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【Steam/Switch/PS4】『TokyoDark -Remembrance-』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】

2022/04/13
ゲーム感想&レビュー 0
Steamゲーム PCゲーム Switchソフト PS4ソフト ノベル
『TokyoDark -Remembrance-(東京ダーク リメンブランス)』を購入しました。

東京を舞台にしたホラーADV。Switch版がe-shopでセールしていたので購入しました。
開発は鎌倉に拠点を置いているインディーズスタジオですが、原案者は日本在住のイギリス人の方らしく半国産と言える作品です。
マルチエンディング形式のアドベンチャーで1周にかかる時間は2〜3時間ほど。題材こそ重いですが割とサクッと遊べます。

任天堂の公式オンラインストア。「Tokyo Dark Remembrance ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
内容の説明 東京の地下深く、そこにはドアがあるという。 入れば二度と戻れない。主人公の伊藤刑事となり、行方不明の相棒を求め東京を探索せよ。 都市の地下に眠る闇を解き明かす、アドベンチャーゲーム。 果たしてあなたは伊藤刑事の正気を保てるのか。
・タイトル:TokyoDark -Remembrance-
・発売元:
-Steam版:スクウェア・エニックス
-Switch版:UNTIES
-PS4版:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
・開発元:Cherrymochi/MEBIUS
・対応ハード:PC(Steam)/Switch/PS4
・定価:
-Steam版:1813円(税込)
-Switch/PS4版:1800円(税込)
・発売日:
-Steam版:2017年9月7日
-Switch版:2019年11月7日
-PS4版:2020年1月10日
・ジャンル:ホラーアドベンチャー
・CERO:C(15歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:
TOKYO DARK©2019 GODOGAISHA CHERRYMOCHI.ALL RIGHTS RESERVED
Published by Sony Music Entertainment (Japan) Inc. DEVELOPED BY MEBIUS
・公式サイト:
http://www.tokyodark.com/index-jp.html

どういう人にオススメ?
・日本が舞台のホラーADVを遊びたい人!
・都会に潜む闇を覗きこみたい人!

良かった点
・主人公が狂気に飲まれる描写はリアリティを感じる
・人間社会の闇が多数登場する上に内容も生々しい
・2000年代アニメ風味のイラストやムービーが可愛い

賛否両論?点
・目玉要素として紹介されているS.P.I.Nシステムがあまり活かされていない
・物語の最後はもはやファンタジーの領域に突入してしまう

備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)



狂気と正気の狭間に立つ刑事が主人公


先に忠告しておきますが、一部分に流血表現や精神的恐怖を与えてくる場面があるので苦手な方は注意(まあホラーゲームだし…)。特に能面恐怖症の方は要注意です。
主人公の伊藤絢美は女性刑事。恋仲兼仕事パートナーである田中が行方不明になったことと古民家から謎の能面を押し付けられたことを皮切りに狂気に蝕まれていくこととなります。
ゲーム開始初っ端から絢美の精神はボロボロで、田中にナイフを付き尽きている謎のゴスロリ少女の幻覚を見たり・急な殺人衝動に襲われたりすることも。しかも情緒不安定さはストーリーを進めていく程に悪化していきます。
冷静に状況分析して行動しているかと思えば、急に突拍子のないことを言い出す場面も多くて正にSAN値ゼロ状態。イベントでも顔を引き攣らせて発狂したり・病む場面も多くて精神的に追い詰められている様子に現実味があります(フェチズムに刺さる人もいそう)。
フルボイスではありませんが欲しいところのボイスはちゃんと用意されているので、そういう意味でも絢美の心情が伝わってきやすく雰囲気はバッチリです。

そんな主人公の精神状態を表すステータスとしてS.P.I.N値と呼ばれるものが用意されています。SはSAN(正気度)PはPROFESSIONALISM(警察としての責任感)IはINVESTIGATION(調査能力)NはNEUROSIS(ノイローゼ度)の頭文字との事。
酷く傷んだ遺体や幻覚などを見た時はSが、警察としての規範から逸脱した行動を取るとPが、謎解きをミスるとIが、何度も同じ行動を繰り返すとNが下がっていきます。
減る一方ではなく回復手段もあって、精神安定剤を飲むことでSが、グルメを楽しんだりするとSやNが、警察らしい対処をするとPが回復します。
S.P.I.N値の内エンディングに関わってくるのは主にSとPですが、チュートリアルなどで念を押される割に相当偏ったプレイをしない限りそこまで影響してこないのは難点かも。
一応SとPに関しては-100まで振り切ると専用のバッドエンドが見れたり・終盤で選べる選択肢が入れ替わったりするので存在意義はあります。一方でIやNは振り切らせてもゲーム進行にはほぼ影響がなく死にステータスになってしまってます。
というかNはほぼ0の状態に保っていてもストーリーの展開上勝手にノイローゼ気味になっていくので、プレイヤーの意思に関わらず物語の進行で自動的に上下する項目でも良かったのではないかと思います。そっちの方が絢美が追い詰められている度合いがプレイヤー側にわかりやすく表示されるという意味では有意義なステータスになったかも。

ゲームの内容的には、町を歩き回って怪しい所を調べたり・NPCとの会話からヒントを得てフラグを立てつつ物語の真相を探っていく感じで進めていきます。
元々はポイントクリック型のゲームだったみたいですが、コンシューマーゲーム機に移植するにあたって調べられるポイントがわかりやすくなったようです。複数の調査ポイントが同時に表示されている時はLボタンとRボタンで対象を切り替えられます。
探索要素もありますが、そのほとんどに強硬手段が用意されていることがあって無視して進めることができる場面も多いです。例を挙げると、怪しい人物や同僚を脅したり・鍵が見つからない錠前を銃でぶっ壊したり・引き止めてくる駅員をぶん殴って気絶させたり…etc。
プレイヤー側からすると面倒な探索をスルーできて助かる要素となっていますが、世界観的には刑事とはいえ常に銃を携帯しているのも中々にヤバいし「面倒だから銃で壊そ」「うるさいヤツは殴って黙らせよ」という選択肢が出る時点で既にアウトロー気味である事を表現しているのだと思われます。
当然ラフプレーは褒められない行為なのでPが下がるというデメリットがありますし、それ以外に任務中にお酒を飲んだりしてもPが下がります。時折こんなので下がるの!と思う場面もあったりしますが、人間としては良くても「警察としては」ダメという選択肢もあるので油断できません。
ぶっ飛びプレイもやりすぎなければ大丈夫ですが、常に警官らしい行動を求められるという点ではロールプレイングゲームでもあると言えるかも。

行動次第で13のエンディングに分岐


東京が舞台ということで、探査できるエリアは新宿・秋葉原・歌舞伎町・浅草・北鎌倉と実際の地名が出てきます。一つだけ東京都じゃないエリアも混じっていますが電車を使えば1時間以内で行ける範囲なのでセーフ?
日本有数の人口過密地域であるだけに欲望も数多く渦巻いており、変態オヤジが出現したり・JKビジネス店の話が出てきたり・ヤーさん絡みのバーがあったり・地下アイドルの待遇の悪さが垣間見えたり・カルト教団によって人生が狂った人の様子が語られたり…など挙げるとキリがないほど都会に潜む色んな闇が描かれています。
登場する社会の暗黒面がバリエーション豊富すぎるせいで、ホラー要素としても能面関連の話よりこっちがメインになっている気がします。怖いのは幽霊や怪物よりも人間というハナシ。
一方で「せっかく繁華街に来たからには何か楽しまないともったいない!」と言わんばかりに寄り道要素も用意されていて、秋葉原のメイドカフェでパンケーキを食べたり浅草でたこ焼きを食べたりもできます。
他にも、家で猫を可愛がったり・猫カフェに立ち寄ったり・各地に置かれている猫のオブジェクトを見つける隠し要素も存在。猫に関わる隠しエンディングまであったりするので、絢美だけでなく製作者も間違いなく猫好き。
キャラクターの立ち絵やイラストはアニメ風味で可愛めなのでお楽しみシーンはとことん可愛く、恐怖シーンも多少怖さが和らいでいる感じがします。時折流れるムービーも2000年代初期のアニメっぽくて個人的には好き。

ちょくちょく見える社会の闇の方に目が行きがちですが、物語の本筋は謎の能面やゴスロリ少女の正体を追うことです。この先ネタバレ注意(核心部分については黒塗りで隠しておりますが念の為)。
能面と少女というパッと見では関連性のなさそうな組み合わせですが、どちらもルーツを辿ると「ヒルコの船」という神道系のカルト教団に辿り着くので関係アリアリです。
キーアイテムである能面は不気味なだけではなく実際にとんでもない力を秘めているシロモノ。ちょっぴり日本神話が関わってくるので、イザナミとイザナギの話ぐらいは予備知識として知っていた方が話が入ってきやすいかも。
最終的には能面をどうするかで物語が大きく分岐し、自分のために使う新宿ルートに9個(内NewGame+限定で既存のルートにエピソードが追加されるものが2種類)破壊する鎌倉ルートに2個(うち片方はPが下がりすぎての逮捕エンド)それ以前に迎えられる2個(精神薬オーバードーズエンドSが減りすぎて発狂エンド)全11+2種類のエンドが存在します。
個人的には都会の裏の顔や主人公の狂気表現が面白い所だと感じていたので、最終盤になってから急にファンタジー展開になってしまったのが少し残念。特にあるエンドの最後に神と名乗る存在まで出てきたのには都合の良さを感じてしまいました。
どれも明確にハッピーとは言い難いエンドばかりですが、1周目クリア後に解禁される「NewGame+」限定の2ルートが最もトゥルーエンドに近い終わり方だと思います。絢美と田中の馴初めを見れるオブジェクトが追加されることもあってが2周目以降が本番。
セーブ機能についても1周目はオートセーブ以外不可能で後戻りできないのに対し、2周目からようやく任意セーブとデータの複数保存(最大6個)ができるようになります。ただし、メニューを開けば即セーブ&ロードができる訳ではなく特定のタイミングでしか行えないので使い勝手は悪め。
とりあえず1周目は自分がやりたいように行動して適当にエンディングを目指し、2周目からエンド回収を意識するのをオススメします。
ノベルゲームとしては周回が大変な方だと思います。セーブスロットの数も6個と少なく・既読の文章だけスキップする機能がなかったり・見た事のあるエンディングの種類が記録されないなど、周回前提のゲームとしては少しシステム不足な感じも否めないです。



総評:人間社会に潜む闇の描写が豊富なホラーADV

人間の欲望の罪深さを細かく描写したサイコホラーでもある一方、能面に宿った力が物語に大きく関わってくる心霊ホラーでもあるハイブリッドな作品。
人間社会の闇を書いていると思ったら急に日本神話が出てきて最後にはファンタジーになったりとテーマがとっちらかっている感もありましたが、全編通してホラーはしていると思います。割合としては人間の怖さ9:霊的な怖さ1ぐらい。
絢美が狂気に飲まれる様は中々に臨場感があって良かったです。アキバでパンケーキを嬉しそうに頬張る姿と発狂している姿の落差が凄くて好き…。
S.P.I.N値(特にN)に関しては大々的に解説される割にストーリーにおける存在感が薄かったので、もう少し物語に影響してきてもよかった気はします。
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