手に走っていったり・常に跳ね続ける代わりに大ジャンプができるようになるといったリスクリターンが大きい効果を持つ物もあります。半分縛りプレイのようなバッジもあるし、コース毎にクリアしたバッジが記録される機能とかがなくて少しホッとしました。
しかし、特定のバッジがないと絶対に取れない収集要素というのはなさそうで、必須では無いけどあると楽になるという要素で留まっています。簡単になるのが嫌だと思う人はあえて身に付けないという選択も選べます。
ただし、一部のコースは特定のバッジを付けた状態で先に進んでいかないといけない「チャレンジコース」になっていて、そこだけは否が応でも指定されたバッジを使う羽目に。好きなバッジが使えないせいで難関も多い気が…。
また、本作ではインターネットで繋がっている他プレイヤーと協力し合うことでより楽しくなります。ソロプレイでは難しい…と感じる場所も助けてもらえば乗り越えられる可能性アップ。

協力プレイと言っても部屋を作って…といった事前準備は必要無く、最初に設定をしてネットに繋げる環境があれば勝手に他プレイヤーが半透明のライブゴーストとして参加してきたり・他の人が置いてくれたキャラパネルが出現するといった感じのとても緩い繋がりになっています。ライブゴーストはリアルタイムで同期しているため実質的には野良マッチングしているようなものなのですが、待ち時間が全く発生せずスムーズにコースに入れますし・スリープ状態から再開した時にも通信が切れましたなどのメッセージが一々出てこないのでとにかく快適です。
マルチプレイ時にミスすると一時的にタマシイに変化して、一定時間が経過する前に他のプレイヤーかキャラパネルに触れる事で残機を減らさずにその場で復活できます。上手く協力できればお互いに助け合いながら難所を超えたり、上手い人にくっついていってゴリ押したりもできちゃいます。
みんなで一緒に謎を解こう!というコンセプトの「みんなの広場」というコースもあって、4人で悩んで正解を教えたり教えてもらったりできたのも楽しかったです。みんなの広場は仕掛けに気づけないとクリアできない上にその隠し方も巧妙で結構難しく、その分最初に気づいて動きでヒントを伝えられた時にはかなりの達成感がありました。
私はマルチプレイというものが対戦型にしろ協力型にしろ苦手で基本的にはオフラインでプレイしているのですが、本作のゆるーいマルチプレイはそんな私でも楽しめました。助けられたり助けたりはできても邪魔をされたりしてしまう事が無いようになっているので、上手な人がサポートはできても下手っぴだからといって足を引っ張ることがないので気楽です。
しゃがんだ状態でXを押すとキャラパネルを設置できるので是非活用することをオススメします。ここはミスが多発しそう…と思った所や10フラワーコインや隠しゴールのヒント代わりに置いてあげると喜ばれるかも。
キャラパネルは各地のお店にてフラワーコインで購入できます。ガチャ形式でランダムに手に入れる以外に、スペシャルワールドのパネル屋ではちょっと値が張る代わりに特定キャラの持っていないパネルを優先的に埋めることもできるのでコンプリートは割と現実的。
ちなみに誰かを助けるとハートポイントを貰えます。たくさん集めると何かが起きるわけでもなさそうですが、どれだけ人の役に立っているかが数値として可視化される上に他プレイヤーからも累計ハートポイントが見れるので自己満足や承認欲求を満たせる要素です。
遊んでいてマンネリ感というのも全く感じなくて、最初から最後までずっと驚きと楽しさに満ちていたワンダフルな名作です。『Newスーパーマリオブラザーズ』から『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』まで続いてきた「New」の系譜とはまた違う、新世代のSMBと言うべき作品でもありました。
マリオシリーズ初挑戦の方からマリオファンまで基本的に誰でも楽しめると思うので、気になったらとりあえず遊んでみてください。特に初心者の方はオンラインに繋いで他の人やパネルに助けてもらいながら進めるのがオススメです。
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『New スーパーマリオブラザーズ U』から数えて約11年ぶりの2Dマリオ完全新作。久しぶりの新作である事に加えて動画でお披露目されたウネウネ動くドカンやゾウマリオのインパクトが忘れられず、早く発売されないかなとず〜っと楽しみにしてました。
まっ先に感想を述べてしまうと、待った甲斐がありすぎると思えるレベルで大満足な作品でした。演出にもシステムにもワンダーと遊び心がギッシリ。
約20時間程度で全コースをクリアして残す所はキャラパネルの回収のみという段階まで来てしまいました。楽しすぎて時間がある時にひたすら進めてた…。
・タイトル:
スーパーマリオブラザーズ ワンダー
・発売元:任天堂
・開発元:任天堂
・対応ハード:Switch
・定価:
パケ版:6578円(税込) / DL版:6500円(税込)
・発売日:2023年10月20日
・ジャンル:アクション
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~4人
・権利表記:© Nintendo
・公式サイト:
https://www.nintendo.com/jp/switch/aqmxa/index.html
どういう人にオススメ?
・スーパーマリオブラザーズが好きな人!
・アクションゲームが好きな人!
良かった点
・ワンダーフラワーによる世界の変化が楽しい
・12人ものキャラクターから好きなキャラを選んで操作できる
・キャラの動き方や演出も見ていて楽しい
・オンラインに繋ぐとキャラパネルやライブゴーストに助けてもらったり助けたりできる
賛否両論?点
・ボリュームに関しては少なめと感じなくもない
・未収集の10フラワーコインが残っていたりポール頂点ゲット未達成のコースをフィールド上で判別できると良かった
備考
・インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
スーパーマリオブラザーズ ワンダー
・発売元:任天堂
・開発元:任天堂
・対応ハード:Switch
・定価:
パケ版:6578円(税込) / DL版:6500円(税込)
・発売日:2023年10月20日
・ジャンル:アクション
・CERO:A(全年齢対象)
・プレイ人数:1~4人
・権利表記:© Nintendo
・公式サイト:
https://www.nintendo.com/jp/switch/aqmxa/index.html
どういう人にオススメ?
・スーパーマリオブラザーズが好きな人!
・アクションゲームが好きな人!
良かった点
・ワンダーフラワーによる世界の変化が楽しい
・12人ものキャラクターから好きなキャラを選んで操作できる
・キャラの動き方や演出も見ていて楽しい
・オンラインに繋ぐとキャラパネルやライブゴーストに助けてもらったり助けたりできる
賛否両論?点
・ボリュームに関しては少なめと感じなくもない
・未収集の10フラワーコインが残っていたりポール頂点ゲット未達成のコースをフィールド上で判別できると良かった
備考
・インターネット通信対応(要:SwitchOnline加入)
・ニンテンドーカタログチケット対象
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
ワンダーフラワーを取ると世界がガラッと変化!

今回の舞台はいつものキノコ王国ではなくフラワー王国という別の国。キノピオではなく頭に花が乗っているポプリンという種族が住んでいたり、イモムシのような見た目をしたフロリアン王子が冒険を手伝ってくれたり、ボイス付きで喋るおしゃべりフラワーという変な花があちこちに生えていたりでキノコ王国とは色々異なります。
舞台は変われど、ゴールポールに掴まるとコースクリアという所は今までのスーパーマリオブラザーズと同じ。敵を踏みつけて攻撃できるのも、スーパーキノコなどのパワーアップアイテムを取ると変身する所も変わらずそのままです。
基本操作はYでダッシュ・Bでジャンプ・ZRまたはコントローラーを振るとスピン。パワーアップ時限定アクションについてはYを押すとダッシュする直前に出せます。
オプションからAジャンプ・Bダッシュに変更できる他、ヒップドロップについてもジャンプ中にLスティック↓かZLで切り替えられます。初期設定だとヒップドロップが暴発しやすいのでZLでの発動に切り替えておくこと推奨。
変わらない所もある一方で、コース内ギミックや他のシステム部分には新要素が多く存在します。まずコース毎に設けられた制限時間とスコアの表示がなくなっているのに加えて、取ると不思議な事が起きるワンダーフラワーが登場。
チャレンジ等の特殊コースを除くとワンダーフラワーが1コース辺り1つは置かれていて、触れると「ワンダー」と呼ばれる現象が発生します。どんなワンダーが起こるかはコース毎に異なっていて取ってみるまでわかりませんが、いずれも世界やマリオ達が大きく様変わりしてしまいます。
宇宙空間みたいに無重力になったり・見下ろし視点になったり・マリオ達や敵の体が縦に伸びたり・マリオ達が風船のように膨らんでバウンドするようになったり。驚くような変化が毎回起きるので次は何が起こるかなとワクワクが止まりませんでした。




私のお気に入りは「歌って踊ってパックンマーチ」や「ナックルフェスティバル ~King Beats You Up!~」等の音楽系ワンダー。視覚的にも聴覚的にも盛り上がる演出が多い本作の真骨頂が見れて最高です。
ワンダー中に現れるワンダーシードを入手すると元の世界に戻ります。このワンダーシードは先のコースへ進むのに要求されるキーアイテムにもなっていて、ゴールに辿り着くだけでも1つは必ず貰えるものの道中のも極力集めていきたい。
実はワンダーフラワーは必ず取らないといけないわけでもなくて、やろうと思えばスルーしてそのままゴールへ直行できるコースの方が多いです。それどころかちゃんと探さないと見つからないように隠されている事もあって、ゴール直前まで来てアレ?と思ってフラワーを探しに引き返すこともしばしば。
過去作にもスターコインや隠しゴールなどしっかり探さないと見つけられない収集要素は存在しましたが、本作ではワンダーフラワーや特定のキャラのみにしか見えない隠しブロックの存在が増えていることから、今まで以上に探索を重視する方向へと舵をきった作りになっている印象がありました。コースの制限時間やスコア表示が無くなっているのにも、ちゃちゃっと通過しないでしっかり探索してほしいというメッセージが含まれているのだと思われます。
本作で収集要素として扱われているものはワンダーシード・10フラワーコイン・ゴールポール頂点の3つ。10フラワーコインは今までのスターコイン相当のアイテムでコース内に3つずつ隠されていて、ゴールポール頂点はその名の通りゴールポールの頂点に掴まってクリアしたかどうかが記録される項目です。
単にエンディングを見るだけならワンダーシードだけ集めていけばOKですが、真の最終コースに挑むためにはワンダーシード・10フラワーコイン・ゴールポール頂点の全収集が必須となります。クリア済みのコースで10フラワーコイン全回収とゴールポール頂点を達成しているか確認するには+ボタンのメニュー>コース選択から1つずつ見ていくしかないので、ここに関してはフィールド上からも土台の色などで確認できれば良かったかなと思う所です。
また、コースを攻略する順番もガチガチには決められていなくて道中のシードを集めていれば結構なゆとりが生まれます。挑戦する前に難しさレベルを見ることもできるようになっていて、難しいコースは無理にクリアせずとも先に進めるようストーリー上必ず通る場所からは少し離れた所に置かれている事が多いです。
コースの長さ自体も今までと比べて全体的に短くなっている印象があって順調に進めば5〜10分足らずでクリアできるようなコースが大多数を占めています。その分怪しいと思える場所が絞りやすかったり・ワンダーによる味変に力を入れている感じで、探索を重視しつつもテンポよく進む事が可能になっています。
でもそれ故にゲーム全体のボリュームは過去作と比べても少なめと感じなくもないのはちょっと難点かも。面白かったからこそもっとたくさんのコースで遊びたかったし、もっとたくさんのワンダーを見たかったという気持ちが少なからずあって、一通りやり終えた今は楽しい遊園地から帰ってきた後と同じような気分です

個人的には開発者インタビューで言及されていたマリオが8頭身になるワンダーも見てみたかったです。他にも色んなアイデアがボツになっているとの事なので、この路線で次回作が作られるのであればボツ案についてもいくつか再利用していただけたら嬉しいとも思います。
後はおしゃべりフラワーの存在も雰囲気の盛り上げに一役買っていたかも。めっちゃ喋るし色んな所にいて場所によってはうるさいと感じることもありましたが、ソロプレイだと黙々と操作しがちになるゲーム性に合いの手やネタを振ってくれる感じで和ませてくれていたように感じます。
黙っててほしいと思った時はオプションから音声をOFFにできるので、集中してプレイしたい人にとってもそこまで邪魔にはならないハズ。ただしボイスとフキダシの両方を同時に消す事はできないので真の意味で黙らせる事はできません。
個人的には『New スーパーマリオブラザーズ U』の時点でスーパーマリオブラザーズというシリーズに対するマンネリ感を結構強めに感じていたので、本作の方向性の転換はとても良かったと思います。『スーパーマリオメーカー』でユーザー側も公式と遜色ないコースを作れるツールを与えてきたと思ったら、公式側がより奇想天外かつ面白いアイデアを用意してきて優位性を再度確保した感じもあって、そのアイデアの多様性と表現力には改めて凄さとセンスを感じました。
キャラクターは12人から好きなキャラを選んで操作できます。さらわれがちなピーチも今回はいますし、2Dマリオのプレイアブルキャラとしては初めてデイジーが使えるようにもなりました。

このうち、マリオ~キノピコの7人は性能差が無いので好きなキャラを選べばOK。過去作ではルイージは滑りやすい代わりにジャンプ力が高いとかピーチは空中浮遊できるとかそれぞれに得意不得意がある事が多かったので、今回のこの仕様にはちょっと不思議な感じがしなくもないです。
一方で、ヨッシー達とトッテンについてはゲームの難易度を下げるお助けキャラという扱いで用意されています。ヨッシー×4はダメージを受けることがなく・パワーアップすることができず・B長押しでふんばりジャンプ・背中に他のキャラを乗せられる・舌を伸ばして攻撃できるという特徴を持っていて、トッテンもダメージを受けずパワーアップが存在しませんがそれ以外はノーマルマリオ達と共通という性能。
ヨッシーやトッテンを使ってクリアしたとしても変なマークがついたりはせず、見た目ではマリオ達を使ってクリアした時と区別が付かないのでやってて辛いと思うぐらいなら頼っちゃいましょう。でもヨッシー達も即死ギミックには耐性がないので穴だらけ溶岩だらけの高難易度コースは結局厳しかったりしますが…。
ちなみに本作からマリオとルイージの中の人がチャールズ・マーティネー氏からケビン・アフガニ氏に代替わりしているのですが、妹は全然気づいてなかったし情報を仕入れていなければ私も気づけなかったかもと思うぐらい違和感を感じませんでした。よーく聴くとトーンがちょっと変わっているかも?と思うぐらい。
キャラクターのモーションや表情についても、より可愛らしくより生き生きしているようになったと感じました。マリオが走る時に足の残像が映ったり、ドカンに入った時に帽子が外れてしまい手を伸ばして回収したり、ぶつかるとニコニコしながら噛み付いてくるクリボーなど、プレイヤーキャラも敵キャラも今まで以上にコミカルな動きが多くてワンダー中じゃなくても見ていて飽きない画面が続いてます。
新パワーアップも本作では3つ登場。PVにも出てきたゾウの他にアワとドリルがおニューです。
ゾウは鼻を振り回してパワフルに攻撃したり水を吸って他の場所に撒いたりできる、アワは敵を捕らえて倒せるアワをばらまける様になり、ドリルは穴を掘って隠れたり狭い横穴を通れるついでに上からの攻撃を防げるといった特徴を持っています。それプラス恒例のファイアも登場。
攻撃性能はアワ・防御性能はドリルが抜きん出て優れているという感想です。ゾウは鼻で近接攻撃ができると言っても体が大きくなり当たり判定も大きくなる分被弾も増えがちで意外と扱いに困り、ファイアに至ってはアワの下位互換になってしまっている感じもありました。
既にパワーアップしている状態でアイテムに触れると残機の下に表示されている枠へストックされます。ストックされたアイテムはAボタン長押しで召喚可能です。
バッジシステムやオンラインでの協力要素も新登場
キャラクター間の性能差というのはヨッシーやトッテンといったお助けキャラを除くと存在しないのですが、その代わりにバッジを付けることで種類に応じた特殊能力を使えるようになります。
パラシュートを広げて滑空したり・空中スピンを強化したり・ふわっと高くジャンプできるようになる等の便利なバッジもあって、コースの特性と上手く噛み合うと楽にクリアできることも少なくないです。特にスピンを強化するフロートスピンは入手タイミングが遅めな代わりに超便利。
中にはスピードアップする代わりに勝手に走っていったり・常に跳ね続ける代わりに大ジャンプができるようになるといったリスクリターンが大きい効果を持つ物もあります。半分縛りプレイのようなバッジもあるし、コース毎にクリアしたバッジが記録される機能とかがなくて少しホッとしました。
しかし、特定のバッジがないと絶対に取れない収集要素というのはなさそうで、必須では無いけどあると楽になるという要素で留まっています。簡単になるのが嫌だと思う人はあえて身に付けないという選択も選べます。
ただし、一部のコースは特定のバッジを付けた状態で先に進んでいかないといけない「チャレンジコース」になっていて、そこだけは否が応でも指定されたバッジを使う羽目に。好きなバッジが使えないせいで難関も多い気が…。
また、本作ではインターネットで繋がっている他プレイヤーと協力し合うことでより楽しくなります。ソロプレイでは難しい…と感じる場所も助けてもらえば乗り越えられる可能性アップ。

協力プレイと言っても部屋を作って…といった事前準備は必要無く、最初に設定をしてネットに繋げる環境があれば勝手に他プレイヤーが半透明のライブゴーストとして参加してきたり・他の人が置いてくれたキャラパネルが出現するといった感じのとても緩い繋がりになっています。ライブゴーストはリアルタイムで同期しているため実質的には野良マッチングしているようなものなのですが、待ち時間が全く発生せずスムーズにコースに入れますし・スリープ状態から再開した時にも通信が切れましたなどのメッセージが一々出てこないのでとにかく快適です。
マルチプレイ時にミスすると一時的にタマシイに変化して、一定時間が経過する前に他のプレイヤーかキャラパネルに触れる事で残機を減らさずにその場で復活できます。上手く協力できればお互いに助け合いながら難所を超えたり、上手い人にくっついていってゴリ押したりもできちゃいます。
みんなで一緒に謎を解こう!というコンセプトの「みんなの広場」というコースもあって、4人で悩んで正解を教えたり教えてもらったりできたのも楽しかったです。みんなの広場は仕掛けに気づけないとクリアできない上にその隠し方も巧妙で結構難しく、その分最初に気づいて動きでヒントを伝えられた時にはかなりの達成感がありました。
私はマルチプレイというものが対戦型にしろ協力型にしろ苦手で基本的にはオフラインでプレイしているのですが、本作のゆるーいマルチプレイはそんな私でも楽しめました。助けられたり助けたりはできても邪魔をされたりしてしまう事が無いようになっているので、上手な人がサポートはできても下手っぴだからといって足を引っ張ることがないので気楽です。
しゃがんだ状態でXを押すとキャラパネルを設置できるので是非活用することをオススメします。ここはミスが多発しそう…と思った所や10フラワーコインや隠しゴールのヒント代わりに置いてあげると喜ばれるかも。
キャラパネルは各地のお店にてフラワーコインで購入できます。ガチャ形式でランダムに手に入れる以外に、スペシャルワールドのパネル屋ではちょっと値が張る代わりに特定キャラの持っていないパネルを優先的に埋めることもできるのでコンプリートは割と現実的。
ちなみに誰かを助けるとハートポイントを貰えます。たくさん集めると何かが起きるわけでもなさそうですが、どれだけ人の役に立っているかが数値として可視化される上に他プレイヤーからも累計ハートポイントが見れるので自己満足や承認欲求を満たせる要素です。
総評:驚きと楽しさの連続!WonderFullでWonderfulな新世代のスーパーマリオブラザーズ
ワンダーによるフィールドの大胆な変化やおしゃべりフラワーやゾウマリオといった珍妙な部分が最初に目に入ってきますが、それ以外にも制限時間が撤廃され探索により重きを置くようになったゲーム性やゆるいオンライン協力要素など、今までのスーパーマリオブラザーズには無かった要素がてんこ盛り。遊んでいてマンネリ感というのも全く感じなくて、最初から最後までずっと驚きと楽しさに満ちていたワンダフルな名作です。『Newスーパーマリオブラザーズ』から『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』まで続いてきた「New」の系譜とはまた違う、新世代のSMBと言うべき作品でもありました。
マリオシリーズ初挑戦の方からマリオファンまで基本的に誰でも楽しめると思うので、気になったらとりあえず遊んでみてください。特に初心者の方はオンラインに繋いで他の人やパネルに助けてもらいながら進めるのがオススメです。
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