【Steam/Switch】『添丁の伝説』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『添丁の伝説』を購入しました。

日本統治時代の台湾に実在したとされる義賊、廖添丁(りょう・てんてい)を主人公に据えた2Dアクションゲーム。
大正ロマンに似た雰囲気とe-shopで前からちょくちょくセールされていたのもあって前から気になっていた作品でしたが、ようやくプレイまで漕ぎ着けられました。
クリアまでにかかった時間は8時間程。収集アイテムを全て集めた時点でも10時間ぐらいだったので値段で判断するなら短めの作品ですが、2つあるエンディングを両方見ようとすると2周は遊ぶ必要があります。

舞台は20世紀に入ったばかりの台北。主人公の廖添丁(ゲーム内では台湾語読みの「リャオ・ティエンディン」呼び)は悪い金持ちから盗んだ財を民に配っている一人の青年です。
上級国民や日本の統治警察からは厄介者として警戒されている一方で、地元民からは英雄視もされており街中を堂々と走っていても通報されない程度には信頼が厚々。さすがに警察に直接見つかってしまうと乱戦もやむなしですが…。
グラフィックやUIは香港漫画をイメージして描かれており、レトロな絵柄も相まって味があります。会話やイベントシーンもコマ割りになってるなど、漫画らしい表現へのこだわりも凄い作品です。
句読点が文の中心線に合わせて書かれているのがちょっと変わっているなーと思いましたが、調べてみると香港漫画ならではの書き方らしくてこんな所も再現されているのか…とビックリしました。当然オノマトペも漢字で表されているのですが、何となくどんな音かわかるのも面白い点。
背景含む書き込みも細かくて、看板一つ一つのデザインや街中にいるNPC達、敵キャラの動きも作り込まれています。街並みは一見すると明治〜大正時代の日本によく似ていますが、細かい所や農村部まで目を向けてみると中華圏の伝統様式も多分に含まれていてエキゾチックみも感じるのがめっちゃ好き。
各章の間に挟まれるあらすじ語りがラジオから流れてきている設定なのも個人的にお気に入りです。特に章開始前の「この章で確かめよう!」というお決まりセリフ好き。
作中に出てくるキャラにもパートボイスがついてますが、キャラの国籍でボイスの言語もちゃんと使い分けられていて、台湾人のキャラは台湾語を・日本人のキャラは日本語を話します。日本語については僅かに訛りを感じるキャラもいましたが、ほとんどは違和感を感じない程度には自然です。
今でこそ台湾は親日というイメージがありますが、作中の時代は統治下に置かれてからの年数が浅いこともあって、日本に対しては歓迎とは程遠いムードが漂っています。ストーリーでも戦前日本の悪い所が多めに描かれているので、遊んでいて複雑な気持ちにならないと言うと嘘になります。
だからと言って抗日系の作品というわけではなく、台湾側から見た歴史としてこういうこともあったという表現に収まっていると思いますし、悪い日本人もいれば悪い台湾人も出てくるので国籍関係なく悪どい奴が悪どく描かれているだけとも。逆に、善良な台湾人もいれば善良な日本人も出てきます。
基本操作はA+Lスティックでカンフー技・Yでナイフ攻撃・Bでジャンプ・Rで回避・Lでワイヤー代わりの腰帯伸ばし・△で回復。カンフー技にはMP(時間経過回復)、回復にはグアバオ(敵のドロップやチェックポイント等で補充可)を消費します。
戦闘中には相手が隙を見せた時にXで腰帯を巻き付け武器と少量のお金を奪ったり、銃弾をナイフで打ち返すなどの特殊な状況下でのみ使えるアクションも存在します。
奪った武器は一定回数だけナイフの代わりに使用可能になります。棍棒・斧・竹竿・メリケンサック・火炎瓶・グレネード・ピストル・アサルトライフルなど、ザコ敵が持ってくる武器は全てこちらも使うことができるようになっていて各種専用のモーションが用意されています。
武器を奪うことで相手の攻撃手段を減らすこともできますし、威力が高かったり遠距離から攻撃できる物もあるので、奪える物はガンガン拝借して活用しちゃいましょう。
操作感は全体的にスピーディーで動かしていて楽しいです。最初のうちはワイヤーひっかけジャンプの角度調整が難しく感じたものの、慣れると複数のワイヤーを伝っていく所もミスなく行けるようになるし、戦闘中も回復や攻撃をキャンセルしての回避もできるし身軽に飛び回れます。
ストーリー進行に合わせて使用できるアクションも増えていき、ジャスト回避で発動するカウンター攻撃など戦力強化になる技もあれば・壁キックなど探索できる場所を増やす技も用意されています。収集アイテム回収には先のステージで覚えられるアクションを習得した後に戻ってくる必要があるケースもわずかに存在。
各ステージの最後にはボスも登場します。ボスは攻撃力だけでなくエフェクトも派手だし、途中で2回ぐらいパターンが変わるのもあって中々に手ごわい相手ばかり。
ただしこちらも回避が優秀なおかげで割とどうにかなります。初見突破は厳しいものの激つよという程ではなくて、5回程やり直して全パターン見れたら行けるようになる感じ。
難易度はイージー相当の優しき盗賊・ハード相当の指名手配犯から選べます(途中での変更も可能)。雰囲気とストーリーを追いたいだけなら優しき盗賊で遊ぶのもいいですが、ゲームとしても楽しみたいなら指名手配犯で簡単すぎず難しすぎずでちょうどいい塩梅。
指名手配犯だと受けるダメージが痛くなる他、やられた時に所持金を落としてしまいます。リトライは直前からやり直しでサクサクですが、即死ギミックもあるので出費が結構痛い。
とはいえ、敵を倒していけばすぐ取り返せる程度しか落とさないので大したペナルティではないし、特定のお守りを付ければ落とさなくもできるので気にしすぎなくても大丈夫。
入手したお金はお店でナイフを新調したり・グアバオの所持数を増やせる袋を買うなどで添丁を直接強化するのに回すだけでなく、街にいる物乞い達に施すために使えるのは義賊ならではのシステム。
お返しにコレクションアイテムを貰えるので余裕があるならどんどん助けていくのをオススメします。どうも施しをした回数がエンド分岐にも関わっているみたいで、見かける度に献金していたらストーリー終盤で逃げる敵を取り押さえてくれました。
物乞い以外の住民からも依頼を受けることができて、そちらの内容は特定のコレクションアイテムを入手しろというもの。こちらもエンド分岐に関わるものがあるのでクリアしておくといいかも(分岐条件についてはこちらのブログ様がとても参考になります)。
他にも、終盤で共闘するキャラが受けたダメージ量によって生存するか死亡するかが決まるようで、こちらもエンディング分岐条件に関わっている可能性がありそうです。グッドエンド狙いなら共闘者生存ルートに入っておくことをオススメします。
ちなみに、私の場合は1周目が共闘者死亡+サブミッションの条件を満たさずノーマルエンド・2周目が共闘者生存+サブクエストでの条件を満たしてグッドエンドに到達しました。史実に近いのはノーマルエンドですが、グッドエンドも見たくなって2周目も遊んでしまいました。
もう片方のエンディングも回収したい場合はもう一度最初から遊ばないといけないので少し大変。セーブデータをコピーしておくことができず、片方のエンドを見た後に分岐前に戻してくれたり・強くてニューゲームなどの救済措置もありません。
住民からの依頼の受注や施しもストーリーが進むとできなくなってしまうので、取り返しのつかなくなる要素はかなり多いです。章が変わる度に街や村を一通り見回っておくことをオススメします。

収集アイテムもあって、ステージ内の宝箱や敵のドロップ・施しや依頼の達成で入手することができます。全145種類。
クリア済みのステージやボスは永楽町にいるウー・ルチアンに話しかけると振り返りという形で再挑戦が可能で、開けそびれていた宝箱を探したり・お金稼ぎもできるようになっています。そのため依頼や施しで手に入るアイテム以外は終盤でも回収が可能です。
再挑戦時にはそのステージに未収集のアイテムがいくつ残っているかを確認できますし、隠し部屋が近づいた時にアナウンスしてくれるお守りがあったり、一度開けた宝箱は近くの壁に描かれたイラストにペケが付くので一目で入手済みであることがわかるようにもなっています。色んな仕様が収集の手助けをしてくれるのがありがたいポイント。
一方で施しで貰えるものと敵からドロップするものは揃えるのが少し大変です。アイテムの入手法などは見れないので、リストが埋まらない時は出会った敵を片っ端からしばいていくしかありませんし、施しで貰えるものに至っては終盤では回収不可能になってしまいます。
街中に隠されている物についても、屋根の上や茂みの中など分かりにくい所に隠されているので隅々まで探す必要アリ。落ちているアイテムに反応するお守りも欲しかった所ではあります。
コレクションアイテムは当時実際に流通していた商品や作中の建物に関する資料になっていて、メニューから集めたアイテムのイラストと説明を見ることもできます。
森永のミルクチョコレートやグリコのキャラメルなど、パッケージは違えど現代日本でも売られている商品が少なからずあるのも面白い所。100年も前からあった商品が今でも売られていること自体も凄いですが、それをコレクションとして集められる本作の作り込みも凄い。
単に資料として眺める以外にも、特定の武器の攻撃力アップやアイテムドロップ率アップなどのゲームを有利に進めるためのボーナスもついていて一石二鳥。集めるのが楽しいタイプのコレクションアイテムです。
もう1つの寄り道要素として、四色牌(スーソーパイ)をミニゲームとして遊ぶことができます。

四色牌は同色・同柄の札を2枚揃えてペアを作り、一番最初に5組のペアを作り上げた人が勝者となります。麻雀に少し近いルールかも?
親から時計回りで役が回っていき、山札から1枚ずつ引く代わりに手元のカードを1枚捨てるというのを繰り返していきますが、捨てられたカードは他のプレイヤーが獲得することができます。
別の人に捨てられたカードであがった場合はそのカードを捨てた人から賞金を受け取ることができ、山札から引いたカードであがった場合は他プレイヤー全員から賞金を受け取ることができます。後者の方法であがった場合は最後に山札から5枚ひく事ができるボーナスもあり、最後にポイントを換算して賞金が決定されます(レートは1ポイント=50銭)。
ぶっちゃけると、いかに早くペアを作れるか・いかに捨て札を相手に取られないかの運ゲーです。個人的には面白いとまでは思いませんでしたが、台湾文化に触れられることを考えると悪くはないミニゲームだと思います。
最初の1回だけはチュートリアルとしてプレイ必須ですが、2回目以降はやりたい時だけ遊べばいいオマケ要素という立ち位置になり、やり込みを強制されないのも良点。収集アイテムの四色牌も最初の1回を遊んだ時に貰えます。
クリアまでにかかる時間は収集アイテム回収含めて8時間かからないぐらいなので短めと言えて、クリア後に解禁されるやり込み要素もありません。エンド分岐回収で2周目を遊んだのを含めても15時間ぐらいで終わってしまったので、もう少しこの世界観を走り回りたかった…とは贅沢ながらも思いました。
ゲーム後半に出てきた格闘少年の正体も明かされないまま終わってしまったので、もしかしたら続編の制作予定があるのかもしれません。
日本統治時代の台湾が舞台だったり・主人公が義賊というのもユニーク。実際にその手で施しができるという所も面白かったし、コレクションアイテムも当時を知ることができる資料になっていて集めるのも説明を読むのも楽しかったです。
日本が少しでも悪く描かれるのが許せないという愛国精神MAXの人以外であれば基本オススメできる作品です。e-shopではセールがまあまあの頻度で行われているので、短いのが気になる人はセールを狙うのも有り。
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日本統治時代の台湾に実在したとされる義賊、廖添丁(りょう・てんてい)を主人公に据えた2Dアクションゲーム。
大正ロマンに似た雰囲気とe-shopで前からちょくちょくセールされていたのもあって前から気になっていた作品でしたが、ようやくプレイまで漕ぎ着けられました。
クリアまでにかかった時間は8時間程。収集アイテムを全て集めた時点でも10時間ぐらいだったので値段で判断するなら短めの作品ですが、2つあるエンディングを両方見ようとすると2周は遊ぶ必要があります。
任天堂の公式オンラインストア。「添丁の伝説 ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
・タイトル:添丁の伝説
・発売元:Neon Doctrine
・開発元:創遊遊戲
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:
-Steam版:2050円(税込)
-Switch版:2190円(税込)
・発売日:2021年11月2日
・ジャンル:横スクロールアクション
・IARC:16+(16歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©Neon Doctrine all rights reserved
・公式サイト:
https://www.neondoctrine.com/games/the-legend-of-tianding/
どういう人にオススメ?
・義賊となって強きを挫き弱きを助けたい人!
・日本統治時代の台湾を舞台にしたゲームを遊んでみたい人!
良かった点
・香港漫画をイメージしたグラフィックや演出の雰囲気が良い
・豊富なアクションとスピード感のある操作性で動かしていて楽しい
・相手から奪った武器をこちらも使用できる上に武器の種類も豊富
・コレクションアイテムが当時出回っていた商品や資料になっている
賛否両論?点
・エンドを両方回収したいなら周回プレイが必須
・1周にかかる時間は収集要素込でも10時間かからない程度
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:Neon Doctrine
・開発元:創遊遊戲
・対応ハード:PC(Steam)/Switch
・定価:
-Steam版:2050円(税込)
-Switch版:2190円(税込)
・発売日:2021年11月2日
・ジャンル:横スクロールアクション
・IARC:16+(16歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
©Neon Doctrine all rights reserved
・公式サイト:
https://www.neondoctrine.com/games/the-legend-of-tianding/
どういう人にオススメ?
・義賊となって強きを挫き弱きを助けたい人!
・日本統治時代の台湾を舞台にしたゲームを遊んでみたい人!
良かった点
・香港漫画をイメージしたグラフィックや演出の雰囲気が良い
・豊富なアクションとスピード感のある操作性で動かしていて楽しい
・相手から奪った武器をこちらも使用できる上に武器の種類も豊富
・コレクションアイテムが当時出回っていた商品や資料になっている
賛否両論?点
・エンドを両方回収したいなら周回プレイが必須
・1周にかかる時間は収集要素込でも10時間かからない程度
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
義賊として悪を懲らしめつつ弱者を助けよう

舞台は20世紀に入ったばかりの台北。主人公の廖添丁(ゲーム内では台湾語読みの「リャオ・ティエンディン」呼び)は悪い金持ちから盗んだ財を民に配っている一人の青年です。
上級国民や日本の統治警察からは厄介者として警戒されている一方で、地元民からは英雄視もされており街中を堂々と走っていても通報されない程度には信頼が厚々。さすがに警察に直接見つかってしまうと乱戦もやむなしですが…。
グラフィックやUIは香港漫画をイメージして描かれており、レトロな絵柄も相まって味があります。会話やイベントシーンもコマ割りになってるなど、漫画らしい表現へのこだわりも凄い作品です。
句読点が文の中心線に合わせて書かれているのがちょっと変わっているなーと思いましたが、調べてみると香港漫画ならではの書き方らしくてこんな所も再現されているのか…とビックリしました。当然オノマトペも漢字で表されているのですが、何となくどんな音かわかるのも面白い点。
背景含む書き込みも細かくて、看板一つ一つのデザインや街中にいるNPC達、敵キャラの動きも作り込まれています。街並みは一見すると明治〜大正時代の日本によく似ていますが、細かい所や農村部まで目を向けてみると中華圏の伝統様式も多分に含まれていてエキゾチックみも感じるのがめっちゃ好き。
各章の間に挟まれるあらすじ語りがラジオから流れてきている設定なのも個人的にお気に入りです。特に章開始前の「この章で確かめよう!」というお決まりセリフ好き。
作中に出てくるキャラにもパートボイスがついてますが、キャラの国籍でボイスの言語もちゃんと使い分けられていて、台湾人のキャラは台湾語を・日本人のキャラは日本語を話します。日本語については僅かに訛りを感じるキャラもいましたが、ほとんどは違和感を感じない程度には自然です。
今でこそ台湾は親日というイメージがありますが、作中の時代は統治下に置かれてからの年数が浅いこともあって、日本に対しては歓迎とは程遠いムードが漂っています。ストーリーでも戦前日本の悪い所が多めに描かれているので、遊んでいて複雑な気持ちにならないと言うと嘘になります。
だからと言って抗日系の作品というわけではなく、台湾側から見た歴史としてこういうこともあったという表現に収まっていると思いますし、悪い日本人もいれば悪い台湾人も出てくるので国籍関係なく悪どい奴が悪どく描かれているだけとも。逆に、善良な台湾人もいれば善良な日本人も出てきます。
基本操作はA+Lスティックでカンフー技・Yでナイフ攻撃・Bでジャンプ・Rで回避・Lでワイヤー代わりの腰帯伸ばし・△で回復。カンフー技にはMP(時間経過回復)、回復にはグアバオ(敵のドロップやチェックポイント等で補充可)を消費します。
戦闘中には相手が隙を見せた時にXで腰帯を巻き付け武器と少量のお金を奪ったり、銃弾をナイフで打ち返すなどの特殊な状況下でのみ使えるアクションも存在します。
奪った武器は一定回数だけナイフの代わりに使用可能になります。棍棒・斧・竹竿・メリケンサック・火炎瓶・グレネード・ピストル・アサルトライフルなど、ザコ敵が持ってくる武器は全てこちらも使うことができるようになっていて各種専用のモーションが用意されています。
武器を奪うことで相手の攻撃手段を減らすこともできますし、威力が高かったり遠距離から攻撃できる物もあるので、奪える物はガンガン拝借して活用しちゃいましょう。
操作感は全体的にスピーディーで動かしていて楽しいです。最初のうちはワイヤーひっかけジャンプの角度調整が難しく感じたものの、慣れると複数のワイヤーを伝っていく所もミスなく行けるようになるし、戦闘中も回復や攻撃をキャンセルしての回避もできるし身軽に飛び回れます。
ストーリー進行に合わせて使用できるアクションも増えていき、ジャスト回避で発動するカウンター攻撃など戦力強化になる技もあれば・壁キックなど探索できる場所を増やす技も用意されています。収集アイテム回収には先のステージで覚えられるアクションを習得した後に戻ってくる必要があるケースもわずかに存在。
各ステージの最後にはボスも登場します。ボスは攻撃力だけでなくエフェクトも派手だし、途中で2回ぐらいパターンが変わるのもあって中々に手ごわい相手ばかり。
ただしこちらも回避が優秀なおかげで割とどうにかなります。初見突破は厳しいものの激つよという程ではなくて、5回程やり直して全パターン見れたら行けるようになる感じ。
難易度はイージー相当の優しき盗賊・ハード相当の指名手配犯から選べます(途中での変更も可能)。雰囲気とストーリーを追いたいだけなら優しき盗賊で遊ぶのもいいですが、ゲームとしても楽しみたいなら指名手配犯で簡単すぎず難しすぎずでちょうどいい塩梅。
指名手配犯だと受けるダメージが痛くなる他、やられた時に所持金を落としてしまいます。リトライは直前からやり直しでサクサクですが、即死ギミックもあるので出費が結構痛い。
とはいえ、敵を倒していけばすぐ取り返せる程度しか落とさないので大したペナルティではないし、特定のお守りを付ければ落とさなくもできるので気にしすぎなくても大丈夫。
入手したお金はお店でナイフを新調したり・グアバオの所持数を増やせる袋を買うなどで添丁を直接強化するのに回すだけでなく、街にいる物乞い達に施すために使えるのは義賊ならではのシステム。
お返しにコレクションアイテムを貰えるので余裕があるならどんどん助けていくのをオススメします。どうも施しをした回数がエンド分岐にも関わっているみたいで、見かける度に献金していたらストーリー終盤で逃げる敵を取り押さえてくれました。
物乞い以外の住民からも依頼を受けることができて、そちらの内容は特定のコレクションアイテムを入手しろというもの。こちらもエンド分岐に関わるものがあるのでクリアしておくといいかも(分岐条件についてはこちらのブログ様がとても参考になります)。
他にも、終盤で共闘するキャラが受けたダメージ量によって生存するか死亡するかが決まるようで、こちらもエンディング分岐条件に関わっている可能性がありそうです。グッドエンド狙いなら共闘者生存ルートに入っておくことをオススメします。
ちなみに、私の場合は1周目が共闘者死亡+サブミッションの条件を満たさずノーマルエンド・2周目が共闘者生存+サブクエストでの条件を満たしてグッドエンドに到達しました。史実に近いのはノーマルエンドですが、グッドエンドも見たくなって2周目も遊んでしまいました。
もう片方のエンディングも回収したい場合はもう一度最初から遊ばないといけないので少し大変。セーブデータをコピーしておくことができず、片方のエンドを見た後に分岐前に戻してくれたり・強くてニューゲームなどの救済措置もありません。
住民からの依頼の受注や施しもストーリーが進むとできなくなってしまうので、取り返しのつかなくなる要素はかなり多いです。章が変わる度に街や村を一通り見回っておくことをオススメします。
コレクション要素やミニゲームで寄り道

収集アイテムもあって、ステージ内の宝箱や敵のドロップ・施しや依頼の達成で入手することができます。全145種類。
クリア済みのステージやボスは永楽町にいるウー・ルチアンに話しかけると振り返りという形で再挑戦が可能で、開けそびれていた宝箱を探したり・お金稼ぎもできるようになっています。そのため依頼や施しで手に入るアイテム以外は終盤でも回収が可能です。
再挑戦時にはそのステージに未収集のアイテムがいくつ残っているかを確認できますし、隠し部屋が近づいた時にアナウンスしてくれるお守りがあったり、一度開けた宝箱は近くの壁に描かれたイラストにペケが付くので一目で入手済みであることがわかるようにもなっています。色んな仕様が収集の手助けをしてくれるのがありがたいポイント。
一方で施しで貰えるものと敵からドロップするものは揃えるのが少し大変です。アイテムの入手法などは見れないので、リストが埋まらない時は出会った敵を片っ端からしばいていくしかありませんし、施しで貰えるものに至っては終盤では回収不可能になってしまいます。
街中に隠されている物についても、屋根の上や茂みの中など分かりにくい所に隠されているので隅々まで探す必要アリ。落ちているアイテムに反応するお守りも欲しかった所ではあります。
コレクションアイテムは当時実際に流通していた商品や作中の建物に関する資料になっていて、メニューから集めたアイテムのイラストと説明を見ることもできます。
森永のミルクチョコレートやグリコのキャラメルなど、パッケージは違えど現代日本でも売られている商品が少なからずあるのも面白い所。100年も前からあった商品が今でも売られていること自体も凄いですが、それをコレクションとして集められる本作の作り込みも凄い。
単に資料として眺める以外にも、特定の武器の攻撃力アップやアイテムドロップ率アップなどのゲームを有利に進めるためのボーナスもついていて一石二鳥。集めるのが楽しいタイプのコレクションアイテムです。
もう1つの寄り道要素として、四色牌(スーソーパイ)をミニゲームとして遊ぶことができます。

四色牌は同色・同柄の札を2枚揃えてペアを作り、一番最初に5組のペアを作り上げた人が勝者となります。麻雀に少し近いルールかも?
親から時計回りで役が回っていき、山札から1枚ずつ引く代わりに手元のカードを1枚捨てるというのを繰り返していきますが、捨てられたカードは他のプレイヤーが獲得することができます。
別の人に捨てられたカードであがった場合はそのカードを捨てた人から賞金を受け取ることができ、山札から引いたカードであがった場合は他プレイヤー全員から賞金を受け取ることができます。後者の方法であがった場合は最後に山札から5枚ひく事ができるボーナスもあり、最後にポイントを換算して賞金が決定されます(レートは1ポイント=50銭)。
ぶっちゃけると、いかに早くペアを作れるか・いかに捨て札を相手に取られないかの運ゲーです。個人的には面白いとまでは思いませんでしたが、台湾文化に触れられることを考えると悪くはないミニゲームだと思います。
最初の1回だけはチュートリアルとしてプレイ必須ですが、2回目以降はやりたい時だけ遊べばいいオマケ要素という立ち位置になり、やり込みを強制されないのも良点。収集アイテムの四色牌も最初の1回を遊んだ時に貰えます。
クリアまでにかかる時間は収集アイテム回収含めて8時間かからないぐらいなので短めと言えて、クリア後に解禁されるやり込み要素もありません。エンド分岐回収で2周目を遊んだのを含めても15時間ぐらいで終わってしまったので、もう少しこの世界観を走り回りたかった…とは贅沢ながらも思いました。
ゲーム後半に出てきた格闘少年の正体も明かされないまま終わってしまったので、もしかしたら続編の制作予定があるのかもしれません。
総評:ゲーム性良し・世界観良しの良作2D義賊アクション
ゲーム性では軽快なアクションに適度な難易度で遊びやすく、演出面でも漫画調のグラフィックとキャラの国籍に合わせたボイスがバッチリで、短いけれどもクオリティの高い良作です。日本統治時代の台湾が舞台だったり・主人公が義賊というのもユニーク。実際にその手で施しができるという所も面白かったし、コレクションアイテムも当時を知ることができる資料になっていて集めるのも説明を読むのも楽しかったです。
日本が少しでも悪く描かれるのが許せないという愛国精神MAXの人以外であれば基本オススメできる作品です。e-shopではセールがまあまあの頻度で行われているので、短いのが気になる人はセールを狙うのも有り。
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