【Switch/AppleArcade】『ワールズエンドクラブ』を遊んだ感想&レビュー【クリア済】
『ワールズエンドクラブ』を購入しました。

ダンガンロンパシリーズを手掛けた小高和剛氏がディレクターを務めているということで気になっていたソフトです。パッケージの女の子(バニラ)が可愛い。
コロコロでコミカライズされていたようでターゲット層は間違いなく小学生…なのにCERO判定はB。デスゲームものでCERO:Aは難しいよね。
今回遊んだのはSwitch版。AppleAc版の方が早く配信されていましたが、配信当初はストーリーが途中で終わってしまうシリ切れトンボ状態だったとの事。
Switch版はストーリーの続きが補填されていてちゃんと完結していますが、AppleAc版の方も既にアップデートで続きが追加されて最後まで遊べるようになったとのこと。ハード間の違いは操作方法以外無さそうです。
予測できないストーリーが面白い作品ですが、感想を述べる上でネタバレゼロは難しかったのでネタバレ箇所は黒塗りで隠してあります。

舞台は1995年の日本。落ちこぼれ小学生集う「ガンバレ組」が修学旅行先の鎌倉に行くために乗っていたバスが突如降ってきた隕石の衝撃波により横転、目を覚ますと海底遊園地に移動していてピエロピなるマスコットが仕切るデスゲームに参加させられる、というデスゲームものにありがちな唐突な始まり方で本作はスタートします。
デスゲームに参加することになるのは、主人公のれいちょ・ヒロインのバニラ・関西・チュー子・モーちゃん・ニョロ・兄貴・パイ・たっつん・ポチ・ジェンヌの11人。みんな十二支にいる動物がモデルになっています。なんか1人足りないような…。
最初に行われるゲームは「ノルマゲーム」と呼ばれるもので、自分以外の誰かのノルマが書かれたバンドルを身につけた状態でどうにかして自分のミッションを確認してこなせば勝ち・最初にノルマをこなした人以外は負けとなり処刑される…という、小学生相手に仕掛けるには中々に残酷なルール。
デスゲームものは小高和剛氏と打越鋼太郎氏の得意分野ということもあって、参加しているキャラの心理表現はさすがのもの。ノルマの内容自体は非常に簡単なのですが、互いにバンドルを見せる・見せないの心理戦もあってガンバレ組同士でギスギスする羽目に。
中には手段を選ばないキャラもいて、協力を持ちかけられた時に素直に従うと裏切られてゲームオーバーになることも…。
第一ゲームはれいちょの機転で誰も処刑されずに済むのですが、ピエロピは容赦なく第二のゲームを始めようとします。ここまでは体験版でも遊べる内容。
……しかしながら、パイがピエロピをぶっ飛ばしてデスゲームの終わりを宣言。ここで今作のデスゲームパートはガチで終わります。

デスゲームをやったのはゲーム開始からわずか30分程度で、本作のメインは後のアクションパート。この開発メンバーならがっつりデスゲームするだろうと思わせといて裏切る流れは小高さんらしくて嫌いじゃないです。
そもそも、ゲームを買う前の段階でデスゲームものでは無いと気づける伏線が多数張られています。例を挙げると、任天堂の商品紹介ページでアドベンチャーパートの画像や映像をバリバリ見せていたり、パッケージ裏面にも「1200kmを横断する日本各地を巡る旅が始まる」と書かれていてもはや隠す気が無いレベル。
ちなみに、AppleArcade版配信直前までは「デスマーチクラブ」というタイトルでガッツリとデスゲームものに見えるように予告しており、そっち方面で楽しみにしていた人を騙した形となってしまいプチ炎上したみたいです。Switch版はデスゲームものじゃないアピール多めなのはそのせい?
デスゲームを強制的に終了させたガンバレ組は潜水艦を見つけて海底から地上へ脱出することに成功します。しかしたどり着いたのはなぜか鹿児島県、しかもいつの間にか人類が滅亡していたというこれまたトンデモ展開。
人類滅亡は小学生にどうにかできる問題ではないので、とりあえずは学校がある東京まで帰るのを目標として1200kmの道のりをみんなで旅することに。
ここから先はガンバレ組メンバー全員で協力しあいながら話が展開されていくのでノルマゲーム中のギスギス感は微塵もなくなり、仲がいいガンバレ組の様子を見ることができます。

ゴール地点は東京固定ですが、途中のルートは選択肢によって変更が可能。1回目に福岡・大分、2回目に四国に残るか・残らないか、3回目に大阪・京都の2つから選択肢が出ます。
選んだ選択肢で話の内容やアクション部分のコースやボスが違いますが、最終的に辿り着くストーリーに変化はありません。一部のセリフがルート選択で変わりますがそれぐらいの差。ストーリークリアまでにかかる時間は10時間程度。
後からチャプターセレクトという形で行っていないルートのシナリオも見れるようになるので最初は好きな県を選んで構いませんが、ストーリーを理解したいなら福岡→四国に残る→京都のルートで進むのがオススメ。
ルートによって得られる情報の量に大きな差があって、第1の選択肢で福岡に行かないと今後の展開に関わる伏線が見られなくて山口県で仲間になる雪ちゃんの前ぶりも出てこないしで唐突に仲間が増えたように感じますし・第3の選択肢に至っては京都に行かないと物語の根幹に関わる情報を得られません。
というか大阪ルートは蛇足感がめちゃくちゃ強いです。かに道楽と戦う以外大した情報を得られないので、途中から強制的に京都ルートに合流する仕様でもよかったかも。
1回目の東京到着時は乗っていたヘリに隕石が当たってしまうというバッドエンドを見る羽目になります。その後に開放される岐阜ルートを選んで東京にたどり着くと、晴れてトゥルーエンドを見ることができます(ネタバレ)。
ちなみに、直線的に東京まで向かうこともあり東京より北にある北海道や東北はもちろんのこと、山陰や和歌山など通り道にない県は完全にスルーされます。北海道と沖縄はともかく東北にも行けると思ったらまさかのノータッチ…。
ここからはさらにネタバレ増えます。ストーリーの根幹となる部分は隠してますが、苦手な方は注意。
終わってから考えると、1995年というのは何とも微妙な時代設定でした。子どもをターゲットにしたゲームで舞台にするには昔すぎるし、当時に思いを馳せれる大人がやるようなゲーム内容でもないし…かと思えば現代から見てもオーバーテクノロジーな技術も出てきたりするしで約25年前が舞台であることはあんまり生かされていません。
世界の終わりがテーマということでノストラダムスの大予言と物語を絡めてはいますが、恐怖の大王とかの話をしても今の子ども達は知らないと思います。実際に流行った滅亡論を使うにしても2012年のマヤ文明カレンダー辺りの方がワンチャン知っていそう。
とはいえ、二転三転しながら衝撃の設定が明かされる展開の仕方は面白いと感じました。よく考えるとツッコミどころ満載なのですが、細かい所の整合性よりもプレイヤーをいかに驚かせるかに全力を尽くしている感じ。
賛否両論出そうなトンデモ展開だらけのストーリーではありますが、帳尻を合わせるような説明は多少されるので(納得できるかは個人差ありますが)「そういうもんなんだ」と割り切れれば面白いと思います。
個人的にはれいちょが喋らない理由はロボットだったからとか、ポチがいつもゲームしているように見えたのは異世界人(プレイヤー)と交信しつつれいちょの操作をしていたからとか、終盤のバニラを助ける場面ではゲーム中のキャラ(ポチ)とプレイヤーが協力するという形で謎を解くという展開はメタいながら説得力もあって好き。でもれいちょ機械バレ直後のポチが裏切り者扱いされて仲間から手のひらひっくり返したように責められるシーンは納得いかないし好きくないよ。
終盤には答え合わせの如く色んなことが明かされますが、どれも最初のデスゲーム~冒険中からはこんなことになっているとは全くもって予測できませんでした…もっとエグい展開になるかと期待していたのはヒミツ。
最後はちょっとご都合展開を感じるもののガンバレ組が誰も欠けずハッピーエンドで終わるので後味もスッキリ。
ダンガンロンパのようなダークな雰囲気・エグい下ネタや絶望の中の一抹の希望みたいな展開を求めていると全くもって物足りませんが、漫画版のことを考えると王道なストーリーと言えます。少なくとも小学生には遊ばせても安心できる作品になっていると思います。
出てくる下ネタも性的なのはなく小学生レベルのものばかり。男性の大事な所ネタがよく出てくるので下品なゲームではあることは間違いありませんが。
ただ、その下ネタが出てくる頻度がやたらと高く大人の目から見ると笑えないし目にもつきます。歩くロボットに歩行ちんと名付けるなど強引なのもあってクドく感じましたし、女の子であるはずの雪ちゃんがやたら反応するのにも違和感がありました…。
ポケモンにもきんのたまがあったりするので下ネタを全然出すなとは言いませんがさらりと流す程度で抑えて欲しかったです。主人公達は小学生だから仕方ないとはいえ6年生なら下ネタで笑うのも落ち着いていそうですがね…。

地上に出てからはアクション面の間にイベントが挟まる感じでゲームが進んでいきます。メンバーは選んだルートによって変わりますが大体3〜4人ほど連れて回ります。
一度でも敵の攻撃や体に当たったり落下してしまうとゲームオーバーのオワタ式。見た目に似合わず気を抜くと簡単に死が訪れる意外とシビアなゲームでもあります。
やられても直前からやり直せますし・要求されるアクションの難易度自体も低いのですが、ジャンプなどの動きがモッサリしている上に死に覚えが前提な場面も少なくないことも相まってよく死ねます。海底遊園地でのゲーム以上にデスゲームしてる…。
コースの背景は綺麗で人が急にいなくなったような寂しさと違和感に加えてちょっとノスタルジーを感じる雰囲気は好きです。ただ、それ以上にアクションゲームとしての出来が良くないことの方が印象に残っているのが何とも…。
ボス相手も攻撃が当たれば即死な分パターンは単純、しかし敵の体力が妙に多いしこっちは常にサドンデスモードなので変に心臓に悪いしであんまり楽しめませんでした。
死ぬ度にスローモーションになる→ゲームオーバー演出が挟まるのを見てからでないとリトライできずテンポが悪いのも難点。これに関してはプレイヤーがミスする度にガンバレ組が死んでるんだよ~という何とも悪趣味な演出ではあるとは思いますが、操作レスポンスの悪さで死んだ様な場面も多くイライラさせられることが多かったです。
道中には謎解きのようなギミックもありますが、ほとんどはガンバレ組が個別に持つ特殊能力(れいちょなら物を投げる「一球入魂(ダイリーグボール)」…など)を用いて解くものが多いです。
一見だと任意でメンバーを入れ替えて自分で謎を解いて進めるゲームにも見えるのですが、残念ながら今作はメンバーを任意で入れ替えることができません。そのため、ギミック登場→メンバーチャンジ→特殊能力使用という流れが強制的に行われるのでやらされている感じが強く、謎を解く快感はありませんでした。
道中の死にやすさに対して謎解きのヒントが手取り足取りで丁寧すぎる仕様はチグハグに感じました。個人的な意見ですが、逆パターンの謎解きヒントなし・道中アクションは死ににくい方が好きだったかも。
道中にはシールという収集要素もありますが、クリア後にやれることといえばシール集めのみ。一度トゥルーエンドを見れば十分と思って集めていませんが、シールコンプまで目指しても多分20時間はかからないと思います。
アクションゲームとして一級品のアストラルチェインやエルシャダイの直後に遊んでいることもあって、今作のもっさりアクションは余計しんどく感じました…これでもスマホ版の操作に比べると改善されているらしいので死ににくくなっているとかマジ?
アクションのつまらなさがストーリーのテンポを損なっていると感じたレベルだったので、いっそジャンルをADVにして探索とストーリーを読み進めるだけの仕様でも良かったかも。
キャラクターかストーリーが合わない人には全く面白く感じられないゲームだと思います。キャラが気になる人はまずSwitch版の無料体験版を遊んでどんな子がいるか見てみてから考えるのがオススメ。
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ダンガンロンパシリーズを手掛けた小高和剛氏がディレクターを務めているということで気になっていたソフトです。パッケージの女の子(バニラ)が可愛い。
コロコロでコミカライズされていたようでターゲット層は間違いなく小学生…なのにCERO判定はB。デスゲームものでCERO:Aは難しいよね。
今回遊んだのはSwitch版。AppleAc版の方が早く配信されていましたが、配信当初はストーリーが途中で終わってしまうシリ切れトンボ状態だったとの事。
Switch版はストーリーの続きが補填されていてちゃんと完結していますが、AppleAc版の方も既にアップデートで続きが追加されて最後まで遊べるようになったとのこと。ハード間の違いは操作方法以外無さそうです。
予測できないストーリーが面白い作品ですが、感想を述べる上でネタバレゼロは難しかったのでネタバレ箇所は黒塗りで隠してあります。
・タイトル:ワールズエンドクラブ
・発売元:イザナギゲームズ
・開発元:Too Kyo Games/グランディング
・対応ハード:スマホ(AppleArcade)/Switch
・定価(Switch版):
パケ版:5478円(税込) / DL版:4928円(税込)
・発売日(Switch版):2021年5月27日
・ジャンル:アクションアドベンチャーゲーム
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:©IzanagiGames, Inc.
・公式サイト:
https://www.deathmarchclub.com/
どういう人にオススメ?
・小学生の仲間と一緒に(西)日本を旅をしたい人!
良かった点
・メインキャラクターのガンバレ組が可愛い
・ストーリーは先の読めない展開とどんでん返しの山
賛否両論?点
・アクションパートはモッサリ、謎解きもさせられている感が強い
・死に覚えが前提なのに死ぬ度長めのゲームオーバー演出が挟まるのでリトライまでのテンポが良くない
・たまに挟まる小学生レベルの下ネタは出てくる頻度が多くちょっと不快
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
・発売元:イザナギゲームズ
・開発元:Too Kyo Games/グランディング
・対応ハード:スマホ(AppleArcade)/Switch
・定価(Switch版):
パケ版:5478円(税込) / DL版:4928円(税込)
・発売日(Switch版):2021年5月27日
・ジャンル:アクションアドベンチャーゲーム
・CERO:B(12歳以上対象)
・プレイ人数:1人
・権利表記:©IzanagiGames, Inc.
・公式サイト:
https://www.deathmarchclub.com/
どういう人にオススメ?
・小学生の仲間と一緒に(西)日本を旅をしたい人!
良かった点
・メインキャラクターのガンバレ組が可愛い
・ストーリーは先の読めない展開とどんでん返しの山
賛否両論?点
・アクションパートはモッサリ、謎解きもさせられている感が強い
・死に覚えが前提なのに死ぬ度長めのゲームオーバー演出が挟まるのでリトライまでのテンポが良くない
・たまに挟まる小学生レベルの下ネタは出てくる頻度が多くちょっと不快
備考
(当ブログの画像はSwitch本体の機能を用いて撮影)
内容はしっかりデスゲームもの…?

舞台は1995年の日本。落ちこぼれ小学生集う「ガンバレ組」が修学旅行先の鎌倉に行くために乗っていたバスが突如降ってきた隕石の衝撃波により横転、目を覚ますと海底遊園地に移動していてピエロピなるマスコットが仕切るデスゲームに参加させられる、というデスゲームものにありがちな唐突な始まり方で本作はスタートします。
デスゲームに参加することになるのは、主人公のれいちょ・ヒロインのバニラ・関西・チュー子・モーちゃん・ニョロ・兄貴・パイ・たっつん・ポチ・ジェンヌの11人。みんな十二支にいる動物がモデルになっています。なんか1人足りないような…。
最初に行われるゲームは「ノルマゲーム」と呼ばれるもので、自分以外の誰かのノルマが書かれたバンドルを身につけた状態でどうにかして自分のミッションを確認してこなせば勝ち・最初にノルマをこなした人以外は負けとなり処刑される…という、小学生相手に仕掛けるには中々に残酷なルール。
デスゲームものは小高和剛氏と打越鋼太郎氏の得意分野ということもあって、参加しているキャラの心理表現はさすがのもの。ノルマの内容自体は非常に簡単なのですが、互いにバンドルを見せる・見せないの心理戦もあってガンバレ組同士でギスギスする羽目に。
中には手段を選ばないキャラもいて、協力を持ちかけられた時に素直に従うと裏切られてゲームオーバーになることも…。
第一ゲームはれいちょの機転で誰も処刑されずに済むのですが、ピエロピは容赦なく第二のゲームを始めようとします。ここまでは体験版でも遊べる内容。
……しかしながら、パイがピエロピをぶっ飛ばしてデスゲームの終わりを宣言。ここで今作のデスゲームパートはガチで終わります。

デスゲームをやったのはゲーム開始からわずか30分程度で、本作のメインは後のアクションパート。この開発メンバーならがっつりデスゲームするだろうと思わせといて裏切る流れは小高さんらしくて嫌いじゃないです。
そもそも、ゲームを買う前の段階でデスゲームものでは無いと気づける伏線が多数張られています。例を挙げると、任天堂の商品紹介ページでアドベンチャーパートの画像や映像をバリバリ見せていたり、パッケージ裏面にも「1200kmを横断する日本各地を巡る旅が始まる」と書かれていてもはや隠す気が無いレベル。
ちなみに、AppleArcade版配信直前までは「デスマーチクラブ」というタイトルでガッツリとデスゲームものに見えるように予告しており、そっち方面で楽しみにしていた人を騙した形となってしまいプチ炎上したみたいです。Switch版はデスゲームものじゃないアピール多めなのはそのせい?
デスゲームを強制的に終了させたガンバレ組は潜水艦を見つけて海底から地上へ脱出することに成功します。しかしたどり着いたのはなぜか鹿児島県、しかもいつの間にか人類が滅亡していたというこれまたトンデモ展開。
人類滅亡は小学生にどうにかできる問題ではないので、とりあえずは学校がある東京まで帰るのを目標として1200kmの道のりをみんなで旅することに。
ここから先はガンバレ組メンバー全員で協力しあいながら話が展開されていくのでノルマゲーム中のギスギス感は微塵もなくなり、仲がいいガンバレ組の様子を見ることができます。
鹿児島から東京へ徒歩1200kmの旅

ゴール地点は東京固定ですが、途中のルートは選択肢によって変更が可能。1回目に福岡・大分、2回目に四国に残るか・残らないか、3回目に大阪・京都の2つから選択肢が出ます。
選んだ選択肢で話の内容やアクション部分のコースやボスが違いますが、最終的に辿り着くストーリーに変化はありません。一部のセリフがルート選択で変わりますがそれぐらいの差。ストーリークリアまでにかかる時間は10時間程度。
後からチャプターセレクトという形で行っていないルートのシナリオも見れるようになるので最初は好きな県を選んで構いませんが、ストーリーを理解したいなら福岡→四国に残る→京都のルートで進むのがオススメ。
ルートによって得られる情報の量に大きな差があって、第1の選択肢で福岡に行かないと今後の展開に関わる伏線が見られなくて山口県で仲間になる雪ちゃんの前ぶりも出てこないしで唐突に仲間が増えたように感じますし・第3の選択肢に至っては京都に行かないと物語の根幹に関わる情報を得られません。
というか大阪ルートは蛇足感がめちゃくちゃ強いです。かに
1回目の東京到着時は乗っていたヘリに隕石が当たってしまうというバッドエンドを見る羽目になります。その後に開放される岐阜ルートを選んで東京にたどり着くと、晴れてトゥルーエンドを見ることができます(ネタバレ)。
ちなみに、直線的に東京まで向かうこともあり東京より北にある北海道や東北はもちろんのこと、山陰や和歌山など通り道にない県は完全にスルーされます。北海道と沖縄はともかく東北にも行けると思ったらまさかのノータッチ…。
ここからはさらにネタバレ増えます。ストーリーの根幹となる部分は隠してますが、苦手な方は注意。
終わってから考えると、1995年というのは何とも微妙な時代設定でした。子どもをターゲットにしたゲームで舞台にするには昔すぎるし、当時に思いを馳せれる大人がやるようなゲーム内容でもないし…かと思えば現代から見てもオーバーテクノロジーな技術も出てきたりするしで約25年前が舞台であることはあんまり生かされていません。
世界の終わりがテーマということでノストラダムスの大予言と物語を絡めてはいますが、恐怖の大王とかの話をしても今の子ども達は知らないと思います。実際に流行った滅亡論を使うにしても2012年のマヤ文明カレンダー辺りの方がワンチャン知っていそう。
とはいえ、二転三転しながら衝撃の設定が明かされる展開の仕方は面白いと感じました。よく考えるとツッコミどころ満載なのですが、細かい所の整合性よりもプレイヤーをいかに驚かせるかに全力を尽くしている感じ。
賛否両論出そうなトンデモ展開だらけのストーリーではありますが、帳尻を合わせるような説明は多少されるので(納得できるかは個人差ありますが)「そういうもんなんだ」と割り切れれば面白いと思います。
個人的にはれいちょが喋らない理由はロボットだったからとか、ポチがいつもゲームしているように見えたのは異世界人(プレイヤー)と交信しつつれいちょの操作をしていたからとか、終盤のバニラを助ける場面ではゲーム中のキャラ(ポチ)とプレイヤーが協力するという形で謎を解くという展開はメタいながら説得力もあって好き。でもれいちょ機械バレ直後のポチが裏切り者扱いされて仲間から手のひらひっくり返したように責められるシーンは納得いかないし好きくないよ。
終盤には答え合わせの如く色んなことが明かされますが、どれも最初のデスゲーム~冒険中からはこんなことになっているとは全くもって予測できませんでした…もっとエグい展開になるかと期待していたのはヒミツ。
最後はちょっとご都合展開を感じるもののガンバレ組が誰も欠けずハッピーエンドで終わるので後味もスッキリ。
ダンガンロンパのようなダークな雰囲気・エグい下ネタや絶望の中の一抹の希望みたいな展開を求めていると全くもって物足りませんが、漫画版のことを考えると王道なストーリーと言えます。少なくとも小学生には遊ばせても安心できる作品になっていると思います。
出てくる下ネタも性的なのはなく小学生レベルのものばかり。男性の大事な所ネタがよく出てくるので下品なゲームではあることは間違いありませんが。
ただ、その下ネタが出てくる頻度がやたらと高く大人の目から見ると笑えないし目にもつきます。歩くロボットに歩行ちんと名付けるなど強引なのもあってクドく感じましたし、女の子であるはずの雪ちゃんがやたら反応するのにも違和感がありました…。
ポケモンにもきんのたまがあったりするので下ネタを全然出すなとは言いませんがさらりと流す程度で抑えて欲しかったです。主人公達は小学生だから仕方ないとはいえ6年生なら下ネタで笑うのも落ち着いていそうですがね…。
アクションゲームとしては微妙な出来

地上に出てからはアクション面の間にイベントが挟まる感じでゲームが進んでいきます。メンバーは選んだルートによって変わりますが大体3〜4人ほど連れて回ります。
一度でも敵の攻撃や体に当たったり落下してしまうとゲームオーバーのオワタ式。見た目に似合わず気を抜くと簡単に死が訪れる意外とシビアなゲームでもあります。
やられても直前からやり直せますし・要求されるアクションの難易度自体も低いのですが、ジャンプなどの動きがモッサリしている上に死に覚えが前提な場面も少なくないことも相まってよく死ねます。海底遊園地でのゲーム以上にデスゲームしてる…。
コースの背景は綺麗で人が急にいなくなったような寂しさと違和感に加えてちょっとノスタルジーを感じる雰囲気は好きです。ただ、それ以上にアクションゲームとしての出来が良くないことの方が印象に残っているのが何とも…。
ボス相手も攻撃が当たれば即死な分パターンは単純、しかし敵の体力が妙に多いしこっちは常にサドンデスモードなので変に心臓に悪いしであんまり楽しめませんでした。
死ぬ度にスローモーションになる→ゲームオーバー演出が挟まるのを見てからでないとリトライできずテンポが悪いのも難点。これに関してはプレイヤーがミスする度にガンバレ組が死んでるんだよ~という何とも悪趣味な演出ではあるとは思いますが、操作レスポンスの悪さで死んだ様な場面も多くイライラさせられることが多かったです。
道中には謎解きのようなギミックもありますが、ほとんどはガンバレ組が個別に持つ特殊能力(れいちょなら物を投げる「一球入魂(ダイリーグボール)」…など)を用いて解くものが多いです。
一見だと任意でメンバーを入れ替えて自分で謎を解いて進めるゲームにも見えるのですが、残念ながら今作はメンバーを任意で入れ替えることができません。そのため、ギミック登場→メンバーチャンジ→特殊能力使用という流れが強制的に行われるのでやらされている感じが強く、謎を解く快感はありませんでした。
道中の死にやすさに対して謎解きのヒントが手取り足取りで丁寧すぎる仕様はチグハグに感じました。個人的な意見ですが、逆パターンの謎解きヒントなし・道中アクションは死ににくい方が好きだったかも。
道中にはシールという収集要素もありますが、クリア後にやれることといえばシール集めのみ。一度トゥルーエンドを見れば十分と思って集めていませんが、シールコンプまで目指しても多分20時間はかからないと思います。
アクションゲームとして一級品のアストラルチェインやエルシャダイの直後に遊んでいることもあって、今作のもっさりアクションは余計しんどく感じました…これでもスマホ版の操作に比べると改善されているらしいので死ににくくなっているとかマジ?
総評:ぶっ飛んだ展開は楽しいが、アクションゲームとしては面白くない
最初のデスゲームパートの心理戦や二転三転するストーリーは結構好きだったのですが、アクションパートは反応性の鈍さ・謎解きの単調さ・初見殺しの多さのせいであんまり面白いとは思えませんでした。アクションのつまらなさがストーリーのテンポを損なっていると感じたレベルだったので、いっそジャンルをADVにして探索とストーリーを読み進めるだけの仕様でも良かったかも。
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